練習作なのでキャラブレあったら教えてください。
書類を持って生徒会室を探す。
前世ではろくすっぽ
校舎を徘徊していると、俺は目を奪われ、ごくりと生唾を飲み込んだ。
「あ!」
ヘアアイロンで固めたのか、ウェーブがかった白茶色の腰まで伸びた長髪に、手首のシュシュと派手なデコネイル。ルーズに着崩した制服に短いスカート。
メイクは一見ナチュラルっぽいが、睫毛はきっちり盛っている。
目にはハロウィンでしか使われないような白いカラコンを付けていた。
ギャルがそこに居た。
「生徒会……探してる?」
「その通りです。
実家は園芸店で仕事もしているハズなのに、病的なまでに白い肌。
もしかしたら彼女はアルビノなのだろうか?
もしそうなのだとしたら、体力の無さやフラフラとした歩く屍系女子と称されるゾンビのような歩き方も一応弱視であるからと説明できるのだが……。
8.5巻で薄茶色の髪と、焼塩姉妹の視点で名言されているので、染めていると考えてもいいだろう。
「名前……名乗ったけ?」
左右に大きく体を揺らしながら走るゾンビのように迫ってくる。
俗に言うガチ恋距離ほどににじり寄られると、首元から香る香水か体臭の良い臭いが鼻腔を擽る。
「全校集会で一度……」
前世で知っている。なんて口が裂けても言えないので適当に誤魔化す。
「そう」
俺の回答に納得したのか、一転距離を取って先に歩き出す。
「付いて来て」
彼女の言葉に従って俺は後ろを歩いた。
◇
引き戸が引かれ、入るように志喜屋先輩に促される。
「失礼します。1年Ⅹ組の日直に変わり書類を届けにきました」
「入りたまえ」
生徒会長。
「失礼します」
そう言って入出し生徒会室のドアを閉める。
室内には三年の月之木先輩、二年の放虎原先輩、志喜屋先輩、一年の桜井弘人、
「こちらが書類になります」
「ご苦労」
放虎原先輩が労いの言葉をかける。
「では失礼します」
「待ちたまえ」
放虎原先輩が俺を静止する。
「何か?」
「もうすぐ時期生徒会選挙が公布されることを知っているな?」
「ええ」
前年度の三月に三年生と二年生で生徒会役員を発足するシステムではないことは、一年の夏前に一年生の桜井弘人、
それが俺に何の関係が?
「知っての通りツワブキ高校で生徒会役員は、二年生の冬までと決まっている。その上生徒会役員は定員割れギリギリなんだ」
「はあ」
「三年はこちらの月之木副会長と会長が居るのだが……」
「会長は模試の成績が悪くて塾に缶詰状態なんだよね」
「会長より成績の悪いあなたが言っても説得力ないですけどね」
「ありゃ……」
そりゃ原作で学年でほぼビリだった人間に成績で何か言われたくはないよ。
「話を戻そう。と言う訳で前期生徒会役員の候補探しをしているんだ」
「はあ」
「副会長は文芸部と兼任しているから兼部も可能だ。成績が重要と言う訳でもない副会長は学年でも下から50以内に居る」
「ちょっと! 良い方が酷いんじゃない? でも文芸入らない?」
「勧誘……良くない」
「志喜屋覚えておきなさいよ? 用が無ければ私はここに来ないっての!」
「ごほん。と言う訳でわたしは生徒会役員を求めている。生徒会役員の選出は生徒会長のわたしに一存されている。良ければ生徒会役員にならにか?」
「少し考えさせて頂いてもよろしいでしょうか?」
「構わないよ。生徒会選挙までを期限としてくれればいい」
「失礼いたしました」
帰路で俺は想像を巡らせる。
負けヒロインを勝たせるそれが俺の役目なのだろうか? 一人で居るだけでも十分幸せな
物語では、生存権の行使として破滅フラグをへし折ることを目標にする憑依転生モノが多い。だが俺の場合は生存権は脅かされてはいない。
これは俺のエゴだ。
八奈見杏菜は、焼塩檸檬は、小鞠知花は、
俺が彼女達の青春の一ページを、人間的成長の瞬間を奪う事に繋がる選択肢を握っている。
俺は、誰を救い? 誰を殺す?
青春敗残兵に決めて言いのだろうか?
原作に介入せず自然と彼ら彼女らの人生を眺めているモブAに徹することが、彼ら本来の姿だと思う。
だけどみんなができるだけ幸せになるようにできるのは、原作を知る俺にしかできないことだ。
俺は決意を決め自転車のペダルを漕いだ。