もう一度転生してもストーム1だった件   作:一般兵士Z

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……作者君、どうしてこんなに遅れたのかな?

いや、その……

ん?早く言いなよ

仕事とか仕事とかで忙しくて……

うん、仕事が忙しいんだね。なら半殺しで許してあげようか?

いや、半殺しでも死にますって!

そうかい?アルト君はプライマーに半殺しされてもピンピンしてたけどね

それはアルトがおかしいんです!アレはもう人の皮被った化け物なんですよ……!

それ、君が言うかい?

……俺、アイツと同じにされたくないんですけど。それは置いといてAU9,624、お気に入りが58件になりました。ここまで続けてられたのも皆さんのお陰です!これからも応援よろしくお願いします!

それじゃ、どうぞ!!!


19話 決着

「さっさと終わらせるか」

 

俺が豚頭帝(オークロード)に戦闘を仕掛けようとするが後方から飛行音が聞こえる。

 

「「あっ?」」

 

俺とリムルが後ろを向くと、一つの赤い光が此方に迫って来ていた。その光は一瞬でリムルの横を通り過ぎ、鬼人達と豚頭帝(オークロード)の間の地面に激突した。そして煙が晴れ、見えたのは、シルクハットを被りペストマスクのような物を身につけた男だった。

 

「魔人か?」

 

「多分な」

 

俺はリムルの呟きに反応する。

 

「どう言う事だ?このゲルミュッド様の計画を台無しにしやがって!」

 

この男はゲルミュッドと言うらしい。いやゲルミュッドって……。

 

《ゲルミュッドとは……》

 

リグルドの長男に名前を付けたよく分からん奴だったな。

 

《で……です》

 

合ってんのかよ…。まぁつまり、コイツが実質的な黒幕なのかもしれんな。

 

「もう少しで俺の手足となって動く、新しい魔王が誕生したというのに!」

 

「あ…新しい…?」

 

「魔王?」

 

リムルとベニマルが反応する。

 

「そうだ!だから名付けをしまくった!種を蒔きまくったんだ!最強の駒を生み出す為になぁ!」

 

このゲルミュッドの発言に鬼人達は怒りを露わにしていた。

 

「その為に……!」

 

「我らの村にも…!」

 

「来たという事か…!」

 

鬼人達は構える。ゲルミュッドを殺す為に。だがそこに横槍が入る。

 

「おおっ!これはゲルミュッド様!」

 

「あれがガビル様の名付け親の…」

 

「どうしてここに?もしかして我が輩達を助けに…」

 

「役立たずのノロマが!」

 

「「「へ?」」」

 

突然の発言でガビル達は唖然とする。

 

「貴様もさっさと豚頭帝(オークロード)の糧となれ!」

 

「はっ!?」

 

まさか、助けに来てくれたと思っていたらあんな事を言われるとは思わなかったのでガビルは驚く。

 

「あの人、何を言ってるの?」

 

ガビルの部下の一人が疑問に思う。

 

「役に立たない無能の分際で、いつまでも目障りな奴よ!豚頭帝に食われ、力となれ!俺の役に立って死ねるのだ。光栄に思うがいいぞ」

 

「うげっ…げろ…ゲ……ゲル……」

 

ガビルはゲルミュッドにそんな事を言われるとは思わなかったのか、混乱する。そんなガビルを気にもせず豚頭帝(オークロード)に指示を出す。

 

「やれ!豚頭帝(オークロード)!」

 

豚頭帝(オークロード)は動かなかった。

 

「どうした?」

 

「魔王に進化とは、どういう事か?」

 

「チッ…、本当に愚鈍な奴よ……。貴様が魔王、豚頭魔王(オークディザスター)になって、このジュラの森を支配するのだ!それこそが私と、あのお方の望みだ!」

 

あのお方?まさか黒幕は別にいるのか?

