廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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44話 ミネルバの容態

ショウ「アナトはどう思う?」

 

アナト「そうだな。。。」

 

アナト「つまり、ティアマトの力が宇宙の根源の力だとすると加護はそこから派生したいくつかの力の一つというと。。。かな?」

 

光仁天皇「ふむ、まあ、その様に考えてよい。」

 

ショウ「な、なるほど。。。」

 

ショウ「。。。で?」

 

アナト「で?」

 

ショウ「つまりどういうこと?」

 

アナト「。。。わかった。お前はもう考えるな。」

 

ショウ「え?」

 

アナト「今、大切なのは消えた魔法の力の事だろう?」

 

ショウ「あ、そうか!忘れてた!そうだよ!それだ!」

 

アナト「。。。忘れてただと?」

 

アナトは呆れた表情でショウを見ている。

 

ショウ:うっ!痛い。。。痛すぎるよその視線。。。

 

刺さる様な冷たいその視線に危険を感じたショウは思わず話を戻す。

 

ショウ「そ、それで、俺は。。。どうしたらいいんでしょう?ねっ?」

 

光仁天皇は、少し悩んだような表情を見せたがやがて何か納得したように語り始める。

 

光仁天皇「他守(たもり)よ。」

 

ショウ「は、はい。」

 

光仁天皇「そなたは竹田がそなたからあの者の存在を抜き取った事を憂いておるのか?」

 

ショウ「いえ。。。正直、あのアヌっていう奴がこの体を乗っ取ろうとしてたのは分かってたんで。。。」

 

光仁天皇「そうか。。。」

 

ショウ「それでも、魔法が使えなくなったのは、やっぱ。。。不安です。ミネルバの事もどうすればいいのか。。。」

 

光仁天皇「ミネルバはこの御所に隣接した診療所で保護しておる。」

 

ショウ「え?ミネルバに会えますか?」

 

光仁天皇「もちろんじゃ。」

 

光仁天皇「まずはミネルバに会うてみよ。ミネルバがそなた自身の力で生み出された器に宿った魂であるならば、そなたがミネルバに接触する事で器が修復できるやもしれぬ。そうすればあるいは『魂』も。。。」

 

ショウ「俺に何ができるのか、正直わからないけど、会ってやれるだけのことはやってみたいです。」

 

光仁天皇「うむ。それが良いであろう。」

 

 

そして、ショウとアナトはミネルバの元へ向かうこととなった。

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

診療所

 

そこは、まるで江戸時代さながらの「診療所」の体(てい)を成していた。

 

木造風の和室に設けられた近代的なカプセルの中にミネルバは息することなく眠っていた。

 

かと言って死んでいるという風でもなく、血色は良い。

 

まるで、時間が停止しているかのように止まっているのだ。

 

ショウ「どうやって開けるんだ?これ?」

 

ショウが戸惑っていると、診療所の医師なのか白い装束(しょうぞく)をまとった人物が装置のボタンを押してそのカプセルのフタを開いてくれた。

 

プシューっと言う音がして中からは冷気が溢れ出る。

 

その中からまるで眠っているかのようなミネルバが姿を見せる。

 

ショウ「ミネルバ!おい?」

 

ミネルバにそっと触れてみるがまるで造形物の様に冷たく、硬い。

 

ショウ:硬い。。。

 

ショウ「一体どうすれば。。。?」

 

アナト「。。。他守、ティアマトのオーラだ。」

 

ショウ「え?」

 

アナト「ティアマトのオーラを出せるか?彼女を生み出したのはティアマトのチカラだ。お前の青く覚醒したオーラならあるいは。。。」

 

ショウ「わ、分った。やってみる。」

 

ショウは、目を閉じる。

 

そして集中した。

 

これまでのミネルバの事を想いながら、自分の奥底にあるティアマトのチカラに語りかけた。

 

ショウ:頼む、ミネルバを救ってやってくれ!

 

すると、自分の中の奥底から青い炎の様なものを感じ始めた。

 

それは、今までのように荒々しいものではなく、暖かく優しいもののように感じられた。

 

ショウの体から静かに青いオーラが溢れ始める。

 

アナト「そうだ。それでいい。そのままそのオーラでミネルバを包んでみろ。」

 

ショウは目を開くとミネルバをじっと見つめて、少し緊張したようにうなずいた。

 

青いオーラはゆっくりとミネルバを包む。

 

それをアナトも少し緊張した様子で見守った。

 

ミネルバの体が少し浮かんで完全に青いオーラに覆われると、ミネルバの体から『硬さ』が消えた。

 

そしてしばらくすると、ミネルバの指先がピクリと動いた。

 

ショウ「ミネルバ?」

 

ミネルバはゆっくりと瞳を開ける。

 

ミネルバ「ここ、は?」

 

ハッとしてショウを見るがその表情は困惑している。

 

ゲームのキャラクターでなくなった本来のショウが誰だか分からないのだ。

 

ミネルバ「あ、あなたは誰?それにアナト?わたくしは一体なぜこの様な所に?」

 

ショウ「ミネルバ!」

 

ショウは思わずミネルバの手を取って喜んだ。

 

ミネルバ「な、なんですの!?ちょっと!無礼者!?」

 

ミネルバの意識は戻ったショウが誰だか分からなくて嫌悪感をあらわにした。

 

アナトは「そのちっこいのは他守だ。」

 

ミネルバ「はぁ?まさか?一体どういう事ですの?ちょっと、その手を離してくださいませ。」

 

ショウ「え?あ、ゴメン!嬉しくてつい。。。」

 

ミネルバはショウをまじまじと見るも、やはり何か納得のいかない様子。

 

ショウ「アナト、ちっこいのって言うのは失礼だぞ!?」

 

アナト「そうか?じゃあ何といえばいい?」

 

ショウ「え?た、例えば?そうだな、イケメンボーイ?」

 

アナトは呆れ顔でショウの頭をポンポンとする。

 

アナト「分った分った、とっつあん坊や。」

 

ショウ「余計に失礼じゃねーか!」

 

アナト「そうか?ぴったりじゃないか?」

 

アナトは少し楽しそうだ。

 

ショウも言葉の割に別にまんざらでもなさそうな様子。

 

ミネルバ「な、なんですの?このモヤモヤした感じ。。。」

 

ショウとアナトが仲良さそうにやり合っているのを見てミネルバの中に変化が生まれた。

 

ミネルバ「この感じ。。あなた、本当にtamori?。。。なんですの?」

 

 

 

 

 

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