アニポケXY サトシのリザードン続投&タクトに勝ちたいゴウカザル使い   作:ゴジロット

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 もうすぐめちゃくちゃ暑い季節が来ますが、私はなんとか頑張って生きるつもりです。
 後少しで7月7日の七夕………ジラーチの映画を思い出すし、丁度明日からアマプラでポケモン映画が観れるようになるから、一足先にアニポケ映画三昧の夏休みを楽しもうかと思います(途中だったデオキシスの映画も観るぞ!!)




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【第11話】イーブイミラクル七変化!デデンネキープ!!【NEW】

 

 

 

 サトシとテルキのポケモンが上空からの捜索を始めたその頃、ピカチュウやイーブイはデデンネと一緒にまだロケット団から逃げていた。

 あれから更に逃げ回って、直ぐ側に流れが速い川のある岩場まで辿り着くも変わらずしつこく追いかけてくるので、危険を承知で3匹は岩場を登っていく。

 

 

「ハブネーク、『ポイズンテール』!!!」

 

「ハアァァーーブッ!!!」

 

「デネッ!?」

 

 

 しかし、ムサシのハブネークが猛毒の刃のような尻尾が3匹に襲い掛かる。

 ピカチュウとイーブイは左右に分かれて回避するが、デデンネは避けた勢いでそのまま落ちそうになってしまう。

 

 

「デネエェ〜〜!!!」

 

「ピッ、ピカ!」

 

 

 デデンネの泣き声を聞いて、いち早くピカチュウが駆け出すと落ちそうになる寸前に尻尾の部分に噛み付き、デデンネを掴む。

 そして尻尾を噛んだまま手足に力を入れ、ピカチュウは何とかデデンネを引き上げていく。

 

 

「チャンスよ、ハブネーク!!『かみつく』攻撃で、ピカチュウとデデンネを捕まえちゃいなさい!!!」

 

「ハップップルルルルッ!!!」

 

「ブイッ!?ブイッ!―――エフィ!!」

 

 

 無防備になった所にムサシがハブネークに「かみつく」を指示するが、これにイーブイはただ見てるだけではない。

 瞬時に光に包まれて、光が晴れると今度はたいようポケモンの「エーフィ」へと姿を変える。

 

 

「エェ〜…フィッ!!!」

 

「ハブッ!!?」

 

 

 エーフィはそのまま目を光らせてサイコパワーを解放すると、強い念力を相手に送って攻撃するエスパータイプの代表的な技「サイコキネシス」を発動。

 ピカチュウとデデンネに噛み付こうとしたハブネークは念力に拘束されて宙に停止、少し間を空けて後方に吹っ飛ばされて岩場に叩き付けられた。

 

 

「ハブネーク!?」

 

「プルル…ル……」

 

 

 どくタイプに効果抜群のエスパー技を受けて、ムサシのハブネークもまた倒れる。

 この隙に、ピカチュウはようやくデデンネを引っ張り上げて助け出す事に成功すると、エーフィの姿になっているイーブイと合流した。

 

 

「ピカチュ。ピカピカ、ピカチュー!」

 

「エフィ、エーフィ!」

 

 

 お互い無事である事を確認した後、少しでも遠くへと逃げる為に2匹は再び駆け出して、傾斜のある岩場を登っていく。

 

 

「デネ〜…!デ〜ネネ!」

 

 

 その走って行くピカチュウの背中を、デデンネはキラキラと眼を輝かせて見つめつつ、同じく2匹についていく形で岩場を登って行った。

 攻撃する技が使えるポケモンが倒れてしまい、そう上ターゲットがどんどん離れていくのを目にして、ロケット団側は徐々に焦り出す。

 

 

「マズイ……このままじゃ逃げられちゃうわ!」

 

「ソォーーナンスッ!」

 

「最悪ピカチュウは次の機会でも良いニャ!今1番重要なのは、イーブイの方ニャ!」

 

「マネ、マネマネ」

 

「おっ、どうしたんだマネネ……って、そうか!確かに俺達には、もう1体いたな」

 

「マネ♪」

 

「よ〜しマーイーカ、カモ〜ン!!」

 

 

 まだ攻撃技を覚えてるポケモンが居る事を思い出し、コジロウがもう1つボールを空高く投げると、中から先日仲間に迎え入れたかいてんポケモンの「マーイーカ」が出てきた。

 

 

「マイッカ」

 

「マーイーカ、『たいあたり』だ!!!」

 

「マ〜イ〜…カッ!」

 

 

 コジロウの指示を聞いたマーイーカはそれに従い、ふよふよ浮いた後その身1つで突撃する基本技「たいあたり」でエーフィに攻撃。

 不意を突かれたエーフィは、背後から来るマーイーカの攻撃に対応が遅れてしまい、威力は低くても技を受けてしまう。

 

 

「フィ〜……エフィ!―――リ〜フィ!!」

 

 

 もちろんエーフィもといイーブイはすぐさま反撃に移り、またしても姿を変えると今度はしんりょくポケモンの「リーフィア」の姿になる。

 

 

「マーイーカ、『サイケこうせん』!!!」

 

「マ〜イ〜…カアァァーー!!!」

 

「リィ〜……フィアァァッ!!!!」

 

 

 追い打ちをかけるようにマーイーカはエネルギーを集約して、念波の光線「サイケこうせん」を発射するが、リーフィアも負けじと口から無数の種をマシンガンの如く撃つ「タネマシンガン」で応戦。

 2匹の遠距離攻撃技は空中でぶつかり合い、少しの間だけ押し合いへと発展したもののたちまち爆発を起こし、爆煙と爆風が発生する。

 

 

「デネッ!?デネェェェ〜〜!!」

 

