アニポケXY サトシのリザードン続投&タクトに勝ちたいゴウカザル使い   作:ゴジロット

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 この話の時系列は前作シリーズのベストウイッシュ最終話、オーキド研究所でロケット団を追い払った後の辺りです。
 パンジーの紹介で、カロス地方に行くと決意した直後からのスタートします。


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プロローグ
【第0話】リザードンと共に新たな挑戦


 

 

 イッシュ地方から船旅を得てカントー地方に戻って来たサトシは、それぞれの夢に向かって共に旅した仲間であるアイリスとデントに別れた後、ポケモンルポライターのパンジーとマサラタウンに戻って来た。

 帰って来て早々にロケット団の襲撃を受けたが、仲間のポケモン達と共に無事これを撃退し、いつものように遥か空の彼方へと飛ばした後、パンジーの取材を受けていたオーキド博士から声をかけられた。

 

 

「そうじゃサトシ。実は数日前にリザフィックバレーから、お前さん宛に荷物が来ておったんじゃ。それを渡しておくぞ」

 

「えっ、リザフィックバレーから?」

 

「ピカ〜?」

 

 

 そう言うとオーキド博士は、小さな段ボールの箱をサトシに手渡した。

 

 「リザフィックバレー」――それはジョウト地方のとある峡谷に存在するリザードンの保護区でもある場所で、同時に通常のリザードンを大きく超える体格と強さを持ったリザードン達の修行の場でもある。

 嘗ての旅で言う事を聞くようになってから、サトシのリザードンは己の強さに調子付いていたのだが、その谷に生息するリザードン達には全く通用せず、本当に強くなりたいが為にサトシのリザードンはその地に留まり日々修行をする事を決意したのだ。

 その成果は開眼され、フスベジム戦、ジョウトリーグ、そしてバトルフロンティアでリザードンは大活躍してくれたのだ。

 

 リザフィックバレーといえば、ようやくカントーから帰ってきたから再び自分のリザードンを預けもらう為に、研究所の電話で連絡する事にしたサトシ。

 通信を入れてから数秒ほど経つと、リザフィックバレーの管理人である女性の「ジーク」が出てくれた。

 

 

『もしもし……って、サトシ君じゃない!久しぶりね!久々にリザードンと楽しく過ごせたかしら?』

 

「お久しぶりですジークさん。おかげで久々にリザードンと楽しい日々を過ごせました。ありがとうございます」

 

『そう、それなら良かったわ』

 

「それで……イッシュ地方での旅を終えて先ほどカントーに帰って来たので、また俺のリザードンを預けてもらおうと連絡を入れたんですが…」

 

『あ〜……その事なんだけど、もう此方に預ける必要は無いと思うわ』

 

「えっ、どうゆう事ですか?」

 

『実を言うと……もうリザフィックバレーには、貴方のリザードンに敵うリザードンは存在しないし、アタシに出来る事は全てやったわ。だから単純に谷に預けても敵う者が居なければ、貴方のリザードンがこれ以上強くなる事は見込めないの』

 

「俺のリザードンに敵うリザードンが、もう居ない…?」

 

『そうよ。それでも更に強くなりたいと願うなら……貴方のリザードンは今を持って正式に谷を卒業し、ここから先は……貴方と一緒に広い世界に出て、今度は共に真の最強へと登りなさい』

 

 

 再び自分のリザードンを預けてもらうつもりだったサトシは、ジークから言われた言葉を理解するのに数秒掛かった。

 谷には自分のリザードンに敵う者は居ない――それが長年リザードンを管理してきた者から送られた言葉だが、最初はちょっと信じられないと思った。

 だが確かにサトシのリザードンは、ジョウトリーグで相性の悪いシゲルのカメックスに勝ったり、結晶塔の帝王エンテイやバトルファクトリーでダヅラのフリーザーといった伝説のポケモン相手にも立ち向かえたり、強力なドラゴンタイプのカイリューにも優勢に戦えたりと、いつの間にか信じられないくらい強くなってる。

 それだけ強いと、いくら通常のリザードンより強い谷のリザードンでも、サトシのリザードンに敵う事は無理だろう。

 

 ならば更に強くなりたければ今後はリザードンの谷に頼らず、次からはまた一緒に旅をして広い世界に出て真の最強になれと、それがジークの言い分だった。

 そして更にジークは続ける。

 

 

『サトシ君は、また何処かに旅へ出るつもり?』

 

「あ…はい!ポケモンルポライターのパンジーさんからの紹介で、今度はカロス地方に行く事にしました」

 

『カロス地方に……なら丁度良かったわ。実は貴方に荷物を送ったんだけど、それは届いてる?』

 

「届いてますよ。今ここにあります」

 

