廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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6話 サポート訪問のはずが… ― 俺、逃げ場がなくなりました

 

この時代のインターフォンは今の物とそう大差がない。

 

 

ドアの外でボタンを押すと部屋の壁に設置された四角いプレートからピーッと言う音がしてプレートにドアの外の様子が投影される。

 

 

この時、そのプレートに映し出されたのは黒い制服の3人の男達だった。

 

 

警察やイ特の制服とは違う様だが何とも言えない怪しい雰囲気が漂っている。

 

 

ショウ「ヤバイ。。俺を捕まえに来たのか。。?イシュタラと間違えられて捕まるのか。。?」

 

 

ショウは狼狽し、後ずさりした。

 

 

しかし、そんなショウの予想とは裏腹にプレートの中の男の一人はこんな言葉を放ったのだ。

 

 

男「すいませーん。」

 

 

男「他守ショウ様おられますかー?」

 

 

男「我々はサークルアンデッド社ファーストアドベンチャー18サポートの者です。おられましたらお話を聞いて頂きたく。。」

 

 

その言葉にショウの心は一気に楽になる。

 

 

ショウ:良かった。。助かった!

 

 

そしてショウは嬉々として玄関に走り、快く扉を開けた。

 

 

男達はショウの姿を見て少しホッとした様な様子で丁寧にお辞儀をしてさらにこう伝えた。

 

 

男「この度は、誠に申し訳ありません。」

 

 

男「システムの再利用の為の検証中にAR機能の暴走が認められまして、恐らく何かの手違いでログイン出来てしまったと思われる他守様のログを当社のシステム担当の者によって検出しました。」

 

 

音が「それで取り急ぎ、お客様に何らかの影響が出たのではと心配して訪問した次第です。」

 

 

ファーストアドベンチャー18の冒険者の出で立ちを見て男達は納得したかのように頷く。

 

 

男「本当に申し訳ありません。既にお困りの様子。。是非、我々の研究所で適切な処置を受けて頂けないでしょうか?」

 

 

音「勿論、慰謝料も相応にお支払い致します。」

 

 

ショウは少し驚いた様に

 

 

ショウ「そ、それは願ってもないです。。」

 

 

ショウ「でも、どうしてこんな事に。。?」

 

 

ショウ「サークルアンデッドも解散されている筈では。。?」

 

 

男「確かに一般法人としてはその通りです。」

 

 

男は頷く。

 

 

男「しかし、今回のケースもそうですが一般の方へのサポートなど残された課題も多く、今は81区の方で残務整理を行っておりまして。。」

 

 

男「また、基本システムを売却して再利用する話がございましてそのための調整を売却先の資金提供で行っておりました。」

 

 

ショウ「なるほど、そういう事だったをですね。何となく腑に落ちました。」

 

 

ショウは犬になったアナトの方をチラリと見た。

 

 

ショウ:犬になる前に言ってた「でも、死にたくなけれは同行させろ。」ってどう言う意味なんだろ?

 

 

ショウ:あの言い回しだとサークルアンデッドがヤバい組織で、いざとなったら助けてやるから同行させろって言ってるように聞こえたけど。。。

 

 

ショウ:よく考えたら逆に同行させなければ殺すって言う風にも取れるよな。。。?美人だけど何か感じ悪かったし。。。

 

 

ショウ:大体何で犬に変身できるんだ?おかしいじゃないか?

 

 

ショウ:彼女も今回の不具合の被害者なのか??

 

 

ショウ:うーん。。。どっちだろう。。? 

 

 

ショウ:ていうか、犬に変身できるぐらいだし俺の心を読んでたりしないよな?

 

 

ショウ:今は直接会話(SP)の感じがしないから心までは読まれていないとは思うけど。。

 

 

ショウ「。。それで研究所というのはどちらにあるのでしょう?用意もありますので後日こちらから伺ってもいいですか?」

 

 

そう言うと男達は顔を見合わせて少し困った表情をし、男の一人がこう言った。

 

 

男「それが、研究所は81区カプセル内にあるにはあるのですが通常の交通機関では行けない場所にありまして。。」

 

 

男「出来ればこのままご一緒頂ければと。。物質化の解除も研究所でしか出来ませんし。。」

 

 

ショウ「そう、ですか。。。」

 

 

なんとも言えない不安がよぎる。

 

 

ショウ:うーん。。何かちょっときな臭くなったなぁ。。

 

 

アナト→ショウ:この男、物質化の解除がどうとかについて嘘をついているぞ。一度適合して全身の細胞と融合したナノマシンは排除も停止も不可能なはずだ。

 

 

ショウ「うわ!」

 

 

いきなり心の中にアナトの声が入ってきて思わず声が出てしまった。

 

 

慌てて取り繕(とりつくろ)うショウに男は一瞬、訝(いぶか)しげな表情を見せたがすぐまた笑顔に戻る。

 

 

男は「どうされますか? 先程もお伝えしましたが研究所に行くには少々面倒な行程がございまして、今日これからでなければ次にお迎えにあがるにはひと月程度かかると思われます。」

 

 

それを聞いたショウは初めから他に選択肢は用意されていない事を認識した。 

 

 

一ヶ月もこの姿のままで生活できるはずがないからだ。

 

 

何とも言えない疑心暗鬼がショウの心に芽生えた。

 

 

ショウ「。。確かにそれまでこのままじゃ困りますよね。。ハハ。。」

 

 

そう笑うショウの顔にははっきりと不安が現れていた。

 

 

ショウ「。。あのっ。。研究所にはどの位滞在する必要があるのでしょうか?」

 

 

男「。。そうですね、まずは今の状態を詳しく検査します。それからどの処置が一番身体に負担なく元の状態に戻れるかを検討してからの処置になりますので恐らくは処置までに3週間程かと」

 

 

ショウ「そ、そうですか。。その間ペットはどうなりますか?連れて行く事は可能ですか?」

 

 

男「施設内までは無理ですが施設の近くに保健所がありますので、そこに一時的に預けることが可能です。そちらでしたら費用は頂きません。」

 

 

ショウ「。。保健所。。そうですか。。まぁここに置いておくわけにもいきませんしそちらで宜しくお願いします。」

 

 

と、ショウは犬になったアナトの方をチラリと見た。

 

 

アナトはショウの方を見向きもせず、直接会話(SP)で

 

 

アナト→ショウ:それでいい。

 

 

と伝えてきた。

 

 

男「そうですか、私共も一度の訪問でご同行頂ければ幸いです。それでは早速参りましょう。」

 

 

安堵したようにそう答えた男の笑顔にショウは心なしか陰湿な影を見た気がした。

 

 

 

 

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