欺瞞の秤   作:ちくわぶ@黒胡椒

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思った以上に話数使いすぎた。増量です。


第三十五話 メジエド?そんなヤツらもいましたね

『おはよう。来てくれ』

 

朝起きて、寛いでいた私がスマホの通知を見て、目に飛び込んできたのは、すっごいシンプルな一文だった。

差出人は……言うまでもないね。

私は、すぐに準備をすると、双葉ちゃんの部屋へと向かった。

 

 

── 佐倉家。

 

鍵は開いていて、引き戸を開けると、なんと双葉ちゃんが目の前に立っていた。

なんだかさっぱりした感じで、外行きの服装に着替えて、ふふんといった感じでちょっと得意げである。

 

「待ってたぞ海咲!おはよう!」

「長い眠りから覚めたばっかりなのに元気だねぇ。おはよ、双葉ちゃん」

「よし、約束を果たす時だ!一緒にルブランに乗り込むぞ!」

「ふふ、ハンカチは持った?」

「もちろんだ!それと海咲、わたしのことは双葉でいい。わたしは呼び捨てなのにそっちが双葉ちゃんだと他人行儀に感じる」

「おっけー!それじゃミッション達成に行こっか、双葉」

「っ!よしっ、レッツゴー!」

 

……もう、初めて会ったときみたいな挙動不審な感じも、抱えきれない闇が光を消していた瞳も、あの子にはない。

きっと、失った時間もこれから取り戻せるから、頑張ろうね。

…………あっ、鍵かけとかないと。

 

 

久しぶりの外出に、双葉ちゃんは眩しそうに歩く。

私の横で、どこか楽しそうに歩く双葉ちゃんは、キョロキョロと辺りを見回している。

きっとずっと外に出てなかったから、今の四軒茶屋の風景が新鮮に映ってるんだろうね。

 

「なあ海咲。今日ってさ……お母さんの命日なんだ」

「そう……なんだ」

「うん。今日目が覚めたのも、お母さんが早く起きなさいって言ってくれたのかもな」

「じゃあ、お母さんにちゃんとお礼言わないとね。起こしてくれてありがとうって」

「もちろん、言ったぞ。早起きしたから、風呂にもちゃんと入った」

「だから、髪サラサラになってるんだね。さっき一目見た時、なんかすごいさっぱりしてるなーって思ったんだよね」

「そうだろう!あと、海咲だろ?部屋の片付けして色々纏めといてくれたの。ありがとな」

「あんな環境でずっと寝てたら身体悪くしちゃうと思ったからね。ゴミ袋に入ってるの以外は全部捨てないで残してあるから安心してね」

「たすかる!」

 

そんな他愛もない話をしながら、少し歩いているとルブランに到着した。

若干の緊張はあるものの、双葉はどこかリラックスした雰囲気でルブランの店先を感慨深げに見ていた。

 

「さて、どうしよっか。私が先に入る?それとも双葉が先に行く?」

「う……海咲が先に行ってくれ。いきなり現れて驚かせたいからアシストしてほしい……」

「あはは、了解。それじゃ場を温めておくから自分のタイミングで入っておいで」

「おう!」

 

 

チリンッ──。

 

来店するとマスターがいて、その前には雨宮くんが座っていた。

ちょっと驚いたような表情を浮かべているけど、マスターが座んなよと促してくれたので、雨宮くんの隣に座ろうとするが、すでにカップが置いてある。

 

「あれ?お客さんですか?」

「ああ……いや、実は今日は双葉の母親の命日でな。毎年こうやって、コーヒー出してやってんのさ……」

「それじゃ、席は空けとかないとですね」

 

そう言って、ひとつ空けたところに座る。そこに若葉さんのためのコーヒーがあるなら、座るべきは私じゃないから。

 

「ちょうどいい、海咲ちゃんも一緒に聞いてくれねえか。色々と双葉の様子見てくれてたみたいだしな。おっと、礼を言ってなかったな。ありがとうな、あいつの世話してくれて」

