ドルオタゴリラ呪術師とリアルロシアンルーレットチンチクリン   作:カフェイン中毒

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第十話 個人戦における特級呪術師(見習い)

「納得いかない!めちゃくちゃ怒られた!しかも五条先生にも!理不尽!」

 

「いや、琴音あんたさ……?反転術式が死ぬほど難しくてアウトプットできる人なんて硝子くらいだって教えて……ないね」

 

「東堂と組ませれば勝てるとは思うとったがいつもあるブレーキが取れとるのう……まさか特級術師であることに安堵せねばいかん時が来るとは思わなかったが」

 

 朝ごはんの納豆にからしと醤油とネギを入れて混ぜている私が不平と不満を漏らすと向かいで同じように納豆を混ぜている歌姫先生が私に突っ込んだ。そして味付けのりでご飯を巻き付けて食べている学長先生がため息をついている。なんでー?

 

「他の人回復できたらいいことずくめだと思ったから使ったのに」

 

「ことはそう単純じゃないのよ。いい琴音?アンタは今、神獣レベルの式神を召喚できて反転術式のアウトプットができて尚且つ戦闘力そのものも高いの。つまり、五条悟と家入硝子を足して2で割ったような美味しい存在ってこと」

 

「不味いより美味しい方がいいですよね」

 

「そうじゃないのおバカ。上のヤツらがアンタの価値をよく考えずに特級にしたからいいものの、あんたがこれで二級のままだったりしてみなさい。昼夜問わずに反転祭りが開催されるわよ」

 

「今はその家入さんって方が昼夜問わず反転祭りされてるんですよね?私が手伝ったら半分になりますね!」

 

「なんでこんないい子なのに変なところぶっ壊れてるのかしらこの子……」

 

 反転術式で他の人を治せる人が希少ってことはその分のしわ寄せがその家入さんっていう方に寄ってるのでは?それはつまり私が京都辺りのそういった面倒ごとを引き受ければその人の負担は減るはず!いいことずくめじゃーん!

 

「はぁ……あんた五条に感謝しなさいね?五条、あんたがあの龍だして広域に反転のアウトプットしたことについて上を脅しに行ったんだから。じゃなきゃアンタ京都校退学にさせられて任務漬けにされた挙句子供産まされてもおかしくないのよ」

 

「子供産ませるって上の人たちはこんなのに興奮するヘンタイなんですか?ていうかそんなことになったら私多分外国に行きますけど。この前会ったミゲルさんって人が面白くてですね」

 

「とにかく!今日の個人戦はぶったまげたことはしないでそれなりに頑張ること!いいわね!?」

 

 はぁい、とふまんたらたらの返事をしてみると歌姫先生と学長先生はそろってため息をついた。そこまで問題児ですか?私は。東堂君といるとブレーキが利かなくなるのはわかるんだけどかといって問題行動を起こしてるとは思わないんですけどどうなんですか?でも五条先生には感謝しないと。うーん、甘いもの好きだって言ってたからケーキでも焼いて持っていこうかな。

 

 

 

 

 

「ハイ!交流戦二日目始めていきます!つまんねーけどいつも通り個人でのガチンコ対決ね。殺したり再起不能にしたらダメなのは昨日と一緒。若干一名治したらオッケーですかって聞きそうだから先んじて言うけどダメね」

 

「五条、つまらんなどというな。とにかく学生諸君は精一杯自らの力を俺たちに示してほしい。基準を満たせば次のステップへの道が拓けるだろう」

 

「はい、というわけでくじ引いてね~」

 

 私がいつの間にか笑顔でサイコな行為をするような人間だと思われていてとても悲しいっていうかそんなことしないから!でも五条先生には感謝しないといけないので何も言わないことにする。おくちきゅっ。そんな感じで五条先生の手からくじを引く。中を開くと。

 

「五条先生セクハラですよ~~」

 

「ごめーんそれあたり」

 

「まず間違いなく外れですけど!?」

 

 ちんこ、とそれっぽい絵が描かれていただけだった。絶対私にひかせるつもりだったでしょこの人。どうやって入れ替えたのやら?まぁいいや、迷惑かけたし広い心で……いや許せるかぁっ!!いくらなんでも怒るぞ!というか怒った!静かに怒る私の手のひらの上に死神のアルカナが描かれたタロットカードが出現し私がそれを握り砕こうとしたら、普通に五条先生に止められた。あなたのせいなのに。

 

「ねぇ昨日から知らない物ばっかり出てくんだけどどうなってんの君~」

 

「これに関しては五条先生が私を怒らせなかったら出なかったですよ」

 

「まだなんかあるって言外にいうのやめてくれない?」

 

 まったくもう、とポケットに手を仕舞った私にくじを差し出してくる五条先生から奪い取るようにくじをとって開く。するとそこにVS秤金次の文字が。まさか秤君と私を当てるために変な仕込みしたわけじゃないよね?ねえ五条先生~~~?