 

そう、俺が考えている間も、豚頭帝(オークロード)は動かない。

 

「何をボケっとしている!豚が!はぁ…時間がない。手出しは厳禁だが、俺がやるしかないか…」

 

ゲルミュッドは魔力を手に込める。その標的はガビルだった。

 

「うわっ!ゲ…ゲル……!」

 

「ガビル様!」

 

「お逃げ下され!」

 

「死ねぇ!」

 

ゲルミュッドが魔力弾を放つ。

 

「「「ガビル様!」」」

 

……守りに行ってやるか。

 

部下達がガビルを庇う。その次の瞬間には、ガビルの視界は光に包まれる。攻撃はガビル達に直撃する……筈だった。

 

「伏せとけ!」

 

直撃する瞬間にアルトがガビル達の前に割り込み、グレートシールドを召喚し、一瞬で構え魔力弾を防いだ。

 

間に合って良かったぁ……!んで、賭けのつもりだったがグレートシールドは使えたな。だがフェンサーではないのが原因なのか、魔素の消費が思ったより激しい…。とはいえ別兵科の武器を使える事が分かったのは大きな収穫だったな。

 

そんな事を考えつつ、俺はガビル達に声を掛ける。

 

「お前達、無事か?」

 

ガビル達はこの状況に困惑していたが俺の声に応じる。

 

「あ、あぁ…。我が輩達全員無事だが其方……いや、あなた様は…」

 

「無事なら良い。ほらよ!」

 

俺は収納者から幾つか回復薬を取り出し、ガビルに投げた。ガビルは慌てつつも全ての回復薬をキャッチした。

 

「これは回復薬だ。負傷者がいたら使ってやってくれ」

 

「……分かった。本当に感謝する!」

 

ガビルはアルトに感謝して後ろに下がる。

 

にしてもなんで俺はガビル達を守ったんだ?…ま、気にした所で意味はないか。

 

そんな一方でゲルミュッドは激怒していた。

 

「人間如きが!俺の攻撃を防いだだと!クソが……!ならこれで…!」

 

ゲルミュッドはアルトの方を向き、また魔力を手に込める。

 

「また、魔力弾か?そんな攻撃で俺が死ぬとは到底思わないぞ」

 

「舐めやがって……!貴様が豚頭帝(オークロード)の養分になるがいい!」

 

ゲルミュッドはさっきよりも巨大な魔力弾を上に掲げる。

 

「フハハハッ!!!貴様に上位魔人の教えてやる!死ね!」

 

そして巨大な魔力弾は無数の魔力弾に分裂する。

 

死者之行進演舞(デスマーチダンス)!」

 

無数の魔力弾はアルトを目掛けて放たれる。

 

「ちょ!眩し……!」

 

アルトはそんな事を言いつつもグレートシールドで防御する。そんな状況の中、リムルが間に割り込み、捕食者でゲルミュッドの攻撃を取り込む。取り込み終わると同時にゲルミュッドとアルトは驚く。

 

「はぁ?」

 

「リムル!?」

 

「なぁ、これが全力か?この程度の技でどうやって死ぬんだ?」

 

「き…貴様ら……!」

 

俺はゲルミュッドのことは後回しにしてリムルに問う。

 

「あ〜…、リムルどうして来たんだ?」

 

「…分からないのか?俺とお前は同じ主だ。その片方が見てるだけっていうのは無いだろ?……さて」

 

リムルはアルトに訳を説明すると粘糸を出してゲルミュッドを拘束する。

 

「ああっ!なんなんだ…!これは!?」

 

一応コイツが黒幕で良いのか?……何故かは分からないけど、コイツを一発殴りたくなってきたな。

 

「リムル、コイツを殴っても良いよな?」

 

「あぁ、勿論だ」

 

その言葉を聞いた俺は笑顔でリムルと共にゲルミュッドに近づく。

 

「き…貴様ら…!この上位魔人にこんなこと……グハァッ!」

 

俺とリムルはゲルミュッドの言葉を遮り、腹に一発殴る。

 

「ぐはぁ……、貴様!この俺…グハッ!」

 

次は同じリムルとタイミングで顔面を殴る。その攻撃に耐えられなかったのか、ゲルミュッドを拘束していた粘糸が切れる。

 

「あぁ…うぅっ…!」

 

「上位魔人とか言って、偉そうにしてても大した事は無いんだな」

 

「上位魔人も結局はその程度か」

 

…これ結構楽しいな。

 

「分かった!仲間にしてやろう。俺はいずれ……グハッ!!!」

 

ゲルミュッドの提案をリムルと俺の蹴りで遮った。ゲルミュッドは蹴られたことにより吹っ飛ぶ。

 

