廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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41話 辞世の句

ショウの中のアヌの意識が一瞬途切れた。

 

そして、異変はすぐに表れた。

 

竹田『何だ!?何が起こった!?』

 

気づけばアヌの目の前にショウが虚ろな目をしてフラフラと立っているのだ。

 

竹田『何をした!?何故俺がそこにいる!?この体は何だ!?』

 

竹田「貴方は私の中にいます。」

 

これは竹田が竹田の口から声を発しているのだ。

 

竹田『これはどういう事だ!?』

 

それに対してこれはアヌが竹田の口から声を発している。

 

それを見たアナトはうまく状況が掴めない。

 

アナト:いったい何が。。。?

 

竹田の見た目がどんどんファーストアドベンチャー18のキャラクターである『tamori』になっていく。

 

逆にショウはみるみる縮んで少年のような容姿になっていく。

 

そしてついには完全に元の人間の姿となって倒れ込んだ。

 

アナト「他守!!」

 

アナトは倒れたショウに駆け寄るがミネルバは呆けたように立ち尽くしている。

 

竹田→アヌ:これが私の能力、相手の精神と力を抜き取って自分と融合するチカラ。

 

竹田『な、なんだと!?』

 

今度はアヌの心の中で竹田の声がする。

 

竹田→アヌ:と言っても貴方は私より格上なので他守君の『一部の能力』しか奪えませんでしたが。

 

竹田『一部だと!?まさか。。。!?』

 

竹田→アヌ:そうです。ゲームの姿を具現化した能力のみです。

 

竹田→アヌ:そして私には貴方を制御しきることもこのまま精神を押し殺す事もできない。

 

竹田→アヌ:ですのでこのまま貴方と共に自爆させて頂きます。

 

竹田『何を言っている!?くそ!体の自由が効かない!!』

 

竹田の中で暴れるアヌを必死に抑えているのか竹田の表情は苦しそうだ。

 

竹田「少しの間、大人しくして頂きますよ。」

 

そしてtamoriの姿をしたそれは一瞬、光仁天皇に目配せをした。

 

光仁天皇「すまない。。。竹田、後は任せよ。」

 

コマチン「そうか、そういうことか!」

 

アナト「どういう事だ!?」

 

コマチン「あっちのtamoriって書いてある方がアヌよ!そしてこっちのちっさいのがアヌの抜けた他守ショウよ!」

 

アナト:ちっさいの。。。

 

アナト「どういう事?意味がわからない!」

 

光仁天皇「アナト、これが朕が用意していた切り札じゃ。相手の精神と能力を抜き取る竹田の特別な能力ぞ。」

 

光仁天皇「とは言えそう長くは抑えられぬ。竹田はこのまま前もって用意した強力な結界内で自爆する。」

 

アナト「なっ!?」

 

竹田「これでいいのです。皆さん退避してください。」

 

竹田『ふ、ふざけるな!そんなことでこの俺が倒せると思うな!』

 

竹田「例え完全に倒せなくとも弱らせて封じ込めれば時間が稼げます。残った皆が私の死から学び、成長して対策する為の時間が。」

 

竹田『どんなに成長しようとこの俺には及ばん!無駄なことはよせ!』

 

竹田「皆さん、後のことはお任せします。私は一足先に逝かせて頂きます。」

 

竹田はそう言うと静かに膝を付いて腰を下ろした。

 

竹田「身はたとへ 露に消えにし 我が身とて 君が世にこそ 永久に眠らん」

 

そうつぶやくと光仁天皇に向けてゆっくりと頭を下げた。

 

光仁天皇の目には頭を下げる竹田の姿が涙で霞んで見えていた。

 

光仁天皇「しかと。。。しかと受け取った。」

 

竹田「お急ぎを!」

 

光仁天皇「うむ。。。」

 

光仁天皇「コマチンよ、予定より少し人数が多い。皆を飛ばすのを手伝ってくれるか?」

 

コマチンは黙って頷(うなず)くと少し笑顔を見せた。

 

光仁天皇「頼むぞ。」

 

コマチン「みんな!アチシに捕まって!脱出するよ!アナトはそのちっこい他守を連れてきて。」

 

アナト「わ、分かった。。。」

 

アナトは戸惑いながらも元の姿となったショウを抱えてコマチンに駆け寄る。

 

水に入るかの様に地中に潜っていたビビアンも地面から現れてコマチンに捕まった。

 

アナト「ミネルバ!お前も来い!」

 

しかしミネルバは動かない。

 

光仁天皇「彼女は朕が連れて行こう。さぁ、急げ!」

 

竹田『おい!何をする気だ!?』

 

竹田『くそ!上手く力が出せん!待て!!それは俺の体だ!!絶対に渡さんぞ!!』

 

竹田『待て!!おい!!』

 

竹田の中のアヌが叫ぶ中、コマチン達と光仁天皇はそれぞれのオーラの光に包まれて消えていった。

 

後に残ったのは竹田とその周りを囲む様に集まった半アンドロイドの公家達だった。

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