廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜 作:織雪ジッタ
ミネルバ「では、バハムートでよろしくて?」
ショウ「いやいやいや、バハムートは流石にまずいだろ。武道館が潰れちゃうよ。」
ミネルバ「じゃあ、、、カーバンクルにしますわ。」
ショウ「うん、それならいいと思うよ。」
ミネルバは舞い始める。
召喚の舞いだ。
エメラルドグリーンに輝く精霊の御霊がミネルバの周りを取り巻いて神秘的な光が周りを照らすと、ミネルバの前方の地面に光きらめく魔法陣が現れる。
ショウ「おお!いけそうだ!」
するとその魔法陣の上にクルクルと回転しながら子犬ほどの大きさのリスの様な可愛らしい召喚獣が姿を現した。
その額には赤く燃えているかのように見える宝石が角の様に生えている。
その体はキラキラと光る粒子が絶え間なく溢れ出ては消え、可愛らしくも神々しい姿だった。
アナト「ほぉ。。。これは初めて見るな。」
ショウ「あぁ、カーバンクルっていうんだ。召喚魔法士が最初に覚える召喚魔法だよ。」
アナト「なるほどな。。。確かにテストするには丁度良さそうだ。」
アナトがまじまじと見るとカーバンクルはキョトンとしている。
確かにこれならバハムートみたいなことにはならないだろう。
カーバンクルは光属性なのであまり攻撃系の『スペシャルムーブ』つまり必殺技が得意ではないのだ。
ミネルバ「メティオでよろしくて?」
ショウ「あ、ああ。たぶん、ね。」
ショウ「ところでこれ、受けるのって、俺?」
アナト「強い魔法なのか?」
ショウ「バハムートの『テラフレイム』や、イフリートの『地獄の業火』に比べたら全然マシだと思う。」
ショウ:でもここ天井あるのにメティオ(隕石)ってできるのかな。。?
などと思ったが、そんな心配は必要なかった。
あくまでそれは擬似的な隕石だ。
アナト「そうか。。。まあ、お前のティアマトのオーラは私のそれより遥かに強い。さっき私がやったように上手く防御に使えば問題ないだろう。」
ショウ「まあ、やってみるよ。。」
ミネルバ「では、まいりますわよ。」
ショウ:そう言えば、復活してからのミネルバはあの『トキメキパラダイス』の影響を感じないな。。?俺が元の姿に戻ったのも関係あるのかな。。?
ショウ:それとも、復活させる時のイメージ?
ショウはトキメキパラダイスな頃のミネルバを思い出す。
ショウ:うーん、ちょっと残念なような。。
などとショウが考え事をしていると、目の前に燃え盛る隕石が直ぐ目の前まで迫って来ていた。
アナト「他守!ボケッとするな!!!」
ショウ「うわわわわ!!!!」
避ける間もなく燃え盛る隕石はそのままショウを飲み込んで地面に突き刺さった。
アナト「他守!!」
ミネルバ「ちょっとtamori!?大丈夫ですの!?」
しかし、そんな心配もこれまた無用だった。
隕石はすぐに青い光に包まれて粉々に砕け散り、中からは青いオーラを身にまとったショウが無傷で現れた。
ショウ「ぷはっ!びっくりした!」
それを見て二人は胸をなでおろす。
アナト「まったく、お前はどうしていつもそう。。」
ミネルバ「本当に抜けてますわ。びっくりさせないでくださいまし。」
ショウ「ご、ごめん。ちょっと考え事しちゃって。。」
アナト「ハァ。。。仕方のないやつだ。」
ショウ「でも、まあ、ミネルバの召喚魔法も問題なさそうだし、取り敢えずは良かったよな?」
アナト「まあ、な。」
ショウ「それで、これからどうしよう?」
ショウ「天子様はおっしゃっていたよな?爺ちゃんの遺物に触れるなって。」
ショウ「それは多分、爺ちゃんの研究室にあった『人形』の事だ。」
アナト「人形?」
ショウ「爺ちゃんがひいじいちゃんから受け継いだものらしくて、古いものなんだけど、全く古くなくて。爺ちゃんが絶対に触るなって言ってた。」
ショウ「くるみ割り人形っていうらしいんだけどくるみを割るための物ではないと思う。爺ちゃんの感じからしてかなり危険なものだと思う。」
アナト「それが、お前の祖父の形見か。。。」
ショウ「うん。だけど、爺ちゃんが厳重に家の金庫にしまっていたから、爺ちゃんが死んでからもずっとそのままにしてあったんだけど。」
ショウ「爺ちゃんの形見があいつらの罠だったんなら、もう爺ちゃんの家に行くのは良くないと思うんだ。」
アナト「他守、一度27番地の秘密基地の様子を見に行かないか?あの後どうなったのか気になる。」
ショウ「あの後?」
アナト「アヌが27番地ごと消滅させたらしいんだ。。。」
ショウ「え!?消滅!?じゃあ俺んちも??みんなは!?」
アナト「分からない。。。」
ショウ「!!!??」
ショウはあまりのショックに言葉にならない。
アナト「。。。コマチン、頼めるか?」
コマチン「分かった。それじゃぁ、またアチシがテレポートで送っていってあげる。」
アナト「すまんな。助かる。とりあえず、この目で確かめよう。」
そうして、ショウ達は光仁天皇と別れを告げて27番地の様子を見に行くことにした。