(・・・手が変わった!アレが奴のスタンドが)
中嶋は目の前の女の腕に妙なガントレットがいきなり現れた。それが相手のスタンドだと理解できた。
(どう来る?どんな能力を持っているんだ?・・・何が来てもいいように)
「お前に頼るのは不本意だが・・・来い!キャットハウス!!」
相手の出方を図るために自身のスタンドを召喚する。それを見て「へぇ」と女は呟いて冷静に見る。
(人型のスタンド・・・ですか、見たところ近距離パワー型と言ったところですかね。それにかなりの体躯パワーはかなり高そうですね。何か能力を使われる前に────潰すッ!)
ジュネラル・アームズの腕が何か蒸気音を発したと思った瞬間に、中嶋の目と鼻の前まで移動していた。
「───は」
そのまま彼女は思いっきり拳を振りかぶり中嶋めがけて振り抜いた。
(異音が聞こえたと思ったら次の瞬間に目の前までッ!?瞬間移動か加速か・・・いや、それよりもどうするッ?!ガードするか・・・いや)
一年前見た太田の奥の手の斧よりも攻撃力が高そうだ、当たれば顔面陥没どころの騒ぎではない。ガードするのは不可能、避けるのは時間的に無理。だったら───
「俺を殴れッ!」
受け止めるのをやめてキャットハウスに自身を殴らせた。そのせいで体勢を崩して地面に激突するが、あの拳に命中させることだけは避けられた。
「なっ!」
(向こう視点の私はいきなり移動したように見えたはず・・・にも関わらず自身を殴らせて攻撃を避ける判断力・・・)
一撃で終わると思っていた攻撃を思わぬ方法で避けられたことに対して、そして相手の咄嗟の行動に対し驚いて彼女の思考が止まった。その隙を見て中嶋は一気に距離を引き離した。
(なんとか距離は引き剥がした。あのまま肉弾戦はこっちに不利・・・“アレ”はできないが)
地面に落ちていた手のひらの半分ほどの石を拾いキャットハウスに手渡す。キャットハウスはその石ころを野球のピッチャーのようなフォームで構えて思いっきり投げた。
(まずは敵のスタンド能力を把握する!)
投げた石のうち数発は全く的外れな方向に飛んでいったが、半分以上は彼女に向かってグングンと向かっている。
「遠距離からチマチマと・・・意味ないですよッ!全部!!」
先ほどよりも大きく振りかぶると、空間が弾けた・・・いやジュネナル・アームズが爆ぜたのだ。花火のような大きな音と光を持って、その衝撃で投げた全ての石は粉々に砕けた。
(おいおいおい、加速も瞬間移動もどっちも違うッ!“爆破”したぞ!あの腕はッ!!)
自身が立てた仮説とはどちらとも違う予想外の結果、それによって中嶋は数秒フリーズする。
「胴体がら空きっ!ですよ!」
その隙を見逃しはしなかった。先ほどと同様に一瞬にして目の前に移動して中嶋に向かって思いっきり殴った。
「ゴハッ!!」
今度はスタンドで回避することもできずに生身に食らい数メートルほど吹っ飛び校舎裏にあるフェンスにまで吹き飛ばされた。
(クソ・・・痛てぇ)
殴られた箇所が熱を持ち叫ぶような感覚に額から嫌な汗が流れる。しかし、それよりも今現在自身が感じている疑問に対して考えることにした。
(
最初に見た攻撃は、当たれば骨は砕けてもおかしくないほどの威力を直接じゃなくても感じるほどの迫力があった。しかし今の攻撃はどうだ?痛いが、致命傷というほどではない。
(さっきと今ので何か条件が違うのか?・・・違う点、そういえばアイツ今日の気温は平均より高めだし太陽も眩しいっていうのにマフラーを付けてないか?)
緑色のマフラーをしっかりと巻いて、オシャレではなくしっかりとした防寒対策のように
「・・・いつまで倒れてるんですか?さっさと起きてくださいよ、寝ている人を殴───はくちゅっ」
(まさか、奴のスタンド能力の正体は───いや、あり得ない物理法則的に考えて───だが)
一瞬敵のスタンド能力の謎について仮説を立てるが、現実的じゃないと思い一蹴する。しかし、太田の変形する能力、そして自身の虫やネズミといった“生命”を具現化する能力、それらが存在するとしたら“これ”もあり得ない話じゃない
(出たとこ勝負、だな)
むくりと起き上がり、まだ痛む脇腹を少し摩ると地面に倒れる。
「何をやって──!」
不審に思った彼女が、こちらに近づいた瞬間を見計らいガバリと起き上がって
「〜〜〜!さっきので通用しないって分かってなかったんですかッ!!」
ジュネナル・アームズを爆発せずに、素の状態で飛んでくる石ころを振り払う。ここまではいい、振り払わせるために投げたのだから。
「ちゃんとわかってるさ、振り払われることは」
「!?」
振り払った瞬間を見計らい、キャットハウスの腕だけを出して自身の学ランの第一ボタンを千切って投げる。人間は本能的に一番情報を取得してくれる“目”を守るために飛んでくる異物に対して目を閉じる防御反応が存在する。
これにより彼女が再び目を開けるまで数秒間の時間が生まれる。
(この隙を狙って突っ込んでくるんですか・・・いいでしょうッ!受けて立ちますともッ!!)
