ソシャゲとかのストーリーで絡んでくる三人組っていいよね 作:笹食え
体調崩したもう一話
打ち合わせをした翌朝。
「Ia Ia Cthul fhtagn」
「Ph'nglui mglw'nafh Cthul」
「 R'lyeh wgah'nagl fhtagn 」
海岸でなんかやばそうな文言を吐くクラゲからタコの足みたいなのが生えてるやつらと睨みあっていた。
……もしかしてナガレモノってこれ?さすがに違うよね?二メートルくらいあるぞ。違うと言ってくれよ。
「ペレコトさんは能力で音を!あとのお二人は目の前のナガレモノの対処をお願いします!」
他の方向からくるクラゲタコモドキの足を刀で切りながらナヅマさんが叫ぶ。そっかぁあれがナガレモノかあ。
聞いていないぞ!?なんだあれは!?*1絶対まともに相手したらダメなやつらだって!なんでクラゲからタコ足が生えてんだよ!しかも言葉みたいなのを垂れ流してるし!どこだよお前らの喉と口!クラゲもタコも言葉どころか鳴き声すらないだろ!?目もどこだよ!
……んなことを言っていても仕方ない。ウライさんたちも槍とかで応戦し始めたし、俺達も続こう。
「了解。パルドスとコラクス、ナガレモノの対処に当たる!」
普段こんな声掛けなんてしないが、今回は警邏の人たちもいる。報告をしておくにこしたことはないだろう。
ちなみにペレコトは海岸入り前から音を沖の方に移していて、集中しているのか目を閉じて黙っている。
「コラクス、今日の武器何?」
「この子だよ」
そう言って取り出したのは
つっよ。勝ったろこれ。
「でも
「なぁにそれ?」
「
やっば。負けたかこれ?*2
……まだあっちも出方を探ってるな。
「一回撃ってみ?」
「ん」
タパパパ、そんな感じに聞こえるが決して小さくない銃声が辺り一体に響く。さてダメージはいかほどか?
「Ia Ia Cthul fhtagn」
弾痕はあるけど……雷弾が全然効いてる気しないんですけど?クソがよ……*3てか薬莢が散らばって清掃の手間ががが。
ん、足?をうねうねさせて……
「っ!コラクス!」
「わっ」
あいつ足伸ばせんのかよ!ダメだろリーチあったら!なんなら撃たれた跡が消えてるから自己再生系の力もあるな……
なんだよ雷ほぼ無効でリーチがあって自己再生してくるって。嫌がらせお得パックか何か?ゲームだったら一番嫌な敵だわ。
「パルドスが前で引きつけて。撃ってサポートする」
「はいよー」
こう言われたら仕方ない。命大事に戦法でいこう。
────────────────────────
パルドスの持つ武器はスティレットと呼ばれる短剣である。さらにスティレットはショートソードやダガーナイフ等と違い刺突に特化した武器で深く突き刺したい。
故にパルドスは攻撃するためにナガレモノへと接近していく。
「Ia……iaaa!」
当然、ナガレモノたちもそれを黙って見ているわけがない。足を伸ばしパルドスを貫かんとする。
「Cthul fhtagn!」
しかし──
「……1、2」
当たらず避けられ、返しのスティレットで足を貫かれてしまう。
これが調律局のフィーレンだったならば以前自身に起きたように人の視線を動かして避けているのだと予測したかもしれない。
だがこのナガレモノたちには目が無い。正確には一般的なクラゲと同じ位置にあるのだが、パルドスには分からない。それどころかクラゲに目なんて無いのではとも思い始めている。
「Ph'nglui mglw'nafh」
「……1、3、4、切り返し」
パルドスに攻撃が当たりにくい理由はひとえに彼の動き方によるものであった。
四つのステップと後ろへの切り返し、突き刺す。これを徹底している。それぞれのステップは歩幅や足の動かし方が違い、組み合わせてパルドスは避けつつも攻撃することを可能にしている。
「うげっ!?」
とはいえ攻撃を食らうときは普通に食らうし、足がもつれることも多い。他のナガレモノからパルドスの横っ腹に足が叩きつけられる。
「止まって」
「arrghh!?」
コラクスが短機関銃でナガレモノたちに雷弾を放つ。
雷の効果が薄いとは言えど弾丸は弾丸。火薬の力で発射された弾丸は猛スピードで先頭のナガレモノの薄いカサ部分を抉った。
こういった状況こそコラクスがわざわざサポートに回った理由である。スティレットはリーチがない、そのカバーだ。
「助かった〜」
「どういたしまして」
一度攻撃を止め、二人は目の前で
「足に刺したけどカサ撃った奴の方があんま再生してないな」
「足より再生する力が弱い? ふらついてるし多分弱点」
「でもまあ」
「うん」
「「再生前に一気にぶっ飛ばせばいい!」」
結局は力押しであるが。
「2、2、3、1、刺す」
「一斉掃射する」
作戦は変わらずパルドスが前で足の攻撃を捌きつつ、コラクスが後方からナガレモノ達のカサ部分を撃ち抜いていく。
「Ia……Cthul……」
カサを大きく抉られ、ついに力尽きたのかナガレモノ達はうわごとのように何かを呟きながら辺りに倒れ伏していく。
そして泡となって消えた。
────────────────────────
依頼達成!いや〜今回は難敵でしたね〜。
あの後ナガレモノ達の勢いが無くなってその間に手が空いた人で清掃をすることでなんとか達成できた。
ウライさん達も本当に「なんとか終わった。良かった」みたいな雰囲気で感謝の言葉をくれたのでヨシ!