「いいんですよ。ほとんど夢遊病みたいな感じで無意識で動いて自分で色々してたみたいなので、お世話ってほどのことしてないですし」

「それでもさ。たまに床で寝てたりとかしてたからな。部屋の片付けなんかもしてくれたんだろ?お礼にゃ足りねえだろうが、コーヒー飲んでってくれな」

「ありがとうございます」

「さて……その双葉だけどよ、あいつ若葉にそっくりでなぁ。頭が良い所もそうだが常識が通じない所も。……若葉はよぉ……仕事も子育ても、頑張ってたし充実してたろうに、いきなり死んじまってな……。そういや蓮、前に俺と揉めてた検事……スーツの女が居ただろ。その時の話、気にしてたみたいだしな。また懲りずに来るだろうし、話しとくよ。海咲ちゃんは、話に付き合わせちまって悪いけどな」

「いいえ、大丈夫です。双葉ちゃん絡みの事なんですよね?」

 

私はわざとイベント回避したから遭遇してないんだけど、あの時の冴さんって結構ヘイト買いそうな言い方してただろうしねぇ……。

冴さんのことも、上手いことやりたいんだよね……。というより、冴さんもなんとか説得しておかないと雨宮くんが捕まるっていう展開を避けるのも難しいわけで……。

そこら辺も考えとかないといけない。彼らが冴さんのパレス侵入を果たす前に。

 

「いや。双葉のことってよりは……あの女が俺から聞き出そうとしてたことは、若葉が進めてた研究についてでな。まあ、双葉の事でも揺さぶりはかけてきたけどよ」

『双葉も言ってた認知訶学ってヤツだな』

「研究内容は別に知らなくていい。その研究周りでごたごたがあって揉めてたみたいでよ。当然、その研究の中心だった若葉も巻き込まれてたよ。それで、若葉の死因が自殺って事になっちゃいるが、不審な点が結構あってな」

 

そうだね。私達はもうそれを知っている。双葉の心の嘆きと怒りを目の前で聞いていたんだから。

 

「研究内容を奪って利用したい奴がいる……俺はそう考えた。誤解はするなよ?証拠なんて一切ない話だ。だからその事は双葉には言ってねえんだ。塞ぎこんじまってるあいつを余計悩ませて、心労を増やしちまうって思ったからな」

『フタバもあの時言ってたよな。お母さんの死は自殺なんかじゃないって』

 

モナごめん。思わず返事しちゃいそうだからちょっと黙ってて欲しい……。

そんな葛藤も得意のポーカーフェイスで心の中に仕舞っておく。

 

「ただなぁ……俺、後悔してることがあんだよ。若葉が死ぬ直前に……SOSを発してたんだ。『死ぬかもしれない』ってな。あん時ゃ冗談だと思って流しちまった。でもよ……今になって思うと、もしあの時真面目に受け取ってたら……そう考えちまう。俺が双葉を引き取ったのは、若葉への罪悪感から贖罪の気持ちもあるんだよ。双葉には何の責任もないし、何も悪くねえんだ。なのに心ない連中から責められて罵られて……酷い目に遭って、可哀想でな……。心の傷ってやつはよ……どうやったら治るんだろうな……?」

 

「俺には……わからないです。ただ、俺は東雲さんや竜司達、友人のおかげで救われました。双葉とは事情も都合も全く違うけど、誰か支えてくれる人が居れば……双葉がそれを受け入れたなら、きっと……」

「そうか……悪い。そうだよな。……そう思うと、海咲ちゃんとあの時会えたのは天の思し召しってヤツだったのかもしれねぇな」

「大げさですよ。私からしたら、上っ面だけで人を判断して敬遠するような人になりたくないってだけですから」

「ははっ、ホントに……。……おい、蓮。こんな子、二度と出会えねえぞ。わかってんな?」

「わかってますよ。多分俺が一番」

「へっ、ならいいけどよ」

 

いやー、高評価で照れちゃうな……。

っていうか双葉、全然来ないんだけど?いや、もしかしてヘッドホンから盗聴音声聞いてて、タイミング測ってる?

