廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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21話 密室

トントンぐるり

 

トントンぐるり

 

トントンぐるり

 

トントンぐるり

 

トントンマルのその不気味な動作に引き込まれるようにエアバニーの意識は吸い込まれて現実と非現実の境界があやふやな物となる。

 

目が見えている様な見えていない様な起きている様な眠っている様なそんな状態になった。

 

それでもエアバニーはブルブルッと頭を振ってなんとか正気を保とうとする。

 

しかし気がつくと、目の前の風景はさっきまでいたエアバニー達のイ特の課長室ではなくなっていた。

 

エアバニー:幻覚。。。?いや、幻術か。。。?

 

突然現れたその部屋は、四方がただ白く窓のない壁で囲まれている。

 

それどころか入り口すらも見当たらない。

 

そんな10畳ほどのその洋室は冷たく無機質なビルといった感じでもなく、清潔感があり床もきれいなフローリングでマンションの一室の様な雰囲気だ。

 

その部屋の中央にはスタイリッシュで座り心地の良さそうな青いビジネスチェアが1脚置かれている。

 

そこに一人の女がゆったりと座りその前で一人の男が膝をついて服従の姿勢を見せている。

 

二人が何か話し込んでいるのが分かる。

 

そして次第に視界も鮮明になり始め、声もクリアに聞こえてくるとエアバニーはその光景に驚嘆した。

 

ひざまずくその一人はエアバニーのよく見知った男だったのだ。

 

エアバニー「ナム?ナムなのか!?」

 

声をかけるが二人にはエアバニーの存在が分からないらしくエアバニーの呼びかけが聞こえる様子もない。

 

椅子に座る女はナムにゆったりと語りかける。

 

女「いいわ。これでサークルアンデッドの施設消失の失態のいくらかは水に流してあげる。」

 

ナムの表情が恐怖に震えているのが分かる。

 

ナム「はっ。ありがとうございます。」

 

女「それにしてもあの剛本とかいう子、要注意ね。既にティアマトのオーラを覚醒しているわ。私と同等か、或いは。。。」

 

ナム「まさかそこまでは。。。既に剛本の心は折れかかっております。」

 

女「それでもせっかく貴方がばらまいてくれたナノマシーンウィルスも彼に無力化されてしまったわ。」

 

ナム「はい、それも例のクローンの成体が関与しているものかと。」

 

女「ああ、彼ね。。。それで?彼の所在は掴めているの?」

 

ナム「はい。バアルとアナトと共に81区に戻ったとの事です。」

 

女「そう、居場所が掴めていればいいわ。彼は大切な器よ。時期が来るまではこのまま。。。」

 

女は何かを言いかけたが右手を少し上げてナムの方へ向けると黙りこんだ。

 

そして次の瞬間、エアバニーの方を赤く光る目でギロリと睨んだ。

 

エアバニーは背筋が凍る様な恐怖を覚えると、たちまち体が硬直して動かなくなった。

 

エアバニー:これは、まるで。。。

 

女「虫が一匹入り込んだ様ね。チカラの波動が小さ過ぎて気が付かなかったわ。」

 

女がニヤリとするのが見えた次の瞬間、エアバニーの視界は壊れたモニターの様に映像が乱れて真っ暗になった。

 

気が付くと目の前に何事も無かったかのようにトントンマルがおすわりしている。

 

エアバニーはしばらく呆けたようにボーッとしていたがハッとして我に返る。

 

エアバニー「い、今のは。。。?」

 

サスケ→エアバニー:トントンマルが見せたのはトントンマルの相棒のカツタロウが命と引き換えに入手した情報です。

 

エアバニー→サスケ:命と引き換えに?じゃあさっきのは。。。

 

トントンマル→エアバニー:彼女の最後の思念だ。。。

 

エアバニー:カツタロウなのにメスなのか。。。

 

トントンマル→エアバニー:ウィルスは奴がばらまいたと言っていた。

 

エアバニー→全員:イ特の力を削いで剛本の無力化を狙っている。

 

エアバニー:ということは、奴が次に狙うのは。。。!

 

エアバニー「まずい!すぐに行くぞ!お前等ついて来い!」

 

 

 

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