廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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37話 特別牢

 

そこには昭和の少女漫画を思わせるキラキラとした瞳に鼻の下を伸ばし緩みきった表情でモフモフと戯れるショウの姿があった。

 

 

その情けない顔を見てアナトは珍しく声を上げて笑った。

 

 

アナト「ハハハ!酷い顔だな!」

 

 

ショウ「ほうかぁ?」(そうか?)

 

 

ショウ「ハナホもやっへみいよひもひひいよぉー」(アナトもやってみろよ気持ちいいぞー)

 

 

アナト「ハハ。。何を言ってるかサッパリ分からないぞ」

 

 

すると少し悲しそうな目になってショウがアナトを見つめると

 

 

アナト「そ、その顔はやめろ!」

 

 

とアナトは笑い転げてしまった。

 

 

その傍らでミネルバもモフモフにそっとしがみつく。。

 

 

するとミネルバの表情はパァッと晴れたかのように明るくなり、すぐに至福の表情となった。

 

 

ミネルバ「こ、これは確かに。。」

 

 

ミネルバもすっかりウットリしてモフモフにモフモフし始めた。

 

 

因みにその場合のモフモフの発音はモフモフ(ラスボス)にモフモフ(パスカル)である。

 

 

そしてアナトもショウの隣のモフモフに横になるとミネルバ同様、ウットリしてモフモフにモフモフするのだった。

 

 

ショウ:あー。。もう何か何もかもどうでも良くなってきたぁ。。。

 

 

サークルアンデッドの車で家を出てから一週間。

 

 

ショウはこの日、初めて眠りについた。

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

 

翌日

 

 

イシュタラ神殿の地下牢

 

 

そこには、施設でアナトに消されたサークルアンデッドの全身黒尽くめの男達の姿があった。(一章11話)

 

 

男A「おい、見たか?」

 

 

男C「ああ、特別牢に入った奴。イ特の隊員の制服だったぞ。」

 

 

男A「イ特と交戦があったって事か。。」

 

 

男B「81区では今何が起こってるんだ?」

 

 

 

 

サークルアンデッドの捕虜達の牢獄の鉄格子には赤いティアマトのオーラが練り込んであり、低位の適合者では傷一つ付ける事は出来ない。

 

 

さらに奥の特別牢の鉄格子はオレンジ色のオーラが練り込んである。

 

 

剛本が如何にティアマトのチカラに目覚めようとこれを破る事は不可能だった。

 

 

また、石造りに見える壁もイシュタラの国全体を覆うあの不思議な壁と同様でイシュタルが残した特殊な空間になっており、どの面の壁を抜けても正面の壁に戻ってくる仕掛けになっている。

 

 

そんな牢獄が廊下を挟んで10部屋程並び、廊下の行き止まりの一番奥正面の扉の向こうに特別牢はある。

 

 

その中にヤムと剛本の姿があった。

 

 

10畳程の部屋の真ん中に簡素なテーブルがあり、それを挟んで椅子が2つ。

 

 

壁にはエリドゥの神殿にあったもとの同様のエネルギーの塊の様な灯りが3つ並んでいる。

 

 

壁際に簡素なベッドとイシュタラには不要な目隠しのないトイレが一つがあり窓は勿論一切ない。

 

 

時計もなく時間や月日も一切分からない。

 

 

これが一番精神的にくる。

 

 

直接会話(SP)もここでは遮断される。

 

 

そして当然、イシュタラの国は全域インプルは圏外だ。

 

 

さらにイシュタラの国へも、またその中にあるこの牢へも空間の歪んだ壁の影響でテレポーテーションして出入りする事が非常に困難な場所である。

 

 

無理に侵入や脱出しようとすれば異空間かどこか遠い宇宙に放り出されてしまいかねない。

 

 

この牢獄は、そんな外部からのアクセスを完全に隔離した場所である。

 

 

その部屋に置かれたテーブルを挟んで二人は椅子に腰掛けて対面していた。

 

 

剛本は未だバアルに施された拘束を解かれてはおらず、とても和解したとは言い難い状況での対面だ。

 

 

そうして張り詰めた空気の中、ヤムがようやくその口を開いた。

 

 

ヤム「私の話を聞く前に何か言いたいことはあるかね?」

 

 

ヤムは無表情なまま剛本に問いかけた。

 

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