ソシャゲとかのストーリーで絡んでくる三人組っていいよね 作:笹食え
システム確認
──オペレーター接続確認
権限:補助
担当:現場支援
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この世界で能力者は、
もはや珍しい存在ではない。
だが、
すべてが管理下にあるわけでもない。
「異常を解決すること」ではない。
調律し、被害を出さないことだ。
アドバイスをあげるなら─
異常に慣れないこと。
慣れてしまえば飲み込まれる。
それでは、あなたの初任務に幸運を。
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やあ!!!! 元気かな!!??
おっとすまないあまりに胃が痛くて
さて、俺の名前はパルドス。能力者が存在する世界、観測圏の一般市民…転生したという枕詞がつくけど。まぁそんな記憶が無いから実質してない様なものだ。なんとなくでしか知覚してないし。
なんで脳内で自己紹介をしてるのかというと、深い意味はない。レポートの「記述者」欄みたいなものだ。
年のせいじゃないぞ!まだ21だ。ボケるには早い。
ん?それはいいからなんで胃が痛いのかって?全く質問が多いねぇ君*2は。
「……え…………ドス? …………てる? ……ーい……ねぇ……」
「パルドス。聞いてる?」
うわ怖っ! てかうるさっ! ……
「……もちろんだよ」
片耳が麻痺しながらも返答する。うーキンキンする……
「……うーん……なんていうか……」
「嘘くさい」
「……うん」
コラクスに一刀両断された。なんて言われ様だ、ペレコトはまだ表現を選ぼうとしていたのに。それに
……っとそれよりもペレコトの話だよな。
「ひどくない? 人の話は聞く方だし、ペレコトの話はちゃんと聞いてたって」
と弁明してもコラクスは
「話を聞く方?」
と
「……でもさっき、依頼人から説明されたとき……寝てた……よね……」
と痛い所を突いてくる。
…… 別にいいじゃないか。*4どうでもいい*5外部の偉そうなおっさんがやいやい言ってるだけだったし。それに最低限は耳に入れてる。
「なら二人はあの話、真剣に聞けたの?」
「私はしっかり聞いてた」
そうコラクスは言うが、こいつも寝てた。どの口が言うか。ペレコトはどうかな?
「コラクスも寝てたような……? 確かに一方的、だったけど……」
ほら見たことか。
「というかそれ以前に寝ないでね……? 一応もう一度伝えるね……『回収』予定時間は2時間後。それまで待機で……」
くっ、正論で返されてしまった。とりあえず俺は頷いて自分の部屋へと向かう。ペレコトはあんなにコミュ障だったのに成長したなとしみじみ思いながら。
部屋の椅子に腰掛けながら頭の中の情報整理を再開する。
胃痛の原因の俺の仕事はこの二人とチームを組んで依頼をこなすこと。有り体に言えば便利屋だ。ちなみにリーダーはペレコトでチーム名は
だがその依頼が問題なのだ。先述の通り、この世界は能力者が非能力者と3:7くらいの割合で存在する。何を隠そう俺達三人も能力者だ。
しかし、その能力には暴走のリスクが付き纏うし、能力を悪用する輩もいる。そういった場合の対処をすることも多い。しかし今回はそういった対処ではなく「
──十中八九「異常」絡み。
能力の暴走によって起きた現象などの何かしらの非科学的現象とか超常的なものはこの世界では「異常」と呼ばれる。
おっさんの事情は聞き流した*6が、大方「異常」を発生させている大元の「何か」が欲しいんだろう。なんでそんな物を欲しがるかね? 持ってても良いことないだろうに。
能力の暴走から始まったりする「異常」も多いため、往々にして関わるのはそこそこ危険である。ということで「異常」の発生を取り締まる公的機関がある。当然回収もする。
なので実は法的にグレーなことをしている黒函がそこと依頼の物体に関してぶつかりそうなのが胃痛の詳しい原因。一応自分たちは「最悪異常かもしれないけどこれを持ってきて」みたいな形で依頼を受けているはずだ。異常そのものとか発生元とははっきり伝えてられていないし、「しっかり確認しなさい」との厳重注意と罰金くらいはあれど、「知らなかったとしてもそういうのは駄目!重罰!」とまではいかないだろう。
……まぁ、長々と述べたが結局は「公的機関と衝突しそうな厄介な仕事をしたくないな」である。
戦えないことはないがただでさえ
そうは行ってもなぁ……一応準備しなきゃだよなぁ……やだなぁ……
