イカれたパイロットが逝く艦隊これくしょん   作:狼煙HN2

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第二話

 あのなあ?ひょっとするとあるんじゃねえかとは考えたがな?なんで生きてんだ俺、、、普通人間は爆炎に呑まれたら死ぬんだ。例外は知ってるがな。

 まぁだだ生き延びるくらいなら万に一つくらいあるだろうしまだ納得できたんだが、何故か機体の燃料と残弾が満タンになってるし(飛び続けても燃料減らねぇ、、、)、そもそも俺の飛んでる場所がハワイ諸島じゃねえし(見渡す限り大海原)で意味が分からん。

 何よりもだ、

 

「お前ら、、、一体何なんだ?」

 

「大尉殿ッ会いたかったでずッ」

「うわぁん!たいいがいきてるぅ!」

「たいいばんざーい」

 

何だこいつらは?この手乗りサイズの、いやもっと小さいか?軍服を着たヒトガタがいちばんの謎だ。さっきから泣いてばかりで話にもならんし、、、幸にもお天道様のお陰で方角は分かるんだ取り敢えず本土まで向かってみるか。

 

 

 お?なんか陸地が見えて来たぞ?、、、にしても良いのか、、、これ、、、全く燃料減らずに来ちまったが計器の故障じゃ終わりだぞ。

 

 パスパス

 

「?どうしたチビども」

 

「救難信号を受信しました!海軍艦艇です!」

「じゅうじのほうこうです」

「ですぅ〜」

 

「救難信号?しかも海軍か、無視はできんな。えぇっと十時の方向には、、、アレか?」

 

 よーく見ると小さいが航跡波がいくつか見えるが、、、水柱が上がっているな、かなり急いだほうが良さそうだ。

 

「行くぞチビども!舌噛むなよ!」

 

 「わー」

「いくさじゃぁ」

「きかんさいだい!」「これひこうきだよ!」

 

「敵はあの小さいやつか!ハエみてえに群がりやがって!海の藻屑にしてやる!」

 

 そうして俺はまた引き金を引いた。

 


 

 彼の事は誰もが知っている。救国の英雄として、世界一の空戦士として、そして、、、報われなかった人として。

 

 彼の強さは誰もが認めていました。腕前はもちろん、彼の精神はとても強靭でした。同期のみなさんが落ち込んだ時は必ず励まして、いつしか彼はみんなに頼られる存在となっていました。

 けれど私たちは頼りすぎてしまった。それに気付けたのは彼が陛下の命令でドイツに派遣されてからでした。

 

 彼がいなくなると私たちは途端に作戦に失敗するようになりました。次々と艦隊から火の手が上がり、沈んでいった。でも何とか私たちは立て直し、せめて彼の祖国にして帰る場所だった本土だけは、せめて彼が帰ってくるまでは守ろうとしました。厳しい状況でしたが何とか守る事はできていました。ようやく私たちは自分で戦えるようになったと考えていました。

 

 しかし状況は既に逆転を許さない圧倒的に不利な状況で、硫黄島と沖縄が占領され始めると艦隊は迎撃に向かおうとしましたが南方の資源地帯との輸送が壊滅していたので艦隊を動かせるほどの資源はなく、飛行場を占領され毎日のように高高度から爆撃にさらされるのを何も出来ずだだ見ている事しかできませんでした。

 そんな私たちに更なる不幸の知らせが届きます。彼が派遣されていた同盟国ドイツが降伏したのです。また米軍はドイツの核開発研究所を襲撃し、そこにあった原子力爆弾を強奪、量産しドイツを焦土に変えたとのこと。

 

 そして、、、彼は消息不明であり帰還は絶望的だとも。

 

 私たちは、、、精神的支柱を失いどうすればいいか分からなくなっていました。

 やがて私は大和さんを旗艦とした艦隊に編入され、沖縄へ向かう事になり燃料は片道分、やりたくても残りがないとのことです。

 

 沖縄へ向かう道中では空母の私がいたからか、米軍は航空攻撃しか行わず、ひたすらに迎撃して、沖縄本島沖に辿り着きました。

 

 ですが私達はここでも過ちを犯していました。沖縄の守備隊は壊滅し、島の沿岸には米軍が要塞を築き潜伏、しばらくすると火力の高い沿岸砲で攻撃をして来ました。

 もちろん私達は一度距離を取り、反撃しようとしましたが、要塞に注視していたばかりに米艦隊が背後から迫っていた事に気づくのが遅れてしまい、そこに本島飛行場からの米航空隊が飛来し完全に逃げ場を失ってしまいました。