「つ……つかれ……た」
「お疲れー」
「ペレコトが一番フルで働いてたもんね」
今は帰りの列車の個室の中。雷潮区って遠いなと思いつつ拠点に向かって揺られている。
「ちょうどいい。反省会しよ」
コラクスからそんな提案。と言ってもなぁ……
「反省点……俺は複数相手にできることが少ないとか?」
「で、でもそれは……元から、だし……反省点かなぁ?」
「うん。なので今回は私とペレコトの反省点を考える」
よっしゃお咎め無しや!
「まず私。雷弾持ってきた」
「まぁうん……」
「だね……」
満場一致で雷弾が挙げられた。悲しいがコラクスの今回の働きを考えると割とそれしか無い。
「次ペレコト」
「え、えーと」
ペレコトの反省点つってもずっと後方で能力行使してたんだから俺達にはよく分からんがな。
「ナガレモノ、だっけ?あれが……怖くて」
「ずっと目を閉じて……あと、自分に音が届かないようにしてたこと、かな?」
前言撤回、結構分かりやすくやらかしてるこいつ!!
「いざって時フォローしにくいからやめて」
「目を閉じるのはいいけど俺達の声が聞こえるようにはしてくれ……」
「うぅ……ごめんなさい」
その後もナガレモノの弱点がどうとか、音はどこにやっていたのかとか、ウライさん達も引きつけとカサを攻撃するのに分かれていたとかを話していると駅に着いた。
ともかく今回の依頼は終わったんだしまた暇な期間が来るな。*4
あん?ビルの前に誰かが……女?
あの派手な格好はまさか!
「ハロ〜〜☆黒函のみんな〜〜!」
そいつはこちらを視認するやいなや俺達に近づいて話しかけてきた。
「うわぁ……」
「うげ」
「勘弁してくれよ……」
なお上からペレコト、コラクス、俺の反応である。
これだけで面倒なやつが話しかけてきたと分かるのだからすごい。
こいつの名前はベリー。
二股のピエロハットに顔を白くしてはいないが涙マークをペイントして、髪は赤と白、チェックスカートにはじゃらじゃらとした装飾といった派手な衣装のピエロだ。
こいつについては
・面倒くさい
・声とスタイルがいい
・「ピエロ」を馬鹿にされるとキレる
・神出鬼没
・面倒くさい*5
とだけ覚えておけば平気だ。
「あれあれ〜?元気がないね?せっかくベリーちゃんが来たのにそれだと寂しいな……くすん……なんてね☆」
「仕事終わり」
コラクスがそう返答すると、
「あらら……お疲れなんだね?なら……みんなにはもーっと!楽しい
「え、えっと」
「ああ、心配しないでねペレコトちゃん。今すぐじゃないし、とーっても楽しいからね!」
そういう問題じゃない。何が悲しくてこいつの相手をせなならんのじゃ!
「俺達疲れてるからまた今度にしてくれ」
「えぇ〜!?ベリーちゃん依頼人なのに?いいの?口コミで最低評価つけちゃうよ?『パルドスって人から乱暴された〜(泣)』って」
「おいこら!」
さすがにやめてくれ。てか黒函に口コミなんてあるのか?いや、ないだろ。*6
「お願い!ちょっと依頼を聞いて?ちょっとだけだから、ね〜?」
「ペレコトに従うけど、どうするの?」
俺もペレコトの意見を聞きたい。
「……とりあえず話は聞きます」
「ペレコトちゃんわかってる〜♪コラクスちゃんもパルドスくんも頭カタイよ〜?もっとこう……ね☆」
カタイっていうか頭が痛いよ俺は。
とりあえず拠点に入ろう。ずっとビル前で立つのはさらに疲れるし……。
「あ、あと今日ここに泊まるね☆もちろん、ペレコトちゃんのお部屋に♪」
「……えっ?」
俺知ーらね。
ウライ:槍を投げたりする。多分再登場しない。名前は「降雷」から
ナヅマ:刀で切る。多分再登場しない。名前は「稲妻」から
ベリー:とっても可愛くて、みんなを笑顔にする最強な女の子☆……を自称するピエロ。書いてるうちに仮面の愚者じみてきた。