転生したら地元だった件   作:rayi

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三敗目 八奈見杏菜は自分で育てた性癖に負けている

 現実の時習館高校は普通科しかない。

 アニメ一話、焼塩檸檬(やきしおれもん)と、綾野光希(あやのみつき)、からかい上手の高木さん暗黒フォームこと捕まってないだけの犯罪者朝雲千早(あさぐもちはや)が初登場した時には、綾野は特進コースだからと言った旨の発言がある。

 

 時習館高校の偏差値が68~70であり、ツワブキ高校として進路が分っている普通科生徒の進学先が名古屋大学の偏差値50〜67.5であることを考えると、丁度いいラインになってくる。

 

 つまり特進コースは、高校偏差値の最大値である78に近いラインの分布である可能性が非常に高いことになる。

 へけ! 勉強も出来て彼女も居るとか青春富裕層が、市民(プロレタリアート)として革命でも起こそうか? ヤバい内なる共産主義者(コミー)が暴力革命を促してくる。

 

 駐輪場に自転車(ケッタマシン)を止め、古びた校舎に足を踏み入れる。

 前世の高校よりも寂れている。

 

 流れに身を任せ教室にたどり付くと、マッシュ気味でやたらと声のいい生徒が彼の机に尻を乗せた女子生徒に抗議の声を上げていた。

 

「あの……ここ俺の席なんだけど……」

 

 梅田修一朗 声が教室に響く。

 同クールの岐阜では「思うにこれは○○で片付く」などと、名探偵振りを披露していたイケボに女子が怯むことはなく。

 

「あ、ごめん。座っていい? でさぁ……」

 

 女子は早々に話を切り上げると、元の会話に話を戻した。

 温水(ぬくみず)は、深い溜息を付くと鞄を置いたまま席を立つ。

 どうやら暖簾に腕押しだと理解して身を引くこととしたようだ。

 温水(ぬくみず)君のぼっちライフは、もう始まっているようだ。

 自分の席に荷物を置き授業が始まるまでスマホで時間を潰す。

 

原作開始の五月末~六月頃まで後どれぐらいなのだろう?

 

 朝雲と綾野が出会った時期にもよるが、4月であるなら焼塩の負けは回避できる可能性が高い。

 同様に八奈見の負けイベント回避に出来る可能性が……

 

「杏菜!」

 

華恋(かれん)ちゃん」

 

 教室に入って来たのは作品を間違えたと言われるピンクの悪魔。

 8K乳牛サキュバス。ゆずソフトだの、あざらしソフトのエロゲヒロインだの言われ放題の平成初期の残滓を色濃く残した。M字型の給気口(インテーク)を供えた勝ちヒロイン姫宮華恋(ひめみやかれん)

 

「あ゛!!」

 

 思わず立ち上がるが机に邪魔される。

 なんでも無かったかのように俺に集まる視線を横目に席に座る。

 

もうダメだ……おしまいだぁ……。

 

 原作で主人公の温水(ぬくみず)君に8Kヒロインと、揶揄される三桁メーター越えのたわわ。Jカップに、4K巨乳ヒロインが勝てる訳がない。

 自分で育てた袴田の性癖を上位互換に奪われるその様はまさに完璧で究極の負けヒロインと言っていい。

 

 彼女の制服は悲鳴を上げていた。

 彼女の動きに合わせて揺れる胸はまさに魔性と言っていい。

 原作では温水君がラッキースケベでそのおこぼれに預かっていたが、自由にできる袴田のことが羨ましい。

 

前世でだってそんな爆乳揉んだことないんだぞ! こんな乳を学生時代に経験したら他で満足できなくなる麻薬みたいなおっぱいだ。

 

 胸に合わせるとオーバーサイズになる制服を、四月の転校生(この場合は、遅れて入学が正しい)と言うこともあって制服を正しく計れていなかったのではないか? と思考を巡らせる。

 

 青春コンプレックスを抱えた俺には、制服プレイしているであろう原作袴田、姫宮カップルが羨ましい。

 転生先が青藍島であれば、水龍敬ランドのような緩い貞操観念で俺にも恩恵があったのだが現実は残酷である。

 

 再び暴力革命が脳裏を過る。

 ああ、恋の生活保護とかってないかな……弱者にはあまりにも辛すぎる。

 年上でも年下でもいいから、俺を甘やかしてくれる爆乳の女の子はいないものか……

 

 負けヒロイン時空だと、姫宮さんか馬剃さんが甘やかしてくれるには該当しそうだが、胸のサイズまでかみするとやはり姫宮さん一強である。

 胸だけなら志喜屋先輩は、中々の長乳をしていた記憶がある。

 

 ◇

 

 授業が終わった放課後。

 10年以上も前の記憶だが案外覚えているもので授業自体には、付いていくことができた。

 しかし流石は進学校。元私立高校生には中々キツイものがある。

 返り支度をしていると、八奈見に話しかけられた。

 

「ねえ良かったら、日直の仕事変わってくれないかな?」

 

「それまたどうして?」

 

「転校してきてまだ豊橋になれてない華恋ちゃんに街を案内したくて」

 

「……」

 

 そう言われると弱い。

 一軍女子としての八奈見は、原作でも少ししか描写されておらず。いざ目にすると、学生時代の嫌な思い出ばかりが脳裏を過る。

 

「分かった。変わるよで何をすればいいの?」

 

「ありがとー。この書類を生徒会に届けて欲しいんだ」

 

「分かった」

 

 俺が答えると、こちらを見ていた袴田は目礼をする。

 三人は教室から廊下に向かって歩いていく。

 はしゃぐ八奈見とそれを窘める二人まるで親子だ。 

 

 八奈見お前がやらなければならないのは、そのエロゲヒロインを愛しの袴田からいつものように遠ざけることだ。

 自ら近づけてどうする。

 

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