廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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31話 人間殲滅計画の行方

拘束された剛本にヤムは言う。

 

 

ヤム「君は私を暗殺しようとした。そうだね?」

 

 

剛本はヤムをじっと見つめた。

 

 

ヤム「何か言いたい事はあるかね?」

 

 

剛本「ない。お前の人間殲滅計画を止める為だ。詫びるつもりはない。」

 

 

ヤム「君がそう思うのは当然だ。しかし、君をそう仕向けたのは我がイシュタラの議員達だね。」

 

 

アルル「イシュタル様はお前の様な野蛮なやり方は望まん!」

 

 

ウル「そうじや、外海の魔神達とは違い、ひっそりとここで暮らして来たんじゃ!本来我々は争いを好まないからじゃ!」

 

 

ヤム「君たちはそのお優しい考え方がイシュタル様を死に追いやったとは思わないのかね?」

 

 

アルル「。。。」

 

 

エリドゥ「核廃棄物の処理も済んだ今はエンキさえ倒せばもうそんなに頑なになる事はないでしょう?」

 

 

ヤム「エンキさえ。。ですか。」

 

 

ヤム「200年前の戦いでは先制攻撃でカプセルこそ破壊しましたがエンキと特にエンリルには破れて敗走しました。我々はダメージを癒やすために氷の中隠れて冬眠するより他なかった。」

 

 

ヤム「エンリルは当時の段階で今のバアル殿程のチカラがあったのですよ。」

 

 

ヤム「あの親子を倒すには戦力が足りない。。。と、思っていました。」

 

 

ヤム「が、先程バアル殿より提案がありましてね。」

 

 

バアル「ここにいる他守ショウ君の協力を得られれば。。ですが。」

 

 

バアルはショウを見る。

 

 

バアル「今回の件を聞いて君があのサークルアンデッドの被験者達を治癒した事を思い出した。」

 

 

バアル「移譲というのは格下が格上からのチカラをもらう時に非常に負担がかかる。」

 

 

バアル「しかも部分的な能力ではなくチカラその物の移譲を受けるのは非常に危険な行為だ。」

 

 

バアル「この剛本君の様にそれを5人も一度となると普通なら死んでいるでしょう。」

 

 

バアル「だが、こうして彼は生きている。」

 

 

バアル「君のそのダメージを回復させる能力を並行して使えば安全に格下のものをレベルアップさせられるのではないかと。」

 

 

バアル「私はそれを予測してヤム議長に話を持ちかけた。」

 

 

バアル「他守ショウ君の治癒のチカラで我らのティアマトのチカラをレベルアップさせられるなら時間をかけて不安定な大量捕食などしなくても迅速に必要な戦力が得られるのではないかと。」

 

 

ヤム「私としても願ってもない。」

 

 

ヤム「エンキとの戦いは時間との戦いでもであるからだ。」

 

 

ヤム「これに協力頂けるなら代わりに人間殲滅は見送ってもいい。」

 

 

アルル「信じられん。。あのヤム議長が意見を変えるとは。。」

 

 

ヤム「私はね、この命などどうでもよいのです。今、一番危惧すべきはイシュタラの民が割れる事です。」

 

 

ヤム「それに私はいつも言っていた筈ですよ。」

 

 

ヤム「反対するなら見合うだけの代替案を出して下さいと。」

 

 

 

 

バアル「今、我々は完全に利害が一致している。」

 

 

バアル「まずは、私とアナトに君のチカラを移譲してくれまいか?」

 

 

アナト「他守、私からもお願いする。」

 

 

ショウ「アナト。。」

 

 

ショウ:(お断りだな)

 

 

ショウ:は?

 

 

ショウはその時、初めて自分の中に何者かの声を聞いたのだ。

 

 

 

 

 

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