「ピカァ〜!!?」

 

 

 しかしここで、爆発に巻き込まれたピカチュウとデデンネが爆風によって吹っ飛ばされて、岩場から下に流れる川に落ちてしまった。

 強い流れの中2匹はその勢いに飲まれて、流れの速い川にどんどん流されていく。

 

 

「フィ!!―――シャワッ!!」

 

 

 それを見たリーフィアはマーイーカを相手にするのを止め、瞬時にあわはきポケモンの「シャワーズ」へと姿を変えると、岩場から川の中へと飛び降りた。

 水の中に優れたシャワーズは川の流れに飲み込まれる事無く、先に落ちて流れたピカチュウとデデンネを追いかけ泳いでいく。

 

 

「あーーっ!!!3匹とも流れちゃったわよ!!?」

 

「マズイニャ…!シャワーズは水に溶けるポケモンニャ。その能力まで使えたら、もう探し出せないのニャ!」

 

「いや、まだ探せる!こんな時の為に、ゴムボートを用意しているのさ!」

 

 

 川に消えた3匹を追うべく、コジロウは1つのキューブを投げると一瞬でゴムボートが展開されて水上に浮かぶ。

 これで追跡が可能となり、何としてでも捕まえる為にロケット団達はそのゴムボートに乗り込んで、コジロウがオールで漕ぎ追い掛ける。

 

 

 

「待ってろよピカチュウ、デデンネ、そしてイーブイ!今ゲットしてやるからな!」

 

「マネ♪」「マイッカ♪」

 

「ちょっとコジロウ!何このボート、狭すぎるわよ!」

 

「いやしょうがないだろ、急拵えなんだから……」

 

「そんな事より、おミャーらもピカチュウとイーブイが何処へ行ったか探すニャ!」

 

 

 明らかに複数人乗るタイプではない小さめのゴムボートに、ぎゅうぎゅう詰めになって乗りながら3匹を探すロケット団。

 向かって左、右、上、下と彼等はキョロキョロ視線を変えて、隈無く捜索する。

 すると3人から見て右側の岸に、ヘトヘトになりながらも流れに耐えて岸に上がった、ピカチュウとデデンネの姿があった。

 

 

「ピカチュウとデデンネ発見ニャ!」

 

「シャワーズ……いえ、イーブイは何処!?」

 

「とにかくこれはチャンスだ!先にあの2匹だけでもゲ「シャワッ!!」ットして……!?」

 

 

 ピカチュウ達を先に捕まえようと考えたロケット団達であったが、その時ピカチュウやデデンネとは違う鳴き声が聞こえてきた。

 3人はまさかと思ってその鳴き声が聞こえた方向に視線を向けると、其処には水面から顔を出して技の発射準備を整えたシャワーズがいた。

 

 

「「「シャワーズ!!?」」」

 

「シャワアアアァァァァーーーー!!!!」

 

 

 気付いた時には既に遅し、待ち構えていたシャワーズは大量の水流をぶつける「ハイドロポンプ」を放ち、ロケット団達をまとめて吹っ飛ばした。

 

 

「「「やな感じ〜〜!!」」」

 

「ソォォーーナンスッ!」「マ〜ネマネ♪」「マ〜…イッカ〜〜」

 

 

 ロケット団達は成す術無く、そのまま何時も通り空の星となって消えていき、3匹の脅威は去った。

 

 

「……シャワッ!!―――ブイッ!」

 

 

 ようやく一安心が出来るようになり、シャワーズはピカチュウ達と同じく岸に上がると、元のイーブイの姿へと戻った。

 必死に逃げてきたからか3匹とも体力の限界になり、疲れ切っていた。

 特にまだ野生のデデンネにはかなり堪えたらしく、小さい体で無理をしたせいでその場で倒れてしまった。

 

 

「ピカピ!ピーカーチュウ!?」

 

「イブッ!?ブイブイ…!」

 

「デネ…ネ……」

 

 

 一息ついたにも束の間、ピカチュウは安否を確かめようと必死に体を揺らしたりしてデデンネを起こそうとするが、デデンネはぐったりしたまま反応がなかった。

 こんな時に自分達のトレーナーが居らず、イーブイはどうすれば良いか分からないと混乱していたその時、空から3体分のポケモンの声が聞こえてきた。

 

 

「ヤーコヤコー!」

 

「グオオォォーー!!」

 

「ボオオォォーー!!」

 

「ピカ!ピカチュウ!!」

 

 

 それに気付いたピカチュウ達は頭上を向くと、上空にはヤヤコマとリザードンとボーマンダが飛んでおり、ピカチュウ達を見つけて声を掛けてきたのだ。

 ピカチュウはすぐにこれがサトシ達が探しに行かせたのだと理解し、リザードン達に状況を説明してサトシ達を連れてきてほしいと頼んだ。

 それを理解した3体はすぐに行動して、ヤヤコマは目印となるべくピカチュウ達と一緒に留まり、リザードンとボーマンダは自分達のトレーナーを連れてくる為に戻っていく。

 

 2体が飛び去って暫くすると、遂にリザードンとボーマンダは戻ってきて、リザードンの背中にはサトシが、そしてボーマンダの背中にはテルキとシトロンとユリーカを乗せていた。

 リザードンとボーマンダはゆっくり着地すると体を低くして、その後サトシ達が背中から降りるとすぐさまピカチュウ達に駆け寄る。

 

 

「ピカチュウーー!!」

 

「ピカピー!!」

 

「心配したんだぞ、ピカチュウ」

 

「ピカピカ!ピーカチュ!」

 

「大丈夫だったか?イーブイ」

 

「イッブイ、ブイィ…ブイ」

 

