軍神アレスとなった誰かの話   作:色々残念

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以前ダンまち系短編集で書いていた話を数話続く短編として書いてみる話になります


軍神アレスとラキア王国

軍神アレス。

 

アレスはギリシャ神話の軍神である存在だが、愚かな存在として描かれることも多い神だ。

 

俺はそんな軍神アレスに生まれ変わっていた訳だが、神に寿命はないので、かなりの長い時を軍神として過ごした俺。

 

拳闘の神でもあるアポロンと素手で殴り合い、身に付けた拳闘。

 

弓の扱いに長けた月の女神であるアルテミスと弓で勝負して磨いた弓術。

 

友神であるヘファイストスに剣を作ってもらい、行った剣の鍛練。

 

鍛冶神でもあるヘファイストスから学んだ鍛冶の技術。

 

トライデントという三叉槍の使い手であるポセイドンと戦って身に付けた槍術。

 

数多の武器を用いた戦い方を身に付け、それ以外にも戦に必要な技術を得た俺は、軍神の名に恥じない神となることができた筈だ。

 

ひたすら戦に関することだけ身に付けていき、天界の美食にも美女にも興味がない俺は、腹が減れば適当に豆を炒って食べていたりもした。

 

美の女神であるアフロディーテからアプローチされようが「炒り豆食べるので忙しいから」と断る俺に「なんでよー!もっとアタシに構いなさいよー!」とアフロディーテがちょっかいかけてきたりもしたな。

 

なんてことがあったりもしたが最近は天界から地上に降りて過ごす神々も増えてきて、神の力を使うことなく地上で生きている神々も少なくはない。

 

不意に地上を見ていると神に救いを求めている人々が見えた俺は、地上に降りることを決めた。

 

救いを求めていた人々に俺が神の恩恵を刻み、戦う力を手に入れた人々。

 

そんな人々に軍神アレスとして戦い方を教えていくと、強くなっていった人々は誰かを助ける為に戦っていく。

 

アレス・ファミリアの始まりは、そんなものだ。

 

それから時が過ぎ、少数の人々の集まり程度にしか過ぎなかったものが、大人数になり、国を起こせる程度にはなったアレス・ファミリア。

 

アレス・ファミリア団長を国王として、ラキアという名の国を建国し、国を富ませる為に様々なことを行ってみた。

 

何度か国王が代わった頃には、大国とも言える程度に大きくなったラキアという国。

 

初代クロッゾの血を受け継ぐ者達がラキアの一員となってから、クロッゾの血を受け継いでいた者達が作れるようになった特別な魔剣は、クロッゾの魔剣と呼ばれるようになる。

 

火の大精霊ウルスの血を宿した初代クロッゾの血が、俺の与えた神の恩恵に反応し、スキルとしてクロッゾ一族に反映されたことで作れるようになったクロッゾの魔剣には精霊の力が宿っている筈だ。

 

つまり、精霊に拒まれればクロッゾの魔剣は砕け散る可能性が高い。

 

それについては現在のラキア国王にも伝えて、ラキアの全国民にも周知させており、精霊の住まう場所を破壊することにクロッゾの魔剣の使用を禁ずる法律まで作られて、徹底していたラキアではあるが、何処にでも愚か者は居る。

 

現ラキア国王の息子の1人で、次代の国王となることを望んでいた男は軍に所属していたが、更なる功績を求めて精霊の住まう森をクロッゾの魔剣で焼き払うように、部下達に指示を出したらしい。

 

それは重罪であると暴挙を止めようとした部下達を斬り殺して、クロッゾの魔剣に精霊が関わっているなど迷信だと宣い、自らクロッゾの魔剣を振るって森を焼いた国王の息子。

 

精霊達の怒りを買ったことで、当然の如く砕けたクロッゾの魔剣の数々。

 

ラキア王国の優れた武器であったクロッゾの魔剣を大量に失わせた罪は、とてつもない重罪であり、愚かな行いを止めようとした部下まで斬り、クロッゾの魔剣で精霊の住み処を焼くという暴挙を行った国王の息子に対する罰は、激怒した国王による鞭打ちでの処刑となった。

 

死ぬまで鞭で国王に打たれ続けた息子は、神の恩恵を授かっていたせいか、中々死ぬことが出来ず、長く苦しんだのは間違いない。

 

血の繋がりがある息子であろうと、定められた法を破る愚か者であるなら処刑する国王は、王としては正しいだろう。

 

基本的に温厚だった国王が特に激怒した理由は、ラキア王国の主神である俺が教えていたクロッゾの魔剣に関する情報を、息子が信じずに迷信だと馬鹿にしていたことが、俺への侮辱だと感じ、迷わず鞭打ちによる処刑を決めたようだ。

 

「あのような愚か者は、生かしておく価値もありませぬアレス様」と言っていた国王は、俺を侮辱する存在に関しては沸点が凄まじく低い。

 

ラキア王国の国王にしてアレス・ファミリアの長となる存在は、代々こんな感じなんだが、主神として慕われているのは解るし、全員ちゃんと仕事はしているんで、狂信者であっても許容範囲内ではあるな。

 

ちなみに今回の愚か者の行いで、クロッゾの魔剣は、ほぼ全て砕けており、クロッゾの一族もクロッゾの魔剣を作れないようになっていた。

 

鍛冶貴族であったクロッゾをどうするか国王から相談されることにはなったが、クロッゾの魔剣を作れなくなったとしても貴族の地位まで奪うのは止めておくように伝える。

 

クロッゾの一族の不手際ではなく、国王による息子の教育に不手際があったことが、今回クロッゾの魔剣が砕けた原因の1つだとも伝えておくと「申し訳ありませぬアレス様」と深々と頭を下げてきた国王。

 

必要だと思えば助言はするし、ラキア王国を良くする為に動く俺は、クロッゾの魔剣の喪失を補填出来るように、通常の魔剣の数を揃える為、友神で鍛冶神のヘファイストスから学んだ鍛冶の技術を少しずつ教えていき、鍛冶師達の技術を発展させていく。

 

神の技術という劇薬で、かなりのハイテンションになった鍛冶師達の技量は間違いなく上がり、魔剣の増産が行われて、クロッゾの魔剣ほど強力ではなくとも、大量に用意された魔剣の量で補われた戦力。

 

クロッゾの魔剣を失ったとしても、ラキア王国の戦力が衰えることはなく、攻めてきた他国やモンスターを相手に戦って、勝利してきたラキア王国。

 

ラキア王国で騎士を目指す者達には軍神として、俺が指導を行うこともあり、一定の技量に到達しなければ、騎士にはなれないように厳しくはしてあるが、時折騎士志望の者達の中に、変装した王子や国王が混ざっていたりもする。

 

どうやら軍神である俺から直々に指導を受けたいと、王子や国王が思うこともあるらしい。

 

王子は、まだいいが、国王が混ざっているのは問題になりそうな気がするな。




この軍神アレスは、女神ヘファイストスと親しい友神であり、かなり仲はいいですね
天界でもギリシャ神話内なら、それなりに顔が広かったりします
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