廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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45話 武道館

青い稲妻の様な光がカプセルの分厚い外壁を突き抜けて轟音と共にある『家』に落ちた。

 

屋根には大きな穴が開いている。

 

そしてその『落雷』の先には古いくるみ割り人形がバチバチと青い光を放ちながら倒れていた。

 

そしてそれはムクリと起き上がる。

 

くるみ割り人形「クソッ!またコレを使う羽目になるとはな。。。」

 

くるみ割り人形「奴をここにおびき寄せてコレに封印する筈がとんだ誤算だ。」

 

そして、青かったくるみ割り人形のオーラは次第に紫色に変化する。

 

くるみ割り人形「だが、まぁ今回は直接魂が入った分、前よりも使い勝手はよさそうだ。」

 

くるみ割り人形は、そう言って手足の動きを確認した。

 

くるみ割り人形「それに、エンリル達の居場所も掴んだ。まずはエンリルを回収してエンキと合流するとしよう。『実体』を取り戻すのはそれからでも遅くはない。」

 

くるみ割り人形「少々予定は狂ったが、久しぶりの家族団らんといこうじゃないか。」

 

そう言うと、くるみ割り人形はそのまま空の彼方に飛んで行ってしまった。

 

破壊された家の表札には『三浦シャア』と並んで『他守ショウ』という名前があった。

 

そう、ここはショウが祖父と暮らした家である。

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

ミネルバを復活させたショウ達は、御所に戻ると次に魔法が使えないことをどうするかを話し合った。

 

アナト「ティアマトのオーラをまとった状態なら魔法も具現化できるんじゃないか?」

 

ショウ「確かに試してみる価値はあるな。」

 

光仁天皇「ならば、武道館を使うが良い。あそこならば多少何かあっても大丈夫じゃ。」

 

ショウ「ありがとうございます。では、早速行ってまいります。」

 

 

 

そうしてショウ達は、御所から数キロほど牛車で案内されて武道館と呼ばれる施設に来た。

 

ここは、覚醒者や加護持ち、アンドロイド等が実践訓練や親善試合をするための施設でかなり激しい戦闘に耐えられるようになっている。

 

天井もドームになっていて例え中でアンドロイドがミサイルを発射しても外に衝撃は漏れない。

 

とは言え、ショウやアナトが本気で攻撃したらひとたまりもないであろう。

 

あくまでも攻撃力の低い魔法のテストを行い、周りに被害が出ないようにするということだ。

 

ドームの内部は楕円形のスタジアムになっており、観客席もある。

 

その広々とした『舞台』の中心にショウ達は到着した。

 

ショウ「ヒャア!広いなぁ!こんな所を貸してくれるなんてさすが天子様だよなぁ。」

 

アナト「はしゃぐな、すぐに検証を始めるぞ。」

 

コマチン「何かあったらアチシが止めるよ!」

 

ショウ「わっ!コマチン!いつの間に?」

 

コマチン「ずっといたわよ!」

 

ショウ「忍者かよ?姿消してただろ?」

 

コマチン「どうかな?アチシは特別だからね!」

 

ショウ「まぁ、いいや。始めよう。」

 

ミネルバ「でも、どうやって魔法を復活させますの?詠唱できませんのよね?」

 

アナト「ミネルバの復活の時と同じだ。」

 

ショウ「じゃぁ、またティアマトのオーラか。」

 

アナト「そういう事だ。」

 

ショウ「よし!」

 

ショウは早速ティアマトのオーラをまとう。

 

慣れてきた様で、すぐに青い光がショウを包んだ。

 

ショウ「まずは、この状態で魔法詠唱ポーズを取ってみよう。」

 

そういうと、ショウは魔法詠唱ポーズを取った。

 

が、何も起こらない。

 

アナト「だめか。。。」

 

ショウ「んー、じゃあ直接魔法の発動の時の感じをやってみるか。」

 

ショウは手のひらを上に向けて叫ぶ。

 

ショウ「インビジブル!」

 

するとどうだろう。地面にではなく、かざした手の前に魔法陣が現れてショウの姿が消えた。

 

アナト「何!?」

 

ミネルバ「出来ましたわ!」

 

コマチン「ほぉー!消えたね!」

 

ショウ「消えた?」

 

何も無いところからショウの声がする。

 

アナト「そこにいるのか?確かに消えている。」

 

ショウ「おお!やった!成功だ!」

 

ショウ「コンソールは。。。」

 

次にゲームのコンソールを出そうとしたが、これはやはり出ない。

 

ショウ「ダメか。じゃあもうアイテムや装備、それからミネルバ以外の『マスク』達は使えないな。。。」

 

アナト「そろそろ姿を見せろ。攻撃魔法も試してみてくれ。」

 

ショウ「ああ、インビジブルは時間がくるか攻撃されるかで解けるんだ。少し待ってくれ。」

 

するとコマチンがバシッとショウの頭を叩いてインビジブルの効果を強制的に解いた。

 

ショウ「痛て!何で分かる!?見えてるの?」

 

コマチンは得意そうに言う。

 

コマチン「アチシは特別だからね!」

 

ショウ「それはもういいよ。。。」

 

アナト「他守、私に向かってあの炎の魔法をやってみろ。」

 

ショウ「え?危ないよ。」

 

アナト「大丈夫だ。それより、さっき魔法を使った時に詠唱がなかった。長い詠唱なしに即時で撃てるなら実践で使えるぞ。」

 

ショウ「確かに。。。」

 

ショウ「じゃあ、やってみるよ。ちゃんと防御しろよ!」

 

アナト「ああ。来い!」

 

そう言うと、アナトもオレンジ色のオーラをまとう。

 

ショウはアナトの方に手をかざしてまた魔法名を叫んだ。

 

ショウ「フレイムⅥ!」

 

それと同時にショウのかざした手の前に大きな赤い魔法陣が現れて大きな炎の柱がアナトめがけて吹き出される。

 

しかしアナトがその炎に手をかざすと、まるで水が岩にあたって流れが分岐するように炎は2つに別れてアナトに到達することはなかった。

 

アナト「ふむ、まぁまぁだな。雑魚には使えそうだ。」

 

ショウ「何かトゲある言い方だなぁ。。。」

 

アナト「後は、ミネルバか。」

 

ミネルバ「な、なんですの?」

 

アナト「お前の召喚魔法とやらはどうだ?」

 

 

 

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