廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜 作:織雪ジッタ
ショウの心の奥深く
どれ位の時間が経っただろう?
何者かの声がする。
さっきから頭の中でチラチラ聞こえる声だ。
声:もろいな。。
声:少し干渉し過ぎたか。。
声:しかし依代(よりしろ)が死んでしまっては元も子もない。。
声:今はここまでか。。
ショウ:。。。。!
ショウ:お前は誰だ?
ショウ:どうして俺の心の中にいる?
声:声が聞こえる様になったのか。。
声:今日の所は退いてやるがお前の身体はいつか私がもらう。
声が遠のく。。
ショウ:待て!お前は誰だ!?
声:知りたければお前の祖父の痕跡を探れ。。
ショウ:じいちゃんの?
ショウ:待て!
ショウ:どう言う事だ!?
声:もう1段階引き上げてやる。これで何とかなるだろう
すると、ショウの中にティアマトのチカラが流入して来るのが分かった。
声:○□▲%○□▲%。。。
ショウ:うまく、聞き取れない。。
その声と重なるように遠くでアナトが呼んでいる気がした。。
ショウ:アナト。。。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アナト「他守!!起きろ!!」
ここは水中なので涙が判らないが確かにアナトは泣いていた。
アナト「。。。他守。。。」
バアル「。。。。」
他の者達にも後ろめたい様な空気が流れ、その静寂の似合う神殿の一室は静まり返っていた。
その時だった。
トクンッ
アナトは微かにショウの身体が脈打ったのを感じ取った。
ハッとするアナト。
アナト「他守?」
アナトが目を丸くしてショウを見つめているとショウの胸のあたりから青い光が溢れ始めた。
そしてそれと同時に消えていたミネルバの姿が具現化されて再び消えた場所に現れた。
ミネルバ「これは。。?」
心なしか以前のミネルバよりも少し凛とした表情のミネルバ。
アナト「ミネルバ!他守の治癒を!」
ミネルバは落ち着いた表情で頷くとショウにターゲットを合わせて彼のステータスを確認した。
因(ちな)みにポインターやステータスウインドウはミネルバの視界の中だけのものである。
ミネルバ「。。。tamoriのステータスが戦闘不能になっていますわ。」
アナト「な!?」
アナト「じゃぁ他守は。。?」
ミネルバ「私(わたくし)が思うにこれはファーストアドベンチャー18の世界の『戦闘不能』の状態に見えますわ。」
アナト「?」
ミネルバ「蘇生魔法を試みます。」
アナト「蘇生。。。?」
バアル「そ、そんな事まで出来るのか。。。?」
ウンマ「驚きだニャァ。。」
ウンマの声は実にダンディだった。
ミネルバは王女らしい立ち振る舞いで優雅に一歩前へ出てショウの前に立つと魔法詠唱ポーズを取った。
足元に白い魔法陣が現れてゴオオオオッという音とともに魔法陣は白い光を放つ。
キュアⅣよりも更に長い詠唱時間を終えてミネルバは魔法を宣言する。
ミネルバ「リザレクション!」
するとショウの身体は何か見えない者に優しく抱き上げる様に持ち上がり白い光に包まれた。
どこからともなく女神の歌声がするとショウの周りをうっすらと透けた天使達の姿が舞って見える。
その美しい光景にその場の誰もが目を奪われる中、ショウは再び目を開いてフワリとその場に舞い降りた。
と同時にショウの胸にあった青い光は全身を包み込み終(つい)にはショウ自身から青いオーラを放ち始めた。
バアル「!!!青いオーラ!!」
ヤム「さらにティアマトとのリンクレベルが上がったと言うのか!?」
その場の全員が驚きを隠せなかった。
何故ならそれは自分達の女神イシュタルのチカラの波動を超えるオーラだったからだ。
ショウは青いオーラに包まれながらアナトを見つめた。
ショウ「アナト、呼んでくれたね。」
アナト「まぁな。。」
アナトは歯を食いしばって涙を抑えながら目一杯強がって笑って答えた。
アナト「お前ホントに何でもありだな。。」
アナトはそう言うとショウに抱きついた。
そんな二人をミネルバはヤレヤレと言う表情で見ていた。