「――あっ、デデンネ!!」

 

 

 サトシとテルキは自分の相棒達の安否が確認されて一安心したが、焦った表情でピカチュウとイーブイが指を差した先に視線を向くと、そこでようやく倒れているデデンネに気がついた。

 急いで一同はデデンネの方へと駆け寄り、テルキが一通り怪我の具合や状態を確認する。

 

 

「テルキ、デデンネは大丈夫なの!?」

 

「……外傷は無い。でも酷く体力を消耗していて、かなり衰弱している…」

 

「そんな!?どうすればいいの…?」

 

「ポケモンセンターは!?」

 

「…此処から1番近いのだと、一度来た道を戻るか、それか一気にハクダンシティに行かないと無いな…」

 

「それなら、此処で応急処置をしましょう!電気を足してあげるんです!」

 

「電気を…足す?」

 

「でも、どうやってだ?」

 

「俺が野営で使っているキャンプ用のポータブル電源を使うか?」

 

「ふっふっふ〜ん……僕にお任せ下さい!今こそ、サイエンスが未来を切り開く時!シトロニックギア・オン!

 

 

 眼鏡を光らせたシトロンは、背負っているメカニカルリュックから1つのマシンを取り出した。

 見るからに彼と同じくらいの背丈の大きなマシンで、これもまたシトロンが開発した発明品なのだろう。

 

 

「このような局面を想定したナイスなマシン。その名も『電気発生マシン』っです!!」

 

「おお〜っ!!」

 

「名前そのまんまじゃん……」

 

「まぁまぁ、分かりやすいって事で良いじゃん。それでシトロン、このマシンはどうやって使うんだ?」

 

「よくぞ聞いてくれました!ではこのマシンの概要と使用方法を説明しますね!!」

 

 

 ユリーカの冷やかな視線なんて気にせず、テルキに聞かれたシトロンはそのまま情熱を込めて用意したマシンの説明をする。

 何でもこの「電気発生マシン」は、下敷きを擦って静電気を発生させる原理を応用し、それをマシンに通してより大きな電気エネルギーを生み出す物のようである。

 説明しながらシトロンはデデンネをマシンの下にある球体に寄り掛からせると、マシンの作動準備を完了し側面のレバーに手を掛ける。

 

 

「準備出来ました……では、スイッチオン!!」ガシャッ

 

バキッ!

 

「…今『バキッ』って鳴ったよな?ねぇシトロン、今確実にそのマシンから『バキッ』って聞こえたよな??」

 

「…まぁまぁ見てて下さいよテルキ。ここからですよ」

 

 

 もう既に不安しかないテルキだが、眼鏡を光らせたシトロンがレバーを倒して作動した電気発生マシンは2つの電球部分に挟まれた下敷きを高速で左右に動かし、発生した静電気が増幅されて電気を作っていく。

 そして作られた電気は管を通って球体部分に通電、そこに寄り掛かっているデデンネに送られる。

 

 

「……デネ!」

 

 

 効果が出たのか、失った体力が電気を蓄えた事で回復し、デデンネの眼がパッチリと開いて元気に鳴いた。

 それを見た一同は安堵の表情を浮かべ、これでもう大丈夫だと確信する。

 

 

「あっ、デデンネが目を覚ました!」

 

「やったな!……なぁ、もういいんじゃないか?」

 

「だね。これ以上電気を与えると『帯電症状』になるかもしれないし……シトロン、マシンを止めてくれるか?」

 

「……それが、ですね」

 

「「「…えっ?えぇ〜〜!?!?」」」

 

 

 マシンを止めるようにシトロンに頼んだら、シトロンは額に一汗かきながら申し訳なさそうに折れたレバーを見せた。

 テルキの不安が見事に的中し、状況を理解した残りの3人は折れたレバーを見て絶叫。

 

 

「デデンネ、早く離れて!!」

 

「シトロン!早くマシンを止めるんだ!」

 

「でもこれはどうやれば…!?」

 

「ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!何かマシンが赤くなってきてるって!!」

 

 

 皆が慌てる中、根元からバッキリとレバーが折れたマシンは最早制御不能で、どんどん電気が貯まると高熱を帯びて、先程よりも激しく揺れ動き始める。

そして――、

 

 

ドカーーン!!!!!

 

 

 作った電気が貯めきれずキャパオーバーしたマシンは、接合部等の隙間から黒い煙を勢いよく噴き出すとたちまち爆発を起こした。

 その爆発に驚いて、辺りに生息する野生のポッポやヤヤコマ等の鳥ポケモン達が一斉に木から飛び去る。

 そして爆発が治まって黒煙が晴れると、破片や部品が辺りに飛び散り無残な鉄の塊へと成り果てた電気発生マシンと、その傍でチリチリのアフロ状態になって倒れてる一同の姿。

 

 

「ゲホッゲホッ…!やな予感が的中したか……」

 

「すみません、失敗してしまいました……」

 

「もうお兄ちゃんったら……」

 

 

 予想した不安が的中し、言葉には出さなかったが内心「野営用の電源を貸せば良かった」と思った咳込むテルキと、またしても失敗&爆発のセットなオチに呆れるユリーカ。

 

 

「デネ、デネデネ」

 

「!だけど、デデンネは元気になったみたいだな」

 

 

 だがしかし、機械は壊れたとはいえシトロンの発明品によってデデンネは回復し、警戒心も無く一同に歩み寄ってきた。

 それを見たサトシの言葉に、テルキ達もデデンネの方に目が移る。

 

 

「帯電症状も無さそうだし、結果的にマシンのおかげで助かったみたいだ」

 

「結果良ければ全て良し!」

 

