「……」
コンビニの路地裏、そこで2人のスタンド使いが対峙していた。1人は中嶋、もう1人は清水だ。
(……まぁ、やはりな)
一連の流れでお互い消耗しているが、一番消耗をしているのは中嶋である。お互い近距離型で近づかなければならないが、中嶋が攻撃したところで向こうがカウンターを決めて攻撃をすれば、消耗はずっと抑えられる。
(能力だ……決め手は、敵の能力だ。)
スペックはこちらの方が上、能力。その一点がここまで差を大きく広げている。
(未来視か、読心か、あるいは俺でも予想すらしてないナニカか……)
すでに周りはキャットハウスが食べ散らかして、ガタガタしている。何回もコンクリートを撃ち込んだが、結果は全て回避だ。
(……フェイントは効かなかった、本命の方向を読んでるみたいに簡単に避けた)
直撃すれば、パワーもスピードの軟弱なサベイランスのパワーではガードできずに大ダメージを与えられるだろう。だが、それは向こうもわかっている……だが、何も収穫がなかったわけではない。
(読心は、選択肢から除外だな)
それは、敵の動きだ。自分のスタンド能力は、物を食べると虫を生み出す。感覚的ではあるが、事前に命令を下すことができる。それを豊富に伝えたら
『それ、擬似的に群体型っていう複数のスタンド使える能力見たいですね……おしむらくは、中嶋さんが使ったら最後気絶する点、ですね』
『まぁな、流石に大量の虫だらけの空間には耐えられない』
『……惜しいですねぇ』
群体型、数で攻めるスタンド。清水の弱点は力によるゴリ押しだ。なら一番警戒するのは敵の数を増やすこと……すなわち能力発動するかどうかだ。心を読んでたら、発動条件が散々さっきからやっている、無機物を食すこととってたら……?
(仮にこの思考を読んでたとしよう。敵が自分の弱点となる力を持っていたら……焦るはずだ。それこそ能力なんて使わせないように、な)
だが目の前の男は、こちらの観察は続けているようだが、焦った様子はない。彼がそう言う訓練をしてるが……せいぜいスタンド使いになって数日、そんなことは不可能だろう。
(……じゃあ次は未来視かどうか、だ。)
だが、どうやって調べる?
(……あくまで、これは創作の話だが、この手の能力者は自分の視界内のものしか見えない……だったら)
相手に気取られないようにスタンドを少し上に傾けて、上を見させる、そうして手に入れた情報を自分も見る。
(……植木鉢)
向かい側のマンションは夜逃げ同然にいなくなり、家具もそのままで今どうするのかアパートの管理人が頭を悩ませているらしい。
(キャットハウス)
再び、コンクリートを食べさせる
「先輩……先ほどからあなたがやっているそれは器物破損です。犯罪行為ですよ?」
「悪いが、どうやら図書室で大暴れしても大丈夫な人たちが後ろについているからな、多少はセーフだろう」
「……だから?なんですか……隠してくれる?バレないからセーフ?そんな話じゃあないんですよ!これは……そんな話じゃあないですッ!誰か1人でもそのように心のブレーキを消すとッ!それが伝播していくッ!最悪の事態を引き起こしてるんですよッ!」
「……演説ご苦労様、だ!」
口の中で二つに割り、まずは片方を飛ばす
「ッ!」
先ほどまでキレていたのに、軽やかにコンクリートの固まりを避ける……だが、まだ臨戦体制、いつでも動ける体制はやめない。
(……もしかして?)
