廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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ゲームの中のキャラクターの姿と能力のまま現実世界に出てきた他守ショウ。


サークルアンデッドとVRMMORPGファーストアドベンチャー18の正体を知ったショウ達はそれぞれの道への旅立ちへ決意を固める。


ミネルバの放ったリヴァイアサンのスペシャルムーブ『水神の大波』で沖に流されたショウと剛本そしてミネルバ。


2話 美しき世界

海は静けさを取り戻していた。

 

 

波は穏やかで透き通る海はとても美しかった。

 

 

バアル「アナト、他守ショウ君は意識がある様だ。追えるね?彼を頼む。私はあの暴れん坊を回収してくるよ。」

 

 

アナト「はい!お兄様。」

 

 

アナトは背中に翼を創り出す。

 

 

アナトは赤い、バアルはオレンジのオーラをそれぞれ身にまとい、二人はその白く美しい翼を大きく広げた。

 

 

真っ青な空に真っ白な煙を立ち上げるストロンボリ島の向こうから朝の日が差し込み、時折舞い上がる水しぶきがキラキラと輝いて幻想的に二人を包む。

 

 

バアル「国へ入る前に二人にイシュタラの法を伝えないといけない。」

 

 

アナト「はい。」

 

 

バアル「女神の門で落ち合おう。」

 

 

アナト「承知しました。お兄様。」

 

 

二人は阿吽(あうん)の呼吸でフワリと浮かび海の方へ飛び去って行った。

 

 

しばらく行くとバアルは剛本の位置を掴み水中へ飛び込んだ。

 

 

沈みゆく剛本を掴みそのままイシュタラの国へ向かう。

 

 

しばらくして。。

 

 

剛本「はっ!!」

 

 

バアル「目が覚めたかい?」

 

 

剛本:痛たた。。うーん。。

 

 

剛本:隊長。。?

 

 

剛本「ここは。。?コポ。。」

 

 

目の前は真っ青な海の中。

 

 

剛本「おおおおお!!??ゴボゴボ。。」

 

 

剛本「何じゃこりゃぁ!!??ゴボゴボゴボ!」

 

 

バアル「落ち着いて。ここは海の中だよ。君も適合者なら呼吸はしなくても大丈夫な筈だね?」

 

 

剛本「お前はイシュタラの!」

 

 

剛本「う、動けない。。くそっ!」

 

 

バアル「申し訳ないが拘束させてもらったよ。」

 

 

剛本「離しやがれ!!俺をどうする気だ!?」

 

 

バアル「君の隊長に頼まれてね。この世界のもう一つの現実を見せてやって欲しいと。」

 

 

剛本「はあ?隊長が!?」

 

 

バアル「疑うなら直接会話で聞いてみるといい。」

 

 

剛本「言われなくても。。」

 

 

剛本→エアバニー:隊長!これはどういう事ですか!?聞こえてます!?

 

 

エアバニー→剛本:。。。おう!剛本!目が覚めたか!? お前はまず自分自身の目で見て感じて来い!あ、後そこでは暴れんなよー! じゃあな!

 

 

剛本「ちょっ。。切りやがった。。」

 

 

剛本「目でみろって、そんなもんさっきから見てるって。。」

 

 

そしてようやく周りの景色に目がいく。

 

 

剛本「。。こ、これは。。!?」

 

 

バアル「美しいだろう?ここがイシュタラの護る本来の地球の姿さ。」

 

 

剛本は目の前の光景に目を奪われた。

 

 

そこは水の中とは思えないほどの透き通った紺碧(こんぺき)の世界。

 

 

煌(きら)めく無数の魚達の群れがまるで一つの生き物であるかの様に固まって波打つが如く力強く泳いでいた。

 

 

眩(まばゆ)い海上からの光は遍(あまね)くこの限られた海の世界の生き物達に優しく生きる力を与えていた。

 

 

海藻も魚も甲殻類でさえもここでは生きる権利を当たり前に享受している。

 

 

幼い頃に夢見た絵本の中の様な光景に剛本はしばし言葉を失っていた。

 

 

剛本「あ、あれは全て生きているのか?」

 

 

バアル「そうだよ。ここは母様が人間達から命を賭して守った地球最後の命の楽園だよ。」

 

 

剛本「さ、魚なんてとうの昔に絶滅した筈じゃぁ。。?」

 

 

バアル「ここには温泉があってね。少し残っていたのを母様が200年以上ずっと大切に守っていたのさ。君たち人間の作った放射能が襲ってきた時もずっと。」

 

 

バアル「ここは母様が死して尚、今も守って下さっている領域。」

 

 

バアルが手を差し出すと近くの魚たちは警戒する事もなくその手に群がってくる。

 

 

剛本「。。。教えてくれ。イシュタラとは一体何なんだ?そんな自然の生き物を大切にする奴らが何故罪のない人間を襲う?」

 

 

バアル「。。。氷河期が終わったと思ったら突然世界中を放射能汚染物質だらけにされたんだ。それで仲間もたくさん死んだ。」

 

 

バアル「そして弱った仲間や魚達を救うために母様も犠牲になった。」

 

 

バアル「君達人間が逆の立場ならその罪のない人間とやらを好きになれるかい?」

 

 

剛本「。。。」

 

 

それからバアルはこれまでのいきさつをアナトがそうした様に剛本にも丁寧に語った。

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

一方アナトは。

 

 

ショウの気配を追って探していた。

 

 

アナト「。。。この辺り。。か?」

 

 

と、海へ飛び込み、そのまま真っ直ぐ下に進む。

 

 

しかし次の瞬間、アナトの近くを巨大な影が猛スピードで横切った!

 

 

アナト「何!?」

 

 

一瞬ショウの顔が見えた気がしたが同時にショウの声も聞こえた。

 

 

ショウ「アナトおおおおおお!!ちょっとー!助けてくれるかー?!あああああぁぁぁ!」

 




ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
物語を楽しんでいただけていたら、とても嬉しいです。

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