「むう…全くお兄ちゃんってば……。でも良かった、デデンネが元気になって。フフッ♪」

 

 

 デデンネの様子からもう心配がなさそうだとテルキは判断し、自身の発明品が一応役に立った事にシトロンは喜ぶ。

 そんな調子の良い兄に呆れつつも、元気なデデンネを見てユリーカもまた笑顔になる。

 

 

「デネ、デネデネ」

 

「電気を貰ったお礼を言っているんじゃないか?」

 

「お礼なんていいんですよ」

 

「……あっ、お兄ちゃんお兄ちゃん!キープよキープ!!」

 

「っと、そうでした。当初の目的を忘れるところでした」

 

 

 先ほどまで心配が勝ってたので忘れてたが、本来の目的はユリーカのパートナーポケモンのキープの為にデデンネをゲットする事で、それを思い出したシトロンは懐から空のボールを取り出す。

 電気を与えた事で、デデンネは人間であるテルキ達に対して警戒心が無く、絶好の機会だった。

 

 

「ちょっと待ちな!!」

 

「っ!?何だ!?」

 

 

 ところがシトロンが今まさにデデンネをゲットしようとしたその時、上空から以前聞いた事のある声と共に大きな影が差し掛かってきた。

 テルキ達は上を見上げてみると、上空にニャース型のバルーンの形をした気球が飛んでおり、バスケットには先日ミアレシティでガブリアスが暴走した事件の元凶が乗っていた。

 

 

 

「“なんだかんだ!”と聞かれたら!」

 

「答えてあげよう、明日のため!」

 

「フューチャー…白い未来は悪の色」

 

「ユニバース…黒い世界に正義の鉄槌」

 

「我らこの地にその名を記す」

 

「情熱の破壊者、ムサシ!

「暗黒の純情、コジロウ!

「無限の知性、ニャースでニャース!」

 

「「「さあ集え、『ロケット団』の名の下に!!!」」」

 

「ソォォーーナンスッ!」

 

「マーネッネ♪」

 

「マイッカ〜♪」

 

 

 ヒーロー番組的なお決まりなのか、彼等にとっての儀式なのか、何時もの如く長い名乗りの末にまたしても現れた毎度お馴染みロケット団。

 しかも今回は以前活動していた地方(ベストウィッシュVer.)の時の名乗りで、何か強者感の雰囲気を醸し出していた。

 

 

「ロケット団!!お前達の仕業か!!!」

 

「ええそうよ!でもまさかマルチイーブイが、ジャリボーイ3号がゲットしていたなんてね!」

 

「ピカチュウ共々、絶好のゲットチャンスだな!」

 

「大人しく捕まって、サカキ様の下に行くのニャ!」

 

「ブッブイッ…!?」

 

「お前達は…ミアレシティの時の卑怯者!それにマルチイーブイって……どうゆう事だよ!?」

 

「フンッ!アンタは知らないだろうけど、そのイーブイはね……我等ロケット団のポケモンなのよ!」

 

「汎ゆる進化形に何度も進化し、自由に切り替えれるように改造された特別な存在なのさ!」

 

「…ってコラーッ!!!おミャーら何勝手に極秘情報をバラしてるのニャー!!!」

 

「「あっ…」」

 

 

 ……前言撤回、超絶機密情報を容易くテルキ達に教えてしまった辺り、やっぱり何時ものロケット団。

 しかし彼等の言った言葉は非常に衝撃的で、何故テルキのイーブイがそんな途轍もない能力を持っているのか、その理由がはっきりと理解した。

 それも想像以上のかなり残酷な背景に、テルキは頭を打たれたくらいに衝撃が走り言葉を失う。

 

 

「そんな…!?」

 

「テルキのイーブイが…!?」

 

「ロケット団に改造されたポケモンだって…!?」

 

「酷い…!なんでポケモンに酷い事をすんのよ!」

 

「それが我等ロケット団さ!カモ〜ン!マーイーカ!!」

 

「マイッカ!」

 

「プルリル、もう一度いきなさい!!」

 

「プルル〜!」

 

 

 同じく衝撃を受けたサトシ達だが、ロケット団達は決して待ってくれない。

 コジロウはマーイーカを繰り出し、ムサシはピンクのプルリルを出してくる。

 プルリルはピカチュウの電撃を受けたダメージがまだ残っているが、それでもバトル出来る程度には回復したようで、再びボールから出て戦闘態勢に入る。

 

 

「ブイィ…!」

 

「大丈夫だイーブイ。あんな奴等なんかに…お前を絶対に渡すか!!!総力戦で叩き潰s「ブイ!」って、どうしたんだイーブイ?」

 

「ブイ!ブッブイ!!」

 

 

 過去はどうあれ今はテルキの大切なポケモン故に、ロケット団に渡す気はないテルキはイーブイを守るべく他の手持ち全てを出そうとしたが、その前に、イーブイが前に出た。

 その瞳には闘志が宿っており、テルキからしたら珍しくやる気のある印象を感じた。

 

 

「そうか……戦う気なんだな?分かったイーブイ、あんな奴等に遠慮は要らない。技も能力も解除して、全力でいけ!」

 

「ブイ!」

 

「ッ!デネ、デネネ!」

 

「あっ、デデンネ……“任せろ”と言うのですね!やられっぱなしは悔しいですものね」

 

「デネ!」

 

 

 イーブイに続いてデデンネも勇ましく前に出て、ロケット団に立ち向かう意を見せる。

 それに対してシトロンは応え、共に立ち向かう事を決意すると早速デデンネに指示を出した。

 

 

「よ〜し、行きますよデデンネ、『たいあたり』です!」

 

「いくぞイーブイ、リーフィアになって『タネマシンガン』発射!!!」

 

