廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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24話 隔離病棟の中で

剛本→エアバニー:どうかしましたか?

 

エアバニーは剛本の落ち着いた、それでいてどこか凄みのあるその言葉にギクリとした。

 

エアバニー:小町の事を正直に話すべきか?

 

エアバニーは喉をゴクリと鳴らし額には汗を滲ませている。

 

それ程に剛本から受ける「圧力」は強かったのだ。

 

勿論、剛本が意図的に威圧している訳ではない。

 

それは熊や虎に出くわした人間がそうである様に、到底敵わない絶対的強者の前で畏縮する生き物としての本能であった。

 

ピリピリとしてそれでいて重い空気がエアバニーの周りをまとわり付くように覆っているみたいにエアバニーは感じていた。

 

エアバニー→剛本:。。。落ち着いて聞け。

 

剛本→エアバニー:。。。はい。

 

剛本は明らかにうろたえているエアバニーを不審に思っていた。

 

そこに、剛本自身一番恐れていた言葉が発せられる。

 

エアバニー→剛本:何者かに小町が狙われた可能性がある。

 

剛本「な、何だと!?」

 

エアバニー→剛本:声に出すな。そいつの狙いは恐らくお前だ。小町はお前の心を折る為に狙われたと俺は見ている。

 

剛本:な、なんて事だ。。。

 

剛本「一体誰に!?」

 

その声と同時に一度収まっていた赤色のオーラが一気に剛本の体から溢れ出る。

 

そしてその赤く光るオーラは剛本の周りをつむじ風のように激しく回転し始めた。

 

エアバニー→剛本:落ち着け!今サスケを小町の所に隠密で向かわせてる!報告を待つんだ!

 

剛本はその言葉にハッとして隔離施設の方を見る。

 

すると職員達が後ずさりしているのが見えた。

 

目の前の建物の硬い鉄筋コンクリート壁や窓の強化ガラスが剛本のオーラに触れるとまるで角砂糖が熱い紅茶に溶けるかのように簡単に消し飛んでいるからだ。

 

普通の人間がそれに触れれば為す術もなく砕け散るであろう事は明らかだ。

 

彼らの目には恐怖の色が見て取れた。

 

エアバニー:なんて高圧なオーラだ。。。これが覚醒者の力か。。。まるであのアナトじゃねーか。。。

 

勿論、エアバニーにこれをどうにかするだけのチカラはない。

 

エアバニー:赤色覚醒でこれならあの他守という青年の力は一体どれ程の。。。

 

剛本「隊長、答えて下さい!一体誰が小町を!?もしかしてそもそも小町が発病したのも俺のせいで。。。?」

 

エアバニー→剛本:それは分からない、小町が最初の感染者な事は確かだが彼女の発病からイ特内でクラスターが起きるまでの過程がどうも不自然だったんだ。

 

エアバニー→剛本:だからこうして確かめに来た。

 

剛本「不自然って何がです!?」

 

エアバニー→剛本:俺が思うに小町自身は偶然感染した可能性が高い。だがクラスターは奴らがそれに便乗してイ特内でウイルスをばら撒き、イ特を封じ込めようとして人為的に起こしたのだろう。

 

エアバニー→剛本:しかし、その後、敵はお前の計画と赤色覚醒の事を知り、心理作戦でお前を無力化する手段に出た。

 

エアバニー→剛本:俺はそう見ている。

 

エアバニー→サスケ:小町はどうだ?どうにか蘇生できないか?

 

サスケ→エアバニー:そんな無茶を言われても。。。ウイルスのせいで拙者近づく事すらできないでござる。

 

エアバニー→サスケ:医者は何をしている!?ナースコールは!?

 

サスケ→エアバニー:それがおかしいのでござる。地下には誰もいないしナースコールのボタンも見当たらないのでござる。

 

エアバニー→サスケ:なんだと!?

 

サスケ→エアバニー:人影もなく殺風景でまるで霊安室の様でござる。

 

エアバニー:。。。手遅れなのか?

 

エアバニー:クソッ!一体どうすれば!?

 

剛本「今サスケから何か連絡がありましたね?」

 

エアバニー「な?なんで?」

 

剛本「そのぐらい分かります。言って下さい。何があったんですか?」

 

エアバニーは言葉につまる。

 

エアバニー「それは。。。」

 

剛本「。。。隊長!」

 

エアバニー「今はまだなんとも。。。分からないから調べているんだ。」

 

するとその言葉でエアバニーが事実を答えないと見た剛本は即座にその場から消えた。

 

いや、その姿がオーラに包まれてその後どうなったのか周りにわからないまま姿が見えなくなったと言ったほうが正確だった。

 

しかし周りから見れば消えたように見えたのだ。

 

エアバニー「おい!ちょっと待て!」

 

次の瞬間、剛本はサスケの気配を辿って無理やり地下を押し通って小町のいる部屋の前まで来ていた。

 

 

サスケ「ご、剛本氏(ごうもとうじ)?オヌシどうしてここに?」

 

剛本「サスケ、聞かせてくれ!小町に何があったんだ!?」

 

サスケ「大変でござる!小町殿の心臓が動いてないみたいなのでござる!拙者じゃこれ以上小町殿に近づくことすら出来ず困っていたでござる!」

 

ハッとする剛本。

 

剛本「そんな。。。小町の心臓が!?まさか!?」

 

よろめきながら壁をオーラで砕いて小町の部屋に入ると眠ったように見える小町がベッドの上で横たわっていた。

 

酷くやつれているのがわかるがその顔は死んでいる様には見えなかった。

 

呼吸もなく心臓も動いていない。

 

しかし、ウイルスに侵食された後もわずかに残ったナノマシーンがなんとか彼女の命の炎を繋ぎ止めているのが剛本には分かった。

 

エアバニーの言葉が剛本の脳裏によぎる。

 

「そいつの狙いは恐らくお前だ。小町はお前の心を折る為に狙われたんだ。」

 

剛本:俺のせいだ。。。

 

剛本「俺の。。。」

 

サスケ「剛本氏(ごうもとうじ)。。。」

 

剛本「サスケ、俺が戻るまで小町を守ってくれないか?」

 

サスケ「構わないでござるがここはかえって危ないかもしれぬでござる。」

 

剛本「小町を匿うのにどこか安全な場所はないか?」

 

サスケ「。。。ひとつ、あるでござる。」

 

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