アニポケXY サトシのリザードン続投&タクトに勝ちたいゴウカザル使い   作:ゴジロット

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 お待たせしました…。

 ………読者の皆様は、任天堂Switch2を手に入れる事は出来ましたか?
 私はですね……充分にお金貯めていざ買う決心した矢先に1万円値上げするって情報が入ってきまして、急いで店舗を探し回ったものの見事に全て無くなっていて、結局買う事が出来ませんでした…(泣)
 なんというか、タイミングが悪い………Switch2を持っている皆様は、持ってない方々の分まで、大切にして下さい。

 因みにSwitch2買うために貯めたお金は、これから猛暑及び酷暑の時期に備えて冷却グッズを買い揃えるのに使いました(命が1番大事……空調服ガチで最高)



 さて今回は原作第3話ですが、ちょっとコジロウがマーイーカをゲットする過程を、独自にアレンジして少し変えました。
 とは言っても、デスマスを仲間にした流れとほとんど同じなので、そんなに変わり映えはしないんですが……。


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【第8話】いざ出発!此処から始まる皆の物語【NEW】

 

 

 テルキと共に旅をする事になったサトシは、最初の仲間としてケロマツをゲットするとプラターヌ研究所を後にして、今はポケモンセンターに向かっている。

 理由は今回の旅の目的であるカロスリーグに出場するためには、先ずポケモンセンターでリーグ挑戦の登録をしなければならず、ミアレシティに詳しいシトロンとユリーカに道案内してもらっていた。

 

 

「ピカ〜!」

 

「アハハハッ!レントラーの背中、温か〜い♪」

 

「レントラー。世話好きのお前なら心配ないと思うけど、間違っても絶対に振り落とすなよ?」

 

「レウ!」

 

「すみませんテルキ、うちの妹が………どうやら昨日、僕がレントラーに背負ってもらった事が相当羨ましかったみたいで……」

 

 

 とはいっても道案内してるのは主にシトロンの方で、ユリーカはサトシのピカチュウと戯れつつテルキのレントラーの背中に跨って歩いていた。

 それだけレントラーの背中に乗ってもらった事が羨ましく、兄の注意を押し退けてテルキにねだってきたのだ。

 

 

「大丈夫。レントラー優しく歩いてくれるもん!それよりも3人とも早く早く〜!カロスリーグ登録はこっちだよ〜!」

 

「分かってるよ、ユリーカ」

 

「慌てなくても、ポケモンセンターは逃げないよ」

 

「危ないから、ちゃんと前を見てね」

 

 

 急かしてくるユリーカに、サトシ、シトロン、テルキの3人はそれぞれ返事を返す。

 ユリーカを気遣いつつ、大都会のミアレシティを歩いている中、サトシとテルキは道案内してくれるシトロンに礼を言った。

 

 

「ありがとうな、シトロン。今日道案内してくれてさ」

 

「俺からもありがと。此処の街は広すぎる上に道が割と複雑で、2人が居なかったらもっと時間が掛かってたかもしれないからさ」

 

「いえいえ、これくらいお安い御用ですよ。それよりも僕は感動しているんです」

 

「感動?」

 

「2人の行動力……特にサトシが、ポケモン達の為に懸命になる姿を見て、なんだかこっちも勇気を貰った様な」

 

 

 昨夜のプリズムタワーでの出来事を思い出して、その勇気と行動力に感動を覚えたシトロン。

 サトシはこういった事では悩むよりも先に行動するタイプだが、実際に他の人が同じ事を出来るかと問われたら絶対にNOだ。

 困っている者を助けようと実行するのは本来勇気がいることだし、ましてや高さ約300mのプリズムタワーから落ちたピカチュウを助ける為に同じく飛び落ちるなんて、誰でも真似出来ない。

 だからこそ、たとえ無茶な事でもポケモンの為に率先して行動出来るサトシの姿は、シトロンにとって触発されるほど感動するものがあった。

 

 

「大袈裟だなぁ、もう」

 

「…いや、分かるぞシトロン!迷わず突き進むサトシの姿を見たら、俺も自然と突き動かされた感じになったからさ!やっぱサトシは凄いよな!!」

 

「はい!」

 

