ここだけ病弱コハル 作:匿名さん
「宇沢ァ……よくも今まで散々好き放題してくれたなぁ、オイ」
ザリザリと、足元の砂を踏みしめて、名も知らない不良が私たちの元へ近づいてきます。……控えめに言って状況は最悪です。相手は10人以上。対してこちらは二人。しかも現状銃が握れず、愛銃も無くした私と、どう考えても戦えるわけがないコハルさんが一緒です。
「聞いたぜ? お前、今銃が持てないらしいじゃねえか。どうしてそうなったのかは知らねぇが、こっちにとっちゃ好都合。抵抗手段がなければ、こっちはお前なんて怖かねぇからな」
お前が銃を使えないことを知った途端、同じ思いをした連中がこんなにも集まったぜ。人気者だなぁ、スーパースター様よぉ!
既に勝負は見えているとばかりに、ギャハハハと汚い笑い声をあげる不良の一人。恐らく彼女がこの報復の発起人であり、この集団の頭目なのでしょう。
しかし本当にマズイです。向こうの言うとおり、確かに銃が使えない私では、この数は捌ききれません。ですが……
チラリと隣のコハルさんを横目で見ます。そもそも、この報復は私のこれまでの行動が原因です。コハルさんは巻き込まれただけ。こんなことで彼女が傷ついたりすれば、それこそ取り返しが付かなくなる……。例え敵わないとしても、この人だけは逃がさなければ……!
「安心しろよ、スーパースター様。皆お前には思うところがあるからよ、一発一発は軽めに済ませてくれると思うぜ? ――いつまで続くかはわかんねぇけどなぁ!」
頭目の雄叫びと共に、一斉に突きつけられる銃口の数々。こうなったら虎の子の、スズミさんからもらった閃光弾で逃げる隙を……!そう思って私が身構えた、その時でした。
「……あん? 何だ、このチビ」
私の前で、両手を開いて立ちふさがる人がいました。
「――やめて」
「コハル……さん?」
「……なんだぁ、てめぇ?」
「聞こえなかった? やめてって言ったの」
頭目の眼光にも物怖じせず、コハルさんははっきりと声を上げます。コ、コハルさんダメです。そんなに刺激したら……
「このアマ、よほど痛い目をみてぇようだな……!」
「ま、待てよ。こいつの服装、よく見たら正実のものじゃねえか? もしかしてこいつ、正義実現委員会なんじゃ……」
頭に血が上った様子の頭目を諌めるように、脇の不良が事実を指摘しました。……! そうです。コハルさんは現役の正義実現委員会。下手に手を出せは正実が黙っているはずが……!
「……ぷっ、ははははは! こいつは傑作だ! こんなちんまい雑魚が正実だって? 天下の正義実現委員会様も質が落ちたみてぇだな!」
ひー腹痛え! と嗤い続ける頭目。 ……こいつ……!