「ああっ…はぁ…、キィィ!貴様終わるぞ!あのお方がお前を許さんぞ!」

 

「そのお方の事、詳しく聞かせてくれよ。誰が糸を引いてるのか」

 

俺とリムルはジリジリとゲルミュッドに近づく。

 

「ひぃっ…!やめろ!来るなぁ!」

 

ゲルミュッドは豚頭帝(オークロード)に助けを求める。

 

「おい豚頭帝(オークロード)!俺を助けろ!」

 

「…………腹が減った」

 

豚頭帝(オークロード)にゲルミュッドの言葉は聞こえなかった。

 

「クソが!俺を助けろ豚頭帝(オークロード)!…いやゲルドよ!」

 

豚頭帝(オークロード)はゲルドと呼ばれると、何かを思い出したかのような素振りを見せる。

 

「貴様がさっさと魔王に進化しておれば…!」

 

だが突如として豚頭帝(オークロード)は動き出す。それに対し、鬼人達が身構える。

 

「この屑が、ようやく動いたか。ハハハハッ!コイツの強さを思い知るがいい!やれ、ゲルド!この俺に刃向かった事を後悔させ……」

 

ザギィィン!

 

ゲルミュッドの背後に立った豚頭帝(オークロード)…、いやゲルドが手に持っていた巨大な包丁でゲルミュッドの首を刎ねる。あまりにも衝撃的だったのか、その光景を見ていた全員が驚く。その直後、指示者から報告が入る。

 

《ゲルミュッド、生体反応を停止しました》

 

あぁ、分かっている。

 

俺は指示者にそう返した。一方でゲルドはゲルミュッドの死体を食べ始める。

 

うわぁ……食ってる……。

 

俺が絶句していると、また指示者から報告が入る。

 

《確認しました。豚頭帝(オークロード)、個体名ゲルドの魔素が増大しました。魔王種への進化を開始します》

 

嘘だろ!?アイツを食っただけで?

 

《成功しました。個体名ゲルドは豚頭魔王(オークディザスター)へと進化完了しました》

 

豚頭魔王(オークディザスター)、魔王ゲルド。放置する訳にはいかないよな」

 

「もっと早く倒すべきだったか……」

 

魔王ゲルドは咆哮を上げる。

 

グオォォォ!!!

 

「俺は豚頭魔王(オークディザスター)!この世の全てを食らう者なり!名をゲルド、魔王ゲルドである!」

 

もう簡単に倒せなくなったな。どうしようか?

 

俺がそう考えていると、鬼人達が動き出す。

 

「シオン」

 

「はっ、承知しています」

 

ベニマルの声掛けを受けてシオンが魔王ゲルドに向かって駆け出す。

 

「おい?」

 

「ベニマル?」

 

「ここは俺達にお任せを」

 

俺とリムルはそう言われて、シオンを見る。

 

「薄汚い豚が!魔王だと?」

 

シオンは高く跳躍する。

 

「思い上がるなぁ!!!」

 

シオンは大太刀で攻撃するが、受け止められる。そしてゲルドは包丁で反撃する。

 

「う…!はっ!」

 

シオンはその反撃を何とか受け止め、ゲルドに向かって真正面から突撃する。正面から向かってきているシオンにゲルドは攻撃しようとする。

 

「ふんっ!」

 

ゲルドが攻撃しようとした時、ハクロウが上から魔王ゲルドの首を斬り飛ばす。

 

シャキィィン!

 

やったか!

 

と俺が思った矢先、ゲルドは自身の頭を抱えて動き出す。その直後体の切断面から触手らしき物が伸び、頭を首に付けて再生する。

 

「マジかよ……、流石魔王と言ったところか……」

 

俺はそんな事を呟く。そしてゲルドの背後にいたソウエイが糸で繭のように包み込む。

 

操糸妖縛陣(そうしようばくじん)

 

「うう……」

 

魔王ゲルドはこの状況に戸惑う。

 

「やれ!ベニマル!」

 

「これでも食らってな!」

 

ソウエイの言葉を聞いたベニマルが黒炎獄(ヘルフレア)をゲルドに叩き込む。

 

「ワオォォン!!!」

 

ランガが咆哮を上げるとゲルドの頭上に雷が落ちる。だが、それによりランガは魔素切れを起こす。

 

