廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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ゲームの中のキャラクターの姿のままログアウト後の世界に出てきてしまったショウ。
ゲーム運営を名乗る男達の言うまま施設へ。


その後、施設を破壊してしまうショウ。


ショウが反物質を融合させて開けた大穴の底。


アナトは母イシュタルが研究施設を脱出し、イシュタラの国を作った経緯と人類に宣戦布告した経緯をショウ達に話した。


36話 旅立ち─イシュタラの国へ

少しの間沈黙が続いた。

 

 

ファーストアドベンチャーの事はショックだったが、ショウは少しほっとしていた。

 

 

悪魔の様なイメージだったイシュタラが実は人間達がメチャクチャにした地球の代弁者の様に思えたからだ。

 

 

そしてショウはアナトをじっと見た。

 

 

するとアナトもショウを見て問いかける。

 

 

アナト「短い時間だったが死線を共にし、少なくとも私はお前を仲間だと思っている。お前は違うか?」

 

 

ショウは頷く。

 

 

ショウ「正直不安はある。。でも俺もアナトは仲間だと思う。俺はイシュタラの国へ行くよ!」

 

 

アナトはショウを見つめながら少し微笑んだ。

 

 

その横でミネルバはヤレヤレと言った感じだ。

 

 

ミネルバ「ふーん。。では、仕方なく私もお供致しますわ。」

 

 

言葉とは裏腹に、どこか嬉しそうにも見えるが、ショウに近づいてミネルバはさらに言う。

 

 

ミネルバ「この慈悲深ーいヒュムリア王国第一王女、ミネルバ・フォン・ヒュムリア様に感謝する事ね。」

 

 

ショウ「いやいやミネルバ、お前は呼び出している間は自動的に付いてくるハズだから。。」

 

 

ミネルバ「え?どう言う事ですの?」

 

 

ショウ「多分お前は一人で遠くには行けないと思う。ゲームでもそうだったし。。」

 

 

ショウ「引っ込めないと多分たとえ風呂でも俺から離れられないんじゃないかな。。?」

 

 

ミネルバ「はああああ!?ふざけないで下さいます!?」

 

 

顔を真っ赤にして怒るミネルバ。

 

 

ショウ「い、いや例えばだよ。。」

 

 

面倒くさそうに答えるショウ。

 

 

その様子を見ながらバアルはミネルバを興味深く眺めていた。

 

 

バアル:ミネルバと言ったか、この子は生命体では無い。他守君のもつチカラの結晶というか、まるでそれが別個の生命であるかの様だ。

 

 

バアル:ゲームの設定には従っている様だが彼女にはハッキリとした本人の意思を感じる。

 

 

バアルの目はミネルバにショウからのチカラの流入がある事をハッキリと捉えていた。

 

 

バアル:ティアマトのリンクの強さは私と他森とでは2ランク違う。。

 

 

バアル:それはティアマトのオーラの色で解る。

 

 

バアル:それでこんな事が可能になるのか。。

 

 

バアル「本当に不思議だ。。」

 

 

と、思わず声にしてしまう。

 

 

アナトはそんなバアルを不思議そうに見た。

 

 

それに気がついたバアルはアナトに優しく微笑む。

 

 

するとアナトは頬を赤らめて笑顔になった。

 

 

それを見ていたショウは

 

 

ショウ「兄さんといると本当に嬉しそうな顔するよなぁ。。」

 

 

アナト「まあな。」

 

 

と上機嫌だ。

 

 

その様子をさらにエアバニーは別の想いで見ていた。

 

 

エアバニー:他守ショウ。彼にはもう一つ大きな謎がある。。それは毛田(もうだ)ちゃんの資料の中にあった彼の出自だ。。。(22話ショウ、指名手配される)

 

 

エアバニー:今は言うべきではないが。。まさかな。。この件が片付いたら調査するか。。

 

 

エアバニーは他守の祖父をよく知っていた。そしてそれは偶然にしては出来すぎていると考えていた。

 

 