『開けて見てちょうだい』

 

 

 届けられた荷物を見てほしいを言われ、サトシは開けて中身を確認してみる。

 なんとその中には、綺麗に光り輝く不思議な模様をした丸い石が入っていた。

 

 

「これって…宝石!?こんな高価な物をどうして…」

 

『アッハハ!それに宝石としての価値なんて無いわ』

 

「えっ?じゃあこれって何ですか?」

 

 

 てっきり高価な物かと思われたが、それはジークの笑い声と共に否定された。

 ならばこの綺麗な丸い石は何なのだと、頭に?のマークが浮かぶサトシにジークは続けて説明する。

 

 

『…リザフィックバレーに伝わる、リザードンに関わる不思議な石らしいわ。でもアタシのリサちゃんを含め、谷のリザードン達は特に何も反応しなかったんだけど……貴方のリザードンにだけは、まるで共鳴するように強く反応したの』

 

「俺のリザードンに?」

 

『アタシが持っていても宝の持ち腐れになるし、きっと何かの運命かもしれないから、餞別でその石を貴方達に託す事にしたわ。それに貴方達がこれから行く予定のカロス地方には、ポケモンと石に関わる特殊な現象があるらしいの』

 

「本当ですか!?それってどんな現象…?」

 

『それは着いてからのお楽しみ♪何にせよこれからの貴方達の活躍、続けて応援しているわ。じゃあね!』

 

 

 そう言って、ジークはこれからのサトシの冒険にエールを送った後、彼女は電話を切った。

 電話を終えたサトシは、窓から研究所の外に居る自分のポケモン達に目を向ける。

 

 

『ピカピカーー!!』

 

『グオオオォォォーー!!』

 

「………」

 

 

 其処には相棒のピカチュウやリザードンが、故郷たるこの地で楽しく遊んでいる姿を目にした。

 それを見たサトシは、彼等をジッと見つめながら今後の事を考える。

 確かに自分のリザードンは強くなった――嘗てリザードンの谷に預ける時に「弱いリザードンなんていらない」とあえて突き離した頃とは、比べものにならないほどに成長していた。

 今のリザードンを見れば、これからの修行次第で「世界一のリザードン」になれてもおかしくないくらいに、彼は立派になった。

 

 しかしそれに比べて、自分はどうなのだろうか。

 

 このマサラタウンを旅出た頃よりかは多少成長したかもしれないが、まだ自分は地方リーグにすら優勝は出来ていない。

 それどころか嘗てのシンオウリーグではベスト4にまで行けたのに対し、イッシュリーグではベスト8止まりとなったので、きちんと成長できてるのかすら怪しい。

 

 そんなまだまだ未熟な自分が、強くなってくれたリザードンと共に旅に出て良いのだろうかと、頭の中で考えてしまう。

 

 だが、イッシュ地方での旅の中で再び再会して戻ってきた時、妙に収まりが良いというか、何だかしっくりくるものがあった。

 今までピカチュウと2人で旅を始めて、色んな人々やポケモン達に出会ってその中で強くなっていく……それがホウエンから続く自身の決まったスタイルだったが リザードンが側に居るその日々が、最近非常にピッタリと収まっている気がしたのだ。

 

 もしかしたらまさにこの時こそ、お互いが成長して、もう離れて成長する時期は終わり、今までのような完全に0からのスタートではなく、再び一緒に強くなる時期が来たんじゃないかと思えたのだ。

 今度のカロス地方の旅は、絶対にリザードンが必要だと、もう一度リザードンと旅がしたいと、サトシの心が、直感が、そう叫んでいる気がする。

 そうとなれば、自分が感じたままに即行動に移してみようと、この旅で自分が今のリザードンに相応しいトレーナーとしてもう一回り成長する為に、1つの強い決意をしたサトシは外へと飛び出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リザードン!」

 

「グオ?」

 

「ジークさんから聞いたよ、お前の事。……本当に強くなって帰ってきてくれたんだな、誰にも負けないくらいに」

 

「グオォォウ♪」

 

「それで……ジークさんも言ったけど、俺とピカチュウは今度、カロス地方へ行く。でもその旅では、お前も一緒に来てほしいんだ」

 

「!!」

 

「俺はまだまだ、お前に相応しいトレーナーになれてないかもしれない……。でも俺は、また一緒に旅して強く成りたいんだ!」

 

「………」

 

「俺達であの時の約束……世界最強のリザードンに成りにいこうぜ!!」

 

 

 世界最強のリザードンに成ったその時に、また会おうと交わしたあの日の約束。

 あの時に交わした約束と少し違う形になってしまったが、修行を終えて谷を卒業し強くなった彼と、一緒に最強に成りたい。

 

 

 そんなサトシの言葉を聞いて、リザードンは――、

 

