ソシャゲとかのストーリーで絡んでくる三人組っていいよね   作:笹食え

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遅くなったぞもう一話


16話

 

「黒函は外の対処をお願いできる?」

 

 使用人からの報告を聞き終えたオペレーターがそう言った。外、つまりあの謎の影だ。

 

「異常かどうかの判断だけでもいい。今のこの場をこれ以上混乱させたくないし……僕は非戦闘隊員だからね」

 

 まあ、そうなるよな。正直俺達がここで頭捻ってても大した事はできないだろうし行くべきなんだろうが……

 

「あー、ペレコト行けそ?」

 

「怖い、けど……いやでも……うぅ……い、行ける、ます……」

 

 君寝る時に大量の燭台とランタンを使ってたよね。あの暗さ割とアウトでは?無理せんでな?

 

「そこまで怖くはなさそうだけどなぁ……」

 

「で、ても……なんか今日不思議なことしか起きてないし……」

 

 それは本当にそう。護衛で晩餐会に来たと思ったら人が死んで、死人が復活して、今度は謎の影である。

 

「危険そうならすぐに戻って」

 

 オペレーターが付け加える。

 

「頼んだよ」

 

 そう言うと、もう意識は事件の方へ戻ったらしい。死体の傍へ歩いていった。

 

 切り替え早……あとなんでオペレーターが仕切ってるんだろう……?

 

「じゃ、行こ」

 

 心なしか浮き足立ったコラクスを先頭に俺達は連れ立って広間を後にした。

 

 ちなみにオペレーターの背後ではツェペシュ嬢が客の対応に追われている。人死にが出たと思ったら父親が突然現れるわ異常は出るわで大変だな。

 

 

 


 

 正面玄関のホールへ辿り着き、先頭を歩いていたコラクスが扉を押し開く。

 

「「うわ」」

 

あれ思った以上に暗いな!?夜だからとかそういう次元じゃないよコレ。*1

 ……まるで空間そのものに巨大な黒い幕でも垂らしたみたいに門も、階段も、庭も見えない。というか、そこに何があるのかすら分からない。前が見えないというより、影で()()()()()感じ?視線が通らない。

 

「ひぃ……」

 

 ペレコトが俺の後ろに半歩隠れた。*2

 

「……光が消えてるわけじゃないんだ」

 

 コラクスが静かに呟く。

 

 視線を向ければ、確かに屋敷の明かり自体はちゃんと届いている。届いているはずなのにその先が見えない。光が飲み込まれているようにも見えるし、空間ごと塗り潰されているようにも見える。なんとも言えない不気味さだ。

 

「うーむ、どうなってんだ?」

 

「触ってみれば?腕が持ってかれるかも」

 

「その想定をした後で触るとでも???」

 

「案外パルドスならなんとか─」

 

「ならないからね」

 

 人をなんだと思っとるんだ君は。

 

「と、とはいえ調べる必要はあるし……真面目に、やろう……?」

 

 やるとも……にしても視覚からの情報量が終わってるなぁ。屋敷の方は見えるけども……っあ?何か今赤いのがチラついたような……?

 

 

「─っ!何かが羽ばたいた音が─」

 

 

 

 

 

 

 

 

「譛ャ蠖薙?縺ゅs縺セ繧翫d縺」縺。繧?>縺代↑縺?□繧阪≧縺代←窶ヲ窶ヲ縺セ縲√>縺」縺具シ?」

 

 

 

 

 

「「「──っ」」」

 

 ……俺達の真上、にいる。だめだ、動けない。頭上の、()()を直視したら、いや動いたら確実に─

 

 

「縺ゅl縲懶シ滓э螟悶→縺薙▲縺。隕九↑縺?↑窶ヲ窶ヲ縺昴%縺セ縺ァ諢壹°縺倥c縺ェ縺?°」

 

 

 死ぬ。

 

 

 どうする。どうすればやり過ごせる。せめて、二人、だけでも─

 

 

「縺昴l縺ァ繧ょ虚縺代↑縺??縺九?縺、縺セ繧薙↑縺??縲ゅ→繧翫≠縺医★谿コ笏?」

 

 

 

 

「止めよ」

 

