ソシャゲとかのストーリーで絡んでくる三人組っていいよね   作:笹食え

29 / 29
遅れた上に短いので閑話ですがお許しください


閑話

 

 

 依頼が無いのが長く続くと何となく、手持ち無沙汰に感じるパルドスくんだよ。前まではこれくらい普通に依頼が無かったのに不思議だね?

 

 そんなことを考えつつ、誰も居ないオフィスでコーヒーを淹れる。うーん、良い香り。インスタントだけど。

 

「そういや……夕景区の依頼だっけか?急に依頼が増えたのは」

 

 誰に言うでもなく呟く。確かあれから2週間に1回なら多い方だったのが、ほぼ毎週大小関わらず依頼が来るようになったんだった。

 

 直近で大きいのは夕景区で局と鉢合わせて、リア(何かヤベーの)の襲撃食らって、雷潮区でクラゲボコして(ボコされて)、反照区で局が異常体ボコしてるの見て、ノーヴィル家の晩餐を警護して……何か局というかオペレーター絡みが多いな?5分の3だぞ。*1

 

 そんな風に考え込むと何かを忘れている気がする。後で考えようとしてそのまま忘れたような……

 

「何を一人で唸ってるの?」

 

「うっおびっくりしたぁ!心臓に悪ぅ……」

 

 いつの間にか、コラクスが帰って来ていたみたいだ。全く気づかなかった。余程今の俺が面白かったのか、くつくつと笑ってやがる。何を考えてたかすっ飛んで行ったぞ。

 

「足音くらいは立ててくれよ」

 

「普通に帰ってきただけなんだけど」

 

 にしてはにやけ顔が直ってないぞコラクスさん。

 

「なんかいい武器はあった?」

 

「炎を纏った釘が打てるネイルガンとか?」

 

「それ本当にネイルガンか?」

 

 火矢とかじゃなくて?そもそもネイルガンは建築機材だし。

 

「ちなみに銃じゃないから販売、所持、使用のライセンス要らず。弾丸じゃなくて釘だから弾のライセンスも不要」

 

「駄目じゃない?流石に法的に駄目じゃないそれ?」

 

 弓矢でさえ多少の所持ライセンス必要なのに……!何のための“ガン”名称なんだよ。

 

「でも好きでしょ?そういうの」

 

「すき」*2

 

 ちょっと脳が溶けた反応をしてしまった。でも好きなんだもん、少年心に嘘はつけないよ。

 

「それはそうとペレコトは?」

 

「知らん……コラクスもか?」

 

 まあそんな心配する事でも無いか……言っていたら階段をかけ登る足音が。噂をすればなんとやらってね。

 

「私もあれくらい足音立てるべき?」

 

「一応限度はあるからな?」

 

 釘を刺しとかないと多分床踏み抜くレベルで足音立てるからなこいつ。憶測だけど絶対やる。

 

たっだいんぶぇっ……」*3

 

 あ、こけた。21の女性が出す声か?これが……

 

「うぅ……」

 

「顔から行ったね」

 

「平気かー?」

 

 ……親指立ててGood!*4じゃないんよ。

 とりあえずコラクスと二人でペレコトを起こす。

 

「あ、ありがとう〜……」

 

「何か急いでたの?」

 

 鼻をさするペレコトにコラクスが聞く。

 

「え? ……あぁ〜、新刊でテンション上がってた、かな?」

 

「新刊?」

 

 コラクスは知らない……なら、今から始まるのは─

 

「うん!この"死にへん"のね!」

 

布教魔による布教の時間(ダイレクトマーケティング)だ。

 

 

「死にへん─"死にかけな私と編集担当の毒であの男を潰す"はジャンルとしては恋愛漫画なんだけどそれだけじゃなくて厳しい作家の売れない現実と焦りそして編集担当がみせる優しさの裏にある─」

 

 

「ペレコト、水飲め水。その熱量で飛ばしてたら焼き切れるぞ」

 

「─はっ。あ、ありがとうパルドス……ちょっと落ち着いてくる……」

 

 俺の声で正気に戻ったらしく、ヨロヨロと部屋を出ていくペレコト。声も出ないのかそれを唖然と目で追うコラクス。

 

 

 

「声を捲し立てるので私が負けた……!?」

 

「そこか?」

 

「ちなみに面白いの?その恋愛漫画」

 

「1ページ目の曲がり角でぶつかった不老不死のイケメンを龍への生贄にし始めたシーンで読むの止めた」

 