 

 必死の応戦も虚しく、私の迎撃機は数の暴力に押し潰され、大和さんは雷撃を回避するために主砲の狙いがつけられず、駆逐艦の子達は必死に雷撃していましたが米軍機との連携により避けられ、圧倒されました。

 

「左舷より魚雷接近!」

「取舵いっぱい!航空隊は!」

「残存機八!敵戦闘機四十!攻撃機と雷撃機共に数不明!」

「これでも減らせた方かッ!」

  

 ドォォォン

「ッ!艦尾被弾!操舵不能!」

「敵機直上急降下!」

「総員衝撃に備えッ!」

 

 

 しかし、

 

 

「?」

 

希望はまだ失われていなかったのです。

 

「な、何が」

「艦長!アレを!」

 

「まさか!?」

「飛田大尉!」

『一大事と聞き駆けつけたが、、、話は敵を蹴散らしてからだなぁ!』

 

『なんでヤツがいやがるんだ⁉︎』

『逃げろ!まだ死にたくない!』

『USSアイオワへ!こちら第2戦闘中隊!ヤツだ!トビタがいる!撤退する!他中隊も下がらせろ!』

『こちらアイオワ了解。全隊に告ぐ。トビタ機を確認。航空隊を収容し直ちに海域を離脱。直ちに海域を離脱せよ!』

 

 その後は、彼が敵を撃墜して回り、混乱の中大和さんが照準を合わせ敵艦を次々と轟沈し、米艦隊は撤退。直後、艦砲射撃により敵陸上戦力に打撃を与えて陸戦隊が上陸し沖縄を奪還しました。

 

 

 

 

 

 

「後のことは提督もご存知かと思います。」

 

「ああ、話してくれてありがとう赤城。、、、しかし、聞けば聞くほど 飛田大尉の強さは尋常じゃないね。、、、一指揮官として言えるなら、一個人がこれ程まで戦略的に影響を与えるなんてとても信じられないな。」

 

「ふふふ、それなら一人の指揮で本土から深海棲艦を追い出して海域を奪還している提督もあまり言えませんよ?」

「グッ」

 

 此処は西暦にして2020年5月の日本である。2013年から始まった深海棲艦と人類の戦いは壊滅的な状況となっていた。制海権は全て取られ、沿岸地域から深海棲艦が上陸を開始。現在大陸では欧州地域は阻止できているものの、インド洋から上陸した深海棲艦たちが北上し、中央から二分されている。

 日本も一時は九州や四国に上陸され危機に陥ったが、突如出現した艦娘を名乗る者達と此処にいる提督の力により何とか追い出す事と沿岸海域の奪還に成功している。現在は更なる攻勢に向け戦力を揃えている最中、少し話す機会があったのでメンタルチェックも兼ねて、航空母艦赤城と話をしていた。

 

 少し前の九州奪還作戦からしばらく、あの激戦が嘘のような平穏な日常を過ごしている。だが再び波乱はやってくる。

 

 

 ガチャッ!

 

「提督!緊急事態です!」

 

「状況は?」

 

「遠征から帰投中だった天龍さんの第三艦隊が敵航空隊に襲撃され、ほぼ全員大破です!」

 

「基地航空隊を向かわせて援護!敵機の気を引いてるうちに撤退させろ!鎮守府に敵機が付いてくるかもしれない。私は放送で対空警戒令を発令してくる!」

 

「私は鎮守府にいる空母達に呼びかけて来ます!」

 

「赤城!頼む!」

(天龍達が無事に帰って来れるといいが、、、)

 


 

 その頃、敵機の襲撃にあった天龍率いる第三艦隊は提督からの命令を受諾、鎮守府へ大破したその身を引きずりながら進んでいた。

 

「皆さん無事ですか!」

 

「はい!こちらは無事です!」

 

「クソッ!せめて一門でも高角砲が使えたなら、、、」

 

「不幸だわ、、、初出撃でコレだなんて、、、やっぱり私は欠陥戦艦なのよ、、、」

 

「雷撃機が来ます!回避を!」

 

「舵か効かないっ」

「扶桑さん!」

 

 刹那、爆発音と水柱が上がる、だがそれはかつてある男が防いできた時となんら変わらない。

 

「、、、なんで私生きて、、、」

 

 扶桑は周囲のあまりの静けさに気が付き押し黙って辺りを見回す。

 そして

 

「あぁ、やはり私は貴方がいないと駄目なのね、、、」

 

 この日から彼女は異常な執着を見せるようになった。その執着心は彼女だけのモノではないにも関わらず。

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