──と思ったら、入口のベルが鳴って、飄々とした感じで後ろ手に手を組みながら双葉が入ってくる。

それを見たマスターのリアクションは、心の底から驚いて軽く飛び上がっていた。

 

「お前……っ!?」

「どした?オバケでも見たような顔して」

「いや……だってお前……」

 

あわあわといった感じで目の前の双葉に驚きを隠せないマスターをよそに、双葉は目の前に置かれたコーヒーカップを手に取った。

 

「ぬるい。海咲、そっちの頂戴」

「はい、どうぞ。でもそれ飲みかけだよ?」

「構わない。コーヒーは熱いほうが美味しい」

「すいません、マスター。もう一杯頂いていいですか?」

「えぇ……?いやそりゃ、もちろん構わないけどよ……。そ、そんなことよりお前……どうやってここまで?」

「ん?海咲と歩いてきた」

「へ、平気なのかよ?」

 

マスターが困惑しながら、双葉と私を交互に見る。

私は何も言わず、にっこり笑って軽く頷いた。久しぶりの対面を果たした()()の会話なんだから、外野は黙っておくのだ。

 

「来ちゃダメだったか?」

「そうじゃねえって!お前が家の外に出るなんて……」

「すまん……。今まで心配かけた。全部、こいつらのおかげだ」

「そうか……そうか……っ!」

 

マスターの目に涙が浮かぶ。堪えきれないよね。そうだよね……。

ちらっと双葉のほうを見ると、照れくさそうにモジモジしてる。こらこら、ちゃんと任務を遂行しなさいな……。

このまま放っておいてもきっと動かないと思ったので、ちょいちょいと腕を肘で突いて行動を促す。

 

「ん?どした海咲」

「双葉、あれ。あれ渡さないと」

「はっ、惣治郎。使え」

「……すまねえな。ありがとよ」

 

なんか若干言葉が足らない感じではあったけど、絶対泣くと思われるマスターにハンカチを渡すというミッションは達成だ。……達成でいいよね。

実際はほんの数秒だったとは思うけど、体感的には長い時間。マスターは目の前の現実を飲み込んで、噛み締めているように見えた。

 

少し前まで、外との関わりを一切絶って、自分の殻に閉じ籠もってたのに。倒れたと聞いて焦って駆け付けて、毎日心配して。

しかも、双葉ちゃんが現れる寸前まで、そういう話ししてたところなのに、めちゃくちゃタイムリーに目の前に現れた双葉を目にしたんだもの。そりゃ、そうなるよ……。

 

「海咲ちゃん、それに蓮。ありがとうなぁ……!」

「いいえ、いいもの見れて良かったです」

「俺は大したことはしてないですよ。ほとんど東雲さんのおかげです」

「雨宮くん、謙遜しすぎ」

「うむ。お前らにも助けられた。もちろん海咲にはめちゃくちゃ助けられたけどな!二人ともありがとう」

「ああ。良かったよ。双葉が立ち直ってくれて」

「うん、どういたしまして」

 

とても和やかな空気が流れて、少し経った。私も新しく淹れてもらったコーヒーを飲み干したぐらいのタイミングで、双葉が口を開く。

 

「ところで今日って21日だよな?お母さんの命日とは別に、何かあったような……」

「メジエドの事だろ?」

「あ、それだ。よしよし、今からやるぞ。お前ら付いてこい」

「なんだ?どこか行くのか?」

「ちょっと二人とゆっくり話したい。また来る」

「……そうか、いつでも来い。無理はしないようにな」

「おう!それじゃまたな、惣治郎」

 

双葉を先頭に、雨宮くんがモナを担いでそれに付いて行く。

私もそれに続こうとすると、マスターから呼び止められた。しかも頭まで下げられて。

 

「海咲ちゃん、本当にありがとうよ。まさかこんな日が来るなんて思ってなかった。これからも、双葉と仲良くしてやってくれ」

「もちろんです。任せてください!」

「それはそうと、あいつと一緒に来たってことは、双葉が外で待ってるのを知ってたってことだよな……?」

「あー……!すいません、ちょっと二人を追いかけないと!」

「あっ、おい!…………ったく。本当に、蓮だけじゃなくて双葉に俺に……世話になりっぱなしだな……。本当に神様って存在信じちまいそうだぜ」

 

