廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜   作:織雪ジッタ

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11話 豪華な客室

バアル「では他守君を部屋に案内してくれたまえ。」

 

男「はい、畏まりました。」

 

バアル「個室を用意したから先ずは休んでくれたまえ。我々はこれから少しイ特とすり合わせの会議をするのでまた後で会おう。」

 

ショウ「そうですか、分かりました。」

 

アナト「少し休むといい、また後でな。」

 

ショウ「うん、ありがとう。」

 

アナトはショウに笑顔を見せると先程の男に声をかける。

 

アナト「彼を頼む。」

 

すると男はアナトに一礼し、今度は丁寧にショウを案内した。

 

男の「ようこそお越し下さいました。こちらへどうぞ。」

 

ショウ「え?あ、はい。。」

 

ショウ:さっきこの人俺のこと絶対睨んでたよな。。。?

 

ショウは何かその男に対して腑に落ちない気持ちになりながらも案内されるまま男の後を付いて行った。

 

秘密基地の内部はその外観に見劣りすることも無く高級ホテルの様な装いだった。

 

そこかしこに施された間接照明やオシャレな装飾、展示されたアート作品が見る者の心を奪う。

 

そんな中、フカフカした絨毯の敷き詰められた廊下を歩きショウは客室へと案内される。

 

男「こちらです。」

 

ショウ「あ、どうも。」

 

高級そうな扉に付けられたL字のドアノブをガチャリと回し扉を開くとそこは予想に反して日本の旅館を思わせる和風の部屋だった。

 

外観からここまでの内装も全てが洋風だったのでここへ来てまるで異世界にでも迷い込んだかのような気持ちにさせられる。

 

その部屋は細部まで練達した造りで品がよくそれでいて温かみのある落ち着いた雰囲気だ。

 

ショウ「ほぉ。。。凄い。。。こういうの初めてだ。。。」

 

すると、感動するショウの言葉に耳を傾けるでもなく男は

 

男「玄関で靴を脱いでからお上がり下さい。」

 

と淡々とした口調で靴のまま上がりそうになったショウを諫める。

 

ショウ「あ、はい。。。すいません。。。」

 

そしてショウが申し訳無さそうに靴を脱いで部屋に上がるのを見届けると

 

男「では、ごゆるりと。」

 

と、それだけ言い残して去っていった。

 

ショウ「。。。なんか俺、あの人に嫌われてる?」

 

「気にしないで。。。」

 

ショウ「ん?今、何か声がした様な。。。?」

 

見渡したが周りには誰もいない。

 

高級旅館の様な広々とした和室に一人きりだ。

 

ショウ:気のせいか。。。?

 

ショウ:。。。。

 

ショウ:いや、イシュタラの国からここまでの間も何度か聞こえた様な気がするぞ?

 

するとショウは思い立った様にその客間を探索し始めた。

 

その客室は旅館の様に個室に個別のトイレや洗面所、そしてお風呂も付いている。

 

ショウは和室はもちろんトイレやお風呂もひとつずつ見てまわってみたがやはり誰もいなかった。

 

押し入れの中も布団と座布団があるだけだ。

 

入口付近のクローゼットも浴衣が用意されているだけで特に気になる所はない。

 

それから和室に戻ると正面には大きな窓があった。

 

その窓の外側は密閉された空間になっておりそこには8畳ほどの小さな日本庭園の様な箱庭があるだけで人が隠れる様な余地はない。

 

ショウ:うーん。。。誰もいないよな?

 

しーんと静まり返る部屋。

 

それでようやくショウはホッとした様なため息をついて置いてある座椅子に腰掛けた。

 

ショウ:。。。。

 

部屋は静かすぎるぐらいシーンとしている。

 

ショウ:ヒマだな。。。

 

ショウ:アナト達の会議はどのぐらいかかるんだろう。。。?

 

ショウ:エルヴィンまで会議参加するのに俺だけ仲間外れかぁ。。。やっぱイシュタラの国の門にも入れない俺は部外者って感じだよなぁ。。。

 

ショウ「はぁ。。。」

 

ため息をつくも特にすることが無い。

 

ショウ「それならば。。。」

 

そうつぶやくとコンソールを開いてニュースエージェントでもらった書籍『トキメキパラダイス』をとりだす。

 

改めて見てもなにやら気恥ずかしくなる様な表紙だ。

 

ショウ:これ、アナトも読んでるんだよな。。。?

 

ショウ「しょうがないから俺も少し読んでみるか。。。」

 

そうつぶやくとパラリとその本の表紙をめくった。

 

因みにこの物語は主人公、早乙女純(さおとめじゅん)が通うドキドキ胸キュンな高校での3年間の学園生活を描いた物語である。

 

入学式の日、純はふと迷い込んだ学校の裏山にある伝説の桜の樹の下でヒロミ・J・コシノと出会う。

 

ちなみに純が男子でヒロミが女子である。

 

その伝説の桜の樹は普段は人の目には見えずこの春の時期にだけごく稀に人を招き入れるという。

 

二人はこの伝説の桜の樹の精霊、トログ様の前で出会う。

 

そしてトログ様は二人は永遠に結ばれると告げた。

 

しかし翌日、学校で再会したヒロミは純を覚えていなかった。

 

そしてそこから二人の甘くて切ない恋物語は始まる。

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