 まるで鈴のような少女の声が聞こえた。

 


 

 

 

「止めよ」

 

 声の響いた瞬間。パルドス達に降り注いでいた圧と死の気配が霧散した。

 

「────」

 

「─ッゲホッ!カハッ!」

 

「──は」

 

 極度の緊張からの解放にペレコトは呆然、コラクスは呼吸を忘れていたのか咳き込む。パルドスは一つ大きな息を吐くと、その場にへたり込んだ。

 

「身内が迷惑をかけた」

 

 突然現れた少女はそう三人に声を掛けるが、まだ復帰ができていない黒函はその声に返事をしない。

 

「……詫びといってはなんだが、話せるようにはしておこう」

 

 そう言った少女が目を軽く伏せるとパルドス達は正常だと言える状態へと引き戻された。

 

「……あ。えと、君は……?」

 

 他の二人よりも早めに戻れたパルドスが少女に問う。

 

「私か?私は……今はアリスだ。今回はすまなかったな」

 

 改めてパルドスは、そしてやっと落ち着いたペレコトとコラクスはアリスをしっかりと見る。髪色と同じ白を基調としたワンピースに身を包んだ、見た目は10歳くらいの少女。しかしながらその口調は見た目からは想像がつかないくらいに落ち着いていた。そして虹彩は極彩色としか表現出来ないほどに形容し難く、美しく、混沌としていた。

 

「……一度あやつには厳しく言わねばな。何が『無闇な干渉はしないからさ』だ」

 

「そんなぁ」

 

 その声と同時に何処からか今度は妙齢の女性が現れた。黒髪のショートボブの女性。しかし三人には見覚えがあった。ペレコトとコラクスは会場で、パルドスはカウンターで話をした─

 

「やあ、バーテンダー君。久しぶり〜……ってほどでもないね?」

 

 ナイアである。

 

「さっきのは……」

 

 何だったの。そうコラクスが聞こうとする前にナイアが答える。

 

「わた、んんっ……闇を彷徨うバケモノさ。わずかな光にも弱いから闇を纏っていたけど」

 

「アレは─いや、アレを呼んだのは私の身内だ。収拾は私が付けておく。十分もあれば消えるだろうから屋敷に戻っていると良い」

 

「いや、で、でも」

 

 怒涛の展開に圧倒されながらペレコトが静止をかけるも、アリスは首を横に振る。

 

「……足が震えている。早く戻れ」

 

「それとも、もう一度あの圧に晒されたいか?私は止めぬが……今度は死ぬぞ」

 

「ふ、二人とも戻るよ!」

 

 ペレコトは迅速な判断を下した。それは仲間を守るためだったのか、それとも怖さが限界に達し、明るい所に行きたかったからなのかは彼女のみぞ知る。

 

 

「……娘。お前は化身を早く消せ」

「えぇ〜?もうちょっとだけ……あ、はい。すぐ消します」


 

 

 

 

 中央の広間に辿り着くまで俺達は一言も発さず歩いていた。広間では相変わらず、横たわった死体とそれを観察するオペレーター、客の対応をしながらもオペレーターと共に頭を悩ませているノーヴィル父娘とカミラさんがいた。

 

「おかえりなさい……ってどうしましたの!?」

 

 ノーヴィル嬢だ……!まともな人間だぁ……!良かった……!*3

 

「外は……もう少ししたら影が消える」

 

「短期的な異常だったってことかな?」

 

「まあ……うん」

 

 顔だけをこちらに向けて聞いてくるオペレーターに、曖昧な返事しか返せない。

 

「……あ、あの、そっちの進展とかって……?」

 

 ペレコトがおずおずとオペレーターに問いかける。

 

「謎は解けたよ……多分」

 

 まじか。まさか女たらしに探偵の才能があったなんて……!*4大したものだ、調律局をやめて探偵になった方がいいんじゃないか?

