廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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ゲームの中のキャラクターの姿のままログアウト後の世界に出てきてしまったショウ。
ゲーム運営を名乗る男達の言うまま施設へ。


施設との戦いの末、全てを破壊したショウ。


その行く末は?


そして指名手配としてショウの行方を追うイ特の捜査がついにサークルアンデッドの施設に!


24話 夜の包囲網 ― 揺らぐ緊急執行

沢田レポーター「こちらDBC放送、イ特密着レポーター沢田えり子です!只今、23地区211番地に来ております。」

 

 

沢田レポーター「皆様!ご覧ください。この静かな街で今、大変な事が起ころうとしています。」

 

 

沢田レポーター「物々しい警戒態勢です。私が目で確認できるだけでも数十人、60人以上は配置されているのが解ります。」

 

 

沢田レポーター「そしてあの建物。今は社団法人ニンナズの所有する建物に、先日27番地に現れて大騒ぎになったイシュタラが潜伏しているとの事です。」

 

 

沢田レポーター「DBC独自の調査によりますとこの建物はなんと元々あの一世を風靡(ふうび)したゲーム、ファーストアドベンチャーシリーズの技術研究所だった所なんです。」

 

 

。。。。。

 

 

騒がしくレポートは続いている。

 

 

副長ナム「宜しいんですか?」

 

 

エアバニー「ああ心配ない、一応本当のリアルタイム中継じゃない。局でうちの検閲が一旦入ってからの放送だよ。」

 

 

いつものニヤけた表情とはうって変わって渋そうな顔に変わる。

 

 

エアバニー「副長、作戦開始だ!」

 

 

ナムは無言で敬礼した。

 

 

いよいよ強制捜査を敢行するのだ。

 

 

エアバニー:鬼が出るか蛇が出るか。。。

 

 

エアバニー「少しばかり、気合い入れていこうじゃないか。」

 

 

と呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

施設門前

 

 

表札は真新しい『社団法人ニンナズ』となっていた。

 

 

経営陣も一新して建前上はサークルアンデッドとは別会社だ。

 

 

とは言え、内情は何も変わらない。今もサークルアンデッドそのものと言っても過言はない。

 

 

そんな施設を取り囲む様にイ特の隊員たちが要所に配置されてゆく。

 

 

インターホンのある門に向かって右側に10人、左側に10人、他にも裏門や至る所に攻撃班か配置される中、インターホン側の隊の一人が呼び出しボタンを注意深く押す。

 

 

緊張感に包まれるが、そのボタンは押しても音がなる訳ではなかった。

 

 

不思議に思い、隊員たちが顔を見合わせていると、5秒程で応答があった。

 

 

インターホン「はいー受付です。ご用件は何でしょうか?」

 

 

警備員だろうか?何とも緊張感のない年配の男の声だ。

 

 

イ特隊員「警察です。ここにイシュタラと思わしきものがいるとの情報を得ています。捜査許可は出ていますので捜査にご協力頂けますか?」

 

 

インターホン「え?!警察の方ですか?えーっと、ちょっとお、上の者に聞いてきますんで、ちょっと待ってくださいね。」

 

 

全く寝耳に水といった感じのとぼけたその口調の声に、隊員達の中にも本当にここなのか疑問の表情を浮かべる者もいた。

 

 

するとしばらくして今度は落ち着いた声の男に変わる。

 

 

インターホン「すいません。失礼ですがどういったご要件でしょうか?」

 

 

イ特隊員「イシュタラ対策部特殊捜索課です。今すぐ開けていただけますか?施設を捜査します。」

 

 

インターホン「申し訳ありませんが令状を提示頂いても宜しいですか?」

 

 

イ特隊員「令状はありません。イシュタラがここに潜伏したかあなた方で逃走を幇助した疑いがかけられています。裁判所からの許可はおりています。法的に緊急執行が可能です。速やかにご協力下さい。」

 

 

インターホン「突然そう言われましても。。」

 

 

イ特隊員「協力頂けない場合はこのまま強制執行になります。」

 

 

インターホン「。。。解りました。。。少々お待ちください。」

 

 

 

 

それを聞くと右側の隊員の一人が手を上げて合図を送った。

 

 

それを見るやいなや左右の隊20名は一気に正面玄関前まで進んだ。

 

 

そして後続の隊が空いた門扉の前を固める。

 

 

その手には皆、銃を持っていた。

 

 

そしてしばらくして正面のシャッターがゆっくりと上がると、透明の自動ガラス戸の向こうに数名の男が立っているのが見えた。

 

 

透明のガラス戸といっても、照明が落ちていて中の様子はあまりはっきりとは見えない。

 

 

中から両脇の男が手動で自動ドアを押し上げると、真ん中の男が出てきて深々と頭を下げて自己紹介をした。

 

 

笹原「私、この施設の警備の責任者を努めております。笹原と申します。」

 

 

丁寧で腰の低い態度とは裏腹にその眼光は強く、少しも引かない気迫すら感じ取れた。

 

 

自然と隊員達も身構える。

 

 

この男、実はショウを迎えに行った黒服のリーダーである。

 

 

笹原「中へどうぞ。」

 

 

思いがけず、意外とあっさり中へ通された。

 

 

隊員達は少し拍子抜けをした気分だったが、それから慌ただしく捜査が始まった。

 

 

しかし、いくら調査しても何も見つからない。

 

 

それもそのはずである。ショウはこの施設についた時、車ごと地下へ降りた。

 

 

つまり、このガラス戸とは明らかに違う螺旋状の通路を通り、さらに専用エレベーターで例の場所まで降りたのだ。

 

 

普通にこの建物を調べても何も出てくることはない。

 

 

とは言え、この施設はぐるりとイ特に取り囲まれているがその様な駐車場も下へ行くトンネルも見当たらない。

 

 

あるのはよく手入れされた池ぐらいだ。

 

 

池の周囲には芝生内立ち入り禁止と書かれた立て札のある芝生があり、地面に埋め込んたライトが転々と明かりを灯し、池には沢山の鯉が泳いでいるのがわかる。

 

 

それ以外といえば、奥外に20台ほどの駐車場スペースが見えるだけだ。

 

 

そうして捜査が入ってから30分が経過した頃、エアバニーの顔にも焦りが見え始めた。

 

 

レポーター達もアテが外れたかの様にテンションかさがり、時間だけが過ぎようとしていた時、その人物は突然現れた。

 

 

正面玄関前、丁度隊員と笹原が表で話をしている最中だった。

 

 

まず魔法陣が現れてその中に召喚獣が現れるかのように東風平(コチンダ)が現れたのだ。

 

 

そう、ショウに飛ばされて、このタイミングでここに現れたのだ。

 

 

隊員達はそれを見て、「イ、イシュタラか!?」

 

 

と、騒然となり、当のコチンダも、困惑の色が隠せなかった。

 

 

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