「デネネネネェェェーー!!!」

 

「ブイッ!――リィ〜……フィアァァッ!!!!」

 

「マーイーカ、『イカサマ』だ!!!」

 

「カッカッカッ、マイッカ!!」

 

「プルリル、『バブルこうせん』!!!」

 

「プ〜ルルルルルルゥゥゥゥーーー!!!」

 

 

 こうして始まった、テルキ&シトロンVSロケット団のタッグバトル。

 マーイーカは伸縮自在の白い手で、その身1つで突撃したデデンネを絡め取り、その威力を利用して攻撃する「イカサマ」で地面に投げ飛ばす。

 その横で、プルリルの「バブルこうせん」とイーブイが変身したリーフィアの「タネマシンガン」が激突し、空中で技と技が相殺される。

 

 

「マーイーカ、『サイケこうせん』!!!」

 

「マ〜イ〜…カアァァーー!!!」

 

「プルリル、『サイコキネシス』よ!!!」

 

「プルッ!!!」

 

 

 マーイーカは念波の光線でデデンネを追撃し、プルリルも怯まず続けて強い念力をリーフィアに送って攻撃する。

 しかしここで簡単に攻撃を受けるデデンネとリーフィアではなく、飛んできたシトロンとテルキの声に傾ける。

 

 

「デデンネ、躱してもう一度『たいあたり』です!!!」

 

「イーブイ、ブラッキーになって『あくのはどう』!!!」

 

「デネッ!ネネネェェェーーー!!!」

 

「フィ!!―――ブラッ!!」

 

 

 2人の指示に従って、デデンネは右へ左へと素早い動きで迫りくる「サイケこうせん」を躱すと、再び「たいあたり」でマーイーカに突撃して見事にクリーンヒット。

 そしてイーブイはブラッキーになった事であくタイプになり、プルリルが放ったエスパー技が無効化されたその隙に、口から「あくのはどう」を放つ。

 

 

「マ、マイッ…」

 

「プルゥ〜…」

 

 

 まだゲットしたてでレベルの低いマーイーカは技を受けてふらつき、まだダメージが残っているプルリルも暗黒の波動を受けて、徐々に戦う力が無くなっていく。

 その隙をシトロンは逃さず、素早くデデンネに次の指示を飛ばした。

 

 

「いいですよ!次は『ほっぺすりすり』です!!!」

 

「ネエェェェ……デネネネネッ!!!」

 

 

 マーイーカがふらついてる隙に、デデンネはほっぺを手でくしくし擦って電気を溜め、そのまま電撃と共にマーイーカにすりすりと擦りつけてダメージを与えた。

 その攻撃を受けたマーイーカは、技の追加効果によりビリビリと痺れて麻痺状態となり、更に動きが鈍くなる。

 

 

「なんて可愛い技なの♡ますます気に入っちゃった!」

 

「あの技には、攻撃した相手を必ず痺れさせる追加効果があります!」

 

「…少し補足すると、厳密にはでんき技による麻痺と同様、じめんタイプやでんきタイプ、それと特性『りんぷん』のポケモンには通用しないけど、それ以外には確実に痺れさせる技なんだ」

 

「へぇ~、やるなぁ!デデンネ!」

 

 

 小さい体でありながら割とバトルでも活躍する上に、可愛いらしい技を持っているのを見たユリーカははしゃぐ。

 最早ムサシのプルリルもコジロウのマーイーカも戦闘続行は無理に等しく、止めの一撃を与える為に全員位置についた。

 

 

「皆、出てこい!!」

 

「ゴウカ!!」「ドダァ!!」「ダアァイ!!」「レトウッ!!」「ボオオォォォーー!!」

 

「ゴウカザル、『オーバーヒート』!!!ドダイトス、『リーフストーム』!!!ダイケンキ、『ハイドロポンプ』!!!レントラー、『かみなり』!!!ボーマンダ、『りゅうせいぐん』!!!」

 

「ガアアァァーーーッ!!!!」「ドオォォォダアァッ!!!!」「ダアァァァァーーー!!!!」「レエェトオォーーー!!!!」「ボオオォォォダアァァァァーー!!!!」

 

 

 ロケット団を許さないテルキは5つのモンスターボールを投げて、自慢の手持ちポケモン全て出すとそれぞれの大技を指示。

ゴウカザルはフルパワーの特大火炎を、ドダイトスは木の葉の嵐を、ヒスイダイケンキは大量の水流を、レントラーは強力な電撃を、ボーマンダは龍エネルギーの流星を、それぞれ同時に発射する。

 

 

「そしてイーブイ、サンダースになって『かみなり』!!!」

 

「ブラッ!!―――サンンン…ダアァァァァーーー!!!!」

 

「よーし!ピカチュウ、『10まんボルト』だ!!!」

 

「デデンネ、『でんきショック』です!」

 

「ピッカアァァ…ヂュウウゥゥゥゥゥゥーーーー!!!!」

 

「ネェェェ…デネェェェーーー!!!!」

 

 

 ブラッキーからサンダースに姿を切り替えると、ピカチュウとデデンネと合わせてトリプル電撃アタックを放つ。

 3匹の特大電撃パワーの前にマーイーカとプルリルは吹っ飛ばされただけでなく、そのまま2匹はロケット団の気球にぶつかる。

 其処へ更にゴウカザル達の大技一斉発射で、乗っている気球に直撃すると爆発を起こして遠い空の彼方へ飛んでいった。

 

 

「はぁ~……やっぱりこうなるかぁ〜……」

 

「こんなのサカキ様にどう報告すれば良いのよ〜!!」

 

