廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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『これまでのまとめ』

心の中に現れたアヌの言葉。

そしてエルヴィンからショウの誕生をきっかけに氷河期が終わったと告げられる。

それらを受けて自分の出自について調べる為にイシュタラの国を出たショウは81区27番地に戻ってきた。

それからミネルバの召喚を下げて偵察に出すために出した忍者の『マスク』影丸、彼を呼び出す際にショウはある実験をした。

それは呼び出す際にショウが頭で何かをイメージすると、呼び出された『マスク』の心や設定にどう影響するのかを見るというもの。

結果はショウの仮説通りだった。

呼び出しの際にショウの頭の中で描いたイメージが、呼び出された『マスク』のキャラ設定に大きく影響を及ぼしたのだ。

そして27番地北部のMNOというカプセルににあるイシュタラの秘密基地にてショウはニュースエージェントの店主から貰った『トキメキパラダイス』を読んだ後に再びミネルバを呼び出す。

そうして現れたミネルバは誰もがときめいてしまう様な可憐な少女となっていた。

そしてショウとミネルバはイシュタラの秘密基地で開かれていた『会議』へ呼び出される。

それは81区西部地区の長達という錚々(そうそう)たるメンバーとイシュタラ達で開かれていた。

その中の代表的な存在が伊勢神宮のある24番地の長、竹田氏であった。

彼は氷河期になって凍結した伊勢神宮を再建し守るために24番地に奠都(てんと)した天皇の名代として24番地を治めている。

そんな彼がショウとミネルバを会議の場に呼び出したのはバアルからミネルバの回復魔法の事を聞いたからであった。

『加護』により不老不死の体を持つという時の天皇は27年前の元旦に突然意識を失って紫色に輝く雷いかづちが龍の如く舞い降りてある赤ん坊の中へ消えるという夢を見た。

それを境に氷河期は終わりを告げる。

しかし、天皇はそれから病に倒れて次第に弱っていったというのだ。

イ特特殊攻撃部隊『D』のリーダー剛本の尽力によりイシュタラの国の神殿議会長ヤムの人間殲滅作戦を中止することになり、その休戦協定の受諾の調印式に臨席できない程に弱ってしまった天皇に回復魔法を試みたい。

それが竹田がショウ達を呼んだ理由であった。

しかし、ナノマシーン適合者でない者にナノマシーンとティアマトの相互作用で生み出されたゲームの具現化の一部である『魔法』がナノマシーン適合者でない人間にどの様な影響を及ぼすかわからない為に竹田が自ら実験台になる事を申し出た。

最初は断っていたショウだが竹田自身も何度も『天誅』と呼ばれる襲撃に遭いもはや全身機械の半アンドロイドである事を告げてようやくショウの了解を得た。

しかしそのすぐ後、バアル達からバアルやアナトは実は旧宮家の末裔であると知らされるとショウは完全に混乱してしまった。




17話 純情

 

ドキドキ

 

ドキドキ

 

ドキドキ

 

ショウの鼓動は高鳴っていた。

 

まるで情熱的なロックのビートを刻むように。

 

まるで空気を突き抜けるツーストローク単気筒エンジンの力強い重低音サウンドの様に。

 

そしてその音はドキドキからドッドッドッへと変わっていく。

 

それはテクノやトランスミュージックの打ち込みドラムのサウンドにも似た響きに思えた。

 

 

 

 

 

作詞&作曲:他守ショウ

 

ドキ、ドキ、ドキドキトキメキキラキラー(ハイ!)

 

キャッチしたハートはハードロックなドキドキ

 

花咲かせようトキメキの花を

 

揺れる心に涙がポロリ

 

出合い溢れる学園生活

 

トキ、メキ、トキトキメキメキ 

 

ドキ、マギ、ドキドキしちゃうね

 

スキスキスキスキ

 

それが私のトキパラ!

 

純情ジュンジュントキメキメキトキ

 

トキメキパラダイスー!♪(ララララララ)

 

 

ショウ:ラララ。。。。。。。。ラ?

 

ハッとして我に返るショウ。

 

ショウ:お、俺は一体何を考えてるんだ!?

 

ショウ:思い切り心の中で熱唱してしまった。。。

 

そして恐る恐る後ろを振り返ると恥ずかしそうにしているミネルバがいる。

 

ミネルバ→ショウ:わたくし、ショウくんのその歌。。。

 

ショウはギクリとする。

 

ショウ:ヤバ!!き、聞かれた!?