「魔素切れか?」

 

リムルが問う。

 

「面目ありません」

 

「俺の影に潜ってろ」

 

「はっ」

 

ランガはリムルの影に潜る。俺はそれを横目にゲルドを見る。

 

「何っ!?」

 

ベニマルが驚く。

 

「「「あっ…!」」」

 

ベニマルに続いて他の鬼人達も驚く。そんな中、煙が晴れる。ゲルドは焦げている部分もあるが無事だった。

 

「まさか!」

 

「生きてるのか…!」

 

俺とリムルも驚く。そしてゲルドは自身の体の状況を見る。

 

「これが痛みか…」

 

「嘘だろ…!?」

 

リムルは余程の事だったのか、驚愕していた。

 

「王よ。この身を御身と共に」

 

一体の豚頭将軍(オークジェネラル)がゲルドに跪く。

 

「うむ」

 

ゲルドは豚頭将軍(オークジェネラル)を食い始める。それによって緑のオーラが発生し、魔王ゲルドを包み込む。

 

「自己再生と回復魔法か」

 

リムルが呟く。

 

これ、俺と相性最悪じゃないか?再生はいいとして、回復されるのは想定外だ。ゲルドの回復量が俺の武器の火力を上回ったら…もう、お終いだな。

 

「足りぬ…!もっとだ!もっと大量に…食わせろ!」

 

傷が回復したゲルドはゲルミュッドが使った死者之行進演舞(デスマーチダンス)に似た魔力弾を放つ。だがリムルが捕食者で魔力弾を吸収する。

 

確か、捕食者だっけな?便利すぎるな。というかまたリムルが戦おうとしてない?俺が戦う!……何故かって?そうじゃないと無能な主になってしまう気がするからな!

 

俺は戦おうとするリムルを制止する。

 

「待ってくれリムル。取り敢えず俺が戦っていいか?」

 

「え?まぁ、いいけど…大丈夫か?」

 

リムルは心配した顔で俺を見つめる。

 

「あぁ、相性最悪だけど、大丈夫だ!それに俺が倒せなくてもリムルが倒してくれる、だろ?」

 

「そうだけどさ…」

 

もしかして俺のこと信用してない感じ?ちょっとショック……。いや、相性最悪って言ったらそうもなるか。

 

「そう心配すんなって。大人しく俺のことを信じて待ってくれ。もし無理そうだったらお前を呼ぶからさ。……でもあんま俺に期待すんなよ?」

 

よし、ここでゲルドを倒してリムル達に俺が強いってことを見せてやる!……いや、倒せるかこれ?

 

俺はスローターEZの弾をリロードしながらゲルドに近づく。

 

どう戦おうか…。いくらスローターでも至近距離か、一定の距離は近づかなければ意味がない。はぁ…別の武器を使えば良かったんだが、スプライトフォールとゲルミュッドの攻撃を防ぐのに思ったより魔素を消費したからな……。だけどやるだけやってみるか。

 

俺は一度深呼吸しスローターEZを構える。

 

「食らい尽くせ!混沌喰(カオスイーター)!」

 

ゲルドは混沌喰(カオスイーター)を放ち、俺を攻撃する。

 

動きは速いが単純と言ったところか?

 

俺は混沌喰(カオスイーター)を容易く回避しつつ、ゲルドに高速で接近する。ゲルドに接近した俺は至近距離でゲルドの左腕を狙いスローターEZを撃つ。

 

バシュ!

 

「なんだと!?」

 

射撃とほぼ同時にゲルドの左腕に散弾が直撃し破裂する。

 

至近距離とは言え脆いな。……っとコイツを投げるのを忘れる所だった。ほらよ!