「テルキまで……俺は当たり前の事をしただけで、本当に大袈裟だって〜……」

 

 

※大袈裟ではありません。

 テルキ自身も比較的行動力は有る方だが、流石に高い所から飛び降りるなんて徹底真似出来ない。

 研究所のケロマツが自らサトシの仲間になったのも、なんとなく分かる気がしたシトロンは途中プリズムタワーの方へ視線を向けると、「…僕も頑張らなきゃ」と何かを決意したように呟く。

 

 そんなこんなで、一同が話し合っている内に目的地のポケモンセンターに到着した。

 ミアレシティには大きな街な故にポケモンセンターが複数存在しており、特に目の前のポケモンセンターは街の人達もよく利用される場所に位置するので、かなり大きな建物だ。

 目的地に到着したのでユリーカはレントラーから降り、テルキはレントラーをボールの中に戻す。

 テルキ達は中に入って中央カウンターに行くと、カウンターでカロス地方のジョーイが訪れたサトシ達に丁寧にお辞儀をする。

 

 

「おはようございます。此処ではポケモンの体力回復やトレーナーの宿泊等、ポケモンに関わるあらゆるケアとサポートを致します」

 

「俺達、カロスリーグ挑戦の登録に来ました!」

 

「分かりました。では先ずユーザー登録したポケモン図鑑か、又はトレーナーカード等、何か身分を証明出来る物はありますか?」

 

「えっと〜……ポケモン図鑑で!」

 

「じゃあ……俺はトレーナーカードで。それと俺は以前にもバッジを集めていたんですが、今回バッジの数はリセットして登録をお願いします」

 

「畏まりました。ではそのポケモン図鑑を、この画面にタッチして下さい。そちらのトレーナーカードの場合は、隣りの差し込み口に挿入して下さい」

 

「「はい!」」

 

 

 サトシは貰ったばかりのポケモン図鑑を取り出し、それをカウンターの液晶画面に当てる。

 既にサトシは自身のユーザー登録を済ませてあり、図鑑からサトシのデータを読み取って、登録されたトレーナーの情報が表示された。

 

 

『マサラタウンのサトシ、カロスリーグ挑戦の登録完了。現在バッジの数ゼロ、健闘を祈ります』

 

「よし!」

 

 

 これで登録が完了し、液晶画面に当てた図鑑をバッグにしまうサトシ。

 そして隣りでは、テルキのトレーナーカードが読み取り終え、同じく画面に表示される。

 

 

『フタバタウンのテルキ、カロスリーグ挑戦の登録完了。現在バッジの数ゼロ、健闘を祈ります』

 

「よし。もう一度、此処からスタートだ…!」

 

 

 此処からまた始まるのだ―――ポケモンと一緒に強くなって、バッジを8個集める何時もの旅が。

 テルキとサトシの登録完了を確認したジョーイは、更に渡す物があると言って助手を呼び出す。

 

 

「登録されたトレーナーには、サービスでバッジケースを配布しております。プクリン、持ってきてちょうだい!」

 

「プ〜リリ〜ン♪」

 

「あっ、プクリンだ!」

 

 

 今まで旅先のポケモンセンターをたくさん見てきたサトシは、カロス地方でのジョーイの助手がプクリンである事に驚く。

 因みにジョーイの助手ポケモンは地方ごとに違い基本的にはラッキーだが、イッシュ地方ではタブンネ、カロス地方ではプクリン、アローラ地方ではハピナスとキュワワー、そしてガラル地方ではイエッサンとなっている。

 

 

「ありがとなプクリン」

 

「ピカピーカ」

 

「プ〜リリ〜ン♪」

 

「これで手続きは終了です。最後まで諦めず、ポケモン達と一緒に頑張って下さいね」

 

「はい!」

 

「ありがとうございました」

 

 

 助手のプクリンからバッジケースを貰ったテルキとサトシは、プクリンに礼を言う。

 これで必要な物を渡した事を確認し、登録の手続きをしたジョーイはこれで終了だと笑顔で伝えた。

 2人のカロスリーグ挑戦の登録を終えて、いよいよこれから出発!………と言いたいところだが、サトシはその前に先ずカロス地方に無事着いた事をオーキド博士に電話しようと思い、一緒に旅するテルキに伝える。