 

ミネルバはクスリと笑う。

 

凍りつくショウ。

 

ショウ:絶対聞かれたよこれ!!(涙)

 

思わず赤面してしまう。

 

そして様子がおかしいショウにアナトも気がつく。

 

アナト「どうした?汗がビッショリだぞ?そこまで気にしなくても大丈夫だぞ?」 

 

竹田「すいません、ご負担をおかけするのは承知しているのですが事が事だけに。。。」

 

そう、ここはこれ以上ないというぐらい真面目な会議の場。

 

そこに集まる錚々たる面々はショウに注目している。

 

ショウ「え?あ?いや、あれ?あ、あれですね!回復魔法ですよね?」

 

ショウはこの真剣な会議の場で自分は何て不謹慎なんだろうと思うと恥ずかしさと申し訳なさでさっき迄のモヤモヤからようやく解放された。

 

何かもう何でもやってやれという気になってきたのだ。

 

ショウ:あー!俺は何てアホなんだ!しっかりしろ!だいたい純情ジュンジュントキメキメキトキってなんだよ!?恥ずかし過ぎるだろ!

 

そう思うと顔をぺちぺちと叩いてシャキッとさせる。

 

竹田「大丈夫ですか?お願いしても。。。」

 

ショウ「は、はい。だ、大丈夫なんです!ホントに!」

 

アナト「?」

 

ショウ「そ、それではまず、レベルの低い回復魔法から試していきます。それが大丈夫だったら少しずつ魔法のレベルを上げていきましょう。」

 

竹田「お任せします。」

 

ショウは一度深呼吸をして呼吸を整えるとようやく真顔になった。

 

ショウ:。。。よし、大丈夫だ。少し落ち着いた。

 

ショウ「ミネルバ、キュアⅠだ。頼めるか?」

 

ミネルバ「あ、はい。いつでも宜しいですわ。」

 

ミネルバもショウの心に触れたせいか影響されて気持ちを切り替えて心構えが出来た様子だ。

 

因みにショウももちろん回復魔法は使える。

 

しかしわざわざミネルバを指名で呼ばれたのでそれに配慮した。

 

また、何かあった時にミネルバに詠唱を任せた方がショウ自身の対応が早いからというのもあってここはミネルバに回復魔法を任せたのだ。

 

ショウ:よし、俺は冷静だ。うん。でも。。。

 

ショウはミネルバを見る。

 

今回のミネルバはいつもと少し様子が違う。

 

あの腹の立つ様な気高さも落ち着き放った度胸も今は見えない。

 

むしろ可憐で触れると壊れてしまいそうな何とも守りたくなる様なそんな『少女』だ。

 

ショウ:任せても大丈夫だよな。。。?

 

知らない場所で知らない人達に囲まれて大役を任されたミネルバは明らかに緊張していた。

 

ミネルバ「ショウくん。。。怖いけど。。。わたくし、やってみますわ。」

 

ショウは慌ててミネルバに近づくと耳元で小さく強く囁く。

 

ショウ「ショウくんって呼んじゃダメ!!」

 

アナト:?

 

アナト:ショウ君?

 

アナトがキョトンとした顔でミネルバを見つめる。

 

アナト:ミネルバ。。。?また雰囲気が変わったのか?

 

アナト:今。。。ショウ君って聞えた様な気がしたが。。。?将軍の間違いじゃないよな。。。?

 

そんな訳があるか。

 

どこからともなくツッコミが聞こえて来る様だ。

 

ミネルバ「ダメなんですか?。。。わたくし。。。何かショウくんの嫌な事をしましたか?。。。」

 

泣きそうになりながら心配そうにショウを見るミネルバにショウは慌てふためく。

 

ショウ「い、いや!お前は何にも悪くない!だ、大丈夫だ!やっぱりショウくんでいいよ!うん!」

 

ショウにそう言われるとパァッと表情が明るくなるミネルバ。

 

ショウ:あぁもう!そんな顔するなよぉ。。。何でも許しちゃうじゃないかぁ!

 

この光景がまた二人を知る者からすれば不自然に映る。

 

アナト:何だ。。。?あの二人、何かあったのか。。。?

 

恥ずかしそうに見つめ合うショウとミネルバを見ながらアナトの心は思いがけず動揺していた。

 

アナト:何だ?この気持ちは。。。?よく分からないが不愉快だ。。。

 

アナト:なぜ。。。。?

 

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