Angel Beats! 新たな人生   作:二重世界

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第2話 部室

「音無くん、ちょっといいかしら?」

 

「断る」

 

「そう、私に誘われるのがどれだけ光栄か分かってるようね。って、断るの!?」

断れることを想定していなかったのかよ。相変わらず自分中心で生きているんだな。いや、前は死んでいたか。何かややこしいな。

 

「……俺はこれから妹を迎いにいかないといけないからな」

 

「分かったわ。だったら、その妹も連れてきなさい」

初音をあの連中に会わせるのは確実に悪影響だから嫌なんだが。

 

「諦めろ、音無。ゆりっぺに逆らうことの恐ろしさをお前も知っているはずだろ?」

急に日向が表れて俺の肩に馴れ馴れしく手を置いて言った。イラッとするな。

 

「……ハァー。仕方ないか」

 

「物分かりが良くて助かるわ。じゃあ、妹と一緒に来てね」

それだけ言うと、ゆりはどこかに行ってしまった。

 

「どこに行けばいいんだよ?」

 

「それだったら俺が――」

 

「私が案内するわ」

 

「かなでも関係しているのか?」

 

「ええ」

まぁ、かなでがいるんだったら行ってもいいか。

 

「俺は無視か!?」

日向が何か叫んでいる。うるさいな。

 

「先輩の存在感は虫けら並ですからね」

いつの間にかユイが来ていた。

 

「それはどういう意味だ!お前は口が悪過ぎるぞ」

そして日向がユイにプロレス技をかける。ユイは学習しないのか?

 

「イタタタッ!ひさ子先輩、助けてください!」

 

「よぉ、音無。私もついて行って良いか?」

 

「だったら私も行こう」

そして、かなでと岩沢とひさ子と一緒に初音を迎いにいくことになった。

 

「だ、誰か助けてください!」

ユイの絶叫がクラス中に響き渡った。

 

 

 

 

「何で、こんな校舎から離れた場所にプレハブ小屋があるんだ?」

俺は今、学園の端の方にある人気の少ないところにきていた。

 

「これはゆりが部室として特別に作った物だからよ」

 

「これが部室!?」

部室でプレハブ小屋を作るとか、前よりも無茶苦茶がレベルアップしてるんじゃないか?

 

「……一応、聞いておくが何の部活なんだ?」

 

「特に活動目的はなく駄弁っているだけの部活だよ」

 

「何で日向がいるんだ?」

 

「そりゃあ、俺も部員だからに決まってんだろ」

そんなことを聞いたんじゃないんだが。まぁ、日向だし仕方ないか。

 

「音無先輩が言ってるのは俺のハーレムの邪魔だから野郎はどっかに行け、ってことですよね?」

そんなに間違ってないけど、言い方がイラッときたな。

 

「……初音、目をつむって、耳を塞いでいてくれ」

 

「うん、良く分からないけど分かった」

俺の妹は純粋で可愛いな。

さて、その妹に悪影響を与える可能性は排除しないとな。

 

「……どうしたんですか、音無先輩。そんなに怖い顔をして」

 

「別に。ちょっと、こっちに来い」

俺はユイをプレハブ小屋の陰に連れていった。

 

「グギャャーー!」

 

十分後、生気の失った顔をしているユイを連れて皆に合流した。

 

「はい、私が全部悪いんです。音無先輩は全く悪くありません」

 

「ユイ!おい、ユイに何をしたんだ、音無!」

 

「別に大したことはしてないぞ」

少し反省してもらっただけなのに大袈裟だな。

 

「……音無。ユイのイタズラには私達、特に私が苦労していんだ。岩沢は音楽に没頭して全部、私に押し付けるからな」

そうか、ひさ子も苦労していたんだな。

 

「いや、俺は俺のやることをやっただけだ」

 

「一つ頼みがあるんだが、良いか?」

 

「ああ、いいぜ」

 

「ついでに関根にも罰を与えてくれると助かる。私だけじゃ手に負えなくてな」

 

「ちょっと、ひさ子先輩!何、恐ろしいことを言ってるんですか!?」

プレハブ小屋の中から凄い勢いで関根が出てきた。

 

「よぉ、関根。久し振りだな」

 

「お久しぶりです、音無先輩。って、違いますよ!何を良い感じに物騒な相談してるんですか!?」

 

「音無先輩。お久しぶりです」

関根の後ろから遅れて入江も出てきた。

 

「久し振りだな。ところで、どうしたんだ?」

 

「ゆりっぺ先輩に遅いから見てこい、って、言われました」

 

「ああ、そうだったのか。悪かったな」

 

「って、何私を無視して穏やかに挨拶してるんですか!?みゆきちも私がこれから酷い目に合うかもしれないっていうのに何も言わないし」

 

「だって、しおりんの自業自得だし」

親友に見捨てられて倒れ込む関根。

入江の様子からして苦労してそうだな。

 

「あの、お兄ちゃん。いつまで目をつむって、耳を塞いでいればいいのかな?」

しまった!俺としたことが初音のことを忘れていた。

 

「もういいぞ、初音」

 

「あれ?また知らない女の人が増えているけど、お兄ちゃんの知り合い?」

 

「ああ、岩沢とひさ子の後輩でバンドのメンバーだ」

 

「初めまして、音無初音です。いつも兄がお世話になってます」

 

「いえいえ、こちらこそお世話になってます。私はガルデモのドラムを担当している入江みゆきです。そして、こっちの倒れているのがベース担当の関根しおりです」

こういうのを見てると癒されるな。この後の展開を考えると癒されてばかりもいられないが。

 

「それよりも早く行かないか?」

岩沢に言われて、また話し込んでいたことを思い出した。確かに早く行かないと、ゆりが怖いな。いや、もう手遅れだど思うが。

 

「じゃあ、ユイは日向が運んでくれ。俺は関根を運ぶ」

 

「私も手伝いますよ」

 

「分かった、入江。じゃあ、俺が前を持つから足の方を持ってくれ」

 

「分かりました」

そして俺は地獄へと足を踏み入れた。初音だけは何があっても守ると決意をして。

 




今回でガルデモのメンバーは全員出ました。次回は野郎共の出番を予定しています。

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