廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜 作:織雪ジッタ
人魚の里近く
剛本がどんどん前へ進む一方、ショウはと言うとまだメタモルフォーゼの修行をしていた。
そこには、体はゲームのキャラクターtamoriのままで顔だけ元の人間、他守ショウに戻ったショウの姿があった。
ガッチリとした強そうな魔族の体に少年の様な顔は、微妙すぎた。
ショウ「。。。」
ミネルバ「却下ですわ。。」
メロウ「気持ち悪いですね。。」
ショウ「クソッ!言いたい放題言いやがって。。。もう一回だ!」
そう言うとショウはまた元の自分を強くイメージする。。
すると今度は見る見る姿が小さくなっていく。。
ショウ「どうだ!?」
ミネルバ「おおお!。。えええ??」
その姿は正面から見ると確かに元の人間ショウだった。
しかし横から見ると頭部と臀部(でんぶ)がエイリアンの頭部の様に前後に大きく突き出してしまっていた。
因みに臀部とはお尻のことである。
ショウ「。。。ダメか。。」
メロウ「あの、メタモルフォーゼだと普通は質量が変えられないんですよ。。」
ショウ「そう言えばアナトもそんな事を言ってたっけ。。」
ショウ「でもそれだとメタモルフォーゼじゃ完全には元に戻れないって事ですよね?」
メロウ「いえ、でも、む、無駄ではないと思いますよ。。。」
メロウ「と言う訳で、メタモルフォーゼ自体は結構出来てきてると思うので次の修行に移りましょうか。。」
ショウ「え?。。。なんか逃げてません?」
ショウ「そ、そんな事ないですよ。。」
ミネルバ:こ、この状態のままで。。。?
メロウ「と言う訳で次は電撃です!」
メロウ「それでは!電撃をお教えするのに新しい先生をお呼びしております!」
メロウ「ローレライ先生です!」
するとどこからともなく美しい歌声がする。
ローレライ「なじ〜かは知〜らね〜ど〜心わ〜びて〜♪」
それに合わせて今度はメロウが笛を吹き始める。
ローレライ「むか〜しの伝説(つたえ)〜はそぞ〜ろ身にしむ寥(さび)〜しく暮〜れゆくライ〜ンの流れ〜♪」
その美しい歌声と共に金髪に碧眼の人魚が舞い降りる。
ローレライ「入り〜日に山々あか〜く栄(は)〜ゆる♪」
この人魚の歌声と笛の音(ね)に魅了されてショウもミネルバも細かい事はどうでも良くなっていった。
ローレライ「少し強引に進める結果となり誠に申し訳ありません。」
ショウ「。。。はひ。全然だひじょうびでひ。。。」
ショウはもう呆けて言葉にならなかった。
ミネルバもポワワンとしている。
しかし、気が抜けた事でショウはようやく元のファーストアドベンチャー18の冒険者tamoriの姿に戻る事ができた。
ローレライ「電撃の練習は水中では少し危ないので近くの島に行きましょうか。」
ローレライはそう言うとショウを連れて近くの島に泳いで行った。
メロウはそれを見送ると、また人魚の姿に戻って人魚の里に帰って行った。
ショウ達が近くの小島に着いた頃には辺りはすっかり夕日に包まれていた。
小さな砂浜とちょっとした小山があるだけの小さな無人島だ。
近くには断崖絶壁の大きな島が見える。
ローレライはメロウと同じく人間の足にメタモルフォーゼすると砂浜を歩き、よく乾いたところまで来て振り返る。
ローレライ「この辺りにしましょうか。」
そう言うとローレライの身体からはバチバチと電気を帯び始めた。
そしてまだポワワンと呆けているショウに近づき
ローレライ「宜しくお願いします。」
と手を差し出した。
ショウは思わずその手を握って握手をする。と、ビリビリッと強い電気が流れ込んで来た。
ショウ「わわわわ!」
ショウ「て、手が電気でくっついて離れない!!」
普通の人間なら感電死する程の電気だがショウには強めの電気マッサージ器程度に感じた。
ローレライはクスリと笑うと
ローレライ「乾きましたね。さ、始めましょうか。」
ショウは全身からプスプスと湯気を立てながら
ショウ「は、はい。。顔に似合わず結構、荒っぽいんですね。。」
と、苦笑いをしながらようやく正気を取り戻した。
ローレライは頷くと説明を始めた。
ローレライ「メタモルフォーゼの特訓で分かったと思いますが基本的に何らかの能力(チカラ)を発動するには全身のナノマシーンにそのイメージを伝える事が重要になります。」
ローレライ「では、発電の仕組みをイメージする為に電気うなぎの発電方法を説明します。」
。。。。。。
こうしてショウの電撃の修行は始まり数日が過ぎていった。