 

 

「テルキ。俺はこれからオーキド博士に電話しようと思うんだけど、テルキはどうする?」

 

「俺もフタバタウンの実家に電話しようと思ってたんだ。故郷に預けている他のポケモン達も、また使えるようにしたいしな」

 

「…フタバタウンの実家に?マサゴタウンにあるナナカマド博士の研究所じゃないのか?」

 

「ああ。俺の父親がナナカマド博士の助手をしていてな、その関係で実家にポケモンの転送装置が置いてあって、電話すれば何時でもポケモンを転送出来るんだ」

 

「へぇ~、そうなんだ!」

 

「では御二人が電話している間、僕達は近くの店舗で買い物してきますね。それぞれ用事が済んだら、後でポケモンセンター近くの噴水前で待ち合わせしましょう」

 

「サトシ、テルキ、また後でね〜!」

 

「分かった!」

 

「じゃあまた後で!」

 

 

 こうしてそれぞれの用事を済ませる為に一同は解散し、テルキとサトシはポケモンセンターの中のテレビ電話で故郷に連絡をしに、シトロンとユリーカは外に出て近くの店へ買い物に向かった。

 センターに設置してあるテレビ電話の前に立ったテルキは、受話器を取って実家に繋ぎ、向こうが出るのを待つ。

 すると少しして、電話の画面に1人のショートボブでテルキと同じ髪色をした、中年の女性が映し出された。

 

 

『もしもし……ってテルキ!?テルキなの!!?』

 

「お、お母さん……ひ、久しぶり……」

 

 

 通話に出たのはテルキの母親の「ヒナタ」で、ヒナタは通話相手が息子のテルキだと知ると驚きの表情をした。

スズラン大会以降、今まで一度も帰らず音信不通の状態だったから、正直少しだけ会話するのが躊躇ってしまうが、意を決して口を開こうとする。

 が――、

 

 

『今まで何処に行ってたのよ!!!全く家に帰って来ないどころか、全然電話にも出ないし!!!家に居るアンタのポケモン達だって、もの凄く心配してるんだよ!!!?』

 

ご、ごめんなさい……

 

 

 母親のヒナタは、今まで音信不通だった事に腹を立てており、画面から顔が飛び出そうな勢いでお説教を始めた。

 もうこうなるとヒナタは誰も止められず、息子のテルキが反論する余地も無く、技の「タネマシンガン」の如く言葉が飛んでくる。

 テルキが実家に電話しなかったのはこれが主な原因で、別に母親が嫌いという訳ではないのだが、説教がとにかく勢いが激しいから気が滅入るのだ。

 無論その原因は自分自身なのだから、テルキは言い返す言葉なんて何処にも無い。

 そして5分後、テルキがこってり絞られたところでようやく説教が終わると、母親のヒナタは安心した表情へと変わる。

 

 

『はぁ〜……、まぁでもテルキが無事なのが分かって良かった。その様子だと大会での負けは少し立ち直れたようね』

 

「……えっ?分かってたの??」

 

『当たり前でしょ?私はアンタのお母さんなのよ!確かにあの大会は相手が強すぎたのもあるけど、私はテルキが無事でいてくれるだけで充分幸せなんだから』

 

「お母さん……!」

 

 

 ここまで怒ってたのも、よっぽど息子の事が心配だったからであり、怪我もなく無事なのを確認出来た母親のヒナタは安堵した顔をしていた。

 その様子を見て、テルキは自分勝手に連絡しなかったせいで母親に心配させてしまった事を心の中で反省し、そしてそんな自分を応援してくれる母親に感謝する。

 

 

『…それで、今は何処に居るの?こうして連絡してきた事だから、きっとポケモン達を転送できるようにしたいんでしょ?』

 

「うん。俺は今カロス地方に居るよ。今期のカロスリーグに挑戦したくて、改めてバッジ集めに旅するんだ。連絡した理由はお母さんの言った通りだよ」

 

『やっぱりね。……でもそうなると、ポケモンを転送するのに一々こっちに連絡するのも面倒でしょ?実はお父さんがアンタの為に『携帯転送ボックス』を用意してくれたから、それを送るわね』