「まだ諦めるのは早いニャ!あのジャリボーイ3号がイーブイを持っている事は、これからもピカチュウと一緒にゲット出来るチャンスがある事ニャ!」

 

「「おお〜っ!!」」

 

「そう考えれば――!」

 

「何だかとっても――!」

 

「「「良い感じ〜〜!!」」」

 

「ソォォーーナンスッ!」「マ〜ネ〜♪」「マッイッカ〜〜」「プ〜ルルゥ〜」

 

 

 作戦には失敗したものの、これからもまだチャンスがあると分かったロケット団達は、ポジティブな感じのままお約束の空の星となって消えていった。

 こうしてロケット団の脅威が去り、ポケモン達を守る事が出来た一同は喜ぶ。

 

 

「イーブイ、良くやったな!」

 

「ブイ♪」

 

「今まで気付いてあげれなくてごめんな……。過去はどうであれ、これまで通りお前は…俺のポケモンだ。これからも一緒にいような」

 

「ブイ…!イッブイ♪」

 

 

 そしてテルキは他の手持ちをボールに戻すと、サンダースから元に戻って駆け寄ってきたイーブイを優しく抱き上げ、丁寧に頭を撫でる。

 悪党が生み出したとはいえイーブイに罪は無く、どのような存在だろうとテルキはイーブイを手放すつもりはない。

 寧ろ今回でイーブイの事を知れたからこそ、より一層ロケット団のような奴等に渡ってはいけないと、テルキは改めて決意する事が出来た。

 「これからもよろしく」と言葉を交わし、少し絆が深まったテルキとイーブイ。

 

 

「…今回は頑張ってくれたからな。特別にプラターヌ博士の研究所に泊まった時、夜中こっそりおやつを盗み食いしてた事は大目に見てやる」

 

「イブッ!?!?」

 

「俺が気付いてないと思ったか!」

 

 

 ……尚、おやつをこっそり盗み食いしてた事はとっくにバレていたらしく、近々ちょいキツめのトレーニングをさせようと考えてたのは別の話。

 テルキとイーブイがより仲良くなれたその横で、嬉しそうに一同の周りを走り回っていたデデンネは、少してピカチュウの前に立つと自身の同行を電気を送って伝えた。

 

 

「デーネネ!」

 

「ピカピーカ、ピーカーチュ!」

 

「デデンネが一緒に行きたいって?」

 

「えっ、ホント!?やったぁ!!一緒に行こうよデデンネ!絶対に楽しいよ!そうしよ、ね!」

 

 

 サトシがその事を教えてやるとユリーカが大はしゃぎで喜び、近寄って一緒に行くように言うとデデンネの瞳は期待の籠った瞳で見つめていた。

 他の3人も反対な意見は無く、ユリーカは兄のシトロンに早速ゲットするように頼んだ。

 

 

「お兄ちゃん!」

 

「うん!行きますよ。モンスターボール!」

 

 

 決意したシトロンがデデンネに向けて、空のモンスターボールを投げる。

 ボールはデデンネの額に当たって少し弾むと開き、デデンネは光になって吸い込まれる。

 そして閉じたボールが数回ほど揺れた後に、「カチッ!」と音を鳴らして止まった。

 

 

「はい!デデンネ、ゲット!そしてユリーカのキープです!!」

 

「ありがとう!!お兄ちゃん!!」

 

 

 遂にデデンネをゲットして、将来ユリーカのパートナーとなるポケモンをキープする事が出来た。

 今はまだシトロンの預かりという事にはなるが、ユリーカが10歳になった時、正式に彼女のパートナーとなる。

 ゲットできたのを確認した後、デデンネをボールから出してユリーカに渡す。

 

 

「デデンネ、出できて下さい!」

 

「デネ!」

 

「デデンネ〜!!!」

 

 

 飛びついてきた将来のパートナーを、ユリーカは受け止めて優しく抱きしめる。

 

 

「あたしユリーカ。これからよろしくね、デデンネ!」

 

「デネ」

 

「それと…お兄ちゃんのシトロン!」

 

「どうも」

 

「ピカチュウとサトシ!」

 

「ピーカ」

 

「よろしくな!」

 

「そしてイーブイとテルキ!」

 

「ブイ」

 

「よろしくデデンネ」

 

 

 またユリーカは一緒に旅をする仲間達を、改めてデデンネに紹介する。

 紹介し終えると、バトルで汚れたデデンネの体をハンカチで拭いてお世話を始めた。

 そして小さい体を丁寧に拭いていくと、ここで尻尾を撫でると喜ぶ事に気付いた。

 

 

「デネ〜♪」

 

「あっ!ねぇねぇ、デデンネも尻尾を撫でられると嬉しいみたい!」

 

「それは知りませんでした」

 

「ピカチュウと同じだな」

 

「まぁ同じでんきタイプだから、似通うのかもな」

 

「えへへ、可愛い〜♡ほっぺすりすり(・・・・・・・)…」

 

「デネ!デネェェェーーー!!!」

 

あばばばばばばばばばばばばばばばばば!?!?

