ソシャゲとかのストーリーで絡んでくる三人組っていいよね 作:笹食え
割とネタ切れもう一話
ぽこぽこ編集しまくってて申し訳ない
「……なんのことでしょう?こんな武器まで出されて、とても怖いのですけれど」
どう見ても余裕そうな声でリアは問いかける。
「ストーカー被害にあって、心細いのですよ?そんな冗談は──」
「いや無理だろ」
「……なにか言いました?」
「ストーカー被害が出て心細いって主張は無理があるって言ったの」
そう言うと明らかにリアの雰囲気が変わった。いままではいかにも「悲しみの底にいます」みたいだったのが刺々しくなった。怖〜。
「ストーカー被害にあって心細い人間がなぜ護衛を雇ったくせに陰に待機させて一人で行動するんだ?というか依頼をしに来たとはいえ、朝からドアを大きな音を立てて叩けるんだ?」
「…………………………」
前者は何かあった時に間に合いにくくなるし、後者は被害にあう確率を上げるだけだ。どっちか片方だけならまだしも、両方は本当にストーカーに困っている人間の行動とは思いにくい。
なんなら口調もコロコロ変わってたし。最初は「〜のです」だったのにさっきは貴婦人みたいだったからな。
だんまりか。こりゃ二人に上がってきてもらうとするか「動かないでください」ね……っ!銃を隠してたか……!
「あまり抵抗しないでくださいね。これで頭を撃たれたくないのなら」
「……そこ首だよ」
「……首を撃たれたくないのなら」
さーてどうすっかなぁ?やっちゃったなー。この距離
────────────────────────
(どどど、ど〜しましょう〜!?やっちゃったです〜!?)
パルドスが自身のガバに焦っている時、リアもまた内心でクッソ焦り散らしていた。
(スティレットが首元にあるのに!銃の
リアもかなりのミスを犯していたためである。
リアの持つハンドガンは安全のためセーフティロックが掛かっている、がパルドスの動きに動揺し、解除しないまま突きつけてしまったのだ。これではトリガーを引けない。
運良くパルドスからは見えていないものの、下手に解除しようとすればすぐに見咎められるだろう。そうなればこのスティレットが己の首を貫く、などとリアは考えている。
──しかし実はパルドスもスティレットを構える距離をガバり、動くに動けない。
今ここにガバとミスによるスティレットと銃口を首に突きつけあう
しかしパルドスには
(いや、このまま時間稼げばペレコトとコラクスが……!)
拠点かつ仲間がいるというアドバンテージである。
ペレコトとコラクスはこのまま時間が経てば不審に思い上がってくるだろう。そうして三人で、というのがパルドスの狙いだ。しかしそんなことはリアも分かっている。故に──
「ああ、お二人は呼ばないでくださいね。このビルごとふっとばせる起爆式の爆弾を仕掛けていますので呼んだらドカン、です」
「…………へぇ」
(お願いです!!信じてください〜!!)
パルドスとしてもハッタリだろうと思っている。思っていても爆弾が絶対無いとは言い切れず、慎重にならざるを得ない。
さらに、
「呼ぶなったって、この状態で電話とかメッセージ送らせてくれないでしょ?」
「それもですけどみなさんの、特にペレコトさんの能力もです」
「……どこで知ったのさ。企業秘密で通してるんだけど?」
「
リアは事前の調査はミス無くこなせていた。それこそ、基本的に口外していない筈の黒函の面々の能力を把握できるくらいには。
「リーダーのペレコトさんは音の位置と大きさを変える。コラクスさんは声を自由に変えられる。そしてパルドスさん、貴方は視線を動かせられる……そんな所でしょう?」
「大体当たり。ますますあんたの目的が知りたいね」
「ああ、そうですね。その前にお二人に「その必要はない。静かにして動かなければいいんでしょ」……やはり聞かれていましたか。ペレコトさんの能力ですね。次からはいきなり声を出さないでくださいね、驚いて起爆してしまいそうです」
突然部屋にいないはずのコラクスの声が響く。だが驚きもせずあしらい、リアは続ける。
「私は
「つまりは人探しってことか?」
「ええ。それもかなり身分の高い方です。かなりの人間が動いていますし、無闇にその方のお名前を出せば……私もどうなってしまうかわからないです」
「……なら爆弾いる?情報もろともふっとぶんじゃない?」
「…………企業秘密です」
不敵に笑うリア。しかしその内心はやはり、
(まずいですまずいですまずいです〜!?)
焦りに焦っていた。素の「〜です」口調で。
(探していることも明かしてしまいましたし、なにより!最初から聞かれてました……詰んでいたのです……!)
