今回は意外と書きやすかった記憶。
〈side.???〉
_________声が聞こえる。
「被検体番号026、493、904の受精卵の成立を確認。次持ってこい。ん?あぁ、いつもの所に捨ててこい。焼却炉だよ。」
_________声が聞こえる。
「君が今日からここに所属する新人だね。念の為に だけどここでの非人道的な実験は決して口外しないように。」
_________声が聞こえる。
「やった!成功したぞ!被検体496が胎児まで成長!心音、血液、体温オールグリーン!
_________声が聞こえる。
「やりましたね!主任!これで何年も続けてきたことに報われますね!」
声が聞こえる。何かを喜んでいるかのような声。出来上がった時に聞ける声。周りの歓声。称えあっている声。
目を開く。白い光が明るい。闇から引きずり出されて光を見た。周りのヒトはよく見えない。ただ分かるのは白いだけ。あまりに眩しくて涙が出る。
呼吸をする。匂いを嗅ぐ。薬品の匂い。消毒の匂い。胸が痛い。
手足を動かす。身体が痛い。
声を出す。喉が痛い。
ただひたすらに痛い。
〈6年後〉 493番(6歳)
目が覚める。今日も決まって同じ日課なのだろう。決まった朝食を出され、身体検査のために部屋を移動し、適量な薬を出され、必要な学習と運動をして、また身体検査をし、目を瞑って眠る。
〈1ヶ月後〉
今日はいつもと違うらしい。午後の学習を終え、後は身体検査をするつもりが教官に呼ばれた。ほかの研究員と変わらない目で僕に対して
「付いてこい」
と言ってきた。言われた通り付いて行くと、見たこともない部屋に辿り着き部屋に入ると5匹の虫がいた。教官は僕に対し、
「殺せ。」
と言ってきた。しかし僕は本で「生き物は殺してはいけない」と習ったので教官に聞いてみたら、左頬を殴られた。彼は変わらず「殺せ。」と言ってきたので、仕方がなく殺した。
〈4年後〉 493番(10歳)
その後も殺しの訓練をさせられた。虫だったものは次第にどんどん大きくなり、百足、雀、蛇、魚、鴉、鶴、鶏、猫、犬、鹿、狼、羊、馬と動物を沢山殺してきた。殺し方も沢山教わった。
今日もまた何かを殺すのだろう。他に殺していないものとしては虎、ライオン、チーター、サイ、ゴリラ、象、キリン、熊あたりだろうか?
そう考えて歩いているといつもの扉が見えてきたので開いてみると中にいるものが見えてきた。
中にいたのは人間だった。
予想が外れてガッカリしたが、いつもとやることは変わらない。教官から殺し方を指示されて行うだけだ。しかしこれまたいつもとは違う指示が来た。
「好きなように殺せ。」
そう言うと僕は数分時間が停まったかのように感じた。なぜなら今まで指示されて生きてきたからだ。急に「好きにしろ」などと言われても困惑するに決まっている。様子を不思議に思ったのか、教官が
「どうした?」
と聞いてきたので、僕はいつもと変わらないトーンで
「なんでもありません。」
と言って僕は標的を見た。標的は椅子に座って固定されている目と口は覆われていて身動きが取れなさそうだ。かと言って自分には武器がないので殺す方法は限られてくる。
僕は標的の椅子を倒し、頭の方に回って首を絞めた。声にならない悲鳴が聞こえたが他の動物よりも大きいんだなとしか思えなかった。次第に声は弱まっていって、完全に死んだのが分かった。
教官の方へ行き報告するといつものように検査をして寝た。
〈3ヶ月後〉
最初の絞殺から色々な事を学んだ。刺殺、射殺、撲殺、毒殺、溺死、焼殺、転落死や窒息死他にも人体の構造や急所なども学んでいった。
〈4年後〉 493番(14歳)
いつもと同じ時間に目が覚めいつもと同じ日課を送る為に今日も教官を待っていた。しかし教官は何時になっても来ない。部屋には時計があるので見てみると時刻は9時42分。明らかにおかしい。いつもならこの時間は身体検査を終え学習の準備に取り掛かっている時間だ。
「とりあえず1時間待つとしよう」
そうして1時間待ってみたが何も無い。部屋に入る緊急連絡ボタンがありそれも押したが誰も来ない。
(お腹が空いた。怒られるかもしれないがドアを開けよう。)
許可なくドアを開けたら研究員達に怒られるが仕方がない。そう思いドアを開けると
研究所で誰かを探すために歩くと地面にはサラサラとしたものがあった。
「砂?いや灰か?なんでこんな所に?」
ただひたすら謎だった。そこで周りに目を向けるとここ以外にも多くの場所に灰があった。研究室、学習室、訓練室、トイレ…etc、何らかの部屋に入ると必ず灰が落ちてあった。
ある程度起きた事は察していたが何が起きたのかを完全に理解するため、「モニタールーム」と書かれている部屋に入り過去の監視カメラの映像を見た。
画面には
灰色の怪物がありえない速さで職員達を次々と灰にしていた。
僕に対して強気だった教官達は銃を持って対抗しようとしたが、為す術もなく死んでいった。
命乞いをしている職員も何人か見られたが、皆等しく灰にされていった。
怪物は全ての職員を片付けたのか、この研究所を去ろうとする間際、ふとある場所で止まった。
そう。
僕の部屋の扉の前だ。
怪物は僕の部屋を静かに開け、音もなく侵入し、寝ている僕の前に立つと突如首を
まるで僕がここに来るのを知っているかのように。いつでもお前は殺せるのだぞとでも言わないばかりに強烈な意志をカメラを跨いで味わった。
怪物はその後何も無かったかのように去っていった。
その映像を見た後僕はただ呆然としていた。椅子を離れ立とうとしても立てなかった。そう。足が震えていたのだ。直ぐにでもこの気持ちを消し去りたいが消せない。
〈1日後〉
あの後、救助が来たのはそう長くかからなかった。救助と言っても正確には、研究所の本社御用達の救助隊であって、警察や救急隊などの公務員ではなかったが。僕は本社の人間から質問攻めにあったが取り敢えず
「監視カメラに映像が残っているので確認してください。」
と言って解放させてもらった。救助隊の話によると、生き残った者は誰もいなく、
そして他にもこんな会話が聞こえてきた。
生き残ったモルモットをどうするか。
モルモットと言うのは間違いなく僕だろう。何らかの実験をここでしていたようだが、研究員は全滅。残っているデータも少なく、引き継ぎが難しい様子だ。僕はこれからどうなるのだろうか。そう思った時。
「私が預かろう。」
そう厳格な声が聞こえてきた。声が聞こえると先程まで作業に取り掛かっていた職員達は一斉にその人物に向かって頭を下げた。
その人物は体は大きく白髪で眼帯をしていた。僕は急に出てきた人が誰かも分からなかったため、「誰ですか?」と尋ねると周りの人達は「何余計なこと言ってるんだ」みたいな顔をしてこちら側を見ていた。
おじさんは声を崩さず、
「私は蓮之助という者だ。これからは君の保護者になる。」
そう言うと蓮之助は俺に対して
「保護者になるにはお前の名前を知っておかなければならない。名を教えてくれ」
そう言われたので研究所でずっと使われていた「496番」と答えると
「それは名前とは言わん。記号、番号だ。名前がないなら私がつけよう。そうだな。名は
〈三年後〉 遠坂竜也(17歳)
あれから
しかし、数ヶ月後に人類にとって最悪の日が降りかかることは恐らく
最後まで読んで頂きありがとうございます!
ある程度の展開は思い浮かんでるけどやっぱ書くのが難しい…