廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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32話 融合

少女「アチシの事、わかんないの?」

 

剛本「いや。。。会ったことないと思うが。。。?」

 

少女「オオアリだよ。」

 

剛本「え?」

 

少女「?」

 

剛本「変わった名前だな。。。オオアリなんて虫みたいな奴、俺は知らないぞ?」

 

少女「ちがーう!会ったこと大ありだよって言ったの!」

 

少女は顔を真っ赤にして怒ったが剛本はさも迷惑そうにため息をつくと

 

剛本「悪いが暇じゃないんだ。人違いだから俺に構わないでくれよ。な?」

 

少女「もう、ツヨシさんたら!」

 

剛本「そのツヨシさんって言うのやめてくれないか?神経に触る。」

 

剛本「もう俺に関わるな。向こうへ行ってろ。」

 

剛本がさも面倒くさいといった感じその猫耳の少女を突き放す様にあしらうとその少女は顔を真っ赤にしてプリプリと膨れてしまった。

 

少女「なによもう!ツヨシさんなんか知らない!」

 

しかし、その様子を見ていたショウはミネルバに目配せをするとお互い確かめ合うようにこそこそと話を始める。

 

ショウ「なぁ、あれって。。。だよな?」

 

ミネルバ「はい、このオーラの感じはは。。。」

 

言葉足らずだったが二人の言わんとしている事は同じだった。

 

ミネルバの目を見てそれを確信したショウはようやくその少女に話しかけてみた。

 

ショウ「君、ひょっとして。。。」

 

ショウの声に少女は頭の耳をピンと立てる。

 

少女「ふふふ。どっちだと思う?」

 

ショウ「どっちっていうか。。。両方?」

 

少女「ふふふ。なかなか鋭いね!」

 

少女はなぜか少し嬉しそうだ。

 

少女「他守君!君、なかなか見る目あるよ!さすがって感じ!」

 

ショウ「はぁ、どうも。。。でもどうやって。。。?」

 

少女「さあね?でも君なら誰だかは分かるよね?」

 

少女はなぜか常に上から目線だ。

 

そんな少女に腹を立てるでもなくショウは恐る恐るうなずいた。

 

そしてショウ達のそんなやりとりに不審な表情の剛本だったが次のショウの一言で表情が変わった。

 

ショウ「小町さん。。。ですよね?」

 

少女「そうよ、正解!」

 

少女は得意げに拍手をしたがそれを聞いて剛本はあ然とした。

 

剛本「はぁ?なっ何を!?」

 

剛本「このチンチクリンのどこが小町だって言うんだ!?ふざけるな!」

 

少女「ツヨシさん!チンチクリンとは何よ!?」

 

ショウ「あ、いや。。。それが。。。」

 

剛本「それが何だ!?」

 

ショウ「いや、それだけじゃないんだ。。。」

 

剛本「それだけじゃない?どういう事だ!?」

 

ショウはチラリと少女を見る。

 

すると剛本もその視線を追って少女を見た。

 

その視線の先にいる少女は不服そうな表情で剛本を見つめている。

 

そのあどけない顔にはそう、確かに小町の面影があった。

 

それに気がついた剛本は少しはっとして

 

剛本「。。。いや、そんなまさか。。。?」

 

ショウ「それから君はエルヴィンでもあるよね?」

 

少女はニコリとして

 

少女「大正解よ。」

 

ショウ「君は小町さんだけど、エルヴィンのオーラも感じる。何か合わさったみたいな。。。変な感じだ。」

 

ミネルバもうなずきながら少女を見ている。

 

ミネルバ「本当に不思議。。。」

 

少女「そうよ。アチシ達は融合したの。」

 

ショウ「融合ってそんな。。。一体どうやって?」

 

少女「分かんないけど、最初にアチシが猫になった時もこんな風に猫と融合して助かったの。。。」

 

少女「あの時の感じと似てる。。。」

 

ショウ「じゃあ小町さんとエルヴィンは。。。」

 

少女「どっちもアチシ。存在が曖昧なエルヴィンと消えゆく存在の小町が重なり合ってひとつになったのよ。お互いを補いあってやっと存在してるの。」

 

ミネルバ「存在が曖昧。。。」

 

ミネルバはその言葉になぜか胸を刺された様な痛みを覚えた。

 

ショウ「ミネルバ?」

 

ミネルバ「いえ、何でもありませんわ。」

 

しかし剛本は全く納得がいかない。

 

突然、獣人の様な見知らぬ女の子が現れて自分の愛する人だと言われても受け入れられるはずがなかった。

 

剛本「ふざけるな!そんな話。。。信じられるか!」

 

剛本は少女達に背を向けて黙り込んでしまった。

 

少女「ツヨシさん。。。」

 

しばらく沈黙が続く。

 

と、その後

 

少女「これからはアチシのことは、『コマチン』と呼んでね。」

 

剛本「よ、呼べるかーー!!」

 

 

空気の読めないコマチンであった。

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