廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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33話 引き裂かれた命

真っ二つに割れたショウの体は地面にバウンドしてゆっくりと離れながら浮かぶ。

 

 

ミネルバは泣き崩れ、アナトはショウに駆け寄った。

 

 

アナト「他守!!」

 

 

拘束されたまま、ざわつく議員達。

 

 

バアル「一体何が起こったんだ。。?」

 

 

ヤム「これは。。。彼の中から何か別のチカラを感じたような?」

 

 

バアル「だが、他守君の生み出したミネルバは健在か。。」

 

 

ショウに意識はなく、目を見開いたままその目には何も映ってはいなかった。

 

 

離れようとするショウの身体を繋ぎ止めようとアナトは震える手でショウの両手を掴むと、元の位置になる様にそっと近づけた。

 

 

するとシュウシュウと泡を吹きながら緑色のオーラはショウの引き裂かれた身体を繋ぎとめ始めた。

 

 

その吹き出たいくつもの泡が鎖で繋がれているかの様に見えた。

 

 

ショウのオーラは離れた身体の神経や血管の一つ一つを繋ぎ止めているように繊細に繋がり、そして力強く脈打っていた。

 

 

それを見てアナトはショウの手をとると脈を計った。

 

 

アナト:脈はある。。

 

 

アナト「ミネルバ!早く回復を!」

 

 

しかしミネルバはパニック状態で会話にならない。

 

 

ミネルバ「いやぁ!」

 

 

アナト「目を開けて他守を見ろ!!」

 

 

アナト「このままでは他守が死んでしまうぞ!!」

 

 

ミネルバはハッとした様にアナトの目を見る。

 

 

アナト「頼む。お前にしか出来ないんだ。」

 

 

ミネルバはようやくショウをまともに見た。

 

 

そうしている間にもショウのオーラはどんどん小さくなっているのが分かる。

 

 

血管を繋ぎ止めているオーラの糸も少しずつちぎれてそこから血が吹き出していた。

 

 

そしてミネルバ自身も自分が少しずつ消えかかっている事に気が付いた。

 

 

ミネルバの顔付きがかわる。

 

 

そしてミネルバは立ち上がり魔法詠唱ポーズを取った。

 

 

緑色の魔法陣が現れてさっき剛本にかけた時よりも長い詠唱時間が過ぎる。。

 

 

ミネルバ「キュアⅣ!」

 

 

と同時にショウの周りを白い光の筒が包み込みショウの肉体を再び元の姿に再生した。

 

 

アルル「おぉぉ。。」

 

 

バアル「上手くいった?」

 

 

アナト「駄目だ。。脈が弱まっていく。。オーラも。。」

 

 

アナト「ミネルバ!何か方法は無いか?」

 

 

ミネルバ:もうMPが。。

 

 

ミネルバ「大きな魔法はあと一回しか打てませんわ。。」

 

 

アナト「では次が駄目なら。。?」

 

 

ミネルバ「手が無くなります。。」

 

 

そう言うミネルバの身体も存在がどんどん不安定になってきていた。

 

 

身体のあちこちがスパークし、映像が乱れたかのように消えかかっている。

 

 

ミネルバ「それに私(わたくし)ももう。。。」

 

 

アナト「。。。!!」

 

 

それを見て何もできない自分に憤りながらアナトは必死で声をかける。

 

 

不安だけが大きくなって胸が張り裂けそうだ。

 

 

アナト→ショウ:「他守!!他守!!気をしっかり持て!!」

 

 

それでも底が抜けたようにショウのオーラは小さくなっていった。

 

 

アナト「早く!」

 

 

ミネルバは意を決して魔法詠唱ポーズに入るともう一度キュアを試みた。

 

 

ミネルバ「キュアⅣ。。。」

 

 

ミネルバがそう言い終わると同時にミネルバとショウのオーラは忽然(こつぜん)と消えてしまった。

 

 

ショウはそのままピクリとも動かない。

 

 

張り詰めた空気がその場を覆った。

 

 

アナト「他守ーー!!」

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