廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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8話 シュンイーとシュンイル

剛本「一体どうなってるんだ?お前は、いやお前達はまるで他守そのものじゃないか?」

 

そう、二人の容姿はショウの姿を生き写したかのように瓜二つだったのだ。

 

シュンイー「あー、うぜー。その名前、耳ざわりにも程があるぜ。なぁ?シュンイル?」

 

シュンイル「まったくだな。クソッタレ!俺達はその名前が大嫌いなんだよ!」

 

そう言うや否や、シュンイルは電撃を剛本に向かって放った。

 

とっさに剛本はそれをかわすが電撃は剛本の頬をかすめてそのまま海へと落雷した。

 

剛本「クッ!何なんだ!?一体!?」

 

剛本の頬に血が流れる。

 

シュンイル「おやおや?血がでてるよ?でもまだこれぐらいじゃ効かないよな?」

 

剛本「お前たちは誰だ!?」

 

シュンイー「っるせーな。お前の知った事かよ!?」

 

見た目は全くだと言ってほどショウにそっくりだがショウとは全く雰囲気の違う二人。

 

シュンイーもシュンイルに続いてさらに剛本に電撃を浴びせる。

 

それに対して剛本はフックを打つ様に拳(こぶし)を振りこんだ。

 

剛本「ぬん!」

 

それはあまりにも剛拳で音速で目の前の空気をかき乱す。

 

すると、その拳から衝撃波が飛び出した。

 

それは周りの空気を圧縮してシュンイーの放った電撃をねじ曲げるに留まらず『かまいたち』の様にそのままシュンイー目がけて突き進んだ。

 

シュンイーはとっさに避けたが今度はシュンイーの左の頬が切れて血が流れる。

 

シュンイー「危ねー、なんて力技だよそれ!」

 

シュンイル「おいおい、やられてんじゃねーよ!」

 

シュンイー「うるせー!こんなもん通用するのは初見だけだ!次は通用しねぇよ!」

 

強がるシュンイーだが剛本は冷静だ。

 

剛本「フン、ならこれならどうだ!?」

 

と、今度はブンブンと腕を振り回してさっきの衝撃波を何発も連打し始めた。

 

するとたくさんの衝撃波がまた『かまいたち』のように一斉にシュンイーに襲いかかった。

 

しかし、今度はシュンイーも至って冷静だ。

 

即座に赤いオーラをまるでバリアのように自分の周りに展開してそれを防いだ。

 

まるで赤い半透明な球体に包まれているようだ。

 

衝撃波はそのオーラのバリアに阻まれて消滅するばかりでシュンイーには届かなくなってしまった。

 

シュンイー「無駄だ!通用しねぇって言っただろ!覚醒したてのガキに負けるかよ。」

 

そして次の瞬間シュンイルは斧を振り下ろすかのようにオーラを放ち、剛本を下に叩き落とした。

 

驚く間もなく攻撃をモロに食らった剛本はそのまま落下して海に落ちていった。

 

そんな剛本を見て二人は満足気にニヤリとする。

 

シュンイル「残念だったなー!これでお前もびしょ濡れになったぜ!」

 

シュンイー「ヒャハー!!ザマァねぇな!」

 

だが、そのまましばらく沈黙が続くと逆に苛立ち始めた。

 

シュンイー「。。。こねーな。逃げたのか?」

 

シュンイル「オラ!死んでねーだろ?さっさと上がってこいよ!」

 

シュンイルは剛本が沈んだ海面に向かって大きな電撃を放った。

 

するとシュンイーも続いて強力な電撃を放つ。

 

するとその周りに魚が数百匹プカプカと浮かんできた。

 

シュンイー「うひょー!大漁じゃねーか!俺達漁師になれんじゃねーの?」

 

シュンイル「バカ言うなよ!それにしてもアイツはやっぱ浮かんでこねーな。。。」

 

シュンイー「うーん、どこに行った?」

 

と思った時、突然海面がザワザワと波打ち始めたかと思うと無数の水の弾丸が二人にめがけて飛んできた。

 

剛本が水面近くの海中から水を殴っているのだ。

 

剛本「うおおおおおお!!!」

 

咄嗟のことで防御のオーラを作るのが間に合わず、二人は何発かそれを被弾した。

 

シュンイー「痛っ!!!」

 

シュンイル「クソ!汚えぞ!!」

 

しかし、やはりすぐに二人は体勢を立て直してオーラのバリアでガードする。

 

そしてシュンイーは海面近くまで降りて来てその赤いオーラを海に放った。

 

すると今度は海面がみるみると凍り始める。

 

そしてあっという間に辺りの海を凍らせてしまった。

 

剛本:こんな事もできるのか。。。

 

氷は分厚そうだ。

 

これでは水は飛ばせない。

 

そう思った剛本は、仕方なく氷を殴り割って海上に姿を現した。

 

しかし、そこを狙っていたシュンイルは、触手のようにオーラを伸ばして剛本を掴んで拘束すると、すぐさま息の合ったコンビネーションでシュンイーが剛本の口の中に電撃を放った。

 

シュンイー「どうだ!?」

 

これには流石(さすが)の剛本も大ダメージを食らった。

 

剛本「ぐわぁぁぁあ!!!」

 

バチバチと剛本の体の中から電気が溢れ出し、全身から湯気が上がる。

 

体中の血液が沸騰しているのが分かる。

 

ナノマシーンに守られた細胞はそれでも耐えることができたが血液が沸騰したことで酸欠が起こってしまった。

 

水中でも酸素を吸収できる覚醒者もこれでは脳に酸素が送れない。

 

剛本はもがいたがシュンイーのオーラが口の中に入り込んで電流を流し続けている。

 

剛本:ク、クソ!ヤバい!い、意識が飛びそうだ。。。

 

剛本の視界が段々とボヤケていく。

 

剛本:ヤバい。。。

 

薄れゆく意識の中で小町の顔が浮かぶ。

 

剛本:こ、小町。。。

 

こだまするように小町の声が頭の中に響く。

 

小町:剛(つよし)さん。。剛さん。。

 

小町の方に手を伸ばす剛本。

 

小町:剛さん。。目を開けて。。

 

剛本:すまん、小町。。。俺はもう。。

 

小町:剛さん。。眠ってはダメよ。。。こっちに来て。。。

 

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