 

「座標指定の攻撃ならあたるのかな……」

 

「ねえなんか怖いこと言ってないこの後輩?僕特級呪術師の先輩ぞ?もっと敬いたまえよ」

 

「五条先生?呪殺と昇天どっちがいいですか?」

 

「ねえマジで怖いんですけど!?」

 

 そんなぐだぐだな面白トークをやってたらきゃんきゃんと吠える私がうるさかったらしくて東堂君にくびねっこぷら~んで空輸されることになった。ひどい、くすん。人の心とかないの?私にはたくさんあるのに、物理的に。

 

 そんなことを言っても始まらないのが個人戦。そういえばみんなの前で手札を披露しながら戦うのって初めてかも?大抵、ジャックランタンくらいのパワーがあれば任務には十分だったし、オルフェウスかイザナギでも呼べば一発だ。うわー、私を知られるって恥ずかしい。

 

「ったくよぉ……あんなところでトンズラこくなんて普通するかぁ?上げるだけ上げて肩透かしなんて冷める超えて凍るぜ?」

 

「昨日はごめんね?秤君たちは団体戦の勝ち負けどうでもよかったかもしれないけど私は勝ちたかったんだ。学長先生とちょっと賭けみたいなことをしててね」

 

「ほう!それ聞いちまうと許すしかねーよな!んで、なに賭けてたんだよ」

 

「学長先生のワンマンライブ開催決定権!」

 

「ぶははははは!なんだそりゃおもしれえじゃねえか!あの爺さんのライブってなにやんだよ!琴か!?」

 

「え?ギターだよギター。バリバリのロック」

 

 何を思ったのか私が一発目だったので呪符に囲まれたリングに上がる。うわー、ドラゴンボールの天下一武道会みたいだ。相対する秤君に昨日のことを謝った後理由を告げれば彼は大爆笑してお腹を抱えてしまう。あ、これ秘密なんだった。学長先生メンゴ☆と驚愕の眼差しで見られている学長先生に手刀を切っておく。

 

「今回は逃げずに最後までやるからさ。よろしくね?」

 

「それが聞きたかったンだよ。最初っから出し惜しみなしだ。領域展開……!」

 

「およ?」

 

「ちょっと~~!まだ開始っていってな」

 

 五条先生の声が途中で途切れた。そして景色が塗り替わる。見慣れない掌印を組んだ秤君を中心として世界が書き換わった。領域展開、初めて見た。呪術の最奥、自分の心の中の景色を現実に移しこみ侵食する。そして重要なのが領域で発動された術式は必中になる。正確には術式が当たったことになる。防御自体はできる。当たった状態から発動する防御……展開していればマカラカーンやテトラカーンで対応は可能なはず。

 

「おいおいおい、なんじゃそりゃ……!」

 

「ふふ、私流簡易領域ってやつかな?」

 

「カッ!さすがは五条サンと同じ階級ってわけか!スケール違うぜ……!」

 

 私の背後から出現したアバドンが私を呑み込む。要は私の周りが術者の心象でなければいいんだ。つまり私を領域の中から別の領域に隔離してしまえばいい。例えば……奈落という概念の化身であるアバドンのように。奈落につながる口の中に入ることで私自身であるアバドンの中に入る。防御しかできないが膨大な呪力で維持が困難な領域展開に対して耐久力とあらゆる耐性に特化したアバドンの防御で挑むわけだ。まあ、それも……。

 

「熱くないからやめる。ルールは理解したからあえて言うね。大当たり引くまで待ってるから」

 

「ナメてるってわけじゃねーな……ここで賭けんのか?おいおいおい!最高すぎだろ!坐殺博徒の効果知ってそれ言ってんのか!?」

 

「例えばなんだけど、今ここで秤君を一撃で沈黙させたとしてそれは秤君の言う熱が高まるのかな?オーディエンス、私たち二人。全力だしてギリギリまで殴り合って……私が熱いって思うのはそういうことだよ?」

 

「余裕綽々ってか?いいね、そうじゃねーと楽しくねえ。ノッテ来たぜ……確定演出(虹扉)だ」

 

 秤君の領域、術式効果にはびっくりした。パチンコだよ、パチンコ。CR私鉄純愛列車っていう漫画原作のパチンコ台がそのまま術式になっている。細かいルールは頭に流れてきたんだけど大雑把に言えば……大当たりを引けば秤君は超絶強化を受けるってこと。そして本当に運任せなことだ。その前に畳みかけちゃうのは詰まんないし、昨日と同じだ。秤君が気のすむまで付き合ってあげよう。私が負けてもそれはそれで面白い。

 

「一つ聞きてーんだけどよ……それ、どうやって召喚したんだ。綺羅羅にトラウマ植え付けたそれつかってねーだろ」

 

「あっはっはー。ルール違反はしてないよ?タロットカード出したでしょ?あれ、ポケットに入れたままだったんだぁ。あとはポケットを叩けばってね。召喚器は私に必須のものじゃないよ」

 