私が憤りで歯噛みする中、コハルさんは黙ってそれを見ていました。
「ははは……ふぅ。いいかチビちゃんよ、そんなんでビビると思ったら大間違いだぜ? アタシら正実にも散々煮え湯を飲まされてるからよ、憂さ晴らしでてめぇをプチッと潰すことくらいわけないんだぜ? ……わかったらさっさと失せろガキ、邪魔だ」
しっしっと手を横に振る頭目。しかしコハルさんは私の前からどく様子はなく、それどころか、さらに言葉を重ねました。
「これでいいの?」
「……あん?」
「これで本当にいいのかって聞いてるの」
「コハルさん……?」
私の困惑した声にも動じず、コハルさんは静かに頭目たちに語りかけます。
「弱った相手を集団で嬲るのは、戦法としては理にかなってるわ。数は力だもの。……でもね、貴方達の場合は、目的が報復なんでしょ? 銃が持てない人1人に、10人以上で囲んで叩く……憂さ晴らしにはなっても、果たして本当に報復できたと思えるの?」
「……てめぇ、何を」
「貴方たちが今やろうとしてるのは、単なる憂さ晴らし。ここでレイサさんを叩きのめしてその場はスッキリしたとしても、その後が大変よ? だって、無抵抗の相手にも複数人じゃないと無理です……って言ってるようなものだもの。人の口に戸は立てられない。ましてこのトリニティでは、なおさらよ。こんなやり方じゃ、貴方たち、他からバカにされるんじゃないの?」
「そ、それは……」
頭目の脇の不良が、思うところがあったのか気まずそうに目を逸らしました。
――不良狩りをしていた時、聞いたことがあります。不良やスケバンというのはメンツを大事にする生き方。周囲からナメられたら終わりだと。だからこそ、勝てないと分かっている正義実現委員会などの治安維持組織にも食ってかかるものが多いのだと。
「……てめぇ、何が言いたい?」
「まだわからない? ……貴方たちが本当にレイサさんにリベンジしたいのなら、真正面から挑んで叩き潰すのが正解なの。弱ってるところを袋叩きにするんじゃなくてね。……本当は正義実現委員会としては、報復もギルティなんだけど、そこは目を瞑ってあげる。……だから、考え直して。この場は手を引いてよ。貴方たちが、周りから臆病者のレッテルを貼られないためにも。――貴方たち自身の価値を、貴方たちが貶さないで」
……最初は、言葉で煙に巻くつもりなのかと思っていました。でも違った。コハルさんは……本気で言っていました。その言葉に、嘘の響きは微塵も感じられません。
この人は、本心から、襲ってきた不良たちのことを案じている……!
計り知れない戦慄が、私の背を駆け抜けました。
「……」
「……な、なぁ。確かに、このチビの言う通りなんじゃねえのか?」
黙り込む頭目に、脇の不良が話しかけました。
「冷静になって考えてみれば、今の宇沢を囲んでボコボコにするのは外聞が悪すぎるぜ……アタシらのメンツもズタボロになっちまう。正実の言うこと聞くのは、癪だがよ……」
「……うるせぇな」
「は?――がッ!?」
突然頭目が、脇にいた不良を殴りつけました。なっ!? 同士討ち!? 一体何を!?
いい角度で入ったボディブローに、たまらず不良は崩れ落ちました。
「わかってんだよそんなこたぁな。これが憂さ晴らし以外の何物にもならねぇことも。……それでも、こうしなきゃアタシの気が収まらねぇ……!」
「……そっか、そこまで……」
わかってはいましたが、私ってここまで恨みを買っていたんですね……。
頭目の叫びに、コハルさんが悲しそうに目を伏せました。……? コハルさんの足が、震えてる? 心なしか息も荒いし……もしかして、今かなり無理をしてるのでは?
「邪魔するってんなら、正実でも容赦しねぇ! てめぇもまとめて潰してやるよぉっ!」
頭目が担いだロケットランチャーが、音を立ててコハルさんの方を向きました。RPG-7……! 開幕撃ってきたのもこいつか!
マズイ、コハルさんは今避けられるような状態じゃない!
「くらえ!」
トリガーが引かれて、噴射炎とともに対戦車榴弾がこちら目掛けて飛んで来ます。クソッ! もう目くらましは間に合わない! 四の五の言わず先に投げておけば……!
後悔先に立たず。せめてコハルさんを守るべく、私は自分の体を射線上にさらけ出し、背を盾にして庇いました。
爆発音。
……? 思ったより、衝撃がない……?
轟音は響けど、衝撃はなく。炎が身を焼くこともなく。不思議に思った私が、瞑っていた目を開いて後ろを向くと……
「……ふぃー、間いっぱーつ」
「ナイスセーブよ、ナツ!」
私達の正面。見たことのない子が、盾を構えて額を拭っていました。ポリカーボネート製であろう透明な盾は、着弾点から多少の煙こそ上がっていましたが、傷ついた様子はありません。
さらには、金髪のこれまた見たことのない小さな子が、不良たちにアサルトライフルの銃口を向けつつ盾持ちの子を称賛していました。いやまあ実際、あの盾で対戦車榴弾を受けておきながら無傷なのは凄いことなんですが……あの、どちら様ですか?
