今の自分と重ね合わせた作品です
初心者なんでご容赦を…

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雪の足跡

三重県と言うのは雪が積もることはほとんどない地域である。これは珍しく三重に雪が少し積もった日の夜である。

 

今日、と言うべきか、最近どうやら雪が降り始めたらしい。と言うのも、今年の初雪を見たのは入院中の時であったからだ。

 

私はとうとう降り始めたか、と思うと同時に、どうせ今年も積もらないだろうと考えていた。

 

私はずっと同じ地域に住んでいるのだが、雪が積もったのは記憶の中には二回だけだった。幼稚園の時、中学3年生の時。

 

積もって欲しいという淡い期待を持ちながらも諦め掛けているのか、それは自分でもわからない。

 

っと思いながらようやく退院することができた。

 

そして二週間後の夕方、いつもよりも強めに雪が降り注いだ。どうやら寒波のようだ。

 

もう少しでご飯が出来そうなのでリビングに行くと、母親が「雪積もってるよ、少しだけど!」と言われた。正直、この歳で雪ごときで心がうきうきするのは馬鹿らしいと頭の中では考えている。だが私の欲求はその思考すらも忘れさせ、外に出た。

 

ドアを開けると、いつも以上に強い風が私の身に打ち付けた。とても寒いと思うと同時に少し感動した。

なんの傷もなく庭に薄く積もった雪、倉庫の上に積もった雪、植物に落ちそうだが落ちない雪、私はこの雪景色に感動を覚えた。何故だかわからないが。

 

気づくと私はスマホで雪景色の写真を撮っていた。特別な意味は無いはずなのに。

満足すると家に入り、夕食やお風呂を済ませて自分の部屋に戻った。

 

自分の部屋でたびたび窓の景色を眺めていた。着実に雪が積もっている。

 

夜中の0時、単身赴任中の父親が「雪で渋滞になるかもだからもう帰る」と言い、父親は帰って行った。

 

父親を見送るために外へ出たが、私は驚かされた。窓から見ていた景色よりも、ずいぶんと辺り一面が真っ白になっていた。

 

父親を見送り終わると、母親に外へ散歩に行くことを伝え、パジャマの上に上着、ネックオーマーを着てスマホとイヤホンを持って出かけた。

出かけると言ってもそんな大した場所ではない。いつも登下校で使う道だ。

 

本来私は散歩が好きではない。というよりどちらかというと嫌いである。どうしても自転車の方が楽であるし、景色が変わらない様に感じたからだ。

けれど今回ばかりは散歩がいい様に感じた。おそらくこの景色を味わいたかったのだろう。この珍しい真っ白に囲まれた静寂な夜を。

 

この深い夜、真っ白で誰の足跡もない雪の上を、私は自分がこの地域における雪景色を歩く先駆者と言わんばかり堂々と道の真ん中を歩き、雪を傷つけて歩いて行く。

 

平地を歩き階段を登り丘の上に着いた。ここまで人は誰とも会うこともなく、友達に連絡を送っても返信がくることもなかった。こんな夜中に、当たり前といえば当たり前だが。

 

丘の上に行くが下の景色はほとんど見えない。感じるのは交通車の音、歩く時の音、自分の周りを照らす半月。

 

雪が降っているせいか少し冒険がしたくなる。本当はこの丘で引き返すつもりなのに。

 

ここで私は小中学校の時よく使っていた道へと歩き出した。

馴染みの道を歩くと思い出が蘇って来る。懐かしい友達との記憶、勉強や自分の性格を考える必要が無かったあの過去の事を。

 

そんなこんなで帰路に付くことにした。

あいかわらず人と会うことが無かった。

近道の為にも駅を通ろうとしたが、行きは明るかった駅もとうとう電気も切れて真っ暗になっていた。

普段は明るい駅しか見ていない私にとっては、不思議にも不気味にも感じられた。

 

行きは真っ白で綺麗な道であったが、帰りは自分の足跡が邪魔だと感じられながらも、またあの丘に辿り着いた。

この丘で見えていた半月も雲に隠れて黒く薄くなっていた。

 

私はあと2ヶ月で一人暮らしをする。

今までは敷かれていたレールを通っていたに過ぎないが、これからは自らの手でレールを敷かなければならない。この半月はまるで自分の事を表しているのかもしれない。

「半分は家族が助けてくれる、がしかし、これからは自分で何とかしなければならないと。」

そしてこの雲に隠れ黒く薄くなっているのは、これから自分の人生に対する不安だと。

 

自分が歩いて邪魔だと感じる雪の上の足跡か、それとも真っ白で綺麗な雪景色かは、これからの自分の選択次第だと考える他無かった。

いったいどうなってしまうのだろうか。

こんな事を考えながら、邪魔な足跡を掻き消すかのように家に帰るのであった。

 

〜終〜

 




俺は気づいた、小説家すごすぎると

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