そんなエアバニーに今度はショウが東風平(コチンダ)さんの事を聞いた。

 

 

ショウ「あの。。地上に東風平(コチンダ)さんと言う看護婦さん現れませんでしたか?」

 

 

エアバニー「そう言えば突然空中から現れて施設の奴に撃たれた女の人がいたな。。名前までは解らないが治療班が収容している。」

 

 

ショウ「撃たれたって。。そんな!」

 

 

顔色が変わるショウ。

 

 

ショウ「さっきから直接会話が繋がらないからおかしいと思ったんです。。」

 

 

ショウ「彼女、大丈夫なんですか!?」

 

 

エアバニー「背中から胸を撃ち抜かれていたが彼女はその後、俺に直接会話を仕掛けてきた。つまりナノマシーン適合者だ。」

 

 

エアバニー「銃ぐらいで負傷しているから適合者としてのランクは低そうだがナノマシーン適合者ならきっと大丈夫だ。回復するだろう。」

 

 

それを聞いてホッとするショウ。

 

 

エアバニー:大分弱ってはいたがな。。

 

 

エアバニー「彼女からは君をイ特で保護してほしいと言われていたんだがね。。」

 

 

ショウ「。。。それは。。」

 

 

ショウ「あの、彼女をこちらに引き渡して貰えませんか?」

 

 

エアバニー「残念だがそれは出来ない。彼女は施設の人間だ。重要参考人として来てもらわなければならない。」

 

 

エアバニー「我々も君をみすみす見逃すんだ。君も我々の立場を少しは尊重してくれ。」

 

 

うつむくショウ。

 

 

ショウ「。。。」

 

 

エアバニー「ま、俺が悪い様にはしないさ。任せとけ!」

 

 

ショウ「。。。わかりました。。東風平(コチンダ)さんの事、宜しくお願いします。。」 

 

 

エアバニー「ああ。」

 

 

ショウは深々とエアバニーに頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

バアル「他守君。では行きましょうか。」

 

 

ショウ「あっ!は、ハイ!宜しくお願いします!」

 

 

心残りがある様に見えるショウにバアルは朗(ほが)らかに言葉を返す。

 

 

バアル「こちらこそ!宜しくお願いしますよ。」

 

 

そしてエアバニーの方を見て別れを告げた。

 

 

バアル「エアバニー。今回得たサークルアンデッドの情報はいずれ共有するつもりだ。」

 

 

エアバニー「そりゃどうも!期待してますよ。」

 

 

エアバニー「あ、そうだひとつ頼みがあるんだが。。」

 

 

そして二人でしばらく何やら話し合う。。

 

 

エアバニー「宜しく頼む!」

 

 

バアル「ああ、解った。」

 

 

バアル「また、何処かで会おう。」

 

 

エアバニー「ああ。」

 

 

次の瞬間、バアルやショウ達は忽然(こつぜん)と消え去った。

 

 

その場には、わずかな光の残滓(ざんし)だけが漂っていた。

 

 

小町「。。行ってしまいましたね。。」

 

 

エアバニー「ああ」

 

 

小町「良かったんでしょうか。。?」

 

 

エアバニー「ま、どうにかなんだろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてこの男は。

 

 

剛本「はっ!!」

 

 

「目が覚めたかい?」

 

 

剛本:痛たた。。うーん。。

 

 

剛本:隊長。。?

 

 

剛本「ここは。。?コポ。。」

 

 

剛本「おおおおお!!??ゴボゴボ。。」

 

 

剛本「何じゃこりゃぁ!!??ゴボゴボゴボ!」

 

 

剛本:水中じゃねぇか!

 

 

剛本の目の前には美しく光り輝く無数の魚の群れが舞い踊っていた。

 

 




ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます!

二章からは、いよいよ『イシュタラの国』が舞台になります。
イシュタラ国で運命的な出会いをする剛本ととある猫
そして舞い踊る人形たちとのショウの特訓。
物語はさらに加速していきます。

引き続き楽しんでいただければ幸いです!
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