「ナツに……ヨシミ? どうして、ここに……」
「コハルちゃん、無事!?」
「アイリまで……うっ……」
さらに黒髪の別の子がコハルさんの元に駆け寄ってきました。どうやら全員コハルさんの知り合いのようです。それで安心したのか、コハルさんは膝から崩れ落ちてしまいました……ってええ!?
幸いなことに、アイリと呼ばれた子がすぐ反応してキャッチ。コハルさんを抱えてくれました。
「あのねぇコハル、私たちがほんとにアンタ一人で帰すと思う? ここまでずっと尾行してたのよ!」
「コハルちゃん無理しすぎだよっ!……て、うわっ、すごい熱!」
「え、ほんとに? ……ほんとだあっつ! こんな体調でさっきまでアイツら説得してたのバカなの!?」
「ち、違……さっきまでは、普通だったの……ゲホッ……安心したら、急に熱く……」
「喋っちゃダメだよ! 話なら後で聞くから! 何なら言いたいこともたくさんあるからね、色々と!」
アイリさんと金髪の子……確かヨシミ? さんに詰め寄られたコハルさんはタジタジになっています。足が震えてるわ息も荒いわと思ったら、熱が出ていたんですね……そんな状態で不良たちを説得してたなんて、一体何が貴方をそうさせたんですか……?
「クソッ、てめぇら一体どこから湧いてきやがった! てか何もんだお前ら!」
「アンタらの相手なんて後回しよ! ナーツ!! 予定変更! コハルとついでにそこの子連れて逃げるわよ! カバーに回って!!」
「りょうかーい。……君たち、突然で真に申し訳ないが、今宵はこれにて御免。――というわけで、適当にやっちゃってー、キャスパリーグさーん」
「逃がすわけねぇだrあ、がッ……!?」
頭目の威勢のいい声が急にしぼみました。そのまま重力を無視して、頭目の体がゆっくりと地面を離れていきます。足をばたつかせてもがいていますが、何の抵抗にもなっていません。よく見ると、首元に手が……後ろから絞め上げられてる? というか、聞き間違いでしょうか。今信じられない名前が飛び出したような……
「――アンタらさぁ……」
ものすごく聞き覚えのある声が、頭目の背後から聞こえてきます。それも、今まで聞いたことないくらい低いトーンの声が。
「――私のダチに、何してくれてんの?」
「げぶぉっ!?」
宙に浮いていた頭目の体は、突然地面に急接近。強制的に顔から不時着させられました。形容し難い鈍い音が響きます。うわぁ、痛そう……。
その背後から、まるで汚いものを触ってしまったかのように手を振って払う人こそ、私の知る(勝手に認定した)永遠のライバル……
「杏山、カズサ……」
「……はぁ」
私の顔を見て、キャスパリーグ――杏山カズサは複雑そうに顔を歪めました。
「んなっ、こいついつの間に背後に……!?」
「全く気付けなかった……」
動揺する不良たちを尻目に、杏山カズサは不機嫌そうな……というか実際に不機嫌なんでしょう。獣人特有の縦に細くなった瞳孔で周囲を睥睨しました。
そのオーラに当てられたのか、何人かの不良が、後ずさりするかのように半歩、後ろへと下がりました。
「……最近の連中ってレベル下がってんだね。私がツッパってたころは、もう少し骨のあるやつしかいなかったんだけど」
「なんだとてめぇっ!?」
「お、オイ待てよ。聞いたことがあるぞ……トリニティのキャスパリーグっていやぁ、昔結構名の通ってたスケバンじゃねえか。最近音沙汰もねえと思ったら、なんだってこんなところに……」
ざわつく不良たち。その喧騒のさなか、ゆっくりと頭目が起き上がりました。