当初の予定通り、植木鉢に向かってコンクリートを放つ。放物線を描き、見事に命中して、壊れながら落下してきた。
「……!」
遅れること、数秒。清水は中嶋の方を見ながら驚愕の表情を見せ、そして回避した。
(……清水、それがお前のスタンドだったんだな、それがお前の能力なんだな……なら)
敵の能力はわかった。なら弱点はこのはずだ。そしてこうやってとどめを刺そう。頭の中で勝ち筋を組み立て、そして行動に移した。
「ゴミ箱の、蓋を……?」
素早く移動して、ゴミ箱の蓋を取り外した。かなり大きな蓋だから裏面に人が入れるレベルの
(……なんの真似だ?盾の代わり?……俺のスタンドのパワーが低いから、バリゲード代わりに?……….キャットハウスにまたコンクリートを食べさせている 、なるほど。隠れながらコソコソと打つ算段ですか?……なら大きな思い違いです)
この状況下では自分の能力は攻めに使える。中嶋が飛ばしてその結果粉々になったコンクリートを手に取ると、それをスタンドに、ハンカチと共に渡した。
スタンドは、ハンカチにコンクリートのかけらを包み込むと。それをブンブンと回して、そして
投擲をした。
「なっ!?」
ゴミ箱の蓋から驚く声が聞こえた。敵が遠距離、上からの攻撃手段がないと思い込んだのだろう……いや
「……やられた……一体、いつからですか!?……俺の能力を、いつッ!」
「……さぁな?」
大量のオオムラサキを引き連れた中嶋はそう答えた。
遡るほど、数分前、ゴミ箱の蓋を取り外しす前
(……清水のサベイランスの能力は、恐らくは……周囲の情報を得る能力だ。最初の万匹犯の時は、コンビニ内で能力を使用して商品を盗むところを見たのだろう。そして、俺の攻撃を全て避けたのも……急所を的確に当てられたのも……全ては見ていたから……俺のフェイントを躱せたのも、筋肉の動きを見ていたからか?)
違和感があった、仮に未来を見る力だとして、万引きの光景をたまたま見れるものなのか?と……違うとするなら、千里眼のように周りを見えるのでは?
(あの頭のはビデオカメラではなく監視カメラだった……俺としたことが、早くわかっていただろう)
スタンドビジョンから、能力の推測はできるはずだった。だが攻撃が回避されたことによるプレッシャーから、冷静な思考ができなかったのだ
(…だが、今度はこっちのターンだ!)
弱点はわかった。清水の弱点、それは一度に複数の情報を手に入れられない点、能力の上限か、はたまた本体の処理能力かは分からない……だが弱点はわかった。何故なら先ほどの植木鉢を落とした時……
清水は一歩遅れた。中嶋が何をしたのか、理解できない様子で、おそらくその時中嶋の動きを見ることなら、自分の周囲を見ることに能力を変えて、そしてわかったのだろう
なら作戦は決まった。これしかない……真の能力を解禁するしか、勝つ道はない。
まずはその能力を使うまでの作戦を立てた。
自分がゴミ箱の蓋の裏で隠れることにより、自分が攻撃をやめて、守ることを優先させたと誤認させた。
自分の虫を生み出す能力と遠距離攻撃の方法が同じだから、遠距離攻撃させると思わせて、上からの攻撃することを警戒して、視線は上を見ずに、音で攻撃したかどうか判断して、スタンドにガードさせた。
そして作戦は成功して、中嶋はスタンド能力を発動できた。
「はぁ……はぁ……」
だが、それは中嶋にとって心地いいものではなかった。自分の周りには大嫌いなそれがいる。たとえ世間一般では綺麗なものとして扱われてようが、嫌いなものは嫌いだ。正気を保ち、起きてられるのには時間があるだろう……短期決戦だ……だが、限界が近いのは向こうも同じ
「う、ぐ……!」
(い、いきなり増えた!?……これは、オオムラサキ……自然発生じゃあない!中嶋先輩のスタンド!!……食べたものを打ち出す能力と誤認していたが、それはスタンド能力の応用だったのか!!……だが、何故中嶋先輩まで顔色が?能力の消耗なのか?)
清水のスタンドは一度に複数の情報を手に入れられない、だが場所の指定はできるだろう……だから
「ッ!」
中嶋は駆け出した。オオムラサキ達もあとを追従する。
(中嶋先輩の後を、つけている!?……スタンドで生み出したものだから、操作も可能なのか!)
「いけッ!」
オオムラサキ達に命令を下す。バサリバサリと中嶋にとって耳障りな音を立てながら、さらにお互い近づいて、密度を増す。
(俺の能力はバレている!……俺のスタンド、サベイランスの能力は周囲を監視する力ッ!………そして、一度に監視は不可能という弱点がバレている!……だが!!
監視できる場所は自分で指定できる!俺の半径1メートル以内に限定ッ!このオオムラサキ達は囮、俺の能力を妨害するための存在!攻撃はまず考えないほうがいいだろう……攻撃は本体達、攻撃方法は投石!)
