廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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30話 消滅

キラキラとした光がその場を包み込むと、その光の中で小町の体は、なおいっそうの輝きを放った。

 

そして、まるで天使たちに抱き上げられるようにその体が宙に浮かび上がると、ゆっくりと上体を起こして足を下にし、両手を軽く広げてそのままふわふわと宙に留まった。

 

風もないのに服がはためいて、まるで下から風が吹き上げているかの様に見える。

 

そして小町の目がゆっくりと開くと、そのままフワリと地面に舞い降りた。

 

まだ意識のおぼつかない様子のその視線は真っ先に剛本を捉える。

 

小町「剛(つよし)さん。。。?」

 

剛本はそのあまりに美しく神秘的なその光景に心を奪われてしまっていたが小町に声をかけられてようやく我に帰る。

 

剛本「こ。。。まち?なのか。。。?」

 

小町が頷くと剛本の目から自然に大粒の涙が溢れ出した。

 

小町はそれを見ると嬉しそうにくすりと笑顔を見せる。

 

小町「わたし、剛(つよし)さんの夢を見たよ。」

 

剛本「。。。うん。。。俺もだ。」

 

小町「泣かないで。」

 

剛本「泣いてない。。。」

 

剛本はそう言いながらも顔をクシャクシャにして号泣していた。

 

しかし次の瞬間、思いもよらぬ事が起きる。

 

小町が急に苦しみ始めたのだ。

 

ショウは何かを感じてハッとする。

 

ショウ「いけない!!」

 

剛本「何だ!?」

 

その場の全員がショウの体が青く光ったのを見た気がしたその瞬間、それと同時に小町の体は大爆発を起こした。

 

まばたきする暇もない程のあっという間の出来事だった。

 

全てが光に包まれて消し飛んでいった。

その衝撃は凄まじく、サスケの生み出した影の世界は勿論のことながら影の外であるエアバニーの住むマンションの建物とその周辺までもが一瞬で粉々に吹き飛んでしまった。

 

辺りに立ち込める煙は凄まじくエアバニーも一体何が起きたのか全く分からなかった。

 

ただひとつ分かる事は、突然の爆発とそれと共に数十メートルは落下したという事だけである。

 

さしものエアバニーとサスケの両名もその爆発と地面に叩きつけられた衝撃で意識を失っていた。

 

しばらくして煙がおさまると後に残った残骸の中からボロボロになったエアバニーがようやく起き上がる。

 

エアバニー「ゲホゲホ!な、何だ今のは!?」

 

エアバニー「サスケ!?おい!?無事か!?」

 

エアバニーは立ち上がって周りを見渡すが四方に半径100メートル程の建物がすっかりなくなって瓦礫と化している。

 

そして辺りは不気味なほど静かだ。

 

エアバニー「クソ!?何なんだ!?何が起こったんだ!?」

 

しばらくして瓦礫の中からサスケも這い出してくる。

 

サスケ「あいたたた。。。ひどい目にあったでござる。。。」

 

エアバニー「サスケ!おいっ!無事か!?」

 

足場の悪い瓦礫の上を軽やかに飛び越えてエアバニーはサスケの元へ来るとサスケに肩を貸して立ち上がらせた。

 

サスケ「隊長上(たいちょううえ)、これは一体何事でござるか?」

 

エアバニー「俺にも分からねえ。。。お前も分からないのか。。。」

 

サスケ「拙者にも何が何だか。。。」

 

そう言いかけたがその時サスケはハッとした。

 

サスケ「これは。。。」

 

エアバニー「どうした!?」

 

サスケ「拙者の影の世界が消滅しているでござる。。。」

 

エアバニー「何!?剛本達に何かあったのか!?」

 

サスケ「いや。。。それは拙者にも。。。」

 

エアバニー「。。。そうか。」

 

エアバニーが残念そうな顔を見せたその時だった。

 

空から美しい青い光が差し込めて来たのだ。

 

エアバニー「上?」

 

見上げるとそれはまるで青い太陽の様に輝いている。

 

そしてゆっくりと地上に降りて来ているのが分かった。

 

エアバニー「な、何だ?何だか分からないがとてつもないチカラを感じるぞ?」

 

サスケ「。。。神?。。。でござるか?」

 

エアバニー「まさかな。。。」

 

その青い光はエアバニー達のすぐ目の前までゆっくりと舞い降りる。

 

すると、その光の玉の中に多数の人影があるのが分かった。

 

それはショウ達と吹き飛んだ建物にいた人々だった。

 

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