躁鬱の走り書きの中
「君がジェフだね? 私はシャーレの先生だよ、宜しくね。 それとこの子達はゲーム開発部の……」
「お姉ちゃんのモモイで!」
「妹のミドリです」
「そ、そして部長の……ユズ、です」
噂のシャーレが来たと思ったら、ミレニアムのゲーム開発部と共に来たから、ジェフは首を傾げた。
聞けば、これから行く廃墟に隕石があるかもと情報があり、行動を共にしようとなった。
「話は聞いたよジェフ! 私たちゲーム開発部、お姉ちゃん達に任せてよ! 泥舟に乗ったつもりで安心してね!」
「お姉ちゃん、泥舟じゃ沈んじゃうよ」
「み、見つかると良いね……隕石」
「はい。 開発部の皆さんは別の物をお探しで?」
「そうだよ! これからゲーム開発に必要のバイブルを見つけるんだ! それさえ手に入れたら、私たちの将来は安泰だよ!」
「そうなのですか?」
「そうなるといいなって。 ゲーム開発部は廃部の危機なの。 次のお披露目会で実績を残さないと、セミナーの会計に居場所を取られちゃうんだ」
「おのれ魔王ユウカめ! 私たちは屈しない!」
「う、うぅ……部室がなくなったら寮に戻らないといけないけど、でも私は……」
溌剌なモモイ。 お淑やかなミドリ。
猫耳と尻尾の飾りをつけている双子の2人。 そっくりだが名前に合わせるように、それぞれ桃色と緑の服を着ている。 それで見分けられるだろう。
そして気弱な部長の、ユズ。
言動は何処か不安そうだけど、ここは実力主義の側面があるミレニアムだ。 何かしらの専門知識があるからこそ、部長という地位にいるのだろう。 廃部の危機とはいえ侮れない。
そしてそして、噂のシャーレの先生。
唯一のシャーレ顧問にして大人。 ハイテクそうな端末……タブレットを持っている。 武器は無いが生徒を指導、指揮し、統括する能力があるのだとか。
この4人が今回のお供らしい。
手にはそれぞれライフルを持っており、説明で受けたキヴォトスの文化と合致する。
きっとこの先もこうした光景を見るのだろう。
早くに慣れる為にも、今回はチュートリアルといったところか。
先生は気を引き締めるように言う。
「これから行く場所は、本当は立ち入り禁止なんだ。 崩れた建物が多くて危ないからね。 それに、未だ稼働中の警備ロボと思われるオートマタが徘徊している。 戦闘は成る可く避けるけど、やむを得ない時もあると思う。 準備は万全にね」
「分かりました先生。 似たような状況は経験してますので、幾らかは慣れてます……とはいえ、ぼくの銃が、このキヴォトスでも通用すれば良いが」
「変わった拳銃だね! エンジニア部の発明品?」
「銃口がパラボラアンテナになってるね」
「SFゲームに出てくる武器みたい……」
「実弾ではなくビームを照射するんだけど、射程は長くない。 でも弱くはないはず。 不安はあるけど、いざとなったら戦える」
「他にも武器を持ってるんだね! ロケット花火とか、バズーカなんてものまである!」
「ロケット花火? ああ、これはペンシルロケットといって、その20本セットだね。 使い捨てだけど強力だよ。 並大抵の敵なら倒せる威力はあると思う。 スーパーバズーカは繰り返し使えるし、弾着地点周囲にも爆風でダメージを与えられるから強力だよ」
「火力が高そう。 重くない? 少し持つよ?」
「ご心配なく。 慣れてますから」
お互いに物珍しそうにしつつ情報共有。
一時的なパーティメンバーを構築していく。
◇シャーレの先生が仲間になった!
◇ゲーム開発部が仲間になった!
「でも隕石が必要なんて。 ここはミレニアムなんだし、何処かの保管庫や展示品にありそうなんだけどなぁ」
「それがセミナーに問い合わせたところ……どこも譲る気は無いらしく。 貴重な標本の類ですから、仕方ないかと。 やむを得ない状況なら、貸し出しという形で貰えそうなのですが、今は自力で探さないととおもいまして」
「ジェフ君は偉いね」
「うん……勇気もある。 私と違う……」
「皆さんも勇敢に思えます。 皆で力を合わせれば、きっと大丈夫だって思えてきますよ」
年下の男の子にそう言われては、益々張り切らねば無作法というもの……。
そうお姉ちゃんズは決意に満たされた。
その円陣の中、エンジニア部のウタハがジェフに声を掛けた。
「そうだジェフ。 外に出たら私に連絡したまえよ。 記録をつけてあげる」
「おお! ゲームで言うところのセーブだね!」
「ふふ、開発部風に言えばそうなるかな。 とにかく何事にも危険はつきものだ。 無理せず気を付けて行くんだよ。 私達はスペーストンネルの改造、じゃなくて調整をしておこう」
ちょっと、なんか、というか確実に不穏な気配を感じたが、大丈夫だろ。 うん。
ジェフも決意を新たにし、銃を持って1歩を踏み出したのだった!
PK.サヨナラしたらすみません……