廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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33話 コマチン

コマチン「まぁ、そういう訳だからよろしくね!」

 

剛本「話はわかったがちょっと。。。少し。。。時間をくれないか。。。?頭が混乱して。。。」

 

剛本はコマチンに話を聞くうちに、小町しか知り得ない事をコマチンが知っていることから、ようやくコマチンの中に小町が存在していることを理解した。

 

とはいえそんなことを直ぐに受け入れられるはずもなく、只々狼狽える剛本にコマチンは優しく、そして明るく語り続けた。

 

コマチン「ツヨシさん、エルヴィンがいなかったらアチシは本当に死んでいたわ。だから、誰も責めないで。」

 

剛本「あ、あぁ。。。しかし、何か元に戻す方法はないのか?このままずっとこれじゃぁ。。。」

 

コマチン「わからないわ。。。でも、今は自分のやるべき事をしなくちゃ。でしょ?」

 

剛本「それはそうだが。。。」

 

コマチン「大丈夫!なんとかなるわ!アチシは特別なんだから!」

 

剛本:やっぱり何かアイツが混じってるな。。。

 

ショウ「まぁ、彼女もそう言ってるし、取り敢えず俺達は一旦27番地 MNOの秘密基地に戻るよ。あっちで皆さんをこのまま待たせたままにはできないしね。」

 

剛本「あ、ああ。。。しかし落ち着いたら小町の事も手伝ってくれないか?」

 

ショウ「ああ、もちろんだ。俺もこのままじゃ後味が悪いしね。」

 

剛本「そうか。。。感謝する。」

 

ショウと剛本はここへ来て初めてなんとなく心が通じた気がした。

 

ショウ「コマチン?だっけ?送ってくれるよね?エルヴィンの力は使える?」

 

コマチン「モチロンよ。ええ、わかったわ。さ、ミネルバも近くに来て。」

 

ミネルバがコマチンの近くのショウの元へ寄り添うとコマチンは白く輝き始めた。

 

コマチン「ツヨシさん。あなたはあなたの道を全うしてね。」

 

剛本はゆっくりとうなずく。

 

コマチンはそれを見ると安心したかのような表情を見せながら白い光の中へ消えていった。

 

コマチン「ツヨシさん。あなたも特別だから。」

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

そして

 

小町の爆発と共に近隣の区画が崩壊した件は、仔細が謎のまま怪事件として81区内で大ニュースとなった。

 

区中がその事件で大騒ぎの中、ショウは竹田氏と共に24番地にある伊勢京の御所へと向かっていた。

 

時の天皇へ拝謁する為である。

 

そこは平安時代の絵巻の中のような雅な世界だった。

 

建物も人々の衣服も道行く人々の言葉づかいもすべてが他のカプセルのそれとは一線を画していた。

 

道路は一見舗装されていない土の道に見えるがよく見ると全く砂ぼこりが立っていない。

 

固くも柔らかくもないなんとも踏み心地の良い素材で舗装されている。

 

高い建造物といえばカプセルの入り口にあった巨大な石質の鳥居ぐらいで他にはビルの様な空に伸びる建物は一切見当たらない。

 

平安の世の都を思わせる町並みは平坦でゆったりとした気品と風格のある景観で見るものの目に大変心地が良い。

 

慌ただしいという言葉とは縁遠い、まるで時間そのものが外界とは違う刻み方をしているかの様だ。

 

道に人影は少なく、時折牛車が遠くの方からゆっくりと往来するのが見える。

 

その中の一つの牛車の内側にショウとミネルバ、そして竹田氏とアナトの姿があった。

 

もうそれに乗ってから随分と経つというのにソワソワと落ち着かない様子のショウ。

 

ショウ「。。。な、なんか緊張してきました。」

 

竹田氏「天子様は寛大なお方です。どうかお気を楽にして下さい。」

 

アナト「私もお会いするのは初めてだ。」

 

見ればアナトもどことなく緊張している様に見える。

 

ミネルバはというと、不安そうな表情でショウの隣に座っているが引っ付いたりはしていない。

 

その微妙な距離感がショウのトキメキ心をくすぐっていたが、心が惑わされそうになるたびにアナトを見て、はっと我に返るのである。

 

そうしてゆっくりと牛車は御所の門をくぐり抜けて宮中へ入っていった。

 

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