 

「…えっ!?それって……まだ世界に数機しかない、何時でも何処でもポケモンを入れ替えれる貴重な機械じゃん!!俺がトレーナーになるのに最後まで反対してたお父さんが、何で…!?」

 

『心配だからに決まってるじゃない!アンタの事が。ナナカマド博士も異論は無かったようだし、壊さないように大事に使いなさいね?』

 

「う、うん……」

 

『じゃあ電話の後にそっちに送るから、バッジ集めとリーグは頑張りなさい!………あっ、それともう1つ!』

 

「何…?」

 

『もしアンタに彼女とか出来たら、先ず1番最初に私に紹介しなさい。どんな可愛い子か凄く気になるから』

 

「俺がモテない事に対する当てつけか!とにかくもう行くから、他の皆にも元気だって事を伝えといて。バイバイ」

 

 

 そう言って母親のヒナタとの会話を終えると、テルキは受話器を戻して電話を切る。

 まさかポケモントレーナーになる事に反対していた父親が息子であるの自分の為に、まだ世間に普及前の「携帯転送ボックス」を用意してくれるなんて、テルキには思いもしなかった。

 とはいえこれで実家に預けている他のポケモン達にも手軽に会えるようになるので、今度感謝の気持ちに「グラシデアの花」を父親に送ろうと決めたテルキは、サトシとピカチュウ、そしてボールから出したケロマツと合流してポケモンセンターから出た。

 

 噴水前に来ると既にシトロンとユリーカが戻ってきており、2人と合流する。

 これで道案内は終わり、彼等ともお別れになるであろうと思われたサトシとテルキだが、シトロンとユリーカは驚く言葉を口にした。

 

 

「えっ?シトロンとユリーカも一緒に行くのか!?」

 

「はい!もっと貴方達と一緒に居たいと思ったんです。一緒に旅したら僕も今以上に強く、そして成長出来る気がするんです」

 

「だよね、お兄ちゃん」

 

「…って、すみません。2人からしたら急な話だし、御迷惑ですか?」

 

「そんな事無いって!皆で一緒に旅した方が、絶対に楽しいよ!テルキも良いだろ?」

 

「俺はサトシが良いなら別に構わないよ。それにサトシの言う通り、一緒に旅する方が楽しそうだし」

 

「本当ですか!?ありがとうございます!」

 

「やったぁ〜!!」

 

 サトシ達の様子を伺うシトロンに対し、あっさり了承の意を示したサトシとテルキ。

 確かに急な話だが、今まで1人旅だったテルキからしたら誰かと一緒に旅するのは新鮮な感覚だし、装備も余裕が有るのでその心配はない。

 サトシも仲間と一緒に冒険する楽しさを知っているから断る理由は無く、彼等ともまだまだ一緒にいたいと思っていたので、願ったり叶ったりであった。

 

 

「これから宜しくな、シトロン、ユリーカ!」

 

「ピーカ!」「ケロッ!」

 

「はい!こちらこそ」

 

 

 同行する事を了承したサトシは、これから宜しくと言ってシトロンと握手する。

 

 

「あっ、ズルい!ユリーカもユリーカも!」

 

 

 それを見たユリーカは羨ましがり、2人は姿勢を低くしてユリーカの背に合わせて、手を合わせる。

 テルキも其処に加わり、更にピカチュウ、ケロマツも手一緒に手を合わせ円陣を組む。

 

 

「色んなポケモンに会いに行こう!」

 

「よ〜し!それじゃあ皆、冒険に出発だ!!」

 

「「「「おーーーっ!!!」」」」

 

「ピカーー!!!」「ケローー!!!」

 

 

 皆で一斉に声を上げ、遂に彼等の冒険が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、同時刻ミアレシティのとあるカフェのテラス席にて、何やら怪しげな観光客3人………正確には男女2人とポケモンがコソコソと何かをしていた。

 もう改めて説明する必要はないと思われるが、毎度お馴染み前向きロケット団の3人だ。

 

 

「ご報告しますサカキ様。我等3人、先日カロス地方に到着しましたニャ…」

 

「これより強いポケモン、そして珍しいポケモンのゲットに…」

 