 

俺は腕の再生を阻害する為にM9テルミット弾を腕の断面に投擲する。M9テルミット弾が当たると一気にゲルドの腕が燃え上がる。

 

よし、これで片腕は再生できないはずだ。

 

そのまま、次弾を装填しゲルドを撃つ。ゲルドは足元の包丁を持ち防御するが弾丸が貫通する。

 

「馬鹿なっ!?」

 

弾丸は包丁を貫通するとほぼ同時にゲルドの脇腹を抉り取る。ゲルドは包丁を捨て、後ろに下がる。

 

「どうした?魔王もその程度か?」

 

俺はゲルドを煽る。だがゲルドは俺の言葉を無視して、テルミット弾に燃やされ続ける左腕を引き千切る。そしてすぐ、ゲルドは黄緑色のオーラを放出する。それにより左腕や脇腹を再生させる。

 

「今こそ、お前を食ってやろうぞ!」

 

ゲルドは死者之行進演舞(デスマーチダンス)を発動しようとする。

 

「俺を食っても美味しくないぞ?」

 

俺は即座にゲルドの両手を狙い、スローターEZの引き金を二度引く。

 

バシュ!バシュ!

 

「ぐぅ!」

 

死者之行進演舞(デスマーチダンス)の発動を阻止し、ゲルドの両手どころか両腕を粉砕する。

 

どうせまた腕は再生されるだろ?いや、まさかここまで泥沼な戦いをすることになるとは思わなかった……。もう魔素切れ覚悟でライサンダーZを使うか。指示者頼む。

 

《了。しかしライサンダーZで狙撃出来たとしても魔王ゲルドを撃破できる確率は1%以下、使用可能な弾薬は最大でも二発です》

 

だろうな。もう少し魔素があればなCA90爆弾とか使えたんだけど……。無い物ねだりしても仕方ないか。

 

俺はゲルドから一歩引いて離れる。そしてスローターEZを放り捨て、召喚したライサンダーZに持ち替える。

 

「これでも前世よりはずっとマシなんだよな」

 

俺は軽く息を吐き、ゲルドの頭部に狙いを定める。だがゲルドは直感的に嫌な予感がしたので回避行動を取る。

 

パキィィン!

 

だが高速で撃ち出された弾丸は命中しゲルドの頭部の9割が消し飛ぶ。ところがすぐにゲルドは頭部を再生させる。

 

「フッ、貴様が何をしようと俺には……」

 

パキィィン!

 

「グハッ……!」

 

俺はライサンダーZで頭部の次に腹部を狙撃する。ゲルドの腹に穴を空けることに成功するが、徐々に再生される。

 

「これが最後の一発…。しかも魔素切れ、本当に相性が悪いな…」

 

後はリムルに任せるか。これでも前世は英雄だったんだけどな…。まったくこんなところを軍曹達に見られたら絶対に笑われるな。

 

俺は後ろに下がる。そしてリムルの方を向き言った。

 

「リムル、カッコつけてなんだけどさ……魔素切れ起こしたから、後は任せて良いか?」

 

「ん?まだ余裕がありそうだけど、もういいのか?」

 

確かに肉弾戦でやり合えるけどさ……意味ないよな。

 

「あぁ、これ以上無理にやっても体力の無駄だからな」

 

「分かった。それじゃ俺に任せてくれ」

 

「じゃ、頼んだ!」

 

「おう任せろ!」

 

俺とリムルはハイタッチする。そしてリムルはゲルドに近づく。

 

「アルトが世話になったな。だからこそ最初から本気でお前の相手をしてやるよ!」

 

「フハハッ!笑止、貴様が本気を出した所で俺の敵ではない!」

 

ゲルドは近づいてくるリムルを掴み取る。

 

「どうした?本気で相手をするのではないのか?このまま食らってくれるわ!」

 

「お前に食われる前に俺がお前を食ってやるよ。俺はスライムだ」

 

リムルはスライムになり、ゲルドの体に纏わりつく。

 

「なっ!きっ貴様ァ!」

 

「食うのはお前の専売特許じゃねぇんだよ。お前が俺を食うのが先か、俺がお前を食うのが先か。相手を食い尽くしたほうが勝ちだ!」

 

「ぐうっ!グワァァァ!」

 

ゲルドは呻き声を上げつつも懸命にリムルの体を溶かすがそれを上書きするかのようにリムルは更に多くのスライムを纏わせる。

 

最初からリムルだけで良かったんじゃないか?

