廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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7話 DJ

DJは特殊部隊Dのこびるが作ったロボットである。

 

見た目はバスケットボール程の球状で土星のようなリングが付いている。

 

口調はたどたどしい感じだが、その能力は多岐に渡り、意外にスペックは高い。

 

各種センサーに赤外線カメラ、X線による透視、分光カメラによる成分分析や電子顕微鏡も搭載されている。

 

そのDJは今、イ特隊員達の間で多発している謎の錯乱を調査すべく報告のあった周辺を巡回していた。

 

ほんの二十年ばかり前まで氷河期だった為に山々は閑散として背の高い植物はない。

 

非常に『見晴らしのいい』状態だ。

 

それでもこの放射能汚染の中でたくましく生きる植物もいる。

 

小さなDJにとってはそんな草木でも邪魔な存在だ。

 

DJ「メカコプター!」

 

DJがそう発声すると、頭部からプロペラが現れてクルクルと回り始めた。

 

しかし、それは扇風機レベルだ。

 

そんなもので飛べるはずがない。

 

しかし、DJは次に下部からゴォッという音と共にジェット噴射をして空中に舞い上がった。

 

プロペラは特に意味はなかったのだ。

 

そう、意味があるとしたら『コプター』だからだ。

 

そうして20メートルも上がれば遠くの方まで一望できる。

 

するとすぐに異変が見て取れた。

 

あちこちで火の手が上がっている。

 

銃声も聞こえてくる。

 

そこら中で小競り合いが起きているのだ。

 

望遠で見てみると異変が起きた隊員はみな、気が狂った様になって仲間の隊員に襲い掛かっている。

 

正常な隊員達は、おかしくなった仲間に攻撃もできずに防戦一方な様子だ。

 

そして北の方向はるか遠く、海の方の空が赤い。

 

大きな戦闘をしているのか時折、閃光が見え、衝撃音のようなものが聞こえてくる。

 

DJ「アレ、剛本ナノカ?戦ッテル?」

 

とその時、バン!という音と共にDJの近くを銃弾がかすめた。

 

撃ったのはすぐ下にいる『狂った隊員』だ。

 

フラフラとゾンビの様でそれでいてバーサーカーの様になりいきり立っている。

 

狂った隊員「ウギャー!!DJ!ぶっ壊してやる!!」

 

そう言って続けてバン!バン!と発砲してくる。

 

DJ「狂ッテル!シカタナイ、な!」

 

そう言うととDJはその体から小さな砲台を出して何かを発射した。

 

するとミサイルの様なそれは狂った隊員の近くに着弾して煙幕の様な煙を噴出する。

 

狂った隊員「何だこれ!?臭!!臭いぞ!!え?あれ!?ねむ。。。い。。。?」

 

その煙を吸った狂った隊員はその場であっさりと眠りこけてしまった。

 

DJ「ヨシ!サンプルゲット!やで!」

 

DJ「ソレカラ、さっきから、ウヨウヨ飛んでる、毛!コレモ持ッテ帰ルカ!」

 

と、今度は触手を出して辺りを飛び回っている『毛』を瞬く間にカチンとつかみ、試験管の中に閉じ込めてそれを体内にしまった。

 

そして、捉えた『狂った隊員』を縛るとズルズルと引きずりながら特殊部隊Dの医療チームのところへと向かって去っていった。

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

一方の剛本は

 

83区軍の大量流入を防ぐために海底トンネルを破壊した時まで時間をさかのぼる。

 

剛本は、大軍勢には見向きもせずトンネル内に突撃した。

 

もちろん発砲されても剛本には何のダメージもない。

 

そしてある程度大きく進むと、電撃などの特殊攻撃ではなく力技でトンネル内部からその拳(こぶし)で天井を殴りつけてそのまま海上まで突き抜けた。

 

そして今度は海上から一気にトンネル内まで戻る。

 

それを繰り返すと、そこから海水が一気に漏れ出してトンネルはあっという間に水没した。

 

するとトンネル内にいた83区の軍勢はなすすべもなく濁流に流された。

 

数十万の兵が溺死したのだ。

 

剛本は、トンネルが崩壊する様子を上空からじっと見つめていた。

 

戦争とは言え、侵略軍とは言え、これほどの人数を生き埋めにしたのだ。

 

何も思わないはずはない。

 

自責の念と戦いながらも自身の正義を信じるしかない。

 

唯一、彼に出来ることと言えばしばしの間、黙祷(もくとう)を捧げるぐらいのことであった。

 

剛本は、静かに目を閉じる。

 

その時だった。

 

海中から赤い光が2つ。

 

高速で飛び出してきてその一方が剛本に突進してきた。

 

人だ。

 

赤く光る人が宙を飛んで殴りかかってきたのだ。

 

腹部を貫くように殴られて吹き飛ぶ剛本。

 

剛本「ぐ、はぁ!」

 

「どうしてくれんだよ!?びしょ濡れじゃねーかこの野郎!」

 

殴りかかってきた一人が半分楽しそうに剛本に詰め寄るともう一人もその後ろから追いついてくる。

 

「ヒャハー!やってくれたなぁ!おい!?俺ともあそんでくれよ?なあ?」

 

二人は剛本の前に立ちふさがるが、ダメージよりも剛本はその二人の容姿に驚かされた。

 

剛本「お、お前は!?な、なぜ!?」

 

「シュンイー、こいつ絶対何か勘違いしてるぜ?」

 

シュンイー「シュンイル、俺はアイツの存在が一番許せねえんだよ!」

 

シュンイル「あぁ、俺もだ。」

 

このシュンイルとシュンイーの二人は一卵性双生児の様にそっくりだ。

 

そして

 

剛本「一体どうなってる?お前たちは?」

 

シュンイー「なんだぁ?まさかお友だちと間違えてんのかぁ?」

 

シュンイル「そいつは聞き捨てならねーな!」

 

シュンイー「全くだな、殺しちまおうぜ。」

 

剛本「ま、待て!お前たちは一体?」

 

 

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