 

── 佐倉家。

 

「今度はわたしが助ける番だ。お前らに貰ったものはデカすぎる。そんなお前らに仇なすメジエド、許せん。ぎっちょんぎっちょんに料理してくれる」

「やり方は任せる。どうにかしてくれれば助かる」

「うん、息の根を止めろ~なんて言わないけど、どうしてこんな事にぐらいの損害は与えちゃってもいいよ」

「ははっ!了解、やってやる」

『なあフタバ、時間ねえけど、間に合うのか!?』

「……!?にゃんこがしゃべった!?わたし今夢見てるのか!?海咲、わたし起きたよな?」

「起きた起きた。今も起きてるよ。大丈夫だよー」

『夢じゃねえよ!あと説明は後でな!』

「……お、おう。わかった」

『早くしてくれ!もう後がねえんだ!』

「はいはい、モナはこっちおいで~」

『うにゃ!?』

 

モナがやたらと急かすので、ちょっと集中してもらうために、抱き上げて雨宮くんに押し付ける。

別にそこまでしろとは言ってないけど、雨宮くんはモナの口を握って、物理的に黙らせていた。

 

『モガモガモガ……っ!!』

「……まあ、いっか。じゃあ始めるぞ!」

『ンゴゴ……!ぷはっ!何すんだ!』

「モナ、しーっ。集中してるんだから、邪魔しちゃダメ」

『いや、でもよ……』

「シャドウと戦ってる時に、おい!とか、なあ!とか言われてたら、気が散って困るでしょ?私達が出来ることは今はないんだから、双葉を信じて待ってようね?」

『うっ……そう言われるとそうだな。すまん』

「部屋も片付け終わっちゃってるしね。大人しく待つしかないかな」

「そうだ、東雲さん。明智の事、改めて聞きたいことがあるんだ」

「うん。私がわかる範囲の事なら答えられるよ」

 

というか、わかる範囲の事しか答えられないんだけど……。

今、彼の素性だったり獅童との繋がりだったりを伝えるわけにはいかない。未来を変えようって言っても、なるべく本編に沿わないと何が起こるかわからないからだ。

 

「……その、全ての原因はあいつなのか……?」

()()()()()()()()()()()……って意味なら、ほぼ確で、私はそうだと思ってる」

「ってことは……つまり……」

 

雨宮くんは、双葉の方に視線を向ける。

彼が、獅童に接触したのが本編開始の約二年半前だったはず。そして若葉さんの事件が約二年前。その辺りから鑑みても、やっぱり双葉さんを廃人化して間接的に殺した犯人なのは間違いないと思う。

この辺りは、原作では言及されてなかった気がするけど、時系列で考えるとそういう答えに行き着く。

雨宮くんも、双葉に配慮して言葉を濁してるみたいだし、私もそれに応える。

 

「おそらく、そういうことになるね……」

「…………そうか」

 

おそらく、明智くんとのコミュも順調に進んでいるんだろう。

でも、彼は知ってしまった。私のせいではあるけど……彼の正体を。

 

「ごめんね、雨宮くん。これから、彼と話す時に平常心でいられないかもしれない。私、余計なこと言っちゃったかも」

「いや、そんな事はないよ。正直助かる。ある程度、あいつの言葉の裏を気にすることが出来るようになるし」

『ああ。お前のおかげでワガハイの言葉をあいつが理解してるって確信が取れた。あいつの前で迂闊に発言しないようにって気構えも出来たからな』

「うん。彼は表面上の笑顔の裏で、怪盗団を貶める方法を考えてる。警戒し過ぎたら気取られる可能性があるけど、上手いこと彼の挑発に乗らないようにしてね?」

「ありがとう、気を付けるよ」

『ああ、ワガハイも気を張っとくぜ。ところで……フタバそっちはどうだ?そろそろ終わったか?』

 