 領域が砕けると同時に秤君の呪力が跳ね上がる。無制限に湧いてくる呪力が秤君を際限なく強化していくのを感じる。今の状況だけ見ると私が圧倒的に不利、だけど負ける気はしない。確かに私は特級呪術師として自分を認めていないけど、呪霊との闘いなら10年、術師としてなら半年戦ってきた。つまり、自信があるってことだ。

 

「ペルソナ―――ヨシツネ!ヒートライザ!」

 

「おせぇっ!?」

 

「秤君の呪力ザラザラするね!いったい!」

 

「殴り合いもできるクチか……ますます高まるぜ」

 

「ちょっと前に特級呪術師に顔を3発も殴られちゃってさー。悔しくてね」

 

 コウリュウと同じく最上位クラスのペルソナ……武将として名高いヨシツネを召喚する。呪術と昔に実在した人物は相性がいいのかヨシツネは生まれた頃から何もしなくても強かった。そして呪術を理解し学んだ今、より強くなっている。すべての能力を底上げする術を自分にかけた私の飛び後ろ回し蹴りが秤君の顔面に命中した。

 

 そこからは拳と刀の打ち合いだった。何とかして懐に入りたい秤君は奇襲で蹴り飛ばされたものの実際殴り合えば圧倒的に有利なのは変わらない。だから、近接戦において何よりも強いヨシツネを選択した。二刀流の剣筋が秤君の呪力防御を超えて体に傷を刻んでいく。

 

「ボーナスでやっとまともにやり合えんのか……!いや……届かない、かぁ!?」

 

「寧ろ私はやり合えてるってことに驚いてるけどね!?大体コウリュウと一緒ぐらいだよ!そのペルソナは!」

 

「お褒めに与かって光栄だ!んでもよ……一体しか召喚できないんだろ!?しかも動きはテメェが指示してんな!?」

 

「大っ正解!でもそれは、ヨシツネを超えないと私には届かないよ!」

 

 秤君のボーナスタイムは今鳴り響いている音楽が終わるまでの4分11秒!今Bメロのサビだから残り2分ないくらい!ここで、秤君が防御を捨てた。まともに入る斬撃を無視してヨシツネを殴り飛ばした!すっごい!そして、容赦のない拳打が私に浴びせられる。身を縮めて耐える、最後の蹴りは腕を差し込んだものの蹴っ飛ばされて壁にめり込む。

 

「腕折れちゃったぁ。ひどーい」

 

「あんだけ本気で殴ってその程度なのは余計にやベーだけだぜ。痛みにうめくくらいしろよな。見た目の分こっちが心痛いわ」

 

「んー、痛いけどねぇ。そろそろボーナスも終わるじゃない?そこに賭けようかなって。秤君が領域を展開するより前にヨシツネがあなたを斬り伏せる」

 

「はっ!どんだけアゲてくれんだ?言っとくがボーナス中は俺は不死身だぜ?」

 

「見ればわかるよ。自動の反転術式と湧き出る呪力でねじ伏せる。バフをかけて相手を殴る、うーん頭いい!……死んでも文句は言わないでね?」

 

「上のクソどもとは違って素直に認めてくれんのは嬉しいけどよ、それは舐めてるっていうんだぜ?領域てんか―――――ッ」

 

 掌印を結んで領域を展開する……ボーナスが途切れて領域を展開するまでおおよそ0.1秒以下……神速と化したヨシツネが8回秤君を斬りつけて吹き飛ばした。ボーナスが切れているからスピードしか本気を出していないけど人体に刀というだけで大きなアドバンテージだ。それを振るうのが私のペルソナならば特に。

 

 『八艘跳び』、源義経の伝説を術に落とし込んだヨシツネの必殺技。全方向からランダムに8回斬りつける絶技。速度だけなら私のペルソナで一番を誇るヨシツネでなければできない技。この技だけは、どのペルソナも真似できない。居合の抜き合いは私の勝ちだ。

 

 倒れ伏した秤君を五条先生が確認して私の勝ちが宣言される。ふぃ~と息を吐いた私はペルソナを入れ替える。オルフェウスが姿を現してメディラマという大怪我程度なら治る回復術を発動してぷらんぷらんしてた私の手と秤君の切り傷が治る。盛り上がった?と周りを見てみたらなんかみんなドン引きしてた、東堂君以外。え~なんで~~~。

 

 




 ぶっちゃけ言う、秤君の領域よくわかんない上に複雑だ。そして秤君がめちゃくちゃ強いのがわかってるから主人公とあてた時にどうやって強さを表現するかめちゃくちゃ難しい。なので最強ペルソナヨシツネ君に出張ってもらいました。ヨシツネ相手にまともに殴り合いができるってやばいっしょ、っていうことです。八艘跳びだけはどうにもできなかったかもしれない。

今回のヨシツネ君のスキル

 八艘跳び チャージ ヒートライザ 斬撃ブースタ 斬撃ハイブースタ 斬撃メガブースタ アリ・ダンス アドバイス

 こんなんと殴り合っている秤くんは十分おかしいと思います(大本営発表)
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