廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜 作:織雪ジッタ
ゲームの中のキャラクターの姿と能力のまま現実世界に出てきた他守ショウ。
サークルアンデッドとVRMMORPGファーストアドベンチャー18の正体を知ったショウ達は打倒サークルアンデッドを胸にイシュタラの国へとやってきた。
しかし、イシュタラの国の入国で女神の門の試練に失敗、近くにある人魚の里で修行をする事になった。
一方、剛本はヤム暗殺を決意する。
そしてショウ達はようやく移譲の修行を終えた所だった。
地中海の海の底
人魚の里の傍らで
冷たくゆれる水草の
光る明かりに包まれて
寒い空気を漂わせる。
そこには移譲の訓練を終えたショウ達に寒いダジャレを言い始めた痛い人魚の姿があった。
メリュジーヌ「冷たい視線が痛いじょう。。。」
見ればメリュジーヌは一人でクスクスと苦笑している。
どう反応していいか分からないショウ。
メリュジーヌ「え!?糸井じょう?」
ショウ「え?」
メリュジーヌ「糸井ジョウって。。誰?」
ショウ「は??」
メリュジーヌ「誰なの?」
ブツブツ言いながら少し考え込む。
しかしすぐにハッとして恥ずかしそうにするメリュジーヌ。
ショウ「え?何?何なんですか?」(汗)
メリュジーヌ「だから以上です。」
メリュジーヌ「え?」
ショウ「え?」
メリュジーヌ「宝ジェンヌです。」
ショウ「え?たから?。。」
メリュジーヌ「ロージー、忘れていたよ。まだ君に愛していると言っていなかったね。こんなに大切な言葉をどうして忘れていたんだろう。ロージー、愛しているよ!」
メリュジーヌは何やら目をキラキラさせながらポーズを決める。
ショウ:め、めんどくせぇ。。
と、そこに唐突に人魚の里の守護者エリドゥが現れた。
メリュジーヌ「あら、ギャランドゥ様♡」
メリュジーヌはコロリと表情を変えるも、エリドゥはメリュジーヌに無反応。
エリドゥ「他守さん。これから一緒に人魚の里の我が城に来ていただけますか?」
ミネルバ:フル無視しましたわ。。
ショウ「え?あ、ハイ?」
エリドゥ「実は折り入ってお願いがあるのです。」
ショウ「は、はい!何でしょう?」
メリュジーヌ「宝ジェンヌになってください。」
エリドゥ「。。。」
エリドゥは冷たい視線でメリュジーヌを睨む。
とたんに小さくなってあやまるメリュジーヌ。
メリュジーヌ「ご。。。ごめんなさい。。ギャランドゥ様。。」
すると、エリドゥは目にも止まらぬ速さでメリュジーヌにデコピンをした。
ゴン!!という重い音と共にメリュジーヌは10メートル程も飛ばされて大の字になって倒れた。
メリュジーヌ「。。。ひ、酷い。。」
そしてメリュジーヌはそのまま気を失った。
ミネルバ:。。うわぁ
エリドゥ「失礼しました。他守さん、貴方には治癒のチカラがあると聞きました。」
エリドゥ「是非そのチカラを貸して欲しいのです。」
ショウ「はい?いいですけど。。?誰か怪我してるんですか?」
エリドゥ「これからするのです。」
ショウ「これから?」
エリドゥ「細かい話は来て頂いてから。。」
ショウ「よく分かりませんがお手伝い出来る事があるならやります。」
エリドゥ「ありがとうございます。」
そしてショウ達は初めて人魚の里へ入って行った。
里の中には、ふわふわしたモフモフが沢山浮いている。
そして人魚達はそれにモフモフしながら休んでいた。
イシュタラの国の中はずっと昼だ。しかし、水草がゆらめくたび、冷たい光が海底に揺れ、まるで夜空のようだった。
ナノマシーンが疲労回復もするので適合者は殆ど疲れを知らないがやはり睡眠は多少取る必要があり、こうしてバラバラで少し休みに来るのだ。
光る海藻の森の中、優しい緑の光に包まれてモフモフでうたた寝をする人魚があちこちに見えた。
そんな森の中を奥へ進むと海底神殿が急に視界に現れる。
エリドゥの居城だ。
凛とした人魚達の警備する石造りの入り口でエリドゥは振り返る。
エリドゥ「ここが私の居城です。どうぞお入り下さい。」
ショウは少し緊張しながら中へ入って行った。
そしてその様子をじっと見つめる人面魚の姿があった。