 

 

 ピカチュウに似て可愛いと思ったユリーカは、デデンネと頬を合わせて擦り寄る。

 しかし、それを技だと勘違いしたデデンネはユリーカに「ほっぺすりすり」を繰り出してしまい、案の定ビリビリに痺れてしまった。

 

 

「シビレビレ……ん、あれ…?」

 

「スー……スー……スー……」

 

 

 体が痺れてパチパチする中、いつの間にかデデンネはユリーカの手の中で丸くなり、そのまま眠ってしまった。

 どうやら疲れてしまったようで、眠ってしまったデデンネは規則正しいリズムで寝息を取る。

 

 

「デデンネは『眠りネズミ』とも呼ばれてるんですよ」

 

「小さい体だから、こうやって必要以上のエネルギー消耗を抑えてるんだ」

 

「省エネってやつか!」

 

「へぇ~、じゃあ…ここにおねんねしてね」

 

 

 ユリーカは手の中で眠ってしまったデデンネを、優しく自分のポシェットに入れて寝かせてあげる。

 まだトレーナーではないが、ポシェットの中で眠るデデンネを見て「ポケモンを連れて歩く」という夢が叶った瞬間に、年相応にテンションが上がっていた。

 

 

「さぁ、出発だ」

 

「旅を続けましょう」

 

「ハクダンシティまではもう遠くないはずだ。もう少し頑張ろう」

 

「お〜っ!!!」

 

「「「シ〜ッ…!!」」」

 

「あっ、シ〜…!」

 

 

 デデンネを起こさぬように注意しながら、仲間が増えた一同は改めてハクダンシティに向けて歩き出す。

 カロス地方を旅する彼等の冒険は、まだまだ続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、日が沈み夕焼けに空が染まっていく時刻にて、同じく4番道路の森の中を歩く新人トレーナーの少女が1人。

 その腕の中には、プラターヌ博士から貰ったばかりの初心者用ポケモンのフォッコを抱えていた。

 

 

「はぁ~…最悪。こんな山の奥で、日が暮れてきちゃうなんて……」

 

「フォッコ…?」

 

 

 とある目的でトレーナーになったセレナは、ポケモンを貰って旅に出たは良いものの、辺りは暗くなり始めた事にどんどん心細くて仕方がなかった。

 そんな彼女の心情を知らず、パートナーになったばかりのフォッコは首を傾げる。

 

 

「も、もしかして今日は、此処で野宿ってこと?!」

 

 

 不安になるセレナは、今考えられる最悪の事態を想像してしまう。

 試しにふと視線を傍の草むらへと移して覗いて見れば、野性のむしポケモン達―――ムカデポケモンの「フシデ」を目にして、一気に血の気が引いていく。

 

 

「うぅ……それは、キツイわねぇ……」

 

「フォ〜」

 

 

 冒険初心者のセレナにとってはそれだけで、ちょっとどころでない程に刺激が強い。

 見なきゃ良かったと後悔し、旅に出たばかりだというのに既に自分の部屋のベッドが恋しくなる。

 

 

「ポケモンセンターがあれば、其処に泊まれるはずなんだけど……何処にあるのか分からないし……」

 

 

 出掛ける際に一応事前に調べてはいたのだが、それはほぼ基本中の基本のニワカ情報のみ。

 もっときちんと情報を集めて出れば良かったと後悔の念が襲うが、だからといって今更後戻りなんてする選択肢は彼女の中に無い。

 サトシに会えるかもしれない―――プラターヌ博士から彼はジム戦の為にハクダンシティへと向かったと聞いてから、ただそれだけの思いで居ても立っても居られず足を前へと進めてきたのだ。

 しかし無情な現実がセレナに突き刺さり、刻々と時間が過ぎて焦り出す。

 どうしようかとフォッコを抱く力を強まる中、ふと少し離れた視線の木陰に人影らしきものに気が付いた。

 

 

「あっ、あの人に聞いてみよう!すみませーん!この辺に、ポケモンセンターがあるか知りませんかー?」

 

 

 人と思われる者が見えて、これで野宿は免れるかもしれないと内心喜ぶセレナは心を軽くした。

 完全に1人きりではない事に安堵し、足取りも軽くなってその者に明るい声で声を掛けれて近付く。

 

 

「……ビイィ?ビイィクゥッ!!?」

 

「えっ!?うっ、うわぁぁ!!!」

 

 

 しかし振り返った人影と思われた者は人間ではなく、はちのすポケモンの「ビークイン」であった。

 突然の事にどちらも驚いて、セレナは悲鳴を上げてその場に尻餅をついてしまう。

 驚いていたのは向こうも同じで、穏やかでなさそうなビークインは咄嗟に「こうげきしれい」を繰り出してセレナに襲い掛かる。

 

 

「ッ――!!!」

 

「フォ、フォッコ!フォォォォ…コォォォッ!!!」

 

 

 突然の野生のポケモンとの遭遇に頭の中は真っ白になり、迫りくる攻撃に身構えたセレナだったが、その時セレナの腕の中に居たフォッコが前に出て戦闘を開始。

 トレーナーを守るべく口から初期のほのお技「ひのこ」を吐き、ビークインの「こうげきしれい」とぶつかって爆発させる事で相殺した。

 

 

「ビイィッ!?ビイィィクゥゥ〜〜!!!」

 

 

 フォッコが放ったほのお技にビークインは更に驚いて、堪らずそのままビークインは逃げ出し森の奥へと消えていった。

 道に残されたのは、尻餅をついたまま放心状態になっているセレナと、そんな彼女の落とした帽子を拾ってトレーナーに返すフォッコのみ。

 

 

「フォッフォ〜」

 

「あっ…ありがとう、フォッコ。助かったわぁ!」

 

「フォッコ♪」

 

 

 助けてくれた上に帽子まで拾ってくれたフォッコに、セレナは心から御礼を言う。

 貰ったばかりとはいえ、きちんと新人トレーナーの危機にも対処してくれるあたり、流石はプラターヌ博士が用意した新人用ポケモンでよく躾られている。

 

 

「どうかしましたかーー!!?」

 

「プクーー!!」

 

「あっ、ジョーイさん!」

 

 

 その時、来た道の方向から人とポケモンの声が聞こえてきたのでセレナとフォッコは振り向くと、ジョーイとプクリンが走ってきた。

 ジョーイ達の姿が見えたセレナは安心して、帽子を被り直すと体を起こして立ち上がって対面。

 

