!20260208_現在、グローバル版未実装のオパールが出てくるので注意!
それではどうぞ。
暗闇は安らぎだった。
洞窟の奥深く、光の届かない場所で僕は一人、静かに息をしていた。
ここなら誰も僕を見ない。
誰も僕の醜い姿を目にすることはない。
黒曜石の鋭い破片が体のあちこちから突き出ている僕を誰も憐れむことはない。
孤独感に胸が締め付けられる日もあるけれど、
このちっぽけな黒曜石が誰かを傷つけることもない。
それでいい。それがいい。
「キデオン先輩ー!いますかー!?」
ふいに、洞窟の入り口から元気な声が響いた。
明るく、弾むようなまるで小鳥のさえずりのような透き通る声。
僕は思わず体を縮めた。
序列を降りここに移り住んでからも
たまに僕を訪ねる者もいるけれど、そんなに多くはない。
初めて聞く明るくて陽気な声にうぅんと声を漏らしてしまう。
「絶対にいるって聞いたんですからー!お邪魔しますねー!えへ~」
その声の主は、まったく遠慮なく洞窟の中へと入ってきた。パタパタと軽快な足音が洞窟を反響する。そして---
[あ!見つけました!ギデオン先輩!」
光が差し込んだ。小さな、柔らかな、でもとても明るい光。
「っ…!」
僕は思わず目を覆った。オパールの持った傘から反射した光が僕の視界を遮る。光は痛い、体が拒絶する…。
「あっ、ごめんなさい!でも真っ暗だと危ないですから…ちょっとだけ我慢してください!」
比較的、夜目が効く竜族でも此処は暗すぎるとジェイドに指摘を受けたこともあるっけと思い出しながら、僕はゆっくりと目を開ける。
そこにいたのは、小さな竜族だった。オパールの輝きを宿した、きらきらと光を反射する肌。
水の揺らめきのような瞳が好奇心いっぱいに輝いている。僕よりもさらに小さく、幼さの残る姿。
「はじめまして!私、オパールです!よろしくお願いします!ギデオン先輩!」
オパールその名前は聞いたことがあった。新世代の竜族の一人、ネティが掘り返したまだ若く、生まれて間もない…いや少しは成長したのだろうか。
ジェイドから「最近、みんなと友達になろうと必死な子がいる」と聞いたことがある。
「,,,どうして、ここに?」
僕の声はかすれていた。ひさしぶりに誰かと話すせいだろうか?
「先輩に会いに来たんです!ジェイド先輩が『ギデオン先輩は洞窟に住んでいる竜族だよ』って教えてくださったので!」
ジェイド…あの真面目な竜が、なぜこの子に僕のことを…。
「一人で住んでいるなんて寂しいですよね!?だからお友達になりに来ました!えへ~」
オパールの笑顔はまぶしかった。純粋で疑いを知らない笑顔。
まるで太陽のような---いや、太陽よりも暖かい笑顔。
「お友達…」
「はい!私、新しいお友達を作るのが大好きなんです!それに先輩の竜族の方々とお話しするのも大好きで!」
オパールは青い双眸を輝かせながら言った。
「この前、ルード先輩とシルフィル先輩に会いにいったんですよ!二人とも優しくて、いろいろなお話を聞かせてくれました!」
「…うん」
「だから、ギデオン先輩とも仲良くなりたいなって!それに…]
オパールは少し表情を曇らせた。
「ひとりでずっと暗いところにいるなんて…寂しくないですか?」
その言葉に、僕は胸が締め付けられた。
「僕は…一人のほうが落ち着くんだ」
「でも、お友達がいたら、もっと楽しいですよ!」
「…」
どう答えればいいのかわからなかった。
「ねぇ、先輩!外に出ましょうよ!明るいところでみんなと一緒に!」
「無理だよ…」
僕は静かにうつむきながら答えた。
「僕は…暗いところがいいんだ。外は明るすぎる…。それに…」
僕は自分の体を見下ろした。包帯だらけの腕、黒曜石の破片が覗く腕。
「僕は…醜いから。外に出て、みんなに会うべきじゃないんだ。」
「醜い?」
オパールは首を傾げた。まるで言葉の意味が全く理解できないとでも言うように。
「ギデオン先輩が醜いなんて、そんなことないです!全然!ちっとも!」
「…君には、わからない…」
僕は相手を傷つけないように静かに息を吐いた。
「君は、オパール。美しく輝く宝石、キラキラしていて、華やかで……
……でも僕は…黒曜石だ。ただのガラス。宝石ですらない。竜族として…価値がない…」
「価値がないなんて!」
オパールは強く反論した。そのきれいな瞳には迷いは一切なかった。
「そんなことないです!ギデオン先輩はとっても素敵です!黒曜石だって、すごくきれいなんですから!」
「君は…優しいな」
「優しいんじゃなくて、ほんとのことを言ってるんです!」
オパールは頬を膨らませた。
「それに私、この前パーティーを開いたんです!みんなを招待して、楽しんでもらおうと思って!」
「パーティー…?」
「はい!飾りつけをして、お料理も用意して、みんなにあったプレゼントも考えて…すっごく頑張ったんです!えへ~」
オパールは嬉しそうに言った。
「でも、最初は…ちょっと失敗しちゃって…」
その表情が少しだけ曇った。そして突然、ぽろぽろと涙がこぼれ始めた。
「う、うええええん…!みんな、あんまり楽しんでくれなくて…私、なにかまちがえちゃったのかなって…」
「あっ、あの...」
僕は慌てた。泣いている子を慰めるのは苦手だから。
「だけど…、教主様とジェイド先輩が助けてくれて最後にはみんなパーティーを楽しんでくれたんです!」
オパールは涙をぬぐいながら、突然顔を上げた。もう涙は止まっていた。
「今度はギデオン先輩も招待して、ちゃんとしたパーティーを開きたいんです!ギデオン先輩も来てください!」
その切り替えの早さに、僕は少しあっけにとられた。
「…君の気持ちは、うれしい。でも僕は…」
「大丈夫です!先輩が『醜い』って思っているなら、私がキレイに飾りつけちゃいます!」
「飾りつけ...?」
「そうです!パーティーの準備は得意なんです!飾りつけだってお任せください!えへ~」
オパールは胸を張った。
「そうしたら、先輩も外に出られますよね?」
「いや、そういう問題じゃ...」
「決まりですね!明日、材料を持ってきますから!待っててくださいね!」
そういって、オパールは元気よく飛び出していった。
ただ、呆然とその背中を見送るしかなかった。
ギデオンの生き方がめちゃくちゃ自分に刺さるので、投稿...
たまに公式が解釈違いを起こすけれど。
宴会場の怒りかたを見ていて、この性格はそんな短気じゃないとおもうけどなぁ…