「邁進の所存でございます。御期待下さい」

 

 

 観光客に扮したニャース、コジロウ、ムサシが順番にカロス地方での活動開始を告げ、通信相手に報告する。

 彼等の座るテラス席の中心には、ホログラムでとある男が映し出されていた。

 その男こそ、3人が所属する秘密組織ロケット団をまとめる組織のボス「サカキ」である。

 

 

『うむ。捕獲したポケモンはロケット団の重要な戦力となる。……だが、それとは別でお前達にもう1つ、特別な任務を与える』

 

「はい。何でしょうか?」

 

『実は先日、別動隊からの報告で、嘗て組織から脱走したポケモン(・・・・・・・・・・・・)の識別コードが、カロス地方行きの便で確認されたらしい。お前達はそのポケモンを見つけた場合は直ちに捕獲、及びデータ収集をするように。詳細な資料は今送る』

 

 

 何時も通り他の地方での活動開始を報告するだけの通信かと思われたが、それとは別にサカキは付け加えて3人にとあるミッションを与えた。

 命じられたのは、嘗てロケット団から脱走したポケモンの捕獲で、サカキのホログラムが消えた後、とあるポケモンが映し出される。

 一件普通のポケモンのように見えるが、ボスのサカキが直々に命じてる辺り、何やら相当な理由を持つポケモンと思われる。

 ホログラムでの通信を終えたロケット団3人は、ニッタリと顔が笑う。

 

 

「ちょっとちょっと聞いたわよね!?」

 

「ああ。俺達に特別ミッションだってさ!」

 

「ニャニャ!ジャリボーイのピカチュウと一緒に、そのポケモンを見つけて捕獲して、サカキ様に献上すれば…」

 

「「「幹部昇進、支部長就任で良い感じ〜!!」」」

 

 

 ボスから直々に任務を与えられて、その時の成功を想像してウキウキになるロケット団3人。

 こんなの成功すれば出世は間違いなしなので、サカキの為に目的を果たすべく食事を済ませて行動を開始しようとしたところ、1つ違和感があった。

 

 

「あ、あれ…?俺のクロワッサンが無い…?」

 

「マイッカ〜♪」

 

「ん…?」

 

 

 気づけは注文していたクロワッサンがコジロウの分だけ無くなっていたので、何処へ行ったのか探していたところ聞き慣れない鳴き声がしたので、そちらへ向くと見たことないポケモンがクロワッサンを食べていた。

 小柄な体格で胴体が短くずんぐりとした形状、ピンクの額には黄色の発光器官を持ち、複数の青い触手状の足と白い2本の腕が特徴をしている。

 

 

「見たことないポケモンニャ」

 

「カロス地方のポケモンかしら?」

 

「なんていうポケモンなんだ?」

 

「そのポケモンは、『マーイーカ』ってポケモンですよ」

 

「「「ん?/ニャ?」」」

 

 

 ふよふよと浮きながらクロワッサンを食べるポケモンをまじまじ見ていると、偶然通り掛かったこのカフェの女性店員がそのポケモンの事について説明してきた。

 なんでもこのポケモンは、かいてんポケモンの「マーイーカ」というポケモンらしい。

 

 

「カロス地方に生息する、エスパータイプのポケモンです。あっ、クロワッサンのサービスしますが、どうしますか?」

 

「え?あっはい。じゃあ半分に切り分けた状態で、持ってきてくれますか?」

 

「畏まりました。少々お待ち下さい」

 

 

 店員が食べられたクロワッサンを再度持ってきてくれるらしいのだが、何故かコジロウは半分に切り分けた状態で持ってきてほしいと頼んだ。

 どうゆう事なのか、その真意を確かめるべくムサシとニャースが質問する。

 

 

「ちょっとコジロウ、一体どうする気なの?」

 

「決まってるだろ?コイツをゲットするんだよ。こんな場所じゃバトルなんて出来ないし、お腹を空かせてるだろうから餌を上げて仲間にするんだ」

 

「それは良い考えだニャ。早速このマーイーカを、我がロケット団の新戦力とするニャ」

 

 