 

「ちょっと野生のポケモンにビックリしてしまって…」

 

「そうでしたか。お怪我は有りませんか?」

 

「はい。……あっ!もしかしてこの近くに、ポケモンセンターってあります?」

 

「ええ。この先、もうすぐですよ」

 

「良かった〜……」

 

 

 ジョーイの話から場所を聞いて、ポケモンセンターはすぐ近くに建ってあるらしく、それを聞いたセレナは安心し切った表情になる。

 今度こそ野宿になる心配が消え去り、セレナはしゃがんでポケモンセンターに泊まる事になるとフォッコに伝える。

 

 

「フォッコ、今日はポケモンセンターでお泊まりよ」

 

「フォッコ!」

 

「フフッ♪それじゃあポケモンセンターまで、競争よ!!」

 

「フォッコー♪」

 

 

 初めてのお泊りにテンションを上げつつ、セレナとフォッコはポケモンセンターへと向かって走る。

 そして彼女達は無事ポケモンセンターへと到着すると、その日は共に部屋のベットで眠りについた。

 

 セレナ達が先にハクダンシティへと向かうサトシ達と出会うのは、もう少し後の話である。

 

 

 

《TO BE CONTINUED》

 

 ここまでの冒険を、ポケモンレポートにしっかり書き残した!▼

 




●ジャリボーイ3号=テルキ

サトシ=ジャリボーイ
セレナ=ジャリガール
シトロン=ジャリメガネ(or発明ジャリボーイ)
ユリーカ=子ジャリガール(orリトルジャリガール)
テルキ=ジャリボーイ3号【NEW】



●改造ロケット団ポケモン「マルチイーブイ」

 ロケット団が改造したとされるイーブイ。その能力は現在確認される全てのイーブイの進化形(シャワーズ、サンダース、ブースター、エーフィ、ブラッキー、リーフィア、グレイシア、ニンフィア)に自由に進化出来る上に自由に切り替えれるという、バトルのルールが破綻するとんでもチート能力。
 しかし特性までは変わず、進化前の時のイーブイと同様「てきおうりょく」のままである…………それはそれで使い勝手の良い超火力アタッカーではあるが。

 元ネタは勿論「ポケスペに登場するレッドのブイ」で能力もほぼ同じだが、技も進化先も更に幅広いモノになっている。
 また他にもブイと違う点は幾つか有り、1つ目は耳に小さな機械は埋め込まれておらず、その為イーブイ自身で判断して進化先を切り替える必要がある。
 2つ目にブイはその能力故に体に大きな負担が掛かり寿命を削るデメリットはあるが、テルキのイーブイには負担が無くきちんとコントロールが出来る模様。
 そして3つ目にレッドのブイは最終的にエーフィに懐き進化した事で能力は失われたが、テルキのイーブイはそもそも通常進化が出来ない。

 そんなとんでもポケモンをロケット団が生み出したなんて、この小説の読者の皆様はいささか信じられないと思いますでしょう。
 ……ところが厳密には“ロケット団自体が改造して生み出したポケモンではない”(関わってはいるけど)







その正体は……






 劇場版「ミュウツーの逆襲」や「我ハココニ在リ」に登場した「逆襲版ミュウツー」と同じ研究所で生み出された個体で、フジ博士がミュウツー開発の一環にミュウの一部の遺伝子を加えて生み出された特殊なコピーポケモン。通称「イーブイツー」
 この能力もいわば、ミュウの「へんしん」と元のイーブイの多様の進化が合わさってフォルムチェンジに近い能力となったもので、コピーニドクインが子供を産んだのと同じく元のポケモンと生体が違う。

 劇場版の冒頭ミュウツーの力で研究所を破壊された後に、サカキによってミュウツー共々ロケット団によって回収され、しばらくの間は研究対象にされていた。
 しかしトキワシティにて、ミュウツーが脱走したその混乱の隙にイーブイもまた脱走し、暫く各地を転々した後に当時スズラン大会に向けて修行中だったテルキと出会い、彼のパートナーになる。
 その後ミュウツーに関する記憶が消された時にイーブイに関する記憶もまた一部欠如し、その穴埋めをするように「ロケット団が改造したポケモン」という認識改変が起きた。

 それ故にテルキの手持ちになった当初は人間に対して酷く怯えていたが、テルキが時間を掛けて慣らした事で現在は初対面相手に少し怯える程度に治まる。
 食い意地が張っているのも、ロケット団に居た頃はあまり食事を取れなかったのが原因。

 因みにだが、逆襲版ミュウツーとイーブイツーはお互い面識は無く、何方も存在を知らない(その為イーブイ関連の記憶だけ完全に消えなかった)。

 テルキは「イーブイツー」という存在である事は知らないが、少なくとも普通ではない事は流石に分かるので、公式戦ではその能力を使わない事にしている。
 せめて進化せずとも、イーブイの姿のままそれぞれ進化先の能力を、技として使える方法がもしあったら……(すっとぼけ)





 次回から話は原作の第5話、第6話、第7話の3話分は大事なジムリーダー戦とセレナとの合流回でもあるので、私としてもじっくり描きたく、投稿が遅くなる可能性があります。

サトシがゲットしたヤヤコマは原作アニメだと通常特性「はとむね→ほのおのからだ」ですが、リザードンとの差別化の為に隠れ特性「はやてのつばさ」に改変しても良いですか?(締切は2026年7月31日)

  • はやてのつばさ(第6世代仕様)にする
  • はやてのつばさ(第7世代以降)にする
  • 改変せず通常特性のまま
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