カフェ見晴らし時計。八田市八田町、八田東通りに位置するカフェ。店内はシックな雰囲気で、客の数もそこそこ、店内BGMは、名前が出てこないクラシックBGM、そこに、4人の高校生と一人の大人がいた。周りの客は、彼らは何かの部活の集まりだろうと思っているだろう。
まさか彼らの他にもう一人、見えない女子高生がいると言うことを、まさか彼らの会話内容が、謎の置き配泥棒に対するものとは、夢にも思うまい。
「……やっぱり、瞬間移動の能力だと、思うんですよね」
豊富がアイスコーヒーをストローで飲みながら、そう呟く。先ほど見た段ボール箱が一瞬にして消える。というものだ
「瞬間移動……いよいよ超能力みたいになってきたね……でも、どうやって瞬間移動させてるんだろう?」
豊富からメールが届いて、中嶋たちと合流した太田が、コーヒーの入ったカップを片手につぶやく。
「……発動条件、ですか……うーん」
「中嶋、なんかわかるか?」
「流石にあの動画見ただけじゃ流石に……そもそもいた条件を満たしたのかわからない」
チョコレートパフェを食べながら、中島に聞く冴島……だが肝心の中嶋は全くわからない様子だ。それも仕方がない、あの動画は犯行瞬間を録画しただけのもの、スタンドが見えてないから、その場で能力を使ったのか、それともかなり前に条件を満たしたのか、不明だ。
「ねえ、豊富さん。あれ以前の録画はないの?」
オレンジジュースを飲んでいた佐川が豊富に聞く。
「あるにはあるのですが、なんの変哲もない動画でしたよ……事前に数時間分私も確認したのですが、本当に違和感も何もなかったので、カットしました。」
『今のところわかってるのは、犯人のスタンドは遠隔操作型のスタンドで、犯人はこの辺りに住んでるくらいね』
「だがそれも、確証は持てないな」
「え?どうして?」
その中嶋の言葉に、佐川が何故か。と聞く
「たとえば、犯人が近距離パワータイプのスタンド使いでも、あの段ボール箱になんらかの手段で近づいて能力の条件を満たせばいいからな」
「……あー、納得」
隣でそれを聞いていた冴島が、唸り声を上げながらそう呟いた。本当の意味で今のところわかってるのは、犯人はスタンド使い。くらいだ
「……ここで話し合いしても、何も進まないね」
今のところスプーンくらいしか進んではない。よし。と豊富が軽く机を叩いていう。
「ではこれから被害地域の元に向かいましょう……とはいえ、この辺りの住宅地なんですかね。一応事前に財団も調査したのですが、スタンド使いがいないので限界が……もしかしたら何か証拠があるのかもしれません!」
その言葉に確かに、と全員が頷き、席を立つ。
「……このカフェ、結構いい空間で気にいってるんだけどよぉ〜……かなり急なところにあるよなあ」
カフェ、見晴らし時計は三階建ての建物の2階に存在する店だ。だが建物の大きさの問題から、エレベーターが存在せず、外に備え付けられてる非常用階段と見間違えるような階段しかない。
「確かに、そうだな……階段が急だよな、この店……手すりがちゃんとしてはいるが」
「……実は登るだけで結構息とか上がっちゃうんだよなあ〜」
佐川がそんなことをぼやく。
会計も済ませて、全員、外に出る。階段は急だが、大人数で来ることを想定してるのかはわからないが、階段そのものはそこそこ広い。ここで話をしても、通行の妨げにはならない程度には
「さぁてと、で?場所はどこにあるんだ?」
冴島が、手すりに体重を預けて、豊富の方を見て聞く。
「ちょっと待ってくださいね……財団の方から、被害現場について座標が……ん?あれ?」
豊富が、スマホの端から捉えた内容に、違和感を覚える。さっきからそんなに注目していなかったが、あれ?何か変だな?と思う。具体的には、景色がよく見える。何故だろうか、その答えは
「……手すりが、ない?」
手すりが、消えていた。先ほどまであったはずの、見間違えのはずがない。階段につけられていた手すりは、最初からなかったかのように、なくなっていた。そして、手すりがなくなっていた。と言うことは
「うわぁァァァーーー!!?」
先ほどまで、寄りかかっていた冴島が、落ちると言うことだ。
「冴島!!……店長!」
「あぁ!縄に変えて!……冴島くん!君のスタンドでロープを取って!!」
ミスティック・アンティークをロープに変形させて、それを冴島の元へ移動させる。
「お、おう!!」
腕だけを召喚し、ロープを掴む。だがロープを掴んだところで、縛るところがないから、落下は止まらない故に
「豊富!」
中島の呼びかけに、豊富が答える。
「はい!」
キャットハウスとジュネラルアームズの二体のスタンドを使い、ロープを掴み固定する……結果は
「……っぶねぇ〜、セーフだぜ……」
ギリギリだった。地面に激突する紙一重、なんとか落下せずに済んだ。もう地面とほぼ近いからスタンドを解除して降りる冴島。
『き、肝が冷えたわね……』
「うん、でも無事そうで良かったよ……でも、手すりがいきなり消えたってことは……」
「新手のスタンド攻撃。ですね」
「……なんだ?それ?……まぁいいか」
と豊富の言葉をスルーしつつ、中島は考える。
(手すりは元々あった。見間違いとかじゃあない……かなり急な階段に手すりがないのはおかしいし、冴島はさっきまで寄りかかっていた。物がいきなり消失する現象、置き配泥棒のスタンド能力!)
太田もそのことに気づいたのか、スタンドを解除して、考え込み、呟く
「……置き配泥棒のスタンド能力だとしたら、どっちだろうか?本体があのカフェに居合わせて聞いていたか、スタンドが遠隔操作型なのか……どっちだろうか?」
「遠隔操作型のスタンドだと思います。店長、もし本体がこの店にいて俺たちの会話を聞き罠を仕掛けたとしても、俺たちが会話中に店を出た客は0です」
「そうか……遠隔操作型で決まりなのか……」
この前遠隔操作型のスタンドと戦った時のことを思い出して呟く、あの時のスタンドはかなり小型なスタンドだった。故に隠れることは容易、店の外からでも攻撃は可能だ
『……でもどっちにしろ、このまま階段にいるのは危険じゃない?……階段ごとって言うこともあるかもだし』
綾瀬が心配したように言う。彼女の言う通り、この階段ごと消せば良い……だが
『……いえ、なら最初の段階で階段ごと消せば一網打尽のはずね、ごめんなさい。余計なことを言って』
「でも、どっちにしてもここじゃあ何が来るかわからないし、早く地上に戻ろうよ!」
佐川がそう言い、全員が頷き、念の為スタンドを出して注意しながら階段を駆け降りた。
(物を消す、転移させるスタンド……置き配泥棒に使われてるって聞いた時はなんじゃそりゃ?と思ったが、こうしてみると厄介この上ないスタンド能力だな……!)
と中嶋は考え、どうするか対策を練った。
施設紹介
カフェ見晴らし時計
地形の問題から急な階段を上らないと辿り着けないカフェ、そのため客があまり来ないので、落ち着いた雰囲気が楽しめる客を選ぶカフェである。名前の由来はこの街を見晴らせるように
カフェの人気メニューはチョコレートパフェ、しかし冴島曰く中盤からコーンフレークが多くジャリジャリしまくる、とのこと。
今回はそんな暇はなかったが、朝や夜あたりに階段の踊り場からは階段を登ったご褒美というように素晴らしい景色が一望できるとのこと。
3点リードと中黒どちらがいいですか?
-
3点リード
-
中黒