(なんとかミスしたところを聞かれるのは防ぎましたがそれでもまずいです……!というか『企業秘密です』ってなんです〜!?焦りすぎです私!?)
もはやその場のノリで話してしまったリアはオーバーヒート寸前である。
「能力調べられてんだからその〜探してる方?の情報も調べられなかったの?」
「とにかく情報の痕跡を残さない方だったのです」
「なら黒函の情報抜けたから違うなとはならないんだ?」
そんな質問ができるくらいにはパルドスは案外冷静に──
(どうしよ思ったより壮大な話だこれ!)
考えられていなかった。
(名前言ったらやばいって何!?んな人の情報なんぞ無いが?!)
(『みなさんの中のどなたかがその方かも』?誰だよ!!そんな奴知らないぞ……いや待て?もしやペレコトか?あいつ結構いいとこのお嬢様よな?)
そうペレコトの実家はかなりのお金持ち。父がホテルグループの社長であり、母はその秘書。
今回ホテルの部屋を融通してもらえたのもこのためである。*3
ちなみにパルドスは焦りで忘れているがリアは
「ちなみにその方の特徴とか言える?」
「なぜです?」
「もしかしたらあの人かも「ほんっとうです!?」〜なんて……」
「「………………」」
「とりあえず言える範囲で、ですよ?その方は女性で」
(まあペレコトはそうだな)
「背があまり高くなく」
(ペレコトは……こないだコラクスに身長で煽られてたな。そんなに高くないねって)
「社交的な方です」
「あ、じゃあ勘違いです」
即答。これも信頼の形なのだろうか?
ちなみにここまで例の膠着状態の形*4のままである。
「…………」
「と、とりあえずうちには情報もその方もいらっしゃらないな。だからまあ、その、ここらで手打ちにしないか?」
「……そうですね。このままでは不毛です」
「よーし、じゃあ、うん。何もなかったし、ストーカー被害も止んで依頼達成ということで」
両者構えを解く。
「報酬は後日しっかりお支払いいたしますので。それでは失礼します」
「ええ、それでは……ちなみに爆弾は?」
「回収済みです」
そんな会話をした後リアは帰っていった。
────────────────────────
「爆弾は嘘」
「だろうよ」
「ええっ!?そ、そうなの……?」
リアの姿が見えなくなった後、俺たちは昨日みたいにオフィスで反省会まがいをしていた。
議題は主にリアを追い詰めた*5時のこと。
それぞれの反省点は
ペレコト:相手の話を
コラクス:爆弾の可能性があるのに
俺:準備不足と相手に対する想定が甘い
となる。
いや、でもぉ!うーん……。*6
「結局ストーカーは居なかったし、何か盗られた訳でもないし……本当に情報が欲しかった、のかねぇ」
「聞きにくれば教えたのに」
「……う、うーん、そう言う問題かなぁ?」
今話しているのはリアの目的について。あの調査スキルをしても見つからないのだからどんな人なんだかな。
とある身分の高いお方らしいが……。
「でも……結局誰を、探してるんだろうね?」
「一瞬ペレコトか?ってなったな俺は」
「私も」
「ええっ!?わ、私!?な、え、な、なんで!?」
驚くペレコト。さっきも見たぞそんなリアクション。
「「だってお嬢様だし」」
「……そんなにお嬢様じゃないよぅ!」
なーにを言うかこやつは。
コラクスと呆れた目を向ける。実家は大きな洋館に住んでて?そこに使用人さんも雇ってて?挙句の果てにはその使用人さんたちから「お嬢様」呼びされてた奴がお嬢様じゃない?寝ぼけてる??なんでこんなとこで便利屋やってんの???
「……ペレコトのボケはともかく」
「ボ、ボケじゃないよぅ……!」
「今回は依頼達成でいいの?」
「ん?まぁ本人は報酬を支払うとは言ってたが」
「あ、えとそれなら」
ショックから復帰したペレコトが
「今、送金確認とれたよ」
と一言。なら依頼達成だな。
「……てかそういや金の管理って携帯から見れんのか」
「ならいい。それよりやっぱりぶち抜くべきだった」
対話で終わってヨカッター。
黒函の能力
ペレコト:音が発生している位置と音の大きさを変えることが出来る
コラクス:声質を自由に変えることが出来るが大きさはあくまで元の声準拠
パルドス:人が向けている視線を集めたり逸らしたり動かすことが出来る
────────────────────────
リア:常に心臓バックバクだった人。能力者ではないので本当にすごい調査スキルである。
あの方:名家の娘。ある日家の方針に反発して家出。「〜っす」口調だとかそうでないとか。
2026/03/19 20:21 抜けていた一文を追加