 どうやらコジロウはこのマーイーカを、カロス地方でのロケット団の新戦力としてゲットするらしい。

 こんな街中でバトルする訳にはいかないので、ゲットしやすくする為にクロワッサンで餌付けして懐かせるのがコジロウの考えだ。

 3人が話してると丁度、先ほどの女性店員が半分に切ったクロワッサンを持ってきてくれた。

 

 

「お待たせしました。ご注文通り、こちら半分ずつ切り分けたクロワッサンです」

 

「おっ、きたきた……ほ〜らマーイーカ、もう半分お前にやるよ。おいで」

 

「マイッカ!?マイッカ〜♪」

 

 

 コジロウが差し出した半分のクロワッサンを、嬉しそうに受け取ったマーイーカはがっついて食べ出す。

 どうもこのマーイーカは結構な食いしん坊なのか、それとも相当お腹が空いているのか、何方にせよ良い食いっぷりである。

 

 

「どうだ、お腹いっぱいになったか?」

 

「マイカ!マイッカ」

 

「そうかそうか。それでマーイーカ、俺達の仲間にならないか?」

 

「マイッカ?」

 

 

 腹を満たしたマーイーカは、コジロウに仲間にならないかと聞かれて、首を傾げる。

 マーイーカはどうしようか考えていると、コジロウの持っているモンスターボールから、彼の手持ちポケモンであるマネネ、マスキッパ、デスマス、モロバレルが飛び出してきた。

 

 

「マ〜ネッネ〜♪」「キパキパ〜♪」「デスデス〜♪」「モロモ〜ロ〜♪」

 

「こいつらは俺のポケモン達だ。もし仲間になるなら仲良くなってほしいんだが、どうだ?」

 

「……マ〜イッカ〜♪」

 

 

 マネネ達の笑顔を見て、彼について行ったら楽しそうだと感じたマーイーカは、コジロウの言葉に笑顔で返す。

 それを見て、仲間になる事を了承したと見たコジロウは、空のモンスターボールを優しくマーイーカに当てる。

 マーイーカは開いたボールに吸い込まれ、閉じたボールが数回ほど揺れ動くとカチッという音が鳴って、マーイーカがコジロウの手持ちとして登録された。

 

 

「よっしゃ!マーイーカ、ゲットだぜ〜!」

 

「マッネ〜!!」「キパ〜!!」「デス〜!!」「モロ〜!!」

 

 

 サトシ(ジャリボーイ)を真似て同じ決めポーズを取るコジロウと、同じく新しい仲間に喜ぶコジロウのポケモン達。

 マスキッパはコジロウに抱き着きながら噛み付き、マネネはくるくる回って踊り、デスマスとモロバレルはバンザイしてその喜びを分かち合った。

 

 

パチパチパチパチパチパチパチ!

 

「あ、あれ…?」

 

 

 すると周りから拍手が聞こえたので辺りを見回すと、店員や他の客がコジロウ達に向けて笑顔で拍手を送っていた。

 視線の先にいる者は普段は悪党なのだが、どうやら一部始終を見ていた周りの者達からすれば「ポケモン達に好かれる優しい男性が新しい仲間を迎え入れた」としか見えなかったのだろう。

 

 

「あ、アハハハ……」

 

 

 何だか急に恥ずかしくなってしまい、食事を済ませたロケット団一同はその後そそくさとカフェを後にしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして同時刻、ミアレシティから南南東に離れたアサメタウンでも、ブロンド色の長髪の1人の美少女が玄関の扉を開いて外に出た。

 ピンク色のカノチェの帽子を被り、服装は上が黒で下が赤のハイウェストアンサンブルを着込み、黒のオーバーソックスとハイカットスニーカーを履いたスタイル。

 そしてピンクのリュックを背負って、セレナは玄関を出ると外の小屋で寛いでいるサイホーンに近付き撫でる。

 

 

「行ってくるね、サイホーン。フフッ♪」

 

「サ〜イ♪」

 

 

 日頃のサイホーンレースの練習の賜物か、レースを除けばサイホーンの扱いには慣れたものであり、セレナに優しく撫でられたサイホーンは嬉しそうな顔をする。

 そんなセレナの様子を、見送りの為に一緒に玄関に出た母親のサキが、呆れつつも不思議そうな表情でセレナの顔を見る。

 