清水は自分のスタンドの能力効果範囲を縮小させる代わりに、精度を上げた。自分との格闘戦ではまず負けるから、石か何かを当てて倒す気だと……
(サベイランスのパワーは低いが、回避か撃ち落とすことくらいは可能ッ!……人体は低いパワーでも十分に殺害は簡単ですッ!)
気が遠くなるほどの体感時間、スタンドを得てから今まで以上にないほどの集中……集中……集中
(ッ!来たッ!)
予想通り、こめかみに向かって石が飛んできた。サベイランスで撃ち落とす。少し拳が出血したが、問題ない。例えスタンドで監視できなくても、飛んできた方角から場所を予測することくらいわけない
「先輩はそこにいるッ!貰ったァ!……な」
そこにいたのは、キャットハウスだけだった。先輩本体はいない。
「………これは、罠だったの、か?」
「そうだ。お前のスタンドが範囲を選択できるとしたら、投石くらいガード出来るからな……」
足元から声が響いている。這い寄るような形で中嶋が近づいていたのだ。
(俺が、俺が、場所を選択できると読んで、その上で自分が監視されない場所に移動して……だが、だがッ!)
「それでもやはり、先輩の敗北ですッ!あなたは誤算をしたッ!」
スタンドを囮にした。それはつまり、自身のサベイランスを素手だけで倒す算段だろう。だがそれは違う、自身のスタンドはスピードは多少自信がある……それはスタンドバトルにおいて、自身のスタンドは人間相手には圧勝できるスピードだ。
キャットハウスをこちらに呼んでも、遅い。再び自分は、急所をつき、行動不能にさせれば、あとはその辺の石で殺害は可能だ。
「いいや……それは違う」
一歩、二歩、清水は近づいた。自身のスタンドが当てられる距離まで、確実に……
(お前のスタンドのもう一つの弱点……それは予想外の情報には一瞬反応が遅れること)
植木鉢の時、ゴミ箱の蓋。何が起こったのかわかる故に、その物事について理解しようと思考を働かせる……猪突猛進のように突っ込まないのはいいことだが、今の状況では、悪癖だ。
左手は相手の右袖、右手は相手の襟元、左手を引き出し、右手を相手のあごや胸に押し付けるようにして、相手の体重を右斜め後ろに乗せる。
自分の左足を、相手の右足の真横へ深く踏み込み、自分の胸を相手の胸にピタッと密着させ、右足を相手の外側から、前へ大きく振り上げ、つま先は下に向ける。
「こ、れは」
清水が混乱したその動き、理解して行動に移るが、もう中島は一工程で終了する。
振り上げた右足のふくらはぎを、相手の右太ももの裏に当て、後ろへ一気に大きく刈り抜き、同時に、体全体を前に浴びせるようにして相手を後ろに投げ落とす。この技の名は
大外刈り
体勢が崩れた。清水の体勢が、大きく転んだ。そして動揺が……スタンドでなく、本体が攻撃をするとは思わなかったから……
「……サベイランスゥゥゥゥ!!!攻撃をおおお!!!」
だが、転びながらもスタンドを召喚して、相手に突進させる。スタンドは重力に逆らった動きができる…だから本体の体勢が崩れようと、自由に動かすメリットがある、だが
「キャットハウスッ!」
それは向こうも同じだ。宙にフワリと浮かび、サベイランスに突進するキャットハウス、かたや中嶋の腎臓を狙い、かたや清水の腹を狙う……勝者は
「俺はな、自分のスタンドが嫌いなんだ……だから、スタンドに頼らない戦法を考えた……んで、考えた結果は柔道が適してると思って、習ってみた……結果としては、スタンド主体じゃないとダメだったことがわかったよ……だがまぁ、無駄じゃあなかったな」
気絶した清水をおぶりながら、歩く中嶋、全身ボロボロで外傷は少ないが、体の内部に多数のダメージを食らった……
だが、それでも勝利したのは中嶋だった。
スタンド名サベイランズ
本体清水健太郎
破壊力DスピードB射程距離C精密動作性A持続力B成長性B
自身の周囲を監視する能力
能力発動中全てのものの動きが手に取るようにわかり未来の見るかのような監視性能を誇る。
しかし全てのものというのは埃とかの小さな物も対象になり、全てに対して使用すると、あまりの情報量になり頭がパンクして破裂する可能性がある。
監視範囲と監視対象を自由に設定ができて、それで弱点のカバーをしている。
3点リードと中黒どちらがいいですか?
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3点リード
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中黒