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観測圏とは異常が発生する世界であり、能力が日常の一つとなった居住都市。
能力者と非能力者の比率は細かく言えば約7:13。多めの左利きくらい*7の認識。能力には一人一人違うので個人単位で情報管理がされている。能力はタイプごとに分けられ、それぞれ能力が影響を与える対象によって変わる。……らしいがいまいちよくわからん。
観測圏の中は地区ごとに別れ、それぞれ特徴がある。定期的に「夜」と呼ばれる暗闇が発生する地区だったり、特殊な煙が技術としてポピュラーな地区だったり。
それらの特徴は異常とは区別され、問題がない物とされている。
そんな場所に人は住んでいる。先人達の涙ぐましい努力と献身の上に成り立っている生活だ。
─異常─
能力者の能力暴走や人の無意識的な意思を統合、反映して観測圏内に発生する。被害の大小に関わらず、異常はすべからく危険性が伴うものとされ、下手に対応すれば死亡する可能性も少なくない。
また能力者自身を巻き込んで暴走したり現象が実体得たものを「異形」と呼ぶ人もおり、比較的年配者に多い。
苦しい世界でも人は前を向いて生きようとする。自分のために。……こんな姿になってまで?
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そんな事を考えながら準備をしていたら、
「……パルドス、その……時間……」
「はいはーい。今行きますよっと」
ちょうど終わったタイミングでペレコトが呼びにきた。万全に*8準備は済ませたので三人で目的地であるオフィス街の路地裏へと向かう。ビルの窓に反射した西日が眩しいな、パーカーのフードかぶっとこ。これでマスク・ロングコート・フードの不審者三人組完成だぜ。
「今度は寝てない?」
コラクスがからかうように聞いてくる。失礼な、俺だって毎度毎度寝てるわけじゃない。*9
「コラクスこそ、今日の武器の手入れは平気?」
「当然」
まぁ空き時間があったらいつもやってるもんね君。でも企業さんの応接室に通されて待ってる時くらいはやめた方がいいと思うな武器マニアちゃん。首をぶんぶん振って「いや」じゃありません。ペレコトも何か言いたげだったぞ。
そんなこんなで目的地に着いたので最後に依頼のおさらい。
今回の依頼の内容はこの路地裏に存在が確認された「異常の反応が検出された可能性のあるとある物体」の回収、依頼人への受け渡し、報酬は後払い。以上だ。
……いや絶対ロクな物じゃない。ぼかしすぎだし怪しすぎだろ、なんだ「とある物体」って。せめて外見くらいは教えろよ。異常については「可能性のある」と言うしかないのだろうがどう考えても……ん?もし異常の反応が検出されてるなら「調律局」が出張ってこないか?大丈夫?処罰されない?
……!*10いやまだだ!あっちにはまだ検出されてないとか俺達がとても早く情報を掴んだとかの可能性が─
「あと……その……異常っぽい反応と……周辺に他の人の立ち入りらしき反応が1時間前から確認されてる……から、その……横槍というか……多少邪魔があると思って……」
「邪魔?というとまさか……局?」
違ってくれ。お願いだから。
「……多分……」
「そっかぁ……」
……ハ、ハハハ……うわぁあああー! ヤダー! 誰か助けてー!
「腕がなる」
……コラクスちゃんは楽しそうだね!*11
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異常反応調律局
一般には「調律局」や「局」と呼ばれている。
名前の通り異常の「調律」を行う公的機関であり、その内容には異常の反応の観測と報告や市民への説明、異常被害からの保護などの事務業務と発生した異常の回収、武力鎮圧、市民救助といった実働業務が含まれる。
その業務特性上、実働局員は能力者が、事務局員には非能力者が多く在籍している。
原則、異常の反応を示している能力の行使、物体の私的所有は局より認められている特殊な場合を除き処罰対象である。
また異常の対応について公式発表では、
「焦らず、落ち着いて調律局員が到着するまでは下手に関わらず、できれば待つ対応をとってほしい」
「もちろん、緊急性がある場合は市民のみなさまにも自己判断に基づいて行動するなどご協力いただきたい」
としている。
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特殊タグで遊びたかった
駄文でも許して