廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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51話 新たなる目的

エルヴィン「準備はいいかい?」

 

 

ショウ「ああ!」

 

 

バアル「いつでも」

 

 

ミネルバ「よろしくてよ。」

 

 

テンポよく返事が返る中、アナトは不安そうにショウを気遣う。

 

 

アナト「無理はするなよ。」

 

 

ショウ「ありがとう。今回は一回だけだし、たとえ途中でアヌが起きても大丈夫だ。」

 

 

ショウ「エルヴィンもいるしな?」

 

 

エルヴィン「ま、頼りにしてくれていいよ。」

 

 

ショウ「ミネルバ、手順は前回と同じだ。」

 

 

ショウ「俺が移譲を始めると同時にキュアオールを頼む。」

 

 

ミネルバ「ハイハイ。。今度は裂けないで下さいましね。」

 

 

ミネルバ「裂けたtamoriなんて酒のツマミにもなりませんわ。」

 

 

ショウ:やっぱこのバージョンのミネルバは腹立つなぁ。。

 

 

ショウ:もう一回引っ込めたら次はどんな感じなんだろ。。?

 

 

などと考えている間にすっかり準備は整う。

 

 

バアル「やってくれ。」

 

 

突然と言われてハッとしたショウは

 

 

ショウ「おっと。。」

 

 

ショウ「ミネルバ、行くぞ!」

 

 

と、急にシャキッとするとその体はすぐに輝き始めた。

 

 

それと同時にミネルバも魔法詠唱ポーズに入る。

 

 

三人が光に包まれる中、ミネルバは治癒魔法キュアオールを放った。

 

 

その光は眩しく、バアルの姿が見えないほどだった。

 

 

光のなかでバアルは激痛が打ち消されていくのを感じていた。

 

 

そうしてしばらくすると光は治まり、黄色いオーラを纏ったバアルの姿がそこにあった。

 

 

バアル「これが。。」

 

 

感動を隠し切れない様子でバアルは自身の手のひらを見ていた。

 

 

アナト「兄様。。。凄い。。」

 

 

アナトは思わず羨望(せんぼう)の眼差しでバアルを見つめる。

 

 

一方、エルヴィンはショウをじっと見つめて

 

 

エルヴィン「ふーむ。治癒魔法とやらで体力は回復しているが他守、君のナノマシーンはその大半を失い、オーラは非常に弱っている。。確かに今アイツに干渉されたら残りのオーラでは抑えが効かないかも知れないね。」

 

 

アナトはエルヴィンの声で我に返るとまた心配そうにショウを見る。

 

 

エルヴィン「ま、それでも君も以前よりレベルアップしているから前ほどの事にはならなそうだ。」

 

 

それを聞いてホッとしたアナトは

 

 

アナト「他守、この後またモフモフで休め。」

 

 

ショウ「だ、大丈夫だよ。エルヴィンもああ言ってるし」

 

 

アナト「ダメだ。無理矢理でも連れて行く。」

 

 

ショウ「あ、ハイ。。すいません。」

 

 

アナト「何故あやまる?」

 

 

ショウ「何となく。。。怒ってるみたいだから。。」

 

 

とショウが苦笑いしているとアナトは

 

 

アナト「当然だ。ちゃんと休まないと今度こそ死んでしまうぞ?」

 

 

ショウ「わ、わかった。。」

 

 

そんな二人をバアルは複雑な気持ちで見ていた。

 

 

バアル:エルヴィンの話が本当だとしたら事の次第では紫のオーラを持つアヌとやらが他守ショウの体を乗っ取ってエンキ側につく可能性がある。。。

 

 

バアル:その事はヤムにも半魚人(ビビアン)からもう伝わっているだろう。。

 

 

チラリと半魚人(ビビアン)を見ると相変わらずずっとボソボソ言っている。

 

 

ここは直接会話(SP)も使えないのにどうやって状況を伝えているのだろうとバアルは疑問に思っていた。

 

 

バアル:そしてこのエルヴィンと言う猫も実際得体が知れない。。どこまで本当の事を言っているのか

 

 

バアル:敵なのか味方なのか。。?

 

 

バアル:もっと情報が欲しいな。。

 

 

バアル「他守ショウ。ちょっといいか?」

 

 

ショウ「ん?ああ。」

 

 

バアル「君の実家に行く件、私も同行したい。」

 

 

ショウ「いいけど。。これから忙しいんじゃないのか?」

 

 

バアル「どの道、停戦交渉の件での81区には行くしね。」

 

 

バアル「それに君の出自については私も興味がある。」

 

 

バアル「君の生まれた年は何年だい?」

 

 

ショウ「E.C.220年だ。」

 

 

バアル「やはり。。」

 

 

ショウ「何か?」

 

 

バアル「その年は空を覆っていた紫色のベールが晴れて氷河期が終わりに向かった年だ。。。」

 

 

バアル「エルヴィンの話と辻褄が合う。。」

 

 

エルヴィン「そりゃぁそうさ。」

 

 

バアル「他守ショウ、君が生まれたから氷河期が終わったんだよ。」

 

 

ショウ「はあ?何のことだよ?」

 

 

バアル「エルヴィン、そう言う事か?」

 

 

エルヴィン「ま、そうなるね。」 

 

 

ショウ「え?え?何ナットクしてるの?」

 

 

アナト「まさか。。そんな。。?」

 

 

バアル「皆で君の謎を解明しに行こう。」

 

 

バアル「君が世界を救う者か世界を破滅させる者か私は知りたい。」

 

 

ショウ「ええ?そんな大袈裟な話??」

 

 

エルヴィン「向こうもきっと今君を血眼になって探してるよ。」

 

 

ショウ「は?アイツら俺を殺そうとしたんだよ?」

 

 

エルヴィン「氷河期が終わったと言う事実で君の存在は半分予見されてたさ。」

 

 

エルヴィン「それにサークルアンデッドの施設を吹き飛ばしたチカラを見れば気がつくよ。」

 

 

ショウ「なんでお前がそんな事わかるんだよ?大体その時お前は居なかったじゃないか?」

 

 

エルヴィンは自慢げに言う。

 

 

エルヴィン「そりゃぁそうさ、オイラは特別だからね!」

 

 

 




お疲れさまでした。
ここまで読んでくださった読者様に心から感謝します。

物語はまだまだ序盤。
ショウの出生の秘密、アヌの存在、エンキ側の動き……
すべてが次の章から動き始めます。

いよいよ“核心”へ。これからも宜しくお願いします。
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