◆ニゲルside◆
ブルーと出会い、三日がたった。
俺は今、茨城にいる。
とある犬と会う約束をしているんだが、本当に場所はあってるのか?
「………兄貴、雲行きが怪しくなってきたみたいです」
「確かに夜にでも降りそうだな……ブルーは雨は嫌いか?」
「……俺は嫌いですね。
雨は、嫌な想い出しかないんで……」
ブルーはそういって、顔をしかめた。
「俺と同じだな」
「兄貴もですか?!」
「ああ、俺も大っ嫌いだ」
嫌でもあの日をおもいだしちまうからな。
◆半年前―――――――
群のリーダーの
確か………犬の身体の凄さに、驚愕していたな。
俺は、もともと剣道をやっていたおかげで、動体視力と洞察力は鍛えられていた。
前の体では、わかっていても動けないということがあったが。
この躯は、反応してくれる。
理想を体現してくれるのだ。
半年にして群の誰にも負けなくなった。
犬としての生活にも馴れ……家族四人(母、弟、妹、俺)と、家族同然の仲間達と幸せに暮らしていたのだ。
………あの日までは。
その日、俺は川に魚を獲りにいっていた。
雨が降りだしたので、早めに切り上げ帰ると……。
そこは地獄であった。
赤い……赤く染まった水溜まりが雨に跳ねる、赤い滴が踊っていた。
赤い水溜まりは辺り一面に拡がり、其処に冷たくなった骸が複数転がっている。
「なんだよこれ………………」
側にあった骸に近付くと、見覚えのある顔をしていた。
…………母ちゃん。
「………まだ、無事なのがいたか」
何時の間にか、俺の目の前にナニかがいた。
俺よりも黒い、まるで漆黒の闇を纏った化物。
本当に纏っていたのかもしれない……と、思えるほど禍々しい狼が俺の仲間、家族を殺していた。
「……お前がやったのか?」
「そうだ、安心しろ直ぐに貴様も殺す」
そう言った刹那、狼の姿がぶれた。
「ッガハッ――――!」
気付いた時には、俺は数メートル程吹き飛ばされた。
辛うじてあの牙だけは避けれた……が、衝突は避けれなかった。
吐き気が凄い、意識も失いそうだ………だがあの牙に捕らわれたら、既に引き裂かれ死んでいただろうな。
避けれただけでも行幸レベルだな……糞が。
「ほぉ、今のを避けるか。
だが、足掻いても苦しむだけだ。
大人しくしてれば、楽に死ねるぞ!!」
そう言いながら、ゆっくりと俺に近付いてくる。
「ふざけるなっ!!
俺は死なねぇ!お前を殺すまで死なねぇぞ!
糞野狼!!」
意識も朦朧ながら、敵を睨み付け叫ぶ。
その瞬間、狼は嗤った。
「………ッククハハハッ!!
嘘だろ……いや、その目は本物か……
面白い!……生かしてやるよ、その代わり強くなれよ。
そんで、俺を殺しに来い!」
「絶対に殺す!
強くなって、お前の咽を喰い千切ってやるからな!
俺はそう言い残し、気を失った。
―――――――――――。◆
「―――兄貴?
大丈夫ですか、顔色悪いですよ」
「んああ、大丈夫だ」
心配かけちまったらしい。
………気をつけないとな。
「それより、迎えがきたみたいだ」
木陰から、茶色いのが2匹現れた。
「………あんたがニゲルだな」
「ああ、そうだ………でお前らは?」
「
「同じく、
2匹は、名乗り終わると、ブルーに目をやった。
「そっちのあんたは?」
「私達は、ニゲル様だけだと伺っているのですが?」
確かにそうだったな。
「………ブルーだ」
「この前、あいつらに話を通した後、仲間になったんだ!
悪ぃな……一匹追加で頼むわ!」
「俺は別にいいと思うが、どうだサイ?」
切羽が適当に頷き、砕羽に話をふる。
「……はぁ、いいでしょう……案内します。
ついてきてください」
砕羽は溜め息をつきたそうな顔で了承し、くるっと切羽の方に向くと。
「キル、後で御話があります」
目が笑っていない笑顔で、いい放った。
「はい!」
その笑顔をみた切羽は、硬直し震えだしたのだった。
夫婦漫才は他でやってくれよ…………はぁ。
文才が欲しい………