「ギャグじゃなくて……?」

 

「実写映画があるくらいにはファンがいるらしい」

 

 ちなみに我らがペレコトは実写映画も所有済み。てかこないだ上映会してたし。

 

「気になるけど……」

 

「あ、全118……新刊出たから119巻あるよ!」

 

 いつの間にか戻ってきたペレコトによる魔の囁き(布教活動)にコラクスは全力で首を横に振り拒否した。

 

*1
最後に関しては黒函が巻き込んだが

*2
即答

*3
ドップラー効果に非ず

*4
本人的にはIt's okのつもり




ライセンス:観測圏では銃と弾丸には種類ごとにライセンスを必要とし、それぞれ売買、所持、使用のライセンス所有がある者で無ければ"観測規則法基本条項"という法文に違反する。

観測規則法基本条項:調律局、警邏隊、調律、特徴、異常などの観測圏内で遵守する必要のある法文。違反した場合、罰金、拘束、懲罰などそれぞれに応じた罰則がある。パルドスが1話や3話で心配していたのはこれ。

死にへん:『死にかけな私と編集担当の毒であの男を潰す』。観測圏内で刊行されている恋愛異能伝奇ヒューマンドラマ漫画。漫画家の“私”と編集担当である男を潰すために奮起する物語。現在119巻の単行本と実写映画が制作されている。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

数多の世界のヤンデレ親友とのバッドエンドを見届けた俺、全ての記憶を引き継いでもう一週……え?!バッドエンドの方の親友達も記憶引き継いでるんですか?!  (作者:ハンノーナシ)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

▼とある男、ライア・リーベルには愛する親友達が居た。▼個性的で、才能があって。▼そんな親友に囲まれた幸せな人生は、大人になるにつれ転機を迎える。▼親友達との才能の差、立場の差。▼そんな物がライアと、親友達さえ苦しめる。▼そんな些細な事から始まり、終わった『バッドエンド』達。▼ライアは過去に戻り、親友達を救う……。▼「えっ、別々の世界が過去に逆流した事によって…


総合評価:704/評価:7.85/連載:11話/更新日時:2026年05月31日(日) 20:49 小説情報

【急募】うちの魔法少女が光堕ちしそうなんだが(作者:guruukulu)(オリジナル現代/冒険・バトル)

どうすればいいと思う?▼「「「見守れよ」」」


総合評価:2062/評価:8.2/連載:3話/更新日時:2026年05月12日(火) 19:01 小説情報

魔法少女世界で俺のエンカテーブルがクール系に偏り過ぎてるんだが(作者:TSから逃げるなぁぁ!!卑怯者おぉ!!)(オリジナル現代/冒険・バトル)

「大変だお前ら!魔物が現れ」「私には関係無い。」「騒ぎ立てる程の事ではないわ」「私が出る必要が無い…」「…………」「貴様に言われずとも分かっている!」「たぞああぁあああぁああッんああああぁあぁああ」


総合評価:1327/評価:7.84/連載:10話/更新日時:2026年07月27日(月) 19:00 小説情報

ホビアニ世界の小物悪役キャラに転生したと思っていたら、エロ同人ゲームの竿役だった件(作者:おれはしょうきにもどった!)(オリジナル現代/冒険・バトル)

▼ プラモ販促ホビーアニメ世界のかませ役に転生したと思い込んでいる主人公が、エロ同人ゲー世界の歪んだ性癖持ち美少女達に振り回される話です。▼ 


総合評価:1076/評価:8.1/連載:1話/更新日時:2026年06月09日(火) 12:53 小説情報

ED傭兵、清純幼淫魔を誑かす 〜行き倒れ淫魔を哀れに思い、ED治療も兼ねて拾ったが――勃たんし、それを硬派で誠実と勘違いされるし〜(作者:ぞうきん)(オリジナルファンタジー/恋愛)

 過去の出来事から不能になったオッサン傭兵クレバーは、ある日淫魔の少女を拾う。あわよくばED治せないかななんて軽い気持ちで考えていたが、彼は淫魔という生物のことを全く分かっていなかった。淫魔は幼かろうがなんだろうが、好いた男のためならば――――人外の執着心を以って、あらゆる手段でその精を搾り尽くさんとするのだ。


総合評価:1637/評価:8.04/連載:10話/更新日時:2026年08月09日(日) 17:59 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>