「グッ……クソが、よくも私の顔を……! てめぇ、明日の朝日は拝ませねぇぞ……!」
「そういうセリフは鏡見てから言ってくんない? アンタの顔なんてどうなろうが一緒でしょ。……いや、むしろ今のでだいぶマシな面になったんじゃないの? よかったね、おめでと」
「――ッ!!! もう許さねぇ!!! キャッツだのなんだの知らねぇがよ、まずはてめぇからぶちのめしてやる!!!」
杏山カズサの煽りに反応して、頭目がたちまち沸騰しました。その顔は先ほど地面に叩きつけられたせいか、微妙に凹んでるような気も……。あと、キャッツじゃなくてキャスパリーグです。
「お取り込み中のところ申し訳ないけど、デザートタイムー……ってことで」
「足止めご苦労さま! アイリ、やっちゃって!」
「うん! ちょっと勿体ないけど……えーい!」
杏山カズサが頭目とバチバチにやりあっている間、何やらゴソゴソと準備していたアイリさんが、その手に持った物を不良たち目掛けて投げました。あれは……アイスクリーム?
綺麗な放物線を描いて投げられたアイスクリームは、不良たちの頭上でキラキラと輝いて……急に何倍もの体積となって降ってきました。ってえええ!?
「ぐぁっ! なんじゃこりゃあ!?」
「つ、冷てえ……! てかなんか薬臭えぞこれ!」
「モガモガモガ……」
あっという間に黒とミントグリーンに彩られる不良たち。この匂い、もしやチョコミントですか? まさか、これがアイリさんの『神秘』……!?
――『神秘』とは。このキヴォトスにおいて大なり小なり誰しもが持っている、不思議な力のことである。当人に限って科学的には説明し得ない効果が発揮されたりする、謎の力。あまりにも個々によって詳細が異なるため、体系化できず。最終的には全て『神秘』として一纏めにされ、関わる研究が放棄されたという。『キヴォトス民明書房』抜粋。
「よし、今のうちに逃げるわよ! コハルは私が背負うから、アイリはカバーして! ナツは前で先導! 殿はカズサお願い!」
「ちょっと! アイリが神秘使うなんて聞いてないんだけど! 危うく巻き込まれるところだったじゃん!」
「それはゴメンだけど、アンタなら避けられるでしょ! 現に避けてるし! とにかく今は逃げるのが先!」
大混乱に陥った不良たちを尻目に、ヨシミさんがテキパキと指示を出しながら、コハルさんを背負いました。しれっと杏山カズサも合流しています。あの広範囲攻撃を咄嗟に避けるなんて、流石はキャスパリーグ……。
「ほら、アンタも! ボサッとしてないで!」
「……え? 私、ですか?」
「アンタ以外誰がいるのよ!」
早く立ってあれ長時間持たないんだから! そう急かしてくるヨシミさん。で、でも私は……一緒に逃げる権利なんて……
「……あーもう! ウジウジしちゃって、この忙しい時に! いいから走る!」
「あ、まっ、力強……!」
業を煮やしたヨシミさんが私の手を引き、すごい勢いで走り出しました。アイリさんがその横につき、それを追い抜いて盾をしまったナツさんが。最後に杏山カズサが後ろをチラッと振り返りつつ、公園を走り抜けました。
「クッソがあぁ……好き放題やりやがってあいつらぁ……! おい、"アレ"を出せ!」
「さ、さみぃ~……真冬じゃねえのに寒気が……って、は? あ、"アレ"を出すのかよ!? 対正実用の虎の子だぞ!?」
「ここまでコケにされて黙ってられるかよ! いい気になるなよアイツら……目にもの見せてやるぜ……!」
「ヨシミさんや。いろいろ予定からズレてるけど、当てはあるの?」
「とりあえず中央に逃げる! 都市部に近づけば、アイツらも下手なことできないでしょ! 正実の戦力も集中してるし!」