 

俺がそう悲観してる間にリムルが完全にゲルドを包み込んでしまう。そして次の瞬間、俺は枯れ果てヒビ割れた大地に立っていた。

 

ここは何処だ?……というかリムルもいるな。

 

「アルト!?なんでここに……」

 

それはこっちのセリフなんだけどな。

 

「さぁな、俺には分からん。…それよりも今はこの状況を気にした方が良いぞ」

 

「…そうだな」

 

そんな事を話していると近くで誰かの泣き声が聞こえてくる。

 

俺達はその泣き声の方向へ向かう。そこには痩せこけたオークの子供達と名無しの頃のゲルドがいた。

 

ゲルドは腹を空かして泣いているオークの子供達に自身の片腕を千切って与える。

 

だがそれを心配する側近はやめるように説得する。しかしゲルドは納得しない。ゲルドはジュラの森に恵みを分けて貰うため森へ向かうが道半ばで倒れる。

 

そんなゲルドにゲルミュッドがやってきて食事と名をやる……そんな光景が見えた。

 

そうか…。ゲルドは自らの同胞を守り切るために…。

 

俺がそう考え込んでいると後ろからゲルドの声が聞こえてくる。

 

「あの方は教えてくれた。豚頭帝(オークロード)となった俺が食えば飢餓者(ウエルモノ)の支配下にあるものは死なない。邪悪な企みの駒にされていたようだが賭けるしかなかった。だから俺は喰わなければならない。お前がなんでも喰うスライムだとしても俺は喰われるわけにはいかない」

 

「喰い合いは俺に分がある。お前は負ける」

 

リムルがそう言うがゲルドは負けられない理由があった。

 

「俺は他の魔物を喰い荒らした。ゲルミュッド様を喰った。同胞すら喰った。同胞は飢えている。俺は負けるわけにはいかない…。」

 

「この世は弱肉強食。お前は負けたんだ。だからお前は死ぬ」

 

「俺は負ける訳にはいかない。俺が死んだら同胞が罪を背負う。俺は罪深くともよい。皆が飢えることのないように、俺がこの世の飢えを引き受けるのだ…!」

 

「それでもお前は死ぬ。だが安心しろ。俺がお前の罪も同胞の罪も全て喰ってやるから」

 

はぁ…マジで言ってるのか?…でもリムルらしいな。だったら俺も何か出来ることを…。

 

「俺と同胞の罪を……。だが…」

 

「俺が…いや俺達がお前の同胞のことを護ってみせる」

 

俺にできる事はこれぐらいしかないけどな。

 

「罪を喰うだけでなく……同胞を護るか…。フッ、お前たちは欲張りだ」

 

俺は違う気がするけどそういうことにしておくか。

 

「魔王ゲルド、安心して眠ってくれ」

 

「強欲な者達よ…。俺の罪を喰らう者……同胞を護ると誓った者よ……。感謝する…俺の飢えは今…満たされた…」

 

《確認しました。豚頭魔王(オークディザスター)消失》

 

魔王ゲルドが倒されたことにより飢餓者(ウエルモノ)の効果も消滅。オークの侵攻はこの時点を持って終了した。

 

そして今、俺とリムルは気分転換も兼ねて湿地帯が見晴らせる丘に来ていた。そこに鬼人達がやってくる。

 

「終わったな」

 

「はっ」

 

「確か、豚頭帝(オークロード)を討ち滅ぼしたら自由にしてもらっても良いという約束だったな。今までご苦労だった」

 

少しの沈黙の後、ベニマルが口を開く。

 

「…リムル様、アルト様。お願いがございます」

 

「なんだ?」

 

「どした?」

 

「何卒、我らの忠誠をお受け取り下さい。我ら、これからもリムル様とアルト様にお仕えいたします」

 

「いいのか?」

 

「マジ?」

 

「異論はござらぬ」

 

「あなた様に会えて自分たちは幸運であります」

 

「フフフッ!」

 

シオンはリムルを抱きしめる。

 

「私はリムル様とアルト様の秘書兼護衛ですよ。絶対に離れませんからね!」

 

好感度高くない?

 

「我らの命果てるまで!」

 

「う…うん」

 

「…じゃ、じゃあこれからもよろしくな」

 

「「「「はい!」」」」




ついにタグがオリ主最強からオリ主最強(笑)になってしまったね!

やったね!

やったね!じゃないんだけど。これが仮にアルト君にバレたらどうするつもりかい?

でもアルトだから許されるかなって!というかこの場所がアルトにバレる訳もないし、実力で捻じ伏せたら良いから……。まぁそんな訳で次回も楽しみに!

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