 

「期待を寄せてもらってるところ悪いけど、解いたのは僕じゃないよ……あの人だ」

 

「あの人、だなんて呼び方で呼ばないで欲しいものだね、オペレーター(ワトソン)君。君は私の助手だろう?」

 

「ワトソンでも助手でもないです」

 

 オペレーターが指差した広間の奥から一人歩み寄ってくる……なんかまた濃いのが出てきたなぁ。オペレーターを"ワトソン"と呼ぶ、チェックのディアストーカー(鹿撃ち帽)に肩掛けのコートを着た、得意げな顔の男。よく見れば体にグリッチが走っている。オペレーターの能力で呼び出したのだろう。

 

「はぁ……。とりあえずこの人はシェリンフォード・ホームズさん。僕が知るなかでも凄腕の探偵さんだ」

 

「紹介に預かったホームズだ。シェリンフォードは長いからホームズと呼んでくれたまえ。それと私は観測圏唯一の民間諮問私立探偵だ。どうかそこも忘れぬように」

 

「あっ、ど、どうも……?」

 

 ペレコトが戸惑ったように返事をする……当然だろ!?正直今日はもうハプニングでお腹いっぱいなんだよ、こっちは!

 

「ではこの謎の解説と行こうか。ワトソン君、頼めるね?」

 

「ご自分でやられたらどうです?」

 

「ワトソン君」

 

チッ……おほん。今回の被害者の死因は毒物による窒息死だ」

 

 あのオペレーターが舌打ちしてる……!よっぽど嫌なんだな……。

 

「毒の混入経路は?」

 

「被害者のスーツに薬包紙があった。おそらく毒物を包んでいた物だろうね。グラフィア氏の会社は製薬会社からの卸売りもしている。そこから入手し、ここに被害者自身が持ち込み、服毒したんだ

 

 コラクスの質問に思っても見なかった答えが飛んでくる。自ら?しかしそれなら家でやればいいだろうに、なぜこの会場で?

 

「ここからは私が話そうか。被害者はこの晩餐会で死者を出す事で、ノーヴィル家の社会的信用を堕とそうとしていたのだよ」

 

「ノーヴィル家の……?その為にグラフィアさん自ら……?」

 

 ホームズの言葉に父君は訝しむように言葉を漏らす。

 

「表向きは良好な関係でも腹の内では利権と金が羨ましかったのだろうな。それと、毒は被害者の意思で服毒したものではない。高価な時計を付けて、他の企業や家を潰し、のしあがろうとする人間が自害などするものか」

 

「被害者は服毒()()()()()()()

 

 

 

 

 さて、ここからの推理はなぜか途中でオペレーターの女たらしが追及されたり、カミラさんがいつの間にか一人でワインボトルを二本空けていたり、ホームズが飽きたりで長くなったのでまとめると。*5

 

"グラフィアは他の人物に使う筈の毒を自身に盛られ、死亡した"というのが真相であった。……そこだけ聞くとすごい間抜けに聞こえるな。

 

「あ、あのぅ……それで……結局、は、犯人は?」

 

 早くしてと言わんばかりの目を向けるペレコトに観念したのか、ホームズは一息に言い切る。

 

「彼の秘書だ。パーティ中傍に控え、殺害の計画を被害者から聞かされていたのだろう。動機は……本人の口から聞く事としよう」

 

 ホームズがそう言い終わると同時に一人の女性が使用人に連れられてくる。あの人は確か……聞き取りの時に、傍に居たとして呼ばれた人だったな。

 

「……確かに犯人は私ですね」

 

「動機は?」

 

 聞いてみるが答えてくれるか?

 

「復讐」

 

「被害者への?」

 

「いいえ、ブラム・ノーヴィルへの」

 

 

 ……雲行きが怪しくなってきちゃった!

*1
判断が遅い

*2
貴女リーダーですよね……?

*3
思った以上に精神がギリギリだった

*4
もはや誹謗中傷

*5
なんて遠い回り道……




闇を彷徨うもの:燃える三眼にコウモリのような羽を持った化物。

アリス:ナイアの「家族」。あの後めちゃくちゃ説教した。人間の事は良くも悪くも放任主義。

ナイア:アリスの「家族」。あの後めちゃくちゃ怒られた。人間の事は面白そうだったら介入。

ホームズ:観測圏唯一の(略)。オペレーターを「ワトソン君」と呼び、何故か位相データ体としての自我を確立出来ている。
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