 

「全く……珍しく早起きしたかと思ったら、急にミアレシティに行ってポケモンを貰って来るだなんて……一体どうゆう風の吹き回しかしら?」

 

「思い立ったが吉日って言うでしょ?私とって今日が、まさにその日って事よ!」

 

「そう…?……ところで確認だけど、メイスイタウンの駅から電車でミアレシティに行くのよね?」

 

「当たり前でしょ。2番道路やハクダンの森のルートだと何日も掛かっちゃうし、まだポケモンを持ってない私じゃ危ないもの」

 

「それもそうね。……それでどのポケモンを貰うか、もう事前に決めてるの?」

 

「うん!」

 

「どの子?」

 

「それは内緒♪じゃあ行ってくるね!」

 

「いってらっしゃ~い!」

 

「サーイ!」

 

 

 母親と家にさよならバイバイしたセレナは、駅が有るメイスイタウンに向かうべく、1番道路の方へと走っていく。

 自分の娘が家の敷地を出て1人で出かけていく様を、母親のサキは呆れながらも手を振って、サイホーンと一緒に見送った。

 

 

「全く、しょうがない子ね……。それにしても、あの子の嬉しそうな顔……好きな子でも出来たのかしら?」

 

「サイ?」

 

 

 

 

《TO BE CONTINUED》

 

 ここまでの冒険を、ポケモンレポートにしっかり書き残した!▼

 




●テルキの家族

 別に物語に何かしら影響が出る訳ではないですが、一応彼の家族を紹介しておきます。シンオウらしく名前の元ネタには「光」に関するものにしてます。

父親のカガヤ(40歳)=名前の元ネタは「輝き」
 以前はトレーナーだったが途中で挫折して、今はナナカマド博士の助手として働いている。テルキがトレーナーになる事に反対していたのは自身の経験からで、息子に辛い思いをさせたくないから。相棒はムクホークとエレキブル。

母親のヒナタ(39歳)=名前の元ネタは「日向」
 実家でポケモン達と一緒に畑や農園をしている。しっかりした性格でテルキの良き理解者だが怒ると非常に怖く、家では誰も母親に逆らえない。相棒はガルーラとガブリアス。

姉のレイ(19歳)=名前の元ネタは光線の「Ray」
 現在ギャロップレースのトレーナーとして働いているが、趣味で漫画を描いている。相棒はエンペルトと色違いギャロップ他。

弟のライト(10歳)=名前の元ネタは光の「Light」
 以前は母親と一緒に農園を手伝っていたが、父親と大喧嘩の末にポケモントレーナーになり、今はシンオウ地方を旅をしている。相棒はナエトルとプテラ。

妹のアカリ(8歳)=名前の元ネタは「明かり」
 母親と一緒に農園や畑を手伝っている。普段は優しく控えめな性格だが、チャンピオンのシロナに憧れている。将来はニャオハとヒバニーとケロマツの3匹を相棒にしたいらしい。



●携帯転送ボックス

 言ってしまえばゲームでいう「ピカブイ」から出てきた、所謂ポケモンボックスに似たような物。
 アニメだとパソコンに預けるという形ではないので、一応世界観に合わせてこうゆう設定にしました。



●コジロウとマーイーカとの出会い

 本当にBWにおけるデスマスとの出会い方と、ほとんど同じ形にしました。
 ムサシやニャースにも言える事ですが、こうゆう時とかで偶に出てくる素の部分を見てると「なんでロケット団をやってるんだよ…」って思ってしまう…。



●ロケット団から脱走したポケモン

 だ〜れだ?



●セレナがミアレシティに行くまでのルート

 ゲーム視点で考えれば、アサメタウン→1番道路→メイスイタウン→2番道路→ハクダンの森→3番道路→ハクダンシティ→4番道路→ミアレシティの順番が正規ルートですが、アニメだとセレナは描写的に僅かな時間でミアレシティに着いたらしいので、この小説ではメイスイタウンからは電車でミアレシティに行った事にします。
 ゲームのレジェンズZAの主人公が電車でミアレシティに着いてたし、丁度良かったのでこの辺の描写を取り入れました。
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