再度の呼びかけも、双葉は全然反応しない。

まあ、手は休まず動いてるし、問題はないでしょう。万が一ダメだった!とか言われたらどうしようとか考えたりは、しなくはないぐらいには考えちゃうけど、せめて私ぐらいはドンと構えて、大丈夫この子天才だから──って後方腕組みしてるぐらいの気概でいよう。

 

……とか思ってたはずなんだけど、ベッドに座ってたせいかウトウトし始めてしまって、いつの間にやら寝てしまってたらしい。しかし何か変だ。

 

──というのも、何やらなんだか枕にしてはちょっとゴワゴワした材質の何かに頭を乗せているのだ。……ゆっくりと目を開けると、ジーンズが目に入ってくる。

 

…………あー……、これ膝枕だぁ……っ!!?

私はバッと跳ね起きて、横を向くと雨宮くんと目が合った。……う、うわー…………。顔が真っ赤になる。

 

「ご、ごめんっ!痺れてない!?ズボンに涎とか付いちゃってない!?ごめんね雨宮くん!」

「い、いや大丈夫。疲れてたみたいだから、どかすのも憚られて(幸せな時間だったとか言えるわけないしな……)」

「うー……ごめんねー。……恥ずかしい、油断してたー……」

「ははは、大丈夫。気にしてないよ(いや本当に。無防備な寝顔も見れて役得すぎた)」

『心配ないぜ。お前めちゃくちゃ静かに寝息立ててたからな』

「もー……からかわないでよモナ。今何時……って、わっ……もうこんな時間!?えっ、ホントに大丈夫?足固まってない?」

「ああ。東雲さんが離れてから急に痺れてきたな……。出来れば触らないでもらえると助かる……」

『にゃー』

 

ぺしっ。

 

「…………ッッ!!?モナお前この……っ!!」

『澄ました顔しやがって。ほれほれ』

 

ぺしぺしと、モナが雨宮くんの太ももを叩く。声色がめちゃくちゃ楽しそうだから、滅多にこうやって雨宮くんをやりこめる場面がないから、ここぞとばかりにやってるんだろうなあ……。と、私の熱くなった顔も落ち着いてきた。さすがにちょっと焦ったよ。最推しの膝枕とかご褒美でしかないけど、流石に起きたら膝……もも枕で寝てましたとか……ねぇ……?はーっ!……もうっもうっ!……心の棚に置いておこう。保存、保存っと。

 

次の瞬間、唐突に双葉に反応があった。

 

「んーーーっ!終わったー!」

『ど、どうした?何が終わったんだ!?』

「ん、メジエド。全部終わったぞ」

『マジか!?い、一体どうなったんだ!?問題は全部片付いたってことか!?』

「おやすみ、寝る」

『フタバーーッ!?』

 

というやり取りを経て、双葉はクッションに頭を乗せて椅子に座ったまま机に突っ伏して寝てしまった。

……おつかれさま、双葉。約束守ってくれてありがとね。

 

「じゃあ、こんな体勢のまま寝させるわけにもいかないから、ベッドに寝かせて……っと。うん、それじゃ私達は帰ろっか」

「そうしよう。結果がどうなったか、不安ではあるけど。双葉が終わったって言ったなら終わったんだろうな」

『まあ、やれる事はやってくれたんだ。後はフタバを信じようぜ』

「うん。そうだね」

 

その後は、戸締まりをして私達は佐倉家を後にした。

恒例通りに家まで送ってもらって、雨宮くんとモナを見送って今日はお別れ。

 

長かったメジエドの問題も今日で終わり。

双葉は暗い部屋から羽ばたいて、この世界に帰ってきた。

私の介入が、双葉にとってどんな影響を与えることになったのかは、私には詳しいことはわからないけど。

あの子の反応を見る限り、決して悪い結果ではなかったと思う。

 

双葉という新たな仲間が増えて、さらに盤石になっていく怪盗団。メメントスで彼らが強くなって、この先の攻略にもだいぶアドバンテージが取れたと思う。

まだ、少し先の事ではあるけど……やっておきたいことは色々とある。

私もまだまだ、彼らのために頑張らないとね。そう決意して、今日という日を終えるのだった。




意外と文字数書いてるんだなあと思いました。
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