廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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29話 白い魔法

エルヴィン「随分かっこいいTATTOOだね!特にその猫がいいよ!」

 

サスケ「ありがとう、喋るネコ君。君も素敵でござるよベイビー。」

 

エルヴィン「オイラ、エルヴィンって言うんだ。君もオイラが見えるんだね。ヨロシク!」

 

サスケ「こちらこそヨロシク!で、ござるよ!」

 

ウフフフと微笑みあうエルヴィンとサスケに他の人々はついて行けなかった。

 

エアバニー:何だよこれ。。。?

 

サスケ「隊長上(たいちょううえ)、警察官がこんなTATTOOだらけではいけませんか?」

 

サスケは振り向きもせずエアバニーに話しかけてきた。

 

エアバニーは少し面食らったが真面目に答えた。

 

エアバニー「いや、慣習はともかくこの区にそんな法律はないし俺はそんなことでお前を差別したりしない。」

 

サスケ「サンキュー隊長上(たいちょううえ)、拙者一生付いていくござる。」

 

と返すサスケにエアバニーは呆れ顔だ。

 

エアバニー:あんな事をしておいてよくそういう事が言えるな。。。

 

そこに、遂に業を煮やした剛本が口を開いた。

 

剛本「申し訳ないが俺たちには時間がない。先に用を済ませても宜しいですか?」

 

エアバニー「あ、あぁ。そうだったな、悪かった。」

 

エアバニー:なんかすっかりサスケにやられちまったが。。。丸く収まったし。。。ま、いっか。。。なんか腹立つけど。。。

 

エアバニーはサスケのホクホク顔にイラッとしながらもため息をついて諦めた様子。

 

剛本「サスケ、影の世界へ俺と他守達を案内してくれ。」

 

サスケ「OK承知したでござるよ剛本ベイビー!」

 

エアバニー:いや、もうその不自然な忍者ロックンローラーはもういいって。。。

 

エアバニーのそんな気持ちを知る由もなく、サスケが印を結ぶとそのサスケ本人とエアバニーを除いた他の全員がサスケの『影』の中へと引き込まれた。

 

サスケ「グッドラック!武道館で会おうぜでござる。」

 

そして影の中へと入っていく人々にはかすかに「ニンニーン!」という叫び声が聞こえた。

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

『影の世界』

 

 

ショウ「うわわわわわ!?なんだコレ!?」

 

サスケの影の世界は暗く、逆に足元の本来影の部分が明るく外の世界が鏡写しのように見えている。

 

しかし、影の外の世界にショウ達はいない。

 

外から見れば本人の姿はなく、ショウ達の影だけがそこにあるのだ。

 

そして影の世界のこちら側に来たショウ達はその世界の中にあって不自然に鮮やかだ。

 

エアバニーやサスケ達はこの影の世界には入らなかったのでここではただ立体的な『影』として存在しているのみでまるで実態がないかの様に無機質にそこにいるだけだった。

 

ミネルバは不安げにショウの服の端を掴んで寄り添っている。

 

そんな中、剛本だけが慌ただしく辺りを見渡す。

 

剛本「サスケ!小町はどこだ!?」

 

剛本が大きな声でそう聞くとどこからかサスケの声がする。

 

サスケ「こっちの部屋にベッドごと運んでおいたでござるよ。」

 

するとサスケを型取った影がある部屋の方に歩き始める。

 

言われるがままついていく。

 

そしてサスケの影がその部屋の扉を開くと同時に小町の姿が剛本達の視界に飛び込んできた。

 

その姿はまるで眠っているだけの様で、肌には血色があり、とても長時間呼吸もなく心臓も止まっているようには見えなかった。

 

ショウ「なぁ、剛本。」

 

剛本「何だ?」

 

ショウ「彼女、どのぐらいの間心臓が動いてないんだ?」

 

剛本「分からない。俺が見つけた時には既に。。。それからでももう30分以上は経っているはずだ。」

 

ショウ「そうか、とにかく急いでやってみよう。」

 

剛本「すまん、宜しく頼む。」

 

ショウは頷く。

 

ミネルバ「あの、私(わたくし)がやった方が宜しいでしょうか?」

 

ショウ「いや、ここは俺がやるよ。ミネルバはその後に彼女を介抱してやってくれ。」

 

ミネルバ「分かりましたわ。」

 

ショウ「剛本、とりあえず何が原因か分からないから解毒や状態異常の回復も含めて順番にかけていく。どの魔法も異常が無ければ無害のはずだ。」

 

剛本「。。。今はお前にすがるしかない。任せる。」

 

ショウ「ミネルバ、変な反応が起きてないか彼女のステータスをよく見張っていてくれ。女性のステータスを見るのは女性の方がいいからね。」

 

ミネルバ「はい。お優しいのですね。」

 

そう言ってミネルバがにっこりとすると何か甘いポワポワとした雰囲気になりかけたがショウはブルブルと振り払って自分を正気に戻した。

 

ショウ:危ね。。。またトキメキが再発するところだった。。。恐るべし『トキメキバラダイス』

 

そんなことを考えながらもようやくショウは小町の横たわるベッドの前に一歩出るとさっそく魔法詠唱ポーズを取った。

 

するとショウの足元に白い魔法陣が現れてこの暗い『影』の世界を明るく照らし始める。

 

ゴオォッという音と共に舞うように手を振りかざしショウは叫ぶ。

 

ショウ「エスヒール!」

 

これはステータス異常を回復する魔法だ。

 

休む間もなくショウはさらに続けて魔法を連呼する。

 

ショウ「ディスポイズン!ディスカース!ディスペトリファイ!」

 

これはそれぞれ解毒、呪い解除、麻痺石化解除の魔法だ。

 

ショウがそれらの魔法を発動すると様々な魔法陣が現れては効果を発動して小町の体の中へと消えていった。

 

ショウ「ミネルバ!どうだ。。?」

 

ミネルバ「パーティーを組んでいる訳ではないので細かいステータス異常は分かりませんが恐らくこの魔法では効果がなさそうですわ。」

 

ショウ:ふーむ、もしかしてファーストアドベンチャー18で言うところの『戦闘不能』状態なのか?

 

ショウ「分かった。じゃあ次は蘇生を試してみる。」

 

剛本:蘇生魔法。。。例の他守が生き返ったというやつか。。。

 

そして他守はまた魔法詠唱ポーズに入る。

 

すると先程とは比較にならない大きな白い魔法陣が現れてこれまた他の魔法とは比べ物にならない程の長い長い詠唱が始まった。

 

ゴオオオオッという効果音がこだまして魔法陣から光と風が吹き上げる中、ショウは聞き取れても意味のわからない謎の呪文を自動的に唱え続ける。

 

そしてようやくそれが唱え終わるとまた舞うようにポーズを取って魔法は発動される。

 

ショウ「リザレクション!」

 

その言葉と共に小町の体は光輝きながらフワリと宙に浮き上がった。

 

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