目を閉じながら自身に向かってくるであろう中嶋に対して、彼女は警戒した。
(間に合え───!!)
中嶋は思いっきり全速力で走った。彼女の横を素通りして先ほどまで彼女の近くにあった百葉箱に到達した。
(私に向かわずに───敵前逃亡・・・いや!違う!!暴きに来たんだ!)
「キャットハウス!!この錠前を破壊しろッ!!」
キャットハウスは拳のラッシュで
「っ!あった!!」
鍵を壊した百葉箱の中を探り、中に入っている目的の品───温度計を手に取り、顔を近づけてメモリを読んだ。
(気温は───5℃・・・あっていたか。なんでもアリだなスタンドってのは)
この一連の行動は彼女のスタンド能力に対して確証を得るためだった。自身のキャットハウスでは、彼女に対してあまりダメージにならない、それを自覚してるが故の行動だった。
「───私の名前は“豊富里奈”」
「・・・なんだ?いきなり」
振り返るといつの間にか目を開けていた彼女、いや豊富はいきなり自身の名前を告げた。それに対して中島は何がしたいのか困惑した。
「その百葉箱の中の温度計を見て、分かったのでしょう私のスタンド能力のこと」
「あぁ、なんとなくだけどな」
「もうバレていますから説明します。私のジュネナル・アームズの能力は“私の周辺の温度を吸収してエネルギーに変える能力”です。それによって加速したり爆発させたりと色々なことに使えます。
弱点としては、私の周りでしか温度を吸収できないので使いすぎると細胞が壊死したりするといったところですかね?」
「いいのか?全部話して」
「元々、私のスタンドは単純です───それに貴方に敬意を払いたいのですよ」
「俺にか?」
「はい、貴方のことは“倒すべき敵”程度に思っていましたが、洞察力や判断力・・・“認めざる”終えません。ですから私の本名と能力を明かしたのです」
「なるほどな・・・だったら俺も説明しよう、俺の名前は中嶋春人、スタンド能力は───ちょっと言えないが、ここでは発動できないから安心しな」
(さっきから理知的というか、理性がある・・・いや多分佐川とやらをやったのはコイツだと思うけど・・・もしかして)
流石に虫を出せる能力と言うのは嫌だったので話さなかった。その中嶋の話を聞いた豊富は無言と真顔で再び構えた。
「ですが、スタンドを使って犯罪をするのはダメです。安心してください。私が責任を持って倒しますから───負わせた怪我も完治させます」
(洗脳されてないのか?もしかしてコイツの事を誤解している?けど──だとしたら倒して話を聞かないと)
今度は豊富はこちらの出方を伺っている、仕掛ける側が変わったようだ。
「フンっ!」
手に持っていた温度計をキャットハウスで思いっきりぶん投げる。
(また投擲ッ!これも罠?───だったら)
今度はスタンドすら使わずに間一髪スレスレで回避をする。そしたら目の前にキャットハウスが現れていた。
(やはり投擲物は罠!本命は
ジュネナル・アームズの能力を使い、温度を吸収して背面の噴射口から風を出して加速し、キャットハウスの腕を掴んだ捻り上げる。その結果軽く豊富の体の表面に霜ができた。
(スタンドを捉えたッ!これで本体に戻すことは不可能ッ!勝った!このまま掴んだ腕を直に爆発───いや待って肝心の
嫌な予感がして豊富は下を見る。すると獣のように地面スレスレを這っていた中嶋が目に入る。
(スタンドも罠・・・本命は本体による───)
足を使い地面を蹴り豊富にタックルを仕掛ける。その拍子で豊臣は転び、キャットハウスを掴んでいる腕を逆に中嶋が掴み上げて豊富の顔の方まで持ってくる
(拘束!)
「これで逃げられないぞ。さっきの加速でもう能力が使えないだろう、爆発してもいいがお互い重傷は免れないぞ」
(だが、もし仮に加速が使えたら一瞬にして振り解けてしまう。なんとか爆発しか方法はないと思考を誘導しないと・・・)
(私に能力を使わせて、その上で拘束・・・私のスタンドが“装備型”であるが故の弱点・・・完敗ですね。お爺ちゃんに自信満々に答えた挙句にこのザマとは───我ながら無様で笑えますね。さて、何をされるか)
「お前、洗脳するスタンド能力を知ってるか?」
「へ・・・なんでその事───あ、あれ?も、もしかして貴方洗脳されていないんですか?」
「されてないさ、所でそっちはどうなんだ?」
「え、いえ、されてませんけど」
「やっぱりか・・・あ、すまん。今退く」
「え?・・・え?」
(あ、あれもしかして私、全然洗脳されていない無関係の人を?襲って?)
「それで、できればアンタの事情と洗脳のスタンド「ご」・・・ご?」
「ごっ、ごめんなさーーい!!!」
その謝罪は八田町全体に響き渡ったとさ
スタンド名ジェネナル・アーム 装備型
破壊力B スピードC 射程距離E 持続力B 精密動作性D 成長性C
温度を吸収する能力。
自身の周辺の温度を吸収する事で、エネルギーとして貯蔵して様々なことに使うことができる。加速したり爆発したりなどなどオールラウンダーな能力。
しかし装備型で右腕にしかつけられず、吸収される温度は自身の体の体温も入っているため、使うほど体力が削られていく。
総じて諸刃の剣なスタンドである。
3点リードと中黒どちらがいいですか?
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3点リード
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中黒