 

 

 

「グウゥゥ…ボオオオォォォォォォォーーー!!!!」

 

「うわっぷ――!!」

 

 

 『かえんほうしゃ』で返事をした。

 

 猛烈な炎を全身に浴びて、黒焦げで髪もチリチリになってしまったサトシ(なんでそれだけで済むのか…)。

 だが彼から放たれたその炎からは、とても好意的な意味が込められているとすぐに分かった。

 

 

「ゲホッゲホッ……ハハッ、どうやら…やる気充分のようだな、リザードン!」

 

「グオォウゥ♪」

 

 

 また一緒に旅をする――それが出来る事が何よりも嬉しいリザードンは、燃え上がる炎を宿しつつも嬉しい顔をする。

 

 

 その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

ホオオゥオオオォォォォォーーーーー!!!!

 

「っ!!!!」

 

「ピカッ!?」

 

「グオッ!?」

 

 

 何処からか聞き慣れない、けれど初めてマサラタウンを旅立ったあの日から何度も聞いてきた、あのポケモンの鳴き声。

 サトシもピカチュウもリザードンもその鳴き声がハッキリ聞こえ、空を見上げれば、かの者の神々しい飛ぶ姿が目に映った。

 

 

「ホウオウ…!!」

 

 

 ジョウト地方の伝説のポケモンにして、美しく輝く羽を持つにじいろポケモン――「ホウオウ」

 「虹の神」や「空の守り神」とも称されている存在で、赤くも七色に光る見事な翼と金色の尾羽で世界の空を飛び続け、飛び去った空には虹が出来るとされる。

 また心の正しいトレーナーの前に現れ、その姿を見た者は永遠の幸せが約束されるという神話がある。

 

 ホウオウはサトシ達の頭上の遥か上空に現れ、優雅な姿を一瞬だけ見せるとあっという間に飛び去ってしまった。

 そして飛び去った後には、視線に広がる遥かなる青い空に見事な虹が掛かる。

 

 あの日と同じだった。

 まだ懐いていないピカチュウと共にマサラタウンを出て早々にオニスズメの群れに襲われ、どうにか追い払えた時に目にしたあの光景と。

 ジョウト地方での旅を終えて一度マサラタウンへと返ってきた後、今後どうするか迷っていた時に遠くの空で見たあの景色と。

 

 

「あの方角……確かカロス地方の方角だ」

 

「ピーカ」

 

「グオォウ」

 

 

 彼処には存在する……まだ知らないポケモン達が。

 

 彼処には有る……まだ見ぬトレーナーとのバトルが。

 

 

 

「……よ〜し!ピカチュウ、リザードン、一緒にカロス地方に行くぜぇぇーーー!!!!」

 

「ピッカアアァァァーーーー!!!!」

 

「グオオオォォォォォォーーーー!!!!」

 

 

 ホウオウの示した導き――それを見たサトシと、彼の決意と呼応してピカチュウとリザードンもまた気合いを入れて吠える。

 

 

 世界最高のポケモントレーナー――ポケモンマスターに成る為に、

 世界最強のリザードンと、その使い手に相応しいトレーナーとして成長する為に、

 こうしてサトシの次の冒険はピカチュウに加えて、リザードンも一緒にカロス地方に行く事になった。

 

 

 

 

 

《TO BE CONTINUED》

 

 ここまでの冒険を、ポケモンレポートにしっかり書き残した!▼

 




●リザフィックバレーには既にサトシのリザードンに敵うリザードンは居ない

 BW以降のストーリーでは普通にリザードンが研究所に居るので、明言こそされてませんが、この小説では谷で最強になったからリザフィックバレーを卒業した事にしてます。
 仲良しになったジークのリサちゃんには悪いですが、こうでもしないと辻褄が合いませんので……。

 まぁシゲルのカメックスやアイリスの厳ついカイリューどころか、結晶塔のエンテイやダヅラのフリーザーといった強敵と渡り合えている時点で、もう最強だろと思ってるんですけどね。
 だからさぁ〜……せめてBWはリザードンVSレシラムの対決きちんと描いてほしかった…!



●ジークから貰った不思議な石

 はてさて、その石の色は何色(・・)でしょうかね……。



●ホウオウ

 アニポケ無印の第1話から、ずっとサトシを導いてきたアニメ最初の伝説のポケモン。
 もう何回永遠の幸せを約束されているんだよってツッコミたいところですが、サトシの冒険と出会いの日々が、まさに彼にとって何よりも幸せな事なのかもしれない。

 余談ですが初期案として劇場版の「キミにきめた!」と同じく、ここで「にじいろのはね」を落とす予定でしたが、あまり余計な事はしない方が良いと思い没にしました。
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