ダダダダッと郊外を駆け抜ける私たち。ナツさんの疑問に、ヨシミさんがプランを呈示します。問題は……
「結構距離がありますが……」
「それでも走ればなんとかなる! ……何よその目は。しょうがないでしょ最初はこんな逃走劇なんてするつもりなかったんだから!」
「最初はって……はじめはどうするつもりだったんですか?」
「ナツを盾にして、アイリと私の神秘ぶつけて混乱してる隙に、後ろからカズサにボコしてもらう予定だったの! けどコハルの容態が結構悪かったから……」
心配そうに背負ったコハルさんを見つめるヨシミさん。確かに、今のコハルさんはかなり顔色が悪くて、呼吸も荒いです。もしかしたら熱が上がってるのかも……今すぐ救護騎士団のところに連れて行かなければ。
「……ごめん、みんな……わたしの、せいで……」
「気にしないでコハルちゃん。友だちのためだもの……ねえナツちゃん、このあたり詳しいよね? 一番近道でお願いできる?」
「んー、らじゃー。まあ任せたまえ」
「こういう時のナツって、異様に頼りになるから好きよ私!」
「ゴメン、ヨシミ……同性愛は理解できるけど自分がやろうとは思わないなー」
「Loveの意味で言ったわけじゃないわよこのバカ!」
なんとも騒がしいやりとりを繰り広げているところに、「……は?」と息を呑む声がしました。振り返ると、そこには息を呑んだ表情の杏山カズサと……
「――待てやごらあああァァァッ!!!」
ギャリギャリと音を立てて猛追してくる、巨大な金属の塊が……って……
「せ、戦車ぁ!?」
「おー……なんというか、随分と剛毅な……」
「言ってる場合か! アイツら、郊外とは言え、町中でなんてもん乗り回してんのよ!」
私たちの驚愕もなんのその。恐らくブラックマーケットに流れていたものなのでしょう。ハリー・ホプキンス……MK.VⅢ軽戦車の車上で、頭目が高らかに笑い上げます。
「ハッハッハッハッハー!! 本当は正実への時間稼ぎに用意した代物だが、てめぇらを潰せるなら関係ねえ! 散々コケにしてくれた礼だ、もってけ! おい、主砲をぶち込め!」
「おいおいマジで撃つのかよ!? 郊外とは言え町中だし、何より弾代がバカになんねぇぞ!?」
「いいからさっさと撃て!!」
何やら仲間割れを起こしているようでしたが、程なくして、搭載された2ポンド砲が火を吹きました。
「! 伏せて!」
ナツさんの鋭い声に反応して、身を投げ出すようにして回避する私たち。その頭上を、砲弾が高速で通過していき……前方の建物に着弾。
老朽化していたのでしょうか。一発の砲弾であえなく建物は倒壊。物凄い音と煙をあげて瓦礫の山になりました。
キュラキュラと履帯を回して、戦車がゆっくりと近づいてきます。さらには、私たちの周囲に不良たちが続々と集まって来ており、状況は最悪です。
「……ヨシミ。いい知らせと悪い知らせの両方あるんだけど、どっちから聞きたい?」
「……じゃあ悪い方から」
「前の建物が崩れたせいで道が塞がれた。近道どころか逃げ場がない。おまけに敵さんに囲まれてる」
「最悪じゃないの!」
「いい知らせは、郊外であっても町中でこんな騒ぎを起こしたんだから、いずれ正義実現委員会が飛んでくるってことかなー。つまり、時間を稼げれば私たちの勝ちってわけ」
「……はぁ、オッケー。ここが正念場ってことね……!」
コハルさんを降ろしてアイリさんに預けたヨシミさんが、一つ息を吐いて銃のセーフティを